内容をまとめると
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 投資信託のほったらかし投資とは?
- 100万の投資信託を放置した場合のシミュレーション
- 年利3%の場合
- 年利5%の場合
- 年利10%の場合
- 投資信託のほったらかし投資のメリット
- 少額から始められる
- 投資のタイミングを考える必要がない
- 長期にわたって投資をすると、収益が安定する傾向がある
- 投資信託はどれくらい放置すべき?
- 運用報告書の純資産残高をチェック
- 投資信託を売却するタイミングを見極める
- 投資信託のほったらかし投資で資産を増やす方法
- 投資信託のほったらかし投資のデメリット
- 投資信託の銘柄を選ぶときのポイント
- 投資信託のほったらかし投資で損をしないコツ
- 専門家に何度でも無料で相談できるマネーキャリア
- 投資信託のほったらかし運用まとめ
投資信託のほったらかし投資とは?
投資信託のほったらかし投資とは、事前に運用方針やルールを設定して、その後は放置しておく投資方法です。
投資信託は信託期間が無期限のものが多く、放置したままでも運用が継続されます。それを利用して投資信託を長期間にわたって売却せずに保有し続けます。
ほったらかし投資の特徴は以下の3点です。
■長期保有
数年から数十年単位で投資信託を保有し続けます。
■定期積立
毎月一定額を投資信託に積み立てる「ドルコスト平均法」により、平均取得単価を抑えます。
■分散投資
複数の資産や地域に投資する投資信託を選ぶことでリスクを軽減します。
ほったらかし投資は、一度購入すれば日々の値動きに一喜一憂する必要がないので、仕事や育児に忙しく投資に時間が割けない方でも手間なく資産運用が始められます。また投資初心者の方も、売買タイミングや銘柄選択をする必要がないので気軽に投資を始められるのでおすすめです。
100万の投資信託を放置した場合のシミュレーション
年利3%の場合
投資信託 ほったらかし 3%
年利5%の場合
投資信託 ほったらかし 5%
投資信託を年利5%で運用した場合、資産の増え方はさらに加速します。
■10年後 1,647,010円
■20年後 2,712,641円
■30年後 4,467,745円
5%の利回りでは、30年後に元本の4倍以上になる計算です。5%の利回りは中程度のリスクとリターンを示しており、長期的な資産形成においては非常に有効です。
利回りとしては現実的な目標といえるでしょう。
年利10%の場合
投資信託 ほったらかし 10%
投資信託を年利10%で運用した場合、資産の増え方は劇的です。
■10年後 2,707,042円
■20年後 7,328,074円
■30年後 19,837,400円
10%の利回りはかなり強気なものですが、複利の力で30年後には元本の17倍以上になる可能性があります。市場の状況によっては大きな変動があるので、リスク許容度の高い投資家がめざす利回りです。
今回のような高いリターンを狙う場合は、より慎重な銘柄選びが重要です。
投資信託のほったらかし投資のメリット
投資信託のほったらかし投資のメリットは3つあります。
投資信託のほったらかし投資に興味のある方やほったらかし投資の効果について知りたい方に必見です。詳しく説明します。
少額から始められる
投資信託のほったらかし投資のメリットの1つめは、少額から始められることです。
投資信託は少額から始められるため、気軽に投資できます。毎月の積立投資も可能なので、無理のない範囲で資産形成を進められるでしょう。
複利のメリットを受けるにはある程度(数万円)の金額を長期間継続して積み立てることが必要ですが、もし投資が難しいときは毎月数千円からでも積立可能な商品もあります。
投資のタイミングを考える必要がない
投資信託のほったらかし投資のメリットの2つめは、投資のタイミングを考える必要がないことです。
定期的に一定額を投資し続けることで、平均単価を抑えられます。これは「ドルコスト平均法」といわれる方法です。
市場価格が上昇しているときは少ない口数を、下落しているときは多くの口数を購入するので、長い目で見ると価格が平準化されてリスクを減らした投資ができます。
長期にわたって投資をすると、収益が安定する傾向がある
投資信託のほったらかし投資のメリットの3つめは、長期にわたって投資をすると、収益が安定する傾向があることです。
投資信託の価格は、短期的には上がったり下がったりを繰り返しますが、長期的にみると株式を発行している会社や不動産の価値は上昇傾向にあります。そのため投資信託の収益も上昇して安定することが多いです。
また複利効果により、投資開始から時間が経過するほどに資産の増加ペースが加速します。このため長期間ほったらかしにすることで、より大きな収益を得る確率が高まるのです。
このように投資信託のほったらかし投資は、特に初心者や長期の資産形成を考える方にとって有効な投資手段だといえるでしょう。
投資信託はどれくらい放置すべき?
運用報告書の純資産残高をチェック
投資信託をどれくらい放置すべきかを判断するものの1つめは、運用報告書の純資産残高をチェックすることです。
投資信託を放置する期間は、一般的には最低でも5年、できれば10年以上の長期保有が推奨されます。しかし完全に放置するのではなく定期的に投資信託の運用状況をチェックすることが大切です。
運用報告書では純資産残高の増減をみます。定期的に純資産残高が安定しているか、増加傾向にあるかを確認することで投資信託の健全性を判断します。
純資産残高が大きく減少している場合は多くの投資家が投資信託を解約しており、ファンドの魅力が低下している可能性があります。年に1~2回程度運用報告書をチェックし、純資産残高の推移を確認してください。
投資信託を売却するタイミングを見極める
投資信託をどれくらい放置すべきかを判断するものの2つめは、投資信託を売却するタイミングを見極めることです。
タイミングはいくつかありますが、主なものは4つあります。
■資金需要の発生
住宅購入や子供の教育資金などまとまった資金が必要になったときには利用しましょう。
■運用方針の変更
投資信託の運用方針が大きく変更された場合、自分の投資方針と合わなければ変更するのをおすすめします。
■パフォーマンスの低下
長期的に市場平均を下回り続けているときは、パフォーマンスの良いものに変えるのもよいでしょう。
■手数料の上昇
運用管理費用(信託報酬)が引き上げられて手数料が高くなった時も見直しが必要です。できるだけコストのかからない投資信託を選ぶ方が、投資パフォーマンスは上がります。
投資信託のほったらかし投資は完全に放置するのではなく、定期的なチェックと状況に応じた見直しが大切です。
投資信託のほったらかし投資で資産を増やす方法
ほったらかし投資で資産を増やすには、複利効果を利用して長期間で資産形成を目指すのが主な手法です。
元本に対して利益(利息、配当金など)が生じた場合、その利益が元本に加算されることで、さらなる利益が生じます。その利益を受け取らずに再投資して投資元本を増やし、さらなる利益の獲得を目指すことが大切です。
また積立投資で毎月一定額を積み立て、少額をコツコツと積み重ねることで、大きな資産形成につながります。時間をかけてじっくりと資産を増やしたい方におすすめです。
投資信託のほったらかし投資のデメリット
ほったらかし投資のデメリットとしては、短期間には資産を増やしにくいことが挙げられます。
ほったらかし投資は長期的な視点で行うので、短期間で大きな利益を得ることは難しいです。急激な市場の上昇局面では、より多くのリスクをとって積極的な投資をしている投資家に比べて利益が少なくなることがあります。
また、投資信託は繰上償還されることがあるので注意が必要です。
投資家の大量の換金などで投資信託の純資産残高が一定水準を下回ると、効率的な運用が難しくなりかねません。そこで運用会社があらかじめ設定していた期限を繰り上げて償還する可能性があります。
定期的に投資先の状況や市場環境の変化をチェックし、変化があればすぐ対応できるようにしておくことが大切です。
投資信託の銘柄を選ぶときのポイント
投資信託の銘柄を選ぶ際には、国内債券<海外債券<国内株式<海外株式の順でリスクおよびリターンが大きくなることを考慮しましょう。
国内債券は日本国債などが対象で、国が破綻しない限り安全なのでリスクは低いですが、リターンも低めです。海外債券は米国債などがあり国内債券より多くのリターンを狙えますが、為替変動リスクが加わり、リスクがより高まります。
国内株式は企業の業績に左右されるので株価下落のリスクがありますが、成長による値上がり益や配当金で高いリターンが期待できます。海外株式は世界経済の成長を取り込めてリターンの期待も高まりますが、為替変動リスクやとくに新興国投資の場合は政治・経済の不安定さによるリスクの管理が必要です。
高いリターンを狙うほどリスクも高まるため、自分のリスク許容度をしっかりと把握し、バランスのとれた投資をすることが重要です。また個々の投資信託で扱う銘柄はそれぞれリスクやリターンが異なるので、目論見書をよく確認し分散投資をしてリスク軽減を図る必要があります。
長期投資は短期投資よりリスクが軽減される傾向があることも覚えておきましょう。
投資信託のほったらかし投資で損をしないコツ
投資信託を含む資産運用商品の内容についてよく理解し、経済の理解と投資などの資産運用の知識を使って定期的に投資先の状況や市場環境の変化をチェックすることが大切です。また自分が許容できるリスクはどこまでかを把握し、投資先に変化があればすぐ対応して売却のタイミングを図る必要があります。
投資信託の売却タイミングをよく知っている人は、投資信託を含む投資商品の仕組みとリスクを熟知しています。そして多くの運用例を学び、投資のトレンドや市況を確認することで、上手に投資信託の売り時が判断できます。
しかし、投資初心者が独学で投資信託の売却タイミングを理解するのは困難です。投資知識を駆使し、市場動向をふまえた分析には専門的な知識が必要で、時間もかかります。さらに、独自の判断で売却プランを立てても、それが最適な選択とはかぎりません。
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投資信託のほったらかし運用まとめ
この記事では「投資信託のほったらかし投資と具体的なシミュレーション」から「投資信託のほったらかし投資のメリットやデメリット」「投資信託の銘柄選びと売却のタイミング」までご紹介しました。
投資信託のほったらかし投資で上手な運用をするには「投資信託などの運用商品をよく理解し、資産運用と経済などの投資環境の知識を駆使して銘柄を選ぶ」必要があります。また「自分が許容できるリスクはどこまでかを把握し、投資先に変化があればすぐ対応して売却のタイミングを図る」ことが重要です。
しかし多くの人が投資信託と資産運用に関する知識があまりないまま、投資信託を売ってしまうケースがよくみられます。 投資信託のほったらかし投資で成功するには専門知識が必要で、最適な銘柄選びや売却タイミングを判断するのは容易ではありません。
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