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納税者の転勤・死亡で医療費控除の提出先が変わるって聞いたけど、医療費控除の提出先はどこになる?納税者それぞれのケースに分けて解説!医療費控除の提出方法・税務署の開庁時間・医療費控除に必要な添付書類・提出先が区役所になるケースを解説!確定申告についても解説中。

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

医療費控除の提出先はどこになる?


こんにちは、マネーキャリア編集部です。


医療費控除を受ける際「申告書類はどこに提出すれば良いのだろう…?」と悩んだことはありませんか?


年の途中で引っ越しした場合、単身赴任している場合、居住地が複数ある場合…。


提出先ひとつにしても山ほどの疑問が湧いてくるでしょう。


国税庁「令和元年度におけるe-Taxの利用状況等について」によると、オンラインでの確定申告の利用率は59.9%とされており、残りの40.1%の人は税務署に持参もしくは郵送手続きをしていることが分かります。


持参や郵送の場合、提出先を間違えてしまえば手続きができず一大事!


今回は

  • 引越しや単身赴任をした際の書類提出先はどうなるか
  • 各申告方法のメリットとデメリット
  • 医療費控除の計算方法や申告時に必要な書類

についてお話します。


医療費控除を受けるためにはどうしたら良いか悩んでいる人の疑問が解決すれば幸いです。 

医療費控除の提出先の税務署は納税地によって決まる!

医療費控除を受けるためには、確定申告を行いましょう。

一般的に、確定申告は納税する場所を管轄している税務署に提出します。

納税する場所とは一般的に今あなたが住んでいる場所のことです。

国税局(税務所)は大きく分けると12の地域に分けられ、そこから更に都道府県、市区町村と担当エリアが決められています。

日本にはなんと500以上もの税務署が存在し、約5万6千人もの職員がわたしたちの税を管理しているのです。

国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」では、一覧表示だけでなく「住所」や「郵便番号」「地図」などから施設検索をする事が可能なので、あなたの対象となる税務署を探してみましょう。 

医療費控除の提出先が今までの納税地とは異なる場合の対策は?


住んでいる場所が1カ所しかなければ、お近くの税務署に提出するだけなので、それほど悩む事はないでしょう。しかし

  • 引っ越しをした場合
  • 店舗や事務所、居住している場所が複数ある場合
  • 納税者が死亡してしまった場合

などはどうでしょうか? より複雑な状況での確定申告の提出先についての疑問を、分かりやすく解説していきます! 

①国内の転勤で引っ越しをした場合の対策

国内で引っ越しをした場合は、新しい住所を管轄する税務署で確定申告をします。


しかし、引っ越しが医療費控除を申告する期間の翌年1月1日から3月15日だった場合の提出先はどうでしょう?


対象となる期間は引っ越し前の住所に住んでいたから、引っ越し前の住所を基準に手続き?


それとも引っ越し先の住所で手続き?


答えは

  • 引っ越しのタイミング問わず、新住所で書類を提出する

です。


これは国税庁「No.2029 確定申告書の提出先(納税地)」のQ&Aでも書かれているので、正確な情報を確認したい方は見てみましょう。



ちなみに、令和4年までは納税地を変更するための「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」という書類を原則1カ月以内に提出する必要がありましたが令和5年1月以降は不要となりました。

今後は基本的には、異動(変更)後の納税地を所得税又は消費税の申告書に記載することで、手続が完了するようになります。 


 ただし、の途中で異動(変更)を税務署に知らしておきたい場合は、届出を提出することも可能です。 



納税地の変更届は下記より入手可能です。

国税庁「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」

国税庁「書き方」 

②国内に複数の住居・事業所がある場合

単身赴任をしている人、別荘などを複数持っている人など、2つ以上の住所を行き来している人の場合の提出先は特例が認められており
  • 住民登録をしている場所
  • 別荘など、行き来している場所
  • 事業所などの所在地
を確定申告書類の提出先に選ぶことが可能です。

ただし、この場合も先ほど紹介した「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」の提出が必要になるので注意しましょう。 

③海外転勤で引っ越しをした場合の対策

引っ越し後

仕事の都合などで海外に引っ越した場合、海外で過ごす時間が1年以上を予定しているのであれば、日本国内に生活拠点が無いと見なされ、国外で支払った医療費に対する控除を受ける事はできません。

引っ越し前

日本で得た給与は税の清算(年末調整のようなもの)をする必要があるため、出国までに受けた医療費に対する控除申告を行うことが可能です

その場合、まずは税の清算を行ってもらうために会社に以下の書類を提出します。
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の扶養控除等申告書
  • 給与所得者の配偶者特別控除申告書(必要であれば)
海外に転勤した場合でも、医療費控除を受けるためには、税の清算とは別に確定申告を行う必要があります。

この際、通常の確定申告と違い出国の日までに手続きを行わなければならないので注意しましょう。

引っ越し前は何かと忙しく、確定申告をする余裕が無い人もいるかと思います。

そういった場合は 納税管理人届出書 という書類を管轄の税務署に提出するのがおすすめです。

納税管理人とは、自分の代わりに税に関する手続きを行ってくれる人を示し、納税管理人を指名しておくことで海外にいながらして還付を受けられるようになります。

納税管理人を立てた場合の注意点は以下の通りです。
  • 出国前に納税管理人の申請をする
  • 日本に住んでいる人であれば誰にでも納税管理人に指名できる
  • 提出先は納税管理人ではなく、納税者本人の引っ越し前の住所の管轄税務署へ
  • 帰国し再度日本に定住する場合は、納税管理人を解任しなければならない
副業で税の申告が必要な人が確定申告をせずに出国してしまうと無申告加算税延滞税といった追加の出費が発生する恐れがあるので忘れないようにしましょう。

各種書式は下記より入手可能です。

一時帰国した場合

海外赴任後、日本に一時帰国した場合、日本の医療機関に支払った医療費は控除を受ける事はできません。

税金に関する手続きは、生活の拠点がどこにあるか所得が日本で発生しているかを基準に考えましょう。 

④納税者が死亡してしまった場合の対策

納税者が亡くなってしまった場合の提出先はどうでしょう?


そもそも、亡くなった人の確定申告を行って良いのかと心配になる方もいると思いますが、心配いりません。申告可能です。


支払い過ぎた税金分のお金を取り戻すことは当然の権利なので堂々と行いましょう。

提出先

  • 親族や血族が死亡した場合、亡くなった人の死亡時の管轄施設を提出先とする

相続人の住所ではないので注意しましょう。

注意点

  • 申告期限は、相続が発生した日の翌日から4ヶ月以内
  • 相続対象が複数いる時は「準確定申告の確認書」を添付する
  • 医療費控除の対象となるのは、亡くなるまでに相続人が支払ったものである

亡くなった人の分の確定申告を準確定申告と言います。


申告書は通常と同じものを使用しますが、別途確定申告書付表という書類の作成が必要となるので注意しましょう。


各種書類は下記より入手可能です。

国税庁「確定申告書付表」

国税庁「準確定申告の確認書」


相続税の申告期限は10ヶ月とされているので、それと同じだと思っているとあっという間に準確定申告の期限は過ぎてしまいます。


大切な人が亡くなってすぐにさまざまな手続きを行うことは心身共に疲れる事かもしれませんが、頑張りましょう。


残った家族の負担を少しでも減らすために、私たちは「終活」などを前向きに考えて生きていく必要もあるのかもしれません。 

医療費控除の提出方法を紹介!


医療費控除を受けるための申告書類の作成・提出方法は、大きく分けて3つ存在します。
  1. 税務署に持参する
  2. 税務署に郵送する
  3. e-Tax(オンラインシステム)を利用する
一見、手間のかかる「持参」にも良いところがあり、手軽そうな「e-Tax」にも欠点が存在します。
こちらでは、各提出方法のメリット・デメリットを紹介していくので、あなたに合った手続きの仕方を選べるようにしましょう! 

①税務署に直接持参する

メリット

  • 確実に申告が行える
  • 分からない点があれば聞くことができる

デメリット

  • 税務署に行く手間がある

「一人で書類作成するのが不安だ」「分からない点があるので質問したい」という人におすすめなのが税務署に書類を持参する方法です。


直接持ち込みであれば、不備があればその場で指摘してもらえるため、確実に手続きを行えます。


相談コーナーでは無料で専門家の指導を受ける事が可能なので、個人事業主に人や難しい案件を抱えている人も安心です。


ただし、通常平日しか開庁していないため、時間に都合をつけなければならないのが欠点。


確定申告シーズンになると休日も開ける場合もあるので、管轄の税務署に確認をしてみましょう!


税務署の所在地や電話番号は下記より確認いただけます。

国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」 

②税務署に郵送で提出する

メリット

  • 税務署に行く必要がない

デメリット

  • 送料がかかる
  • 書類不備がないか届くまで分からない
「書類は書面で残したい」という人におすすめなのが郵送です。

郵送であれば期間内に送る事さえできれば、平日・休日問わず提出できるのがメリットです。

しかし、「送料がかかる」ことや「封筒や切手などの準備が必要」なことを考えると、人によっては手間を感じるでしょう。

何より、税務署で確認されるまで書類不備の有無が分からないというのが難点です。

手続きに慣れていない人は他の方法を選ぶと安心でしょう。

申告書類は信書扱いなので送付の際には注意が必要です。

後ほど詳しく紹介させて頂きますので、参考にしてくださいね! 

③e-Taxで提出する

メリット
  • 24時間いつでもどこでも手続きが可能

デメリット

  • マイナンバーカードや機材が必要
近年、利用率が上がっているのがe-Tax(イータックス)の利用です

 e-Taxとは税に関する手続きをオンライン上で行えるシステムで、パソコンだけでなくスマートフォンからも申告書類の伝送が可能。

書類の持ち込みや発送準備などの手間暇の一切を省けるというのが最大のメリットです。

ひとつ問題点を挙げるとすれば、マイナンバーカードやカードを読み取るための機械が必要となることです。

対応機種のスマートフォンを選べば、あとはマイナンバーカードを用意するだけですが、パソコンの場合はカードリーダを入手しなければなりません。

マイナンバーカードを使わない申告方法もありますが、事前に税務署に訪問しIDとパスワードの発行を受けなければならないので事前準備にひと手間かかるのが難点です。

マイナンバーカードは今後さらに幅広い場面で活躍する可能性があるので、時間を作って取得しておくと良いでしょう。

お手持ちのスマートフォンが手続き可能かは下記より確認頂けます。

【注意】宅配便を使った税務署への提出はできない!

確定申告書類は信書にあたるので、宅配便など荷物扱いをして提出する事はできません。


信書とは「特定の人に」「自分の意見や事柄を伝えるための」「文書」を指します。


具体的には

  • 手紙
  • 請求書、領収書、納品書※同梱の荷物に対する納品書などは信書としない
  • 免許証、健康保険証
  • 印鑑証明書、納税証明書、履歴書、健康診断の結果

などが信書です。


簡単に言えば、受取人の名前とプライバシー情報が書いてあるものを示します。


信書に関しては郵便法第4条第2項で定められているため、宅配便で送付した事がバレると300万円以下の罰金が発生するので注意が必要です。


利用できるサービス

分類サービス名
送れるもの定形郵便、定形外郵便、レターパック
飛脚特定信書便(佐川急便)など
送れないものヤマト運輸のサービス
ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストなど

信書については知らないうちに罪を犯していたというケースも考えられます。


万が一、提出先から告発される…などという事態を避けるため、確定申告書類は慎重に送りましょう! 

税務署が開いている時間は全国どこでも同じ!


税務署が開いている時間は下記の通りです。

  • 月曜日から金曜日まで(土日祝等は休み)
  • 午前8時30分から午後5時まで

基本的に全国どの税務署も、開いている時間は変わりません。


確定申告シーズンのみ休日も相談受付している窓口もあるので、お近くの税務署のホームページなどを確認しましょう。


来庁が難しい人は、特別相談等が無ければ郵送オンラインでの申告がおすすめです。


また、2021年2月から3月にかけて受付られた確定申告では、新型コロナウィルス感染対策の観点から入場予約が必要でした。


会場によってはコロナ禍に関係なく、混雑緩和のために入場制限をかける場所もあるかもしれないので、来庁前に施設状況を確認・連絡しておくと良いでしょう。



電話番号や管轄の税務署情報はこちらから確認できます。


国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」 

提出は本人ではなく代理人による提出でもOK


作成済みの確定申告書類は、代理人による提出も可能です。

配偶者や両親、子供はもちろん、親族関係等のない友人でも手続きはできます。

ここで注意したいのは下記の2点です。
  • 代理可能なのはあくまで「提出」や「代筆」
  • 「マイナンバーカード」や「本人確認書類」「委任状」等が必要になる
原則として、確定申告書類の「作成」は本人が行う事とされており、例え配偶者や血を分けた親子であっても「提出」や「代筆」以外は許されません。

代理人が持ち込みで申告書を提出する場合には、確定申告をする人のマイナンバーカードや身分証明書類、代理人の身元証明書類の提示が求められたりするため、手間を考えるのであれば郵送やオンライン申請の方がスムーズです。

一般的に同居親族以外は本人確認書類に加え、委任状を必要とします。

税務署によっては印鑑も必要とするので、提出先の施設に事前に確認するようにしましょう。

また税理士はこの限りでなく、確定申告書類の提出だけでなく「作成」も許されています。 

税理士に書類作成を依頼すれば、難しい計算もせずに済みますが、費用がかかるので注意しましょう。

委任状は下記より入手可能です。

医療費控除の添付資料には何が必要?


確定申告書類の提出先や提出方法が分かったところで、今度は添付書類についてお話します。

特に、平成29年度より医療費等の領収書の添付が不要となったり、提出書類が変更されているので、さかのぼって医療費控除の申告を行う場合は注意が必要です。

オンラインによる申告では、書類添付の省略やデータによる添付が可能なので、パソコンやスマートフォンの捜査に慣れている人にはおすすめです。 

医療費の領収書は添付資料に必要ない

つい先ほど話題に出しましたが、平成29年度分の医療費控除の手続きからは領収書の添付が必要なくなりました。

平成29年から令和元年分の医療費控除の申告に対しては、経過措置という扱いで領収書の添付が認められていますが、令和2年以降は原則として領収書の取り扱いは行っていません。

ただし、提出は無くても領収書は5年間保存するようにと義務が課せられているので、確定申告後も申告に使った領収書は大切に保管しておきましょう。

万が一、税務署から領収書の提示・提出を要求され、その際に領収書が手元になかった場合は「領収書の再発行」もしくは「医療費領収証明書の発行」を医療機関等に依頼します。

領収書の再発行は行っていない医療機関も多く、証明書の発行は一般的に有料となっているので注意が必要です。

丁寧にファイリングするのが面倒だという人も、せめて1年ごとにクリアファイルや封筒に分けてまとめておきましょう! 

医療費控除を受けるには明細書が必要

平成29年度以降の確定申告では、領収書の代わりに医療費控除の明細書の提出が義務付けられています。

医療費控除の明細書とは、簡単に言えば医療費の内訳書のことで、以下のような内容を記載する書類です。
  • 氏名
  • 支払先の名前
  • 医療費の区分(何に使ったか)
  • 支払額や保険金額 など
医療費控除の明細書は手続きを簡単にするために作られたものですが、どちらかというと手続きを受け付ける側が楽になるだけで、申告する側の計算する手間は変わりありません。

書類を作成する際には時間に余裕を持って間違いの無いようにしましょう。 

医療費の明細書以外に書類が必要な場合がある

医療費控除の申告を行う時には、明細書以外に下記のような書類を添付する場合があります。
  • 医療通知書(医療費のお知らせ)
  • おむつ証明書
  • 温泉療養証明書
  • 運動療法実施証明書
  • ストマ用装具使用証明書
  • 在宅介護費用証明書 など
医療費通知書(医療費のお知らせ)とは、あなたが1年間で医療機関等に対して支払った金額をお知らせする書類で、添付すると医療費の明細書の記入を省略することが可能です。

年に1~2回書類送付されたり、希望者のみに発行していたりと、保険者によって対応が違います。

オンラインで照会できる場合もあるので、ご自身の保険者ではどのように取り扱われているか事前に確認が必要です。

また、医療費通知書を誤って捨ててしまう人も多いので注意しましょう! 
(万が一紛失して締まった場合、保険者によっては再発行も行っています) 

医療費控除の仕組み・計算方法について解説!


持ち込み、郵送、e-Tax…利用する申告方法は選べましたか?


e-Taxは入力するだけで納税額等を計算してくれたり、記入漏れがあれば指摘してくれる便利なシステムです。


しかし、どの方法を選ぶにしても、医療費控除に対する知識が無くては作業は難航してしまいます。


続いては

  • 医療費控除とは何なのか
  • 医療費控除の求め方

について説明していくので参考にしてください。 

基本的に医療費控除は確定申告と同時に行う

医療費控除は、確定申告と一緒に申告する事で還付を受けることが可能です。


そもそもみなさんは「源泉徴収」「年末調整」「確定申告」「医療費控除」が何かきちんと理解しているでしょうか?


雰囲気は何となく分かっているけど、人に説明できるほど知識はない…という方がほとんどではないでしょうか?


医療費控除の仕組みを理解するためにもまずは、それらが何なのかを説明していきます。

源泉徴収

会社は、所得税や住民税、厚生年金、健康保険などの金額を差し引いて給与の支払いをしています。

この際、差し引いた所得税を本人の代わりに国に納めること源泉徴収と言います。

年末調整

納税額は、その人が1月1日から12月31日までに支払いを受けた収入を元に決まるため、毎月の給料を元に納めてきた税金では過不足が生じることがほとんどです。


年末調整は、この過不足分を清算し、従業員の税の申告を会社側が行うことを示します。

確定申告

年末調整をした会社以外で収入がある場合や、年末調整を受けていない自営業の人などが、自身で納めるべき税金の額を税務署に報告すること確定申告と言います。


源泉徴収と年末調整は会社でしてもらうこと、確定申告は自分で行う調整と報告と覚えておきましょう。

医療費控除

医療費控除とは、1月1日から12月31日の間に負担した医療費が高くなった場合に受けられる制度で、利用することによって所得税や住民税が安くなります。


医療費を元にした税金の清算は、源泉徴収や年末調整では行われないので、確定申告を通じて自身で行う必要があります。


よって医療費控除の申告=確定申告となるわけです。

医療費控除は年収200万円を境目に計算が異なる

会社勤めの人も自営業の人も医療費控除を受けるためには手続きが欠かせないことが分かりました。


続いては計算方法を確認しましょう。


医療費控除額は

[医療費控除額]=[1年間で支払った医療費]ー[保険金など]ー10万円

で求めることが可能です。


保険金など国や民間の保険会社から医療費の補助を受けた場合は、控除対象と認められず、支払った医療費から除外(マイナスする)必要があります。


具体的には

  • 高額療養費
  • 民間会社の保険給付
  • 出産育児一時金(出産一時金)

などを示します。


また、年間所得が200万円以下の人の計算式は次の通りです。

[医療費控除額]=[1年間で支払った医療費]ー[保険金など]ー[所得金額×5%]

したがって


所得が150万円なら

150万×0.5%(0.05)=7.5万円


所得が100万円なら

100万×0.5%(0.05)=5万円


と差し引く額が変わります。


ご家族の中で、扶養範囲内で働いている人がいる場合、医療費控除の対象となる金額の下限が低くなる可能性があります。


最初から「どうせもらえない…」と諦めずに、自分や家族の所得を確認しましょう。 

確定申告の時期はいつ?提出の回数は?準備は何が必要?


確定申告は毎年2月16日から3月15日までに行います。


2月16日と3月15日が「土曜日」「日曜日」「祝日」の場合は、それぞれその次の平日の対応となるので覚えておきましょう。


※令和2年分の確定申告は、新型コロナウイルス感染症の影響で令和3年4月15日まで延長されていました。


万が一、間違えて確定申告をしてしまった場合、上記の期限内であれば手書き・オンライン共に何度でも手続きをし直すことが可能です。


ただし、オンラインでの申告の場合、データ添付を10回以上失敗すると、書面での送付が必要になるので注意しましょう。


参考:e-Tax 国税電子申告・納税システム「添付書類のイメージデータによる提出についてよくある質問」


「仕組みは理解しているし、確定申告なんてすぐ終わる!」と思っていても、いざ作業してみれば意外と時間がかかるものです。


必要書類は早めに手元にそろえ、余裕を持って確定申告をしましょう。


必要な物

  • 確定申告書
  • 還付金を受け取る口座番号等が分かるもの
  • 源泉徴収票
  • 医療費控除の明細書
  • 領収書(記入内容の確認用)
  • その他添付書類  など

確定申告に遅れた時のペナルティはある?


1ヶ月とゆったり提出期限があっても、多忙などを理由に確定申告ができない場合もあるでしょう。


そういった場合、期限後申告として書類を受け付けてもらえますが、下記のような税金を追加で支払う必要が出てきます。

  • 無申告加算税
  • 滞納税

無申告加算税は、その名の通り確定申告をしなかった場合にかかる罰金で、納めるべき税金の額や申告した日によって金額が変わります。

申告のタイミング罰金
自分から期限後申告した納税額×5%
税務署に指摘されて申告した納税額×15%(※)

(※)納税額が50万円以上の場合は20%をかける


税務署に言われる前(期限後1か月以内)に自主的に申告したり、申告する気はあったのにできない理由があると認められた場合は無申告加算税は発生しません。


延滞税は、申告が遅れた日数に対してかかる税金です。


滞納税の計算方法はやや複雑で、滞納した期間や、どのくらい滞納したのかによって変わってきます。


国税庁のホームページでは、納税額や日付を入力するだけで、罰金の額を自動計算してくれるページがあるので、万が一申告が遅れてしまった人はこちらを利用ください。


国税庁「延滞税の計算方法」


納税申告(確定申告)を忘れてしまうと、最大20%の無申告加算税と、最大14.6%の滞納税が発生します。


確定申告を必要とする人は、前もって領収書等を整理しておきましょう。


特に、単身赴任や一人暮らしの子供がいるなど離れて暮らしている場合には必要書類を手元に揃えるだけでも時間がかかると思うので早めの行動がポイント。


期日ギリギリになりそうな場合は、e-Taxや持参、郵送なら窓口を利用するようにしましょう。 

【参考】単身赴任した場合の医療費控除の申請はどうすればいい?


単身赴任などで家族と離れて暮らしている場合、住民票をどこに置いているかがポイント。

住民票は生活拠点に置く事とされており、単身赴任の場合はご自身でどこに置くか選ぶことが可能です。
  • 今まで通り家族の住む自宅にする
  • 公的手続きなどの利便性を考え、赴任先にする
どちらを選んでも間違いではありません。

確定申告の提出先もまた生活拠点を基準に考えるので、住民票のある地で行うのが一般的です。

また、医療費控除は「生計を一(いつ)にする配偶者・親族」の分を合算することが可能。

離れて暮らしていても家計が同じであれば家族分まとめて控除申告ができます。

ただし、赴任先が海外で、非居住者となる場合は家族が日本に居住していても医療費控除を受けることはできないので注意しましょう。 

【まとめ】医療費控除の提出先は場合によって変わってくる!

この記事では、医療費控除の申告書類の提出先はどこかを中心に、提出方法必要書類などについてお話してきました。

医療費控除は単純にお金が返ってくるだけの話ではなく、翌年の住民税を安くする効果もあります。

「面倒だから」「よく分からないから」と嫌厭(けんえん)せず、仕組みを理解してきちんと節税対策をしましょう。

今回紹介した中で特に覚えておきたいのは下記の4点です
  • 引っ越しした場合は新しい住所で手続き
  • 海外に居住している場合は医療費控除は受けられない
  • 亡くなった人の手続きは申告期限が短いので注意が必要
  • 2月16日から3月15日までの間に「持参」「郵送」「オンライン」で申告
医療費控除の申告を始めとする手続きは、年に1度しか行わないので慣れていても戸惑う事が多々あります。

ましてや初めての申告であったり、状況が変わればなおさら分からないことが出てきて当然です。

ひとつひとつ落ち着いて疑問を解消することが書類作成の近道となるので、時間に余裕を持ってゆっくりと作業していきましょう!

マネーキャリアでは、他にも読んで頂きたい記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。