
「フラット35は繰上げ返済しない方がいいの?」
「フラット35と繰上げ返済について詳しく知りたい」
とお悩みではないでしょうか。
結論、フラット35の繰上げ返済には住宅ローン減税の効果減少や団信保証期間の短縮などのデメリットがあるため、慎重に判断する必要があります。
本記事では、フラット35の繰上げ返済をしない方がいい理由や、逆にメリットとなるケース、判断ポイントについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、あなたの状況に合った最適な返済方法を選択できるようになるので、ぜひご覧ください。


この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- フラット35は繰り上げ返済しない方がいい理由3選
- 繰上げ返済で住宅ローン減税の効果を受けられなくなる
- 繰上げ返済には最低10万円のお金が必要になる
- 繰上げ返済で団体信用生命保険の保証期間が短縮される
- フラット35を繰上げ返済するメリット
- 設定金利が1%を超えている場合は返済額を抑えられる
- 余裕があるうちに将来の負担を減らすことができる
- 繰上げ返済をしておくことでその他の借入が行いやすくなる
- 繰り上げ返済をするべきかの判断ポイント
- 手元資金の余裕
- 住宅ローンの金利
- 他の借入や投資とのバランス
- フラット35で繰上げ返済を行う際の手続き
- 返済額軽減型か返済期間短縮型かを選ぶ
- 窓口返済かインターネット返済かを選ぶ
- まとめ:フラット35の繰上げ返済はしない方がいい?
フラット35は繰り上げ返済しない方がいい理由3選
フラット35は繰り上げ返済しない方がいい理由は以下のとおりです。
- 繰上げ返済で住宅ローン減税の効果を受けられなくなる
- 繰上げ返済には最低10万円のお金が必要になる
- 繰上げ返済で団体信用生命保険の保証期間が短縮される
繰上げ返済で住宅ローン減税の効果を受けられなくなる
フラット35は繰上げ返済しない方がいいと言われる3つの理由1つ目は、繰上げ返済で住宅ローン減税の効果を受けられなくなることです。
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した際に、一定の条件を満たすことで所得税や住民税から控除を受けられる制度です。
この制度は、住宅購入者の金銭的負担を軽減できるため、住宅ローンを組む際にはメリットとなります。
具体的には、繰上げ返済をおこなった年の住宅ローン残高に基づいて控除額が計算されるため、繰上げ返済をおこなうことで、住宅ローン控除の対象となる残高が減少し、控除を受けるメリットが薄れることになります。
繰上げ返済には最低10万円のお金が必要になる
フラット35は繰上げ返済しない方がいいと言われる3つの理由2つ目は、繰上げ返済には最低10万円のお金が必要になることです。
フラット35を繰上げ返済するには、最低金額が設定されており、インターネット経由での繰上げ返済は最低10万円、窓口では100万円以上が必要です。
このため、少額の返済を希望する人にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
余裕がない場合は、繰上げ返済できないデメリットがあります。
繰上げ返済で団体信用生命保険の保証期間が短縮される
フラット35は繰上げ返済しない方がいいと言われる3つの理由3つ目は、繰上げ返済で団体信用生命保険の保証期間が短縮されることです。
繰上げ返済をおこなった場合、返済期間が短縮されることにより、団信の保障期間も影響を受ける可能性があります。
具体的には、繰上げ返済によって返済期間が10年未満になると、住宅借入金等特別控除の対象外となるため注意が必要で、繰上げ返済による保障期間の短縮は十分に考慮する必要があります。
繰上げ返済で、団信の適用条件や税額控除に影響がでることがあるので、事前に金融機関に相談することが推奨されます。
フラット35を繰上げ返済するメリット
フラット35を繰上げ返済することには、メリットもあります。
以下にその主な利点3つを詳しく説明します。
- 設定金利が1%を超えている場合は返済額を抑えられる
- 余裕があるうちに将来の負担を減らすことができる
- 繰上げ返済をしておくことでその他の借入がおこないやすくなる
設定金利が1%を超えている場合は返済額を抑えられる
フラット35を繰上げ返済するメリット1つ目は、設定金利が1%を超えている場合は返済額を抑えられることです。
繰上げ返済をおこなうことで、元金が減少し、それにともない支払う利息も減ります。
特に金利が高い場合は、利息軽減効果は顕著です。
例えば、借入金が3000万円で金利が1%の場合、100万円を繰上げ返済すると、約50万円の利息を軽減できる可能性があります。
これにより、総返済額を大幅に減少させることができるので、長期的に見て合計の返済額を減らすためには経済的となります。
余裕があるうちに将来の負担を減らすことができる
フラット35を繰上げ返済するメリット2つ目は、余裕があるうちに将来の負担を減らすことができます。
繰上げ返済には、返済期間を短縮する方法と毎月の返済額を軽減する方法があります。
返済期間を短縮する場合、毎月の返済額はそのままにして、返済期間を短縮できるため早期に住宅ローンを完済することができ、将来的な経済的負担を軽減できます。
そのため、余裕があるうちに将来の負担を減らすことができるため繰上げ返済するメリットとなります。
繰上げ返済をしておくことでその他の借入が行いやすくなる
フラット35を繰上げ返済するメリット3つ目は、繰上げ返済をしておくことでその他の借入がおこないやすくなることです。
繰上げ返済をおこなうことで、借入金額が減少し、返済能力が向上するため、信用情報が改善される可能性があり、他のローンやクレジットカードの審査が通りやすくなることがあります。
繰り上げ返済をするべきかの判断ポイント
繰り上げ返済をするべきかの判断ポイントは以下のとおりです。
- 手元資金の余裕
- 住宅ローンの金利
- 他の借入や投資とのバランス
手元資金の余裕
繰上げ返済を検討する際、最も重要なのは手元資金の余裕です。
繰上げ返済は一度実行すると、その資金は簡単に戻ってこないため、生活防衛資金を確保した上で判断する必要があります。
一般的には、最低でも生活費の3~6ヶ月分は緊急資金として確保しておくことが推奨されています。
例えば、月の生活費が30万円の家庭なら、90万円~180万円は手元に残しておくべきでしょう。
また、近い将来に大きな出費(教育費、車の買い替えなど)が予定されている場合は、それらの資金も確保した上で繰上げ返済を検討することが重要です。
住宅ローンの金利
フラット35の金利水準は、繰上げ返済を判断する重要なポイントです。
一般的に、住宅ローンの金利が高いほど繰上げ返済の効果は大きくなります。
例えば、金利が2%のフラット35で3,000万円を借りている場合、100万円の繰上げ返済をすると、約35年間で約70万円の利息削減効果がある一方、金利が1%の場合は、同じ100万円の繰上げ返済で約35万円の利息削減効果となります。
金利が1%を超えている場合は、繰上げ返済による利息削減効果が大きいため、検討する価値がありますが、金利が1%未満の場合は、その資金を他の投資や運用に回した方が効果的なケースも多くなるため注意が必要です。
他の借入や投資とのバランス
繰上げ返済を検討する際は、他の借入や投資とのバランスも重要です。
例えば、クレジットカードのリボ払いや自動車ローンなど、フラット35より金利が高い借入がある場合は、まずそちらを優先して返済した方が効率的です。また、iDeCoやNISAなどの税制優遇のある投資との比較も重要です。
長期的な資産形成を考えると、低金利のフラット35を繰上げ返済するよりも、これらの制度を活用して投資した方が資産が増える可能性が高いケースもあります。
特に、フラット35の金利が1%未満の場合、長期的な投資リターンを考えると、繰上げ返済よりも投資を優先した方が合理的なケースが多いでしょう。
ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のリスク許容度も考慮して判断することが大切です。
フラット35で繰上げ返済を行う際の手続き
フラット35で繰上げ返済を行う際の手続きについて詳しく解説します。
フラット35の繰上げ返済には、主に2つの選択肢があります。
- 返済額軽減型か返済期間短縮型かを選ぶ
- 窓口返済かインターネット返済かを選ぶ
返済額軽減型か返済期間短縮型かを選ぶ
返済額軽減型か返済期間短縮型かの選択は、繰上げ返済の効果を大きく左右します。
返済額軽減型 | 返済期間短縮型 | |
---|---|---|
メリット | ・毎月の返済負担が減る ・家計に余裕ができる ・他の支出に回せる資金が増える | ・総返済額の削減効果が大きい ・早期完済が可能 ・将来の金利変動リスクを減らせる |
デメリット | ・総返済額の削減効果が小さい ・返済期間は変わらない | ・毎月の返済額は変わらない ・団信の保障期間が短くなる |
おすすめの人 | ・毎月の家計に余裕が欲しい人 ・教育費などの支出が増える予定の人 ・収入が不安定な人 | ・総返済額を抑えたい人 ・早期完済を目指す人 ・安定した収入がある人 |
窓口返済かインターネット返済かを選ぶ
窓口での手続き | インターネットでの手続き | |
---|---|---|
手数料 | 一般的に5,500円(税込) | 無料または低額 |
受付時間 | 平日9:00~15:00程度 (金融機関により異なる) | 24時間 (メンテナンス時間を除く) |
メリット | ・対面で相談しながら進められる ・不明点をその場で質問できる ・書類の記入サポートを受けられる | ・24時間いつでも手続き可能 ・来店不要 ・手続きが簡単 |
デメリット | ・来店が必要 ・営業時間内に行く必要がある ・手続きに時間がかかる | ・システムトラブル時は利用できない ・操作方法が分からない場合のサポートが限られる |
おすすめの人 | ・初めて繰上げ返済をする人 ・対面での説明を希望する人 ・インターネットに不慣れな人 | ・忙しくて窓口に行く時間がない人 ・手数料を抑えたい人 ・簡単に手続きを済ませたい人 |
自分のライフスタイルや繰上げ返済の頻度に合わせて、最も便利で経済的な手続き方法を選びましょう。
まとめ:フラット35の繰上げ返済はしない方がいい?
ここまで、フラット35の繰上げ返済のメリット・デメリットや判断ポイント、手続き方法について詳しく解説してきました。
フラット35の繰上げ返済は、住宅ローン減税の効果減少や団信保障期間の短縮というデメリットがある一方、金利が高い場合の総返済額削減や将来の負担軽減というメリットもあります。
しかし、繰上げ返済の判断は個人の金融状況やライフプランによって大きく異なるため、マネーキャリアのような専門家による無料相談サービスを活用して最適な判断をすることが重要です。
マネーキャリアでは、住宅ローンの専門家(FP)があなたの状況に合わせた最適な返済プランを提案してくれるため、安心して相談できます。
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