

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 年収2000万円の節税対策は?手取りを増やすための方法6つを紹介
- ふるさと納税
- 新NISAやiDeCoを活用した資産運用
- 医療費控除またはセルフメディケーション税制
- 生命保険料控除の利用
- 寄附金控除の利用
- 不動産投資
- 迷ったら無料FP相談!年収2000万円で賢く節税する戦略を立てよう
- 年収2000万円以上になったときの注意点・デメリット5つ
- 税金や社会保険料の負担が大きい
- 自分で確定申告をする必要がある
- 住宅ローン控除が受けられない
- 配偶者特別控除が受けられない
- 給与所得控除が一定になる
- 無料FP相談を活用して節税と資産運用を両立する最適なプランを立てよう!
- 年収2000万円世帯でよくある質問
- 年収2000万円でも生活が苦しいのはなぜですか?
- 高所得世帯がFP相談をするメリットは何ですか?
- 資産運用で注意すべき点はありますか?
- 【まとめ】年収2000万円は賢く節税対策をして手取りを増やそう
年収2000万円の節税対策は?手取りを増やすための方法6つを紹介
年収2000万円の高所得者ができる節税対策を6つ紹介します。
ふるさと納税
ふるさと納税には控除限度額が設定されており、控除限度額を超えた分が自己負担金額となります。所得税と住民税は控除の対象外です。
所得税と住民税の控除上限額は次のとおりです。
- 所得税の控除上限金額は総所得金額の40%
- 住民税の控除上限金額は総所得金額の30%
家族構成 | 控除額 |
---|---|
配偶者に収入がない夫婦 | 56万9000円 |
独身または共働き | 56万9000円 |
共働きと高校生の子ども一人 | 55万2000円 |
共働きと大学生の子ども一人 | 54万8000円 |
新NISAやiDeCoを活用した資産運用
NISAは、株や投資信託の収益に課税されるおよそ20%もの税金が0%になる非課税制度です。資産運用をしている方は、NISA口座を利用した方がお得になる可能性が高いです。しかし、収益が出た時のみ効果を発揮するため、iDeCoに比べると節税効果は高くありません。
iDeCoは投資した金額そのものが控除の対象となります。例えば、毎月12,000円積み立てている人は、年間の控除が14.4万円となり、1年間では28,800円の節税効果があります。その上、NISAと同様に分配金や配当金などの運用利益や収益分も非課税です。
NISAとiDeCoは併用もできますが、どちらを運用するか迷う場合はiDeCoを選択した方がお得です。
医療費控除またはセルフメディケーション税制
特徴 | |
---|---|
医療費控除 | 1年間の医療費が10万円を超える場合に適用 病院での治療費や薬代、入院費などが対象 確定進行が必要 |
セルフメディケーション税制 | OTC医薬品の年間購入額が12,000円以上の場合に適用 対象の医薬品は医療用から転用された成分を含むもの 健康診断や予防接種など、健康増進のための取り組みが前提条件 確定申告が必要 |
生命保険料控除の利用
生命保険は支払った生命保険料に応じて、一定額が所得から控除されます。控除によって課税対象となる所得が減ることから、所得税と住民税の負担が軽減されます。もしもの時の備えの他に、継続的な節税効果もあるため、生命保険の必要性を感じたら早めに加入しておいた方が良いでしょう。
生命保険の死亡保険金は、相続税の計算上、一定額まで非課税となります。したがって、生命保険によって相続財産を減らすことができ、相続性の負担軽減にも対応できます。
寄附金控除の利用
寄付控除は個人が地方公共団体や、特定の公益法人に寄付をした場合に所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。寄附金控除の制度は、納税者が公共の利益に貢献するための活動を促進する目的で実施されています。
寄付控除には、所得控除と税額控除の2つの方式があります。どちらの方式が採用されるかは、寄付した先の団体や寄付の種類次第です。寄付控除を受けるためには、確定申告が必要です。
不動産投資
不動産投資は所得税や住民税の節税に効果的です。所得税や住民税は、収入金額から控除金額を差し引いた金額を元に算出されます。不動産投資で購入した物件の経年劣化を伴う建物や設備の取得費用は、減価償却費として経費に入れることができます。
経費はそのまま控除金額となるため、毎年減価償却の金額分だけ節税につながる、というわけです。
その他、不動産投資によって赤字が発生した場合、赤字分を他の給与収入と相殺して申告することも可能です。不動産投資によって、減価償却費や損益通算など、節税の手段が増えるということになります。
迷ったら無料FP相談!年収2000万円で賢く節税する戦略を立てよう

年収2,000万円ともなると、課税金額はかなりの金額となります。日本では累進課税制度が採用されており、収入が増えれば増えるほど課税割合が高くなります。通常の所得以上に入念な節税対策をしておかなければ、多額の税金を徴収されてしまうでしょう。
会社勤めの方は、節税方法がある程度限定されますので、ふるさと納税やiDeCo、不動安投資、生命保険など、控除金額を積み重ねながら、少しでも節税に勤しんだ方が良いです。

年収2000万円以上になったときの注意点・デメリット5つ

年収2,000万円の大台を達成できれば、喜びもひとしおでしょう。これまでの道のりを思い返して、自分を褒め称えたくなる気持ちも十分に理解できます。
しかし、喜んでばかりもいられません。年収2,000万円に到達した時点で、失うものや新たに手続きしなければいけないことも生じます。
年収2,000万円になった時点で、どのような注意点やデメリットが生じるのでしょうか。それぞれの詳細を説明します。
税金や社会保険料の負担が大きい
課税所得金額 | 所得税の税率 | 住民税の税率 |
---|---|---|
900万超〜1,800万円以下 | 33% | 10% |
1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 10% |
自分で確定申告をする必要がある
給与所得者で年収が2,000万円を超えている方は、会社で行う年末調整の対象にならないため、自分で確定申告をする必要があります。会社での年末調整がない場合、生命保険料控除や地震保険料控除など、各種控除が適用されないため、自己申告が必要です。
2,000万円の判定は額面金額です。給与所得控除や社会保険控除後の所得ではありません。他に所得がない方なら、生命保険や地震保険など各種控除を申請するだけなので、確定申告はそれほど難しい作業ではありません。
住宅ローン控除が受けられない
住宅ローン控除は、新築の購入で13年間で最大で455万円、中古なら10年間で最大210万円控除されるお得な制度です。以前は年収3,000万円以下という適用条件が設けられていましたが、2022年1月以降は年収2,000万円以下に変更されています。
したがって、現在では年収2,000万円の方は、住宅ローン控除が受けられない、ということになります。年収の判定は毎年行われるため、年収2,000万円を割り込んだ年は住宅ローン控除を受けることが可能です。
配偶者特別控除が受けられない
配偶者控除は対象となる配偶者の所得が48万円以下の場合に、控除を受けることができます。配偶者に48万円を超える所得がある場合でも、配偶者の所得に応じて、配偶者特別控除という制度を受けることができます。
いずれの制度も、受けられるのは所得ベースで1,000万円以下までです。年収2,000万円を超えると受けられません。昨今、話題にのぼることが多い103万円の壁という課題は、年収2,000万円を超えている方にとっては、関係のない話です。
給与所得控除が一定になる
給与所得控除は、基本的に収入に対して控除額が増えていく仕組みですが、年収850万円を超えると一律195万円の控除額から上がらなくなります。
控除額が据え置きということは、年収850万円を超えると思ったよりも手取り金額の伸びが少ない、という現象が発生します。
年収2,000万円に近い収入を得ている方は、ずいぶん前から手取り金額が伸びにくくなっているのではないでしょうか。
無料FP相談を活用して節税と資産運用を両立する最適なプランを立てよう!

年収2,000万円は高嶺の花というイメージがありますが、実はかなりの税金が課せらています。標準的な所得の人よりも控除が制限されているため、手取り金額に対して税金の割合が多くなっています。
給与所得者ができる節税には限りがあることから、大きく損をしている気持ちになっている方も多いのではないでしょうか。とはいえ、日本の国民である以上は、決められたルールの範囲内でできることをするしか方法はありません。
年収2000万円世帯でよくある質問
ここからは年収2,000万円世帯の方からよく寄せられる質問にお答えしていきます。
年収2000万円でも生活が苦しいのはなぜですか?
原因はいくつか考えられますが、その一つに挙げられるのは税金です。我が国の累進課税制度は高所得者に厳しい制度となっており、2,000万円を超える所得の場合、住民税と合わせると40%近くの税率となります。
高所得世帯では、毎月の住宅ローンや子供の教育費の水準が高いことから、標準的な所得の人が羨むほどの余裕がある生活を送れていないことが多いです。
高所得世帯がFP相談をするメリットは何ですか?
効果的な節税方法をお金の専門家であるFPへ相談するのは有意義なことです。自分で考えられる節税の方法はやり尽くした、と言う方でも、FPへ相談してみると、別の角度から良い節税方法が見つかることもあるかもしれません。
節税の手段が限られる給与所得者にとって、FPへの相談は良い気づきの場となるでしょう。
節税の他には、家計のスリム化に関するアドバイスももらえます。家計のスリム化は無駄使いを減らして余裕を生むためのもっとも効果的な方法です。専門家ならではの視点で、効果的な節約方法のアドバイスが期待できますよ。
資産運用で注意すべき点はありますか?
資産運用は、将来の経済的な安定の他に、目標を達成するために有効な手段ですが、注意すべき点を知らずに始めてしまうと思わぬ損失を招くこともあります。資産運用を始める前に知っておくべき注意ポイントは次のとおりです。
- 目標と目的を明らかにする
- 余裕資金で運用する
- リスクとリターンを正しく理解する
- 分散投資と長期運用を心がける
【まとめ】年収2000万円は賢く節税対策をして手取りを増やそう

ライフスタイルと税金の多さを考えると、年収2,000万円あれば生活は豊かになり、お金のことで苦労することはなくなる、と簡単に言い切ることはできません。税金は毎月必ず発生する支出となりますし、ライフスタイルを維持するための出費も必要です。
限られた節税対策や家計のスリム化を考えている方は、マネーキャリアのFPへ相談してみてはいかがでしょうか。ライフスタイルに見合う節約方法や、節税に関するアドバイスを受けることができます。これ以上節約も節税もできない!と思っていても、意外と新たな方法が見つかるかもしれません。
相談は何度でも無料です。対面の他にオンライン相談も選択できますので、お時間のある時にお気軽にお問い合わせください。
