確定申告の医療費控除の対象は?いつまで?|やり方と計算方法も解説のサムネイル画像

医療費控除はよく聞くけど何が対象なの?確定申告をしなければいけないの?期間に決まりはあるの?と多くの人が疑問に感じる事項について解説しています。また、まだまだ新しいセルフメディケーション税制についても解説している記事です。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

医療費控除とは?仕組みをわかりやすく解説

医療費控除は、医療費を支払った人がその金額を所得から差し引いて、税金を節約できる仕組みです。つまり、支払った医療費の一部が税金から免除されるということです。この制度は、高額な医療費を負担する人々の負担を軽くし、医療費負担の公平性を促進するために設けられています。


この制度は、医療費がかかる方々にとって大きな支援となります。特に、高額な治療や入院を経験した方や、持病を抱える方にとっては、節税だけでなく経済的な負担軽減の面でも大きな助けとなるでしょう。


医療費控除は、確定申告をすることで多く支払っている所得税、住民税の還付を受けることができます。確定申告時には、医療費の明細書や領収書を提出して申請します。


確定申告となると難しいのかな…面倒かも…と思う方もいるかもしれませんが、手順や正しい方法さえ知ってしまえば難しいことはありません。


ここから詳しく解説していきますので、医療費控除についてマスターしていきましょう!

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医療費控除の要件

医療費控除を受けるには2つの要件を満たす必要があります。


  1. 納税者が、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。 
  2. その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること(未払いの医療費は、現実に支払った年の医療費控除の対象となります。)

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)より引用


まず、支払った医療費が納税者自身や自己と生計を一にする配偶者、その他の親族のために支払われたものである必要があります。


次に、支払った医療費は、その年の1月1日から12月31日までの間に支払われたものである必要があります。未払いの医療費は、実際に支払った年の医療費控除の対象となります。つまり、支払いを繰り越すことはできません。


医療費控除の対象となる金額については、健康保険組合から毎年2月ごろになると「医療費のお知らせ」という通知が配布されます。


この通知を見れば、医療費控除の対象になる金額がどれくらいかがわかります。この金額をもとに、確定申告時に医療費控除を申請することができます。

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医療費控除の申告期限

医療費控除の申告期限は、原則として所得税の確定申告期限に準じます。一般的には、所得税の確定申告は、対象期間の翌年の2月16日から3月15日までが期限となっています。


例えば、2023年1月1日から2023年12月31日までに支払った医療費控除については、2024年2月16日から2024年3月15日までに申告する必要があります。


ただし、医療費控除は過去5年間にさかのぼって申告することが可能です。つまり、2023年の医療費については、2028年の3月15日まで申告することができます。その場合も、その医療費がかかったことが確認できる明細を作成しなければなりませんので、過去の支払いがわかるものが必要です。


医療費控除の申告期限を過ぎると、その年の医療費に対する控除は受けられなくなるため、期限を過ぎないように注意するようにしましょう。


また、申告期限までに必要な書類を準備し、手続きを行うことが重要です。期限を確認し、計画的に申告手続きを進めることで、スムーズに医療費控除を受けることができます。

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医療費控除の対象となる医療費は?一覧で解説

医療費控除は、1年間に実際に負担した医療費から「10万円または年間所得金額の5%ののうち、いずれか少ない額」を引いた金額です。


何でも医療費となるということではないのが注意点ですが、医療費控除の対象になる医療費とはどのようなものが当てはまるのでしょうか。医療費控除の対象になるものは何なのかをしっかり把握しておくことが重要です。


以下は医療費控除と対象になるものを一覧でまとめました。基本的には医師の診察や処方された薬、入院費用、手術費用、歯科治療費用などが、医療費控除の対象になります。


ここから医療費控除の対象になるものについて、詳しく解説していきたいと思います。

治療・診療・療養にかかった費用

医療費控除の対象となる費用は、主に治療や診療、療養に関連するものです。具体的には、以下が挙げられます。

  • 病院や診療所での診察や治療にかかった費用
  • 入院や手術に伴う費用(食事の費用も含む)
  • 健康診断の結果に基づき、医師の指示で受けた検査や治療の費用
  • 医療品の購入費用  
  • 特定の疾病や障害に対する治療やリハビリテーションの費用など

ただし、これらの費用に対して、生命保険や損害保険などで支払われる給付金や保険がある場合は、支払った医療費からその給付金を差し引いた金額が医療費控除の対象となります

生命保険や損害保険の契約内容によっては、支払われる給付金が医療費控除の対象外となる場合もあるため、契約書をよく確認することが重要です。

出産にかかった費用

出産にかかる費用は、医療費控除の対象となります。具体的には、以下の費用が医療費控除の対象になります。


  • 出産時の入院費用
  • 切迫早産や妊娠悪阻などの医師が認めた入院費用
  • 妊娠が確定してからの定期検診や検査、通院費用
  • 出産に伴う入院時の交通費(※1※2)
  • 入院中に病院から提供される食事代(※3)  など


※1 電車やバスなどの通常の交通手段が困難な場合に限り、タクシー代が医療費控除の対象となります。

※2 実家での出産に伴う帰省交通費は控除の対象外です。

※3 他からの出前や外食にかかる費用は控除の対象外となります。


通院費用には領収書がない場合もありますが、家計簿などで実際にかかった費用を明確に記録しておくことでかかった費用に含めることができますのでしっかりと管理することが重要です。

歯の治療にかかった費用

歯の治療にかかる費用も医療費控除の対象となります。歯科医療にかかる費用は、診療や治療に関連するものであれば対象となります。具体的には、以下のとおりです。


  • 虫歯治療や歯周病治療
  • 入れ歯
  • 子供の矯正治療にかかる費用
  • インプラント など


インプラントなど歯の治療は高額になることが多いので、医療費控除の対象になると節税効果も高くメリットが大きくなるでしょう。。


ただし、ホワイトニングや美容目的での歯の矯正などは控除の対象外となりますので、注意が必要です。これらの費用は、医療的な必要性が認められない場合には医療費控除の対象外となります。


医療費控除を受ける際には、支払った費用が対象となるかどうかを事前に確認することが重要です。

交通費を含む通院にかかった費用

医療費控除の対象となる医療費には、通院にかかる交通費も含まれます。具体的には、病院や診療所への通院に使用したバスや電車などの公共交通機関の運賃の費用が対象となります。 ただし、交通費を控除する際にはいくつかの条件があります。


まず、医療機関への通院であることが必要です。また、通院の目的は治療や診療、療養である必要があります。また、タクシーを利用した場合の費用が医療費控除の対象になる場合については、緊急時や深夜など公共交通機関が使用できないやむを得ない事情があるときのみに認められています。


つまり、バスや電車で安価に行けるのに、特別な理由なくタクシーで通院する場合のタクシー代は控除の対象外となります。


通院にかかる交通費を申告する際には、これらの条件をしっかりと確認し、申告するようにしましょう。

医療器具や医薬品にかかった費用

医療費控除の対象となる費用には、医療器具や医薬品にかかる費用も含まれます。具体的には、医師の処方に基づく医薬品や医療機器、療養のための特別な器具にかかる費用が対象となります。 


医療器具や医薬品にかかる費用は、医師の処方箋に基づくものである必要があります。自己判断で購入した医薬品や健康食品、健康器具にかかる費用は対象外となりますので、注意が必要です。


また、一部の医療機関では、処方箋が必要ない医療器具や医薬品もありますが、これらも医療費控除の対象となります。医師や薬剤師に相談して、控除の対象となるかどうかを確認することが重要です。


控除の対象となる費用は、治療や療養に必要なものに限られるため、適切な使い方を心がけましょう。

その他

医療費控除の対象となる費用には、以下のようなものも含まれます。


  • 自家用車で通院した場合のガソリン代、駐車場代
  • 親族に支払う付添料
  • 医師等の謝礼
  • 介護保険料
  • 会社や保険会社に提出する診断書代


これらの費用も医療費控除の対象になります。ただし、これらの費用が控除の対象となるには、いくつかの条件がありますので、詳細は厚生労働省のホームページや税務署に相談することをおすすめします。


また、これらの費用を控除する際には、明細書や領収書などの証拠書類が必要となりますので、大切に保管しておきましょう。


確定申告時の医療費の明細を作成する際に、領収書の提出は不要となりましたが、税務署から確認のために提出を求められる場合もありますので保管は必要です。


医療費控除は節税のための重要な手段の一つですので、正確な情報を提出することが大切です。

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医療費控除の対象にならない医療費は?一覧で解説

ここからは医療費控除の対象にならないものについて解説していきたいと思います。


医療費控除の対象にならないものを一覧にしました。

医療費控除の対象外の医療費は基本的に医師の処方に基づかないものというところが多いです。これらの医療費は、医学的な必要性が認められないため、医療費控除の対象外となります。


間違ってこれらの費用を申告してしまうと、税務署からの指摘や追徴課税の対象となる可能性がありますので、注意が必要です。


医療費控除は、医療費負担の軽減を目的とした制度ですが、対象外の医療費を申告してしまうことは避けるべきです。正確な情報をもとに、適切な医療費を申告することが重要です。間違ったものを申告しないよう確認していきましょう。

美容目的の整形手術にかかった費用

美容整形や美容目的の整形手術にかかる費用は、一般的には医療費控除の対象外とされています。

  • 二重まぶたの手術
  • 鼻の整形
  • 豊胸手術 など

二重まぶたの手術や鼻の整形、豊胸手術などは、その目的が美容であるため、控除の対象外となります。


ただし、形成外科や皮膚科で行う整形手術でも、医師の判断によって治療的な必要性がある場合には、医療費控除の対象となることがあります


例えば、事故や疾病による傷跡の修復や、機能改善のための手術は、医療費として認められることがあります。


したがって、美容整形にかかる費用が医療費控除の対象となるかどうかは、その手術の目的や必要性によって異なります。詳細は専門家に相談することをおすすめします。

健康診断にかかった費用

健康診断や人間ドックにかかる費用は、一般的に医療費控除の対象外とされています。これらの検査は、病気や怪我の治療を目的とするものではなく、むしろ健康状態を確認し、将来の疾病の早期発見や予防を目的として行われます。


健康診断や人間ドックの費用は、自己負担や会社負担などで支払われることが一般的ですが、これらは医療費として認められません。


ただし、健康診断や人間ドックの結果に基づき医師の指示で追加の検査や治療を受ける必要が生じた場合、その費用は医療費控除の対象となます。


それは病気の疑いがあるため、医師の判断で検査や、治療が必要であると判断されて発生した医療費であるからです。民間の医療保険でも人間ドックなどで入院しても給付金の支払いの対象にならなので同じ考え方であると言えるでしょう。

予防接種にかかった費用

一般的な予防接種にかかる費用は、医療費控除の対象外となります。予防接種は、病気を予防するためのものであり、治療や診療とは異なるためです。 


そのためインフルエンザワクチンの予防接種やコロナウィルスのワクチン接種などは医療費控除の対象外になるので注意しましょう。


予防接種自体は、医療費控除の対象外とはなりますが、セルフメディケーション税制の適用を受ける場合の“健康の保持増進及び疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っている”要件としては、インフルエンザワクチンの予防接種を受けていることが挙げられています。


セルフメディケーション税制の適用を考えている場合は有用ですが、医療費控除と混同しないよう注意しましょう。

健康サプリメントの購入にかかった費用

健康サプリメントの購入にかかった費用は、一般的に医療費控除の対象外とされます。健康サプリメントは、病気や怪我の治療や予防を目的とするものではなく、健康維持や栄養補給を目的とするものであるためです。


したがって、健康サプリメントの購入費用は、医療費控除の対象とはなりません。健康サプリメントの購入にかかる費用を控除したい場合は、その費用が医療目的であることを証明する必要がありますが、一般的には難しいです。


医療費控除の対象にサプリメントの購入費用を申告するのは難しいですが、セルフメディケーション税制の適用であれば、対象となるビタミン剤や栄養ドリンクなど複数あります。


どのようなものが対象化は厚生労働省のホームページに記載されていますので、気になる方はご確認ください。厚生労働省ホームページ「セルフメディケーション税制対象品目一覧

コンタクトレンズやメガネの購入にかかった費用

コンタクトレンズやメガネの購入にかかった費用は、医療費控除の対象外とされます。これらは視力矯正のためのアイテムであり、一般的には医療行為とはみなされません。


ただし、視力矯正のための手術(例:レーシック)にかかる費用は医療費控除の対象となります。医療費控除を受けるためには、購入に関する領収書や診断書などの証明書類を保管しておくことが重要です。


コンタクトレンズやメガネの購入費用は、生活の一部としての視力補正を目的としているため、医療行為とは異なります。しかし、視力矯正手術は医療行為に該当し、その費用は医療費控除の対象となります。


視力矯正に関する費用の控除には条件がありますので、確定申告の際には詳細を確認することが重要です。

その他

その他、医療費控除の対象外となる医療費として以下のものがあります。 -


  • 整骨院やマッサージ院などの施術費用
  • スポーツクラブやフィットネスジムの会費
  • 福祉施設の利用費用
  • 健康増進のための食品や健康器具の購入費用
  • 医療費控除の範囲外となる海外での治療費用
  • 老齢で耳が遠くなったので買った補聴器代
  • 個室の差額ベット代(医師の指示によるものを除く)
  • 入院中のテレビ代・衣服のクリーニング代


医療費控除の対象外となる費用は、生活や健康の維持増進に関連するものが多いです。これらの費用は、税金の控除対象外となるため、注意が必要です。


医療行為や予防のためのものではないため、医療費控除の対象外となります。税務署や国税庁のガイドラインに詳細が記載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

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医療費控除の計算方法

ここからは医療費控除を実際受けるにあたってどのように計算するのかについて解説していきたいと思います。


医療費控除とは、「自己と自己と生計を一とする配偶者やその他親族のための払った医療費」となりますので、必ずしも自分の医療費だけではありません。扶養している妻がいる場合や、子供も含まれます。


例えば、同じ家に住んでいなくても大学に通うために一人暮らしをしている子供や、単身赴任中などでも同じ財布で管理されているため生計を一にすると判断できます。


肝心の医療費控除の計算は、年間の所得に応じて計算方法が異なります



上記の条件によって計算方法が異なりますので、それぞれ計算方法を見ていきましょう。

所得金額が200万円を超えている場合

医療費控除の計算方法は、所得金額によって異なります。所得金額が200万円を超えている場合は、以下の方法で計算されます。

  • 所得200万円以上:医療費の総額-保険金などで補填される金額-10万円

なお、医療費控除は最大で200万円までです。 これはかかった医療費が200万円なのではなく、所得控除できる金額の最大値なので間違えないようにしましょう。

例①:所得が300万円、医療費の総額が15万円、保険金で補填される金額が0円の場合
  • 15万円ー0円-10万円=5万円

この場合5万円が所得から控除されることになります。

例②:所得が600万円、医療帆の総額が400万円、保険金で補填される金額50万円の場合
  • 400万円ー50万円ー10万円=340万円

この場合所得控除される金額は340万円ではなく、上限の200万円になります。


所得金額が200万円を超えていない場合

所得金額が200万円を超えていない場合は、以下の方法で医療費控除が計算されます。

  • 所得200万円未満:医療費の総額-保険金などで補填される金額-所得金額×5%

所得が200万円を超えていない場合は、一律で10万円が引かれるわけではなく所得金額×5%なので計算方法が異なります。

例①:所得180万円、医療費の総額15万円、保険金などで補填される金額0円の場合
  • 15万円-0円ー180万円×5%=6万円

同じ15万円の医療費の総額でも所得が少ないと所得が200万円以上の場合と比較しても所得控除額が多くなります。

このように年間の所得の金額に応じて医療費控除できる金額が異なりますので、ご自身の所得金額をまずはよく確認しましょう。
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医療費控除のシュミレーション|いくら戻るのか解説

医療費控除は所得金額によって計算方法が異なるということまでご理解いただいたかと思いますが、具体的にいくら戻るの?ということで以下に簡単なシミュレーションを示します。

シミュレーション例

<前提条件>
  • 所得金額 400万円
  • 医療費総額 100万円
  • 保険金の受領額 50万円
  • 自己負担額 50万円

<医療費控除の計算>
  • 100万円ー50万円ー10万円=40万円

40万円を所得から差し引くことができます。

<医療費控除をした後の所得金額>
  • 400万円ー40万円=360万円 ←所得税の対象になる所得
※医療費控除だけある想定です。

<所得税の計算>
  • 360万円ー42.75万円×20%=63.45万円
※所得360万円は税率20%で一律の控除額は42.75万円


<医療費控除がない場合の所得税の計算>
  • 400万円ー42.75万円×20%=71.45万円

<医療費控除がある場合との差額>
  • 71.45万円-63.45万円=8万円

医療費控除を受けた場合、8万円の税金が還付されることになります。
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医療費控除申請のやり方

医療費控除を受ける場合の対象や計算方法までわかったところで、それではいよいよ実際の医療費控除申請のやり方について解説したいと思います。


医療費控除申請の手順としては主に3ステップです。

  1. 医療費控除の対象になるか確認し医療費控除と還付金額を計算する
  2. 確定申告書と医療費控除の明細書を作成する
  3. 作成した確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に提出する

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう!

医療費控除の対象になるか確認し医療費控除と還付金額を計算する

医療費控除の申請のステップ1は、「医療費控除の対象になるか確認し医療費控除と還付金額を計算する」です。

まずは1月1日~12月31日の1年間でかかった医療費が医療費控除の対象になるかどうかを確認します。

医療費控除の対象になるかどうかについては、先述したとおりです。その中で医療費控除の対象になるものすべて洗い出してその合計金額を計算します。

合計金額が10万円を超えている場合は医療費控除の申告対象になります。10万円未満の方は自身の年間の所得の合計が200万円以下であれば所得の5%を超えるかにより、医療費控除の対象になるかどうかを判断します。

10万円または所得の5%を超えていて、医療費控除の対象になる方は次のステップへ進みます。

確定申告書と医療費控除の明細書を作成する

医療費控除の申請のステップ2は、「確定申告書と医療費控除の明細書を作成する」です。

医療費控除の申告対象の方は確定申告をする必要があります。そのため、確定申告書の作成をしましょう。

確定申告書は以下の2つの方法で作成します。

自営業の方やフリーランスなどほかの所得と一緒に申告する場合は確定申告のソフトなどもあります。

さきほどの医療費控除の欄に記載する医療費の合計金額を記入します。

また、かかった医療費については明細書を作成して提出が必要です。病院の明細書や領収書、交通費のレシートなど必要なものをもとに明細書を作成します。

健康保険組合に加入している方で、「医療費のお知らせ」がある場合は明細書として使用できますので活用するとよいでしょう。

作成した確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に提出する

医療費控除の申請の最後のステップ3は、「作成した確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に提出する」です。

確定申告書と医療費控除の明細書の作成が完了したら税務署に提出するだけです。
現在は以下の方法で提出が可能です。

  • 税務署へ持ち込み
  • 郵送
  • e-Taxでの提出

いずれかの方法で税務署に提出すれば確定申告は完了です。あとは還付を待ちます。確定申告書には、還付を受ける際の受取口座を記入する欄がありますので、忘れずに記入しましょう。

確定申告書の提出については、e-Taxを利用すると管轄の税務署まで出向いたり、郵送する手間も省けます。

持ち込みをする場合は基本的には、住民票の住所を管轄する税務署への提出になります。同じ市区町村であっても税務署が複数ある場合は、提出先が異なる場合もありますので、確認してから提出するようにしましょう。
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医療費控除申請をする際の注意点

ここからは、医療費控除申請をする際の注意点について確認していきたいと思います。注意すべき点は3点あります。



いずれも知っておくことで確定申告の際にやり直しになるなどの手間が省けますのでしっかり理解しておきましょう。

医療費控除の上限は200万円まで

医療費控除申請をする際の注意点として1つ目は、医療費控除の上限が年間200万円までであることが挙げられます。

これは、医療費の合計が200万円ということではなく、所得から控除できる金額の上限が200万円ということです。つまり、所得が200万円以上の方の場合を例にすると以下のようになります。

<医療費控除を受ける際の所得控除の計算式>
  • 所得200万円以上:医療費の総額-保険金などで補填される金額-10万円

  • 実際にかかった医療費 300万円
  • 保険金 0円

  • 300万円-0円-10万円=290万円

上記の例ですと全所得から290万円控除したくなるところですが、この場合は290万円が所得から控除されるのではなく、上限が200万円なので、200万円になるということです。

医療費控除の使用した領収書は5年間保存しておく

医療費控除を申請する際の注意点の2つ目としては、使用した領収書や診療明細書などの証明書類は5年間保存しておくということです。

以前の医療費控除の申告の際は領収書の点府が必要でしたが、2017年の税制改正により現在の確定申告の際は、領収書の添付は不要となりました。

しかし確定申告後、税務署は確認のため5年間は領収書の提示、または提出を求めることができるという決まりになっています。そのため、一般的には5年間保存しておくことが望ましいです。

これは、税務署が確認や審査を行う場合に必要な書類となるためです。万が一、税務署からの指摘や確認があった際には、適切な証明書類を提出できるよう、きちんと保存しておくことが重要です。

未払い治療費は対象にならなず治療日も無関係

最後3点目の医療費控除を申請する際の注意点としては、未払いの治療費は、医療費控除の対象外となるということです。

医療費控除は、その年(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費についての申請になります。つまり、支払いが行われた時点がいつかということです。

そのため、治療が行われたのがその対象年であったとしてもその対象年で支払っていない費用(未払い治療費)については、申請の対象にはなりません。未払い分を翌年に支払った場合は、翌年の医療費として計算し、申告することになります。

一般的には治療のたびに費用を払うものですが、歯の治療などで一括で支払うなどの場合は、支払いの時期が変わることもままあります。

なお、クレジットカードなどで支払った場合は、引き落としの日ではなく、カードの利用日が支払日と考えるとこになります。
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医療費控除に必要な書類

医療費控除を申請する際に必要な書類は以下の通りです。

  1. 医療費控除の明細書
  2. 確定申告書
  3. 本人確認書類
  4. 源泉徴収票
  5. 医療費通知書
1.医療費控除の明細書、2.確定申告書は実際に確定申告をする際に提出する書類になります。

また、確定申告の際は、3.本人確認書類の写しもあわせて提出する必要があります。本人確認書類として使用できるものは、以下のとおりです。
  • マイナンバーカード
マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類(通知カードや住民票など)とあわせて以下のいずれかの写しが必要です。
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 身体障害者手帳
  • 在留カード
  • 公的医療保険の被保険者証(保険証) 
4源泉徴収票、5医療費通知書については確定申告書を作成するために必要になりますので、確定申告の準備をする段階で用意しておきましょう。
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医療費控除の特例処置「セルフメディケーション税制」

医療費控除の特例処置として、セルフメディケーション税制があります。

この制度は、健康の維持増進、疾病の予防に取り組む個人が、特定の医薬品を購入した際にその購入費用について所得控除として差し引くことができる制度です。

2017年1月1日から2021年12月31日までの5年間の特例として開始されました。ところがが、2022年1月以降、制度が5年延長され、税制対象医薬品の範囲が拡充されました。

現在のところ2026年までセルフメディケーション税制を適用すると申告することで所得控除が受けられるという訳です。

注意すべき点としては、通常の医療費控除とは併用できません。医療費控除を受けない場合に限り、セルフメディケーション税制の適用を受けられます。

ドラッグストアで売っている風邪薬などのスイッチOTC医薬品と呼ばれる市販薬が対象となるのですが、セルフメディケーション税制の適用要件と仕組み、控除対象になる品目や申告方法について解説します。

適用要件とは?仕組みを解説

セルフメディケーション税制を受けるための適用要件とはどのような要件なのでしょうか。医療費控除と要件が全く異なりますので、要件はしっかりと確認していきましょう。

セルフメディケーション税制の適用を受ける場合は以下を満たしていることが必要です。

<適用要件>
  • その年に対象の医薬品を世帯合計で12,000円以上購入している
  • 予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組を行っている
  • 予防接種や健康診断等の受診時の領収書や結果通知表を保存している
  • 所得税・住民税を納めている

医療費控除を受けた場合は併用できませんので注意が必要です。

控除の対象となる品目

控除の対象となる品目についてです。


セルフメディケーション税制の対象となる医薬品はスイッチOTC医薬品です。Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)と言われるいわゆるドラックストアや薬局などでカウンターを通じて購入できる医薬品であり、医師によって処方される医療用医薬品として使われている成分を含む市販薬のことを指します。


対象品目は、2024年4月1日現在で2801品目あります。

例としては、

  • ロキソニンS
  • パブロンゴールド錠
  • エスタックイブ顆粒


など身近な市販薬はほとんどが対象なのが特徴です。また共通識別マークがあるのがわかりやすい点でしょう。(マークがないものもあります)


厚生労働省ホームページ「セルフメディケーション税制対象品目一覧」に詳細が確認できます。

申告方法

セルフメディケーション税制を受けるには確定申告が必要です。


確定申告は、医療費控除を受ける時と同様、対象の年の翌年2月16日~3月15日になります。国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」や税務署等で入手できる申告書を作成し、申告することになります。


セルフメディケーション税制の所得控除額の計算方法は以下の通りです。


  • 医薬品の購入額-12,000円



また確定申告をする際には以下が必要になります。


  • セルフメディケーション税制対象の医薬品を購入したレシート・領収書
  • 予防接種や健康診断等の受診時の領収書や結果通知表


日常で購入しているレシートなどをきちんと保管しておくようにするのが重要です。また一般の医療費控除とは併用ができませんので十分気を付けましょう。


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医療費控除の計算とやり方に迷ったらマネーキャリアでご相談ください

医療費控除について、対象や期間、計算方法など解説してきましたがいかがでしたでしょうか。医療費控除は割と身近な確定申告をすることになる要件の1つであるものの詳しくはよくわからないという方も多かったのではないでしょうか。


この記事をまとめると、


  • 医療費控除は1月1日から12月31日まででかかった医療費によって所得控除が受けられ節税になる
  • 対象になる医療費とならない医療費があるので注意
  • 計算方法は所得によって変わる
  • 医療費控除を受けるには確定申告が必要
  • 医療費控除だけでなくセルフメディケーション税制もある

ということでした。


医療費控除は確定申告が必要でなんだか難しそう…と思う方は、マネーキャリアのセミナーに参加してみましょう!マネーキャリアでは計算や確定申告の仕方などを解説するセミナーを開催しています!


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