- 60代でつみたてNISAの利用は遅いとあきらめている
- つみたてNISAを始めたいが、どうしていいか分からない
- どこに相談していいか分からない
内容をまとめると
- つみたてNISAはうまく活用すれば60代でも十分活用できる制度
- 60代から始めるつみたてNISAはまず専門家に相談!
- 60代がつみたてNISAを活用するときのポイントは3つ
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 60代がつみたてNISAをするのは遅い?
- 60代から始めるつみたてNISAはまず専門家に相談!
- 60代がつみたてNISAを活用するときのポイント
- 取り崩し額の資産寿命をシミュレーションする
- 積立投資を年金で行うか退職金で行うか選ぶ
- 分散投資でリスクを抑える
- 【実例】つみたてNISAを活用した60代の資産運用方法
- 60代から始めるつみたてNISAで気を付けるべき注意点
- 短期間で売買を繰り返さずに長期的な視点を持つ
- 増やすことよりも維持することを目標にする
- NISA以外の資産形成方法と並行する
- 60代以降に必要なお金の内訳は?
- 60代以降の生活費と貯金額
- 年金と退職金の平均額
- 老後に必要なお金
- 60代からでもFPに相談すればつみたてNISAは遅くない
- ファイナンシャルプランナーでできること
- おすすめのファイナンシャルプランナーはマネーキャリア
- 60代からつみたてNISAを始めると遅いのかまとめ
60代がつみたてNISAをするのは遅い?
60代から始めるつみたてNISAはまず専門家に相談!
60代からつみたてNISAを始めるときは、専門家に相談することが一番の近道。 厚生労働省の調査によると、2023年の日本人の平均寿命は男性で81.09歳、女性で87.14歳だそうです。
60歳からなんと20年以上もあります。60歳からつみたてNISAを始めても、決して遅いことはありません。それでも若い世代と比較して、運用期間が短くなるのは事実です。
そのため、一時的に損失が出たり、利益が減ったりすると、あせって解約しかねません。また、どの商品を選択すればよいか、投資初心者にはアドバイスも必要です。したがって、専門家の意見をよく聞いて行動することが大切です。
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60代がつみたてNISAを活用するときのポイント
60代でつみたてNISAを始める際に確認すべきポイントは、
取り崩し額の資産寿命をシミュレーションする
取り崩し額の資産寿命をシミュレーションするとは、「資産を毎年一定額取り崩したときに何年でなくなるか」を意味しています。
たとえば、運用益や金利なしのケースで、「2,000万円を毎年100万円ずつ取り崩すと20年間でなくなる」というようなとらえ方です。
運用しなければ20年でなくなるため、つみたてNISAを利用して資産寿命を延ばすことを考えます。
さらに具体的に年金の受給額から計算した不足額を毎年取り崩すようなシミュレーションをすると、どれくらいの金額をNISAで運用しなければいけないかを算出できるでしょう。
資産寿命の考えるのに遅いということはありません。まずは客観的に算出します。
積立投資を年金で行うか退職金で行うか選ぶ
分散投資でリスクを抑える
【実例】つみたてNISAを活用した60代の資産運用方法
では実際につみたてNISAを使った運用方法を考えてみましょう。
つみたてNISAの年間投資枠は最大で120万円です。また、つみたてNISAの年間利回りは平均で4%/年と言われています。
そこで、年間120万円/年ずつ拠出し、60歳から70歳までの10年間4%複利で運用した場合を考えます。
この場合、1,200万円の投資に対して、資産が約1,441万円まで増えます。
さらにこの金額を4%/年で運用しながら20年間に分けて取り崩すと、毎年約106万円ずつ取り崩せます。つまり積立てしている間も取り崩している間も4%/年で運用できれば、
106万円×20年=2,120万円
まで資産を増やすことができるのです。一方、もし運用せずに1,200万円を106万円ずつ取り崩した場合、
1,200万円÷106万円=11.3年
となり、70歳から取り崩した場合でも10年余りで資産寿命は尽きてしまいます。つみたてNISAの活用は60歳以降の人が始めても決して遅いということはなく、うまく活用することが大切です。
60代から始めるつみたてNISAで気を付けるべき注意点
60代でつみたてNISAを活用しても決して遅いことはありません。しかし、注意すべきこともあります。ここでは以下の3つの注意点を列挙します。
短期間で売買を繰り返さずに長期的な視点を持つ
増やすことよりも維持することを目標にする
NISA以外の資産形成方法と並行する
ただし、開始年齢が遅いからと言って、つみたてNISAだけで資産運用するのは危険です。つみたてNISAも元本割れする可能性があります。
また、急な出費のときに意図せず解約することにもなりかねません。 預貯金などの安全資産をはじめ、他の資産とバランスよく配分することが大切です。
60代以降に必要なお金の内訳は?
60代以降の生活費と貯金額
ここで公的資料から年金生活者の家計収支と貯金額を確認してみます。
まず家計収支ですが、「総務省発行の家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、
65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)
実収入 :244,580円
可処分所得:213,042円
消費支出 :250,959円
不足額 : 37,917円
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)
実収入 :126,905円
可処分所得:114,663円
消費支出 :145,430円
不足額 : 30,767円
となっており、毎月貯蓄額から切り崩して生活していることが数字から判断できます。
消費支出の内訳は
65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)
食費 :73,000円
住居費:17,000円
光熱費:22,000円
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)
食費 :40,000円
住居費:13,000円
光熱費:13,000円
消費支出の半分以上が生活に最低限必要な費用で構成されていることが伺えます。
一方貯蓄額関して、金融広報中央委員会発行の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年度版)」によると 60代の総世帯の金融資産の保有額は
全体
平均値:2,499万円
中央値:1,200万円
平均値:2,588万円
中央値:1,200万円
平均値:2,240万円
中央値:1,100万円
となっており、老後の生活で切り崩すための金融資産の寿命をどれだけ長く伸ばせるかが課題となっています。
年金と退職金の平均額
つぎに、実際の老後の生活資金の元となる年金受給額と貯蓄の元となる退職金の実態はどうなっているのでしょうか。
日本年金機構 日本年金機構の主要統計(令和4年度版) によると、
自営業やフリーランスの方が受給する国民年金: 55,422円
会社員の方が受給する厚生年金 :144,982円
また りそなグループの調査「退職金の相場はどれくらい?大企業・中小企業、業種、勤続年数による違い」によると退職金の平均額は
大企業の場合
大卒:2,230万円
高卒:2,017万円
中小企業の場合
大卒:1,091万円
高卒: 994万円
となっています。皆さんのさまざまな状況に照らし合わせてシミュレーションする参考にしてください。
老後に必要なお金
では実際に年金の不足額がどれくらいで、どの程度の貯蓄が必要かシミュレーションしてみます。
ケース1
夫:厚生年金受給 妻:国民年金受給 65歳より受給開始とします。
- 生活費:250,959円(「60代以降の生活費と貯蓄」消費支出より)
- 年金額:200,404円(144,982円+55,422円)
- 不足額: 50,555円(1₋2)
50,555円×12ヵ月×20年間=12,133,200円
の貯蓄が必要と考えられます。ケース2
独身:国民年金受給者 65歳より受給開始とします。
- 生活費:145,430円(「60代以降の生活費と貯蓄」消費支出より)
- 年金額: 55,422円
- 不足額: 90,008円(1₋2)
90,008円不足する状態が20年続くと仮定すると、
90,008円×12ヵ月×20年間=21,601,920円
の貯蓄が必要だと考えられます。
このように必要になるお金を想定し、資産寿命を延ばす手段のひとつとして、つみたてNISAの活用を検討するといいでしょう。
少しでも資産寿命を延ばすために、今からつみたてNISAの活用を考えても遅くないことが理解していただけるはずです。
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60代からつみたてNISAを始めると遅いのかまとめ
この記事では60代がつみたてNISAを活用するときのポイント、NISAを利用した資産運用方法や注意点、さらには60歳以降で必要なお金などを説明しました。
60代でも、つみたてNISAを始めるのに遅いことはなく、むしろ積極的に活用すべき制度です。ただし、やみくもにつみたてNISAを始めると思わぬ損失を招きかねません。
投資する商品の選び方や預貯金などの他の金融商品とのバランスなど、専門家のアドバイスが必要です。
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