年収360万は平均年収と比べて低いのか?データをもとに解説!また、手取りや生活レベルについても実際の家計簿をもとに徹底解説。おまけとして、年収アップのコツや家計を上手くやりくりするコツ、さらには住宅ローンなど気になるあれこれについても紹介!

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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年収360万の手取りは?家賃やローン・生活レベルは?

内容をまとめると

・年収360万円の手取りは約285万円

・全年代の平均年収は436万円なので、年収360万円は平均よりやや下といった感じ 

・この記事を読んでいる人は節税をしつつ貯蓄もできる積立投資をするのがおすすめ

こんにちは。マネーキャリア編集部です。 


 「年収に対する手取りや、生活レベルを知りたい」 

という方は多いのではないでしょうか。 


今回は、「年収360万」をテーマに、平均と比較して多いのか少ないのか、手取り額、生活レベルはどのくらいか、について解説していきます。


「自分の年収は低いのか、高いのか?」

「年収360万だと手取りはいくらで、どのくらいの生活ができるのか?」


 そういった疑問をお持ちの方のお手伝いになれば幸いです。

年収360万は平均的!男女別・年齢別のデータから解説


まず、年収360万が平均と比較して多いのか、少ないのか、について解説します。


国税庁による平均年収のデータ(p.21参照)によると、

  • 19歳以下、20~24歳以下、65歳以上では平均年収は360万円以下
  • 女性の平均年収は、すべての年代で360万円以下
  • 全年代の平均年収は、436万円
以上のようなことがわかると思います。


これにより、

「年収360万は、年代によっては平均的」といえます。

25歳以上65歳以下の男性の場合、平均をやや下回る、といった感じでしょうか。


年収360万の手取りは扶養している人数で変わる!【計算方法を解説】


続いて、年収360万の人の手取りについて解説していきます。


手取り額、というのは、額面年収から税金や各種保険料を差し引いて算出されます。

この税金や各種保険料、というのが、その人の環境によって大きく変わります。


さらに詳しく説明するなら、扶養している人数によって、税金の額は変わる、ということです。具体的に見ていきましょう。


年収360万で独身の場合の手取り額は約285万

独身で、扶養している家族が1人もいない場合は、税金や各種保険料は以下の通りになります。


項目金額
所得税72,100円
雇用保険10,800円
住民税154,200円
健康保険177,660円
厚生年金329,400円
合計744,160円


これらを年収360万から引くと、

手取り額はおよそ285万となります。

年収360万で配偶者を扶養している場合の手取り額は約291万

続いて、年収103万円以下の家族がいる場合を考えます。


年収103万円以下の家族がいる場合、その家族を扶養とすることで、税額面で優遇を受けられます。


例として、無職、もしくはパートなどで年収が103万円以下の配偶者がいる場合の、税金や各種保険料は以下の通りになります。


項目金額
所得税53,100円
雇用保険10,800円
住民税121,200円
健康保険177,660円
厚生年金329,400円
合計692,100円


これらを年収360万から引くと、

手取り額はおよそ291万となります。

年収360万の生活レベルとは?家計簿の内訳を解説!

続いて、年収360万の生活レベルについて、解説していきます。


わかりやすいよう、家計簿の内訳をもとに説明していきます。


今後の生活レベルが知りたい、という方や、自分の家計見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

年収360万の一人暮らしの家計簿ー都会の場合ー

都会に一人暮らしをする場合、どこに重点を置くかによって生活費の比重は変わってきます。 


趣味にお金をかけて楽しみたい人、貯金を頑張りたい方、様々だと思いますが、どちらにしても、家賃はなるべく押さえるのが得策です。


一昔前は、家賃は収入の1/3と言われていましたが、近年では家賃は手取り額の1/3以下が望ましいとされています。


独身の方の手取り年収は約285万円で、月収にするとおよそ23.7万円です。 そのため、1/3以下の家賃にするなら71000円以下に抑えるのが良いとされています。


家賃を約7万円にした場合で生活費の内訳を考えてみましょう。 

実際の家計簿形式で、収入の使い道の内訳を紹介します。


項目金額
家賃70,000円
食費30,000円
水道光熱費10,000円
通信量10,000円
保険10,000円
日用品10,000円
交際費20,000円
合計160,000円


上記は最低限かかる固定費のため、これに加えて、趣味のお金や衣服費などが発生します。

衣服費を2万円、趣味に3万円をかけても、2.7万円ほど貯金ができる計算です。


ただし、都心に住む場合はもう少し家賃がかかる場合もありますし、食費も外食が増えれば3万円では収まらないこともあるでしょう。


また、貯金したい場合は、もう少し趣味費や衣服費をへらす必要があります。


とはいえ、一般的な最低貯蓄額は手取り月収の1割程度と言われていますので、この上程でも最低限の水準はクリアしているといえるでしょう。

年収360万の一人暮らしの家計簿ー地方の場合ー

続いて、地方に一人暮らしをする場合について考えます。


地方暮らしの何よりのメリットは、家賃を抑えることができる点です。

毎月確定でかかる固定費のうち、最も大きな割合を占める支出である家賃が下がると、生活はぐっと楽になります。


家賃を約4万円にした場合で生活費の内訳を考えてみましょう。 実際の家計簿形式で、収入の使い道の内訳を紹介します。


項目金額
家賃40,000円
食費20,000円
水道光熱費10,000円
通信量 10,000円
保険10,000円
日用品10,000円
交際費20,000円
合計120,000円


やはり、家賃が低いのが大きいですね。


固定費を除くと、11.7万円を自由に使うことができます。


美容や衣服代として2万円ほど差し引いても9.7万円残ります。これだけあれば十分に趣味を楽しむことができます。


月に3.7万貯金したとしても、毎月6万円ほど趣味に使っても問題ないでしょう。


すべて貯金に回すと、月に9.7万、年間にしておよそ116万円貯蓄に回す事ができます。

年収360万の結婚家庭の家計簿ー都会の場合ー

都会暮らしで結婚生活をする場合は、一概に自分の年収だけでは生活のスタイルを判断するのは難しいでしょう。


共働きかどうかで、家庭の経済状況が大きく変わるためです。


ここでは例として、男性側の年収が360万円でそれだけで生活する場合の生活費を計算してみましょう。実際の家計簿形式で、収入の使い道の内訳を紹介します。


項目金額
家賃90,000円
食費40,000円
水道光熱費10,000円
通信量15,000円
保険20,000円
日用品10,000円
交際費30,000円
合計215,000円


二人暮らしの場合、1Rや1Kに住むというのは現実的ではないでしょう。


都心で1LDK以上の物件を探すと、少なくとも家賃は9万円はかかるかと思います。


都内の場合は場所によって家賃相場が全く異なるため、どこに住むかは重要になってきます。少しでも家賃相場の安い場所に住むことが重要です。


また、食費も二人分になり節約が必要です。 

 固定費だけでも21.5万かかり、ここに美容院代や衣服代も考えると、貯金どころか赤字になってしまう月もあるかもしれません。


交際費や食費をもっと削るなど、家計に工夫が必要になる、苦しい結果となりました。

都会で年収360万で結婚生活をする場合は、より生活に余裕を持つために、共働きで収入を増やすことがおすすめです。

年収360万の結婚家庭の家計簿ー地方の場合ー

都会暮らしで結婚生活をする場合は、共働きで収入を増やさなければかなり苦しい生活になるという結果でした。では、地方暮らしの場合はどうでしょうか。


地方で結婚生活をする場合は、やはり家賃が都心よりかからないことや、物価が安いことなどのメリットがあり、十分に生活できるでしょう。  


家賃を約5万円にした場合で生活費の内訳を考えてみましょう。 実際の家計簿形式で、収入の使い道の内訳を紹介します。


項目 金額
家賃50,000円
食費30,000円
水道光熱費10,000円
通信量15,000円
保険20,000円
日用品10,000円
交際費20,000円
合計155,000円


配偶者がいる場合の手取り年収は291万円のため、月々の手取額は24.2万円と独身の場合より5千円ほど高くなります。 こちらは前述の通り、扶養の関係ですね。

固定費が15.5万円とかなり下がり、8.7万円の余剰ができる計算です。 美容代や衣服代2人分で4万円ほど使用しても、4.7万円の貯金が可能です。

やはり地方であれば夫婦二人でもある程度ゆとりのある生活が可能という結果になり、都心との生活とはかなり違いが出ることがわかりました。

年収360万の住宅ローンの目安はいくら?

続いて、住宅ローンについてです。

年収360万で家を購入する場合、住宅ローンの目安はいくらになるのでしょうか。


住宅ローンの借入額の目安として、年収の5倍ほどという数字がよく言われます。

よって、年収360万の場合、住宅ローンは1800万円までが目安となります。


借り入れだけなら年収の10倍ほどまで可能という話もありますが、返済に追われて生活を圧迫することになるので、やめておいたほうが良いでしょう。

年収360万の一人暮らしで家賃の相場は?


続いて、年収360万で一人暮らしをする場合の、家賃の相場を解説します。


引っ越しにかかる費用や、一般的な間取りについても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。


年収360万で賃貸の審査に落ちない目安はいくら?

家賃は、月々の手取り額の3割〜3分の1にするべきです。


 年収360万円の場合、月々の手取り額は約23.2万円なので、3分の1すると約7.7万円になります。 


前述の通り、年収は保険料や年金、税金などを支払う前の総支給額で、保険料などを支払って実際に振り込まれるお金を「手取り」と呼びます。


また、賃貸物件の入居審査では、家賃が年収の36分の1以下でないと審査に落ちてしまう可能性が高くなります。


収入に対して家賃が高すぎると、家賃を毎月支払う能力が無いと判断されてしまうためです。


年収360万円の場合、家賃は高くても10万円まで、それ以上だと審査に落ちる可能性がある、ということです。

年収360万の一人暮らしの生活は?

家賃を7.7万円に抑えて一人暮らしすれば、節約しなくても生活費に困らないくらいの余裕があります。


家賃7.7万円とその他の固定費を手取り額から引くと、毎月6~7万円は自分の好きなことに使える計算になります。 


毎月の貯金額が1万円くらいで良いなら、お金がかかる趣味や外食を毎週楽しめますが、毎月5万円以上貯金するなら趣味や外食は我慢することになります。


参考までに、一般的な貯金額として、手取りの約10%~20%を貯金している人が多いと言われています。


年収360万円での手取り額は278万円くらいなので、1年で27.8~55.6万円くらいになります。 1ヶ月あたりだと2.3万円~4.6万円くらいで、節約しすぎなくても貯められる現実的な金額です。  

家賃の目安は約8万!!都内を例に引っ越し費用・間取りを紹介

続いて、家賃7.7万円だとどんなお部屋に住めるのかを解説します。


例として東京23区内では、家賃7.7万円ならどうなるのか。


杉並区や荒川区など家賃相場が安いエリアで新築、バス・トイレ別の1Kのお部屋に住めます。築年数が20年以上経っている古めの物件なら、2DK1DKの広い間取りも見つかります。 


一方、家賃相場が高い品川区、目黒区、渋谷区などの地域では、バス・トイレが一緒だったり、居室が5畳以下で狭かったりと、条件が良くない物件がほとんどです。  


もちろん、23区内は全国で最も家賃相場が高い地域ですので、地方に住んだり、都内でも23区外に住めば、同じ家賃でより広い部屋に住むことができます。

年収360万は平均的!男女別・年齢別のデータから解説


年収360万が平均と比較して多いのか、少ないのか、について解説します。 


 国税庁による平均年収のデータ(p.21参照)によると、 

  • 19歳以下、20~24歳以下、65歳以上では平均年収は360万円以下 
  • 女性の平均年収は、すべての年代で360万円以下 
  • 全年代の平均年収は、436万円 
以上のようなことがわかると思います。 


これにより、 「年収360万は、年代によっては平均的」といえます。 

25歳以上65歳以下の男性の場合、平均をやや下回る、といった感じでしょうか。 

男女別の年収データから解説

男女別に見ると、全体での平均年収は、男性が540万に対し、女性は296万となっています。


また、男性は60歳まで平均年収が上がり続けるのに対し、女性は25~29歳の平均年収が最も高くなっています。


これは、出産や育児に伴う退職や休職があるためだと考えられます。


年齢別の年収データから解説

年齢別に見ると、多くの場合、35~39歳でやっと全体の平均年収を上回ることになり、多くの会社で年功序列の風習が根強く残っていることが伺えます。


また、こうして年齢別で分けると、働き盛りの年代の平均年収の高さがよくわかります。例えば、30代で共働きの場合、平均年収ベースでも1000万円近い家計収入になっていることがわかります。


年収360万から年収アップの方法2選!


年収360万の実情と生活水準がわかったところで、

「年収を上げたい」と感じた方もいるのではないでしょうか。


ここでは、現在の年収からアップさせる方法を2つ、ご紹介します。

①副業

先に説明したとおり、日本の会社はまだまだ年功序列感が強く、昇給にはどうしても時間がかかります。


一方で、現在は副業が解禁されている会社は増えてきました。


副業は、単純な年収アップだけでなく、収入の分散につながったり、税制の面で優遇を受けられるなど、様々なメリットがあります。


会社員の副業としては、初期コストが低く、時間帯や場所を問わず取り組めるものが向いています。


具体的には以下の通り。

  • せどり
  • ブログアフィリエイト
  • Webデザイン
  • プログラミング
  • 動画編集
どれも初期コストは低く、パソコン1台で始められるものばかりです。


失敗してもほとんど損にはなりません。副業に取り組んだ時間も経験値として貴重ですから、年収アップを狙うのであれば、とにかくまずは小さく始めてみましょう。

②転職

副業が禁止されている方や、それ以外の方法で年収アップを狙う方は、転職がおすすめです。


年収360万の会社員であれば、転職することで年収が上がる可能性は大いにあります。


転職活動は時間もかかり、環境も変わるので、リスクに感じる方もいるかも知れません。

たしかに転職はリスクを伴いますが、転職活動だけならノーリスクです。


活動してみて、気に入った条件でなければ転職をしなければ良いだけなので、こちらもまずは行動してみることをおすすめします。


具体的には、以下のような転職エージェントを利用すると良いでしょう。

  • リクルートエージェント
  • doda
  • パソナキャリア
  • リクナビネクスト
転職エージェントの利用は無料なので、疑問点や不安を解消するためにも1度面談を申し込むと良いと思います。

年収360万でやりくりするコツ2選


「副業も転職もめんどくさい」

「そんなに高年収は必要ないから、今の年収でやりくりして楽しく暮らしたい」


そう考える方もいるでしょう。

ここでは、年収360万でやりくりするコツを2つ解説します。

①貯金のコツを知る

当たり前の話ですが、貯金というのは、収入−支出で求められます。

ところが、この当たり前の概念を普段から意識できている方は意外と少ないのです。


年収1000万を超えていても全く貯金がない、という方もよくいるのですが、

まさに貯金=収入−支出を意識できていない典型的な例です。


贅沢な暮らしで、稼いだ分だけ使ってしまうのです。

簡単に高すぎる住宅ローンを組んだり、家計管理をしないままキャッシュレスで使いすぎたりと、日常の出費から見直せる無駄な支出はたくさんあります。


そして、貯金というのは気合ではなくテクニックです。

知識があれば、生活の満足度を下げることなく、支出を減らすことができます。


家賃の安い地域に住んだり、スマホを格安simにして固定費を下げることは、貯金に大きく貢献しますが、それによって生活が著しく不便になったり、不幸になることはありません。


このように、「生活水準を下げずに支出を減らす」方法を考えながら生活することが、年収360万でやりくりする1つめのコツです。


②知識をつけるーマネーキャリアで無駄を減らすを知るー

もう一つ、私達が身につけるべきなのは、「お金の知識」です。


資本主義社会を生きる私達にとって、お金に関する知識は、誰もが身につけるべき武器であり護身術です。


少しでも合理的に税金を減らす節税の方法、申請をするだけでもらえる補助金や給付金といった制度などは、「知らなければ損をする」という世界です。


これを機会に、お金に関する知識を身に着けたいと思った方は、ぜひ、マネーキャリアの記事を読んだり、FPに相談するなどし、家計の見直しを行ってみてください。


また、マネーキャリアでは、国家資格であるFP(ファイナンシャルプランナー)資格を持つお金のプロがお金に関する相談を無料で受け付けています。


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まとめ:年収360万の生活は??

年収360万の生活について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

 今回の記事のポイントは、 

  • 年収360万は、平均的
  • 地方暮らしだと楽だが、都内で二人暮らしだとかなり苦しい
  • 共働きをしたり、副業や転職で年収アップを狙おう
  • お金に関する知識を身に着け、生活をの質をあげよう
 でした。 是非、参考にしていただければと思います。