老後2000万円問題を徹底解説!夫婦で本当に必要な老後資金と準備方法とはのサムネイル画像
▼この記事を読んでほしい人
  • 老後2000万円問題を聞いて、何となく老後が不安になっている人
  • 老後資金について実際にどれくらい準備したらいいのか具体的な金額が知りたい人
  • 老後資金のために今からできる対策を知りたい人

内容をまとめると

  • 老後に必要な資金は人により異なり、2000万円で足りる場合や4000万円以上必要になることもある
  • 年金の受給開始年齢が上がれば、更に必要な金額は増える
  • 月1万円だけでも収支を改善し、投資について勉強するのが現実的な解決策
  • 思い立った時から、NISAやiDeCoでの資産運用がおすすめ!
  • 家計や老後資金の相談は、相談満足度98.6%のマネーキャリアへ!

金融庁が発表し話題になった老後資金2000万円問題。その根拠や内訳について詳細に解説していきます。また老後資金を貯めるにあたって強力な資産形成制度であるNISAやiDeCoなどにも触れ、老後の金銭的な不安に対処する方法等を紹介します!

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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老後2000万円問題とは?根拠や内訳をわかりやすく解説!


「老後2000万円問題」という言葉を聞いて、老後資金として2000万円も貯める必要があるのか、足りないかもしれないと不安に感じている人もいるかもしれません。


老後2000万円問題の発端は、2019年に金融庁が出した報告書です。


では、「老後2000万円問題」とは具体的にどのような計算と根拠をもとに算出された問題なのでしょうか。

ここでは、金融庁の報告書に基づいて以下についてわかりやすく説明します!

  • 老後資金2000万円の内訳について
  • 老後資金は2000万円で足りるのか

老後資金の2000万円の内訳と計算方法

老後資金の「老後2000万円問題」は、老齢夫婦の毎月の生活費の不足分残りの平均寿命から算出された金額です。  

2019年に出された金融庁の報告書では、毎月の老齢夫婦(会社員/公務員の夫:

65歳、専業主婦:60歳)の平均的な収入と支出は下記の通りです。

  • 収入:20万9198円
  • 支出:26万3718円
収支の差を計算すると、毎月の不足分は5万4520円になります。

これから人生100年時代により平均寿命が伸びると仮定し、あと30年生きる仮定して不足分を計算すると以下になります。

5万4520円×12ヶ月×30年=1962万円

およそ2000万円が不足するという結果になりました。
これが、金融庁が発表した「老後2000万円」の根拠内訳となります。

ただし、上記の収支はあくまで"会社員・公務員の夫"と"専業主婦"である場合です。
もし、共働き夫婦で定年まで働くのであれば、夫婦ともに年金をもらえるので、年金のみでほとんど賄える計算となります。

一方で、自営業夫婦の場合は厚生年金がなく、国民年金のみとなるので、毎月約11万円が不足するという結果となります。

このように、夫婦の働き方によって全く状況は異なるのです。

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老後資金は2000万円で本当に足りる?

上記でも軽く触れましたが、老後資金が2000万円で足りるかどうかは、下記2点によって変わります。

  • 夫婦の働き方
  • 夫婦の寿命(専業主婦/夫ではない人の寿命)
共働き夫婦は、毎月の生活費についてはほとんど心配する必要はありません

もちろん年収によって年金給付額は変わるので、双方とも年収300万円程度なら月2万円~3万円程度不足する可能性もあります。
しかし、大体の場合、毎月の生活費の不足分と住宅修繕費や海外旅行など生活費以外の支出を考慮しても、現在の計算上は2000万円あれば十分といえるでしょう。

一方で問題は、専業主婦(夫)がいる夫婦や自営業夫婦です。

毎月の生活費の不足分に加えて、老後の医療・介護代や海外旅行費等の生活費以外の支出を合わせれば、2000万円では足りなくなる可能性が高いです

また、近年顕著な物価上昇や平均寿命の長寿化、退職金の減少などさまざまな要因から誰もが老後資産をしっかりと形成しておく重要性が高まっています。

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老後資金に備えるために必要な背景知識4選


老後2000万円問題の重みを知っていただけたでしょうか。


ここでは、老後資金に備えるために必要な知識を4つ紹介します。いずれも、将来老後を迎える20代~40代にとって知っていて当たり前の知識ですので、一緒に確認していきましょう。

  1. 平均寿命が伸びている
  2. 定年と年金受給年齢が70歳以上に引き上げられる可能性
  3. 医療費が増えている
  4. 退職金が減っている

背景①平均寿命の伸び

日本人の平均寿命は伸び続けています。厚生労働省の「簡易生命表(令和2年)」によると、2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳です。


これは2019年の数値を男性は0.23年、女性は0.29年上回っています。


このまま伸び続けると、男性の平均寿命は85歳、女性の平均寿命は90歳となり、少なくとも定年以後20年~25年は年金を主な収入として暮らしていくことになります。

背景②定年と年金受給年齢の引き上げ

定年と年金受給年齢も引き上げられ、また今後も引き上げられる懸念があります。


以前は、定年60歳、年金受給開始も60歳でした。現在は、定年は原則として65歳に引き上げられています。年金受給開始年齢は除々に引き上げられ、現在は65歳です。


ただ、20代~30代のあなたが老後を迎えるときに65歳のままである可能性は低いでしょう。


厚労省の資料によると、既に70歳までの就業確保を努力義務にする改正高年齢者雇用安定法が2021年4月に施行されています。

(参照:厚生労働省 ハローワーク


これまでの流れを考えれば、原則70歳を定年にするようになり、それと併せて年金受給開始年齢が70歳になる可能性が高いでしょう。

背景③医療費の増大

医療費も増えています。2021年の通常国会で、後期高齢者医療制度の窓口負担額について、一定の所得がある人を対象に2割へ引き上げられることが決まりました。


「後期高齢者(75歳以上。現役並み所得者は除く)であっても課税所得が28万円以上(所得上位30%2)かつ年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は、後期高齢者の年収合計が320万円以上)の方に限って、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方は1割とする。」

(引用:全世代型社会保障改革の方針(令和2年12月15日閣議決定)


年金も収入に入りますので、共働き夫婦の場合は後期高齢者になっても医療費負担は1割とならず、2割負担になります。


現在は一定の所得がある人に限られますが、今後は後期高齢者全員に広がる可能性も否定できません。


国の社会保障費が増え続ける今、老後の医療費まで国が全面的に面倒を見る余裕はないのです。

背景④退職金の減少

これまでの老後の生活は、まとまった退職金をもらって悠々自適に第二の人生を過ごすのがロールモデルでした。


ですが、2022年現在このロールモデルは破綻しています。原因は、退職金の減少です。


平成20年は、大卒の平均退職金給付額は2323万円でした。平成30年では1983万円まで減少しています。

(参照:退職給付(一時金・年金)の支給実態|厚生労働省


今後もこの減少傾向は続くでしょう。上記金額はあくまで平均のため、企業の業績悪化により退職金が大幅に減額されたり、無くなったりすることもあります。


退職金に委ねた老後の生活プランは、企業の業績が悪化した途端に崩れる、危険なプランでしかありません。

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老後資金不足にならないための対策方法3選!


老後資金について、思ったより高額だと感じた人が多かったのではないでしょうか。

仮にあなたが20代であったとしても、将来に対する備えは考えておかなければいけません。


どのように老後資金を貯めていくかについて、誰にでもできる方法をここでは3点紹介します!

  1. 生活費の見直しをする
  2. 投資の勉強をする
  3. NISAやiDeCoを活用する

方法①生活費の見直しをする

とにかく支出を削り、収入を増やしていくのが最も効果的です。

若い世代はあまり金融資産を持っていないため、最初は投資による資産増加の効果が乏しくなります。


たとえば現在30歳の2人がいたとして、下記のような生活をしていたとします。

  • Aさん:毎月の手取り20万円、支出が毎月18万円
  • Bさん:毎月の手取り20万円+副業の手取り毎月3万円、支出が16万円
1ヵ月だけでみたら、たったの5万円しか貯蓄額は変わりません。それでも、65歳までこの生活が続いたと仮定すると、貯まる貯蓄はなんと2100万円の差になります。
  • Aさん:年間24万円×35年=840万円
  • Bさん:年間84万円×35年=2940万円
一見これ以上節約が難しく感じても以下の項目をもう一度見直してみることをおすすめします。
  • スマホ代等通信費
  • 保険料
  • 毎月のサブスク代
  • 外食代
上記の支出を意識し、たとえ3000円でも資産運用に回すことができたら、26万5000円もの利益を20年後に得ることも可能です。

一度しっかりと見直してみることがおすすめです!

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積立NISA月3000円積み立ては意味ない?20年後はいくらになるのか検証

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方法②投資の勉強をしてお金の知識をつける

最初は投資の効果は乏しいといっても、収支を改善して貯蓄が100万円以上になれば、投資を検討していかなければいけません。


2022年現在、銀行の預金金利はネットバンクを利用しても年0.2%が限界です。

メガバンクに預けている人は0.001%しかもらえません。


今後、日本でもインフレが進行する可能性が高く、モノの値段はどんどん上がるのに預金はちっとも増えない現象が起こります。

その場合、銀行の預金はインフレで実質上目減りしてしまうのです。


これを防ぐためには、投資によって資産形成するのが効果的な方法です。

投資は、最初は難しいものの、多少勉強すれば仕組みがわかるようになります。


また、最近ではネット証券を中心に、初心者向けの投資手法が盛んに宣伝されています。

  • インデックスファンドの長期積み立て
  • つみたてNISAの活用
  • iDeCoの活用
このような投資手法なら初心者でも簡単に始められ、リスクも少ないです。

マネーキャリアでは毎月無料のオンラインセミナーや無料相談を実施しています。


専門家の意見も参考にしつつ将来の2000万円の資産形成を考えていきましょう!

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方法③NISA・iDeCoを活用する

投資を考える際に、国の税制優遇制度をまず活用してみるのがおすすめです。

  • NISA(2024年より新NISAへ移行)
  • iDeCo
NISAつみたてNISAは少額投資非課税制度と呼ばれ、それぞれ投資した資金により得た利益が非課税になります。

また、2024年にはNISAが進化し、非課税期間が無期限化、非課税枠の上限が大幅に上昇します。

iDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれ、投資による利益が非課税になるだけでなく、所得控除や受取時の退職控除が受けられます。

以下が簡単比較早見表です。
NISA制度iDeCo
運用額上限(年間)つみたて投資枠:120万
成長投資枠:240万円
加入者の職業属性によって異なる
例:専業主婦(年額27万6000円)
累計運用額上限1,800万円なし
運用可能期間無期限60歳まで
年齢18歳以上20歳以上
引き出しいつでも可能原則60歳まで引き出し不可
メリット投資による利益が非課税
分散投資が可能
投資による利益が非課税
所得控除
受取時の控除
iDeCoはNISAと異なり手数料がかかるというデメリットがありますが、節税効果も大きくなるのでおすすめです。

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積立NISAとは?仕組みや特徴や新NISAについてわかりやすく解説

まとめ:老後資金は個人が自分の状況に合わせて備えるのが重要!

この記事では、老後2000万円問題について解説しました。

  • 老後に必要な金額が2000万円と画一的に決まっているわけではない
  • ライフスタイルによっては4000万円~5000万円必要になる
  • 収支を改善して貯蓄を増やし、投資を考えていくことが現実的な解決策
老後2000万円問題は、メディアがわかりやすく切り取っただけです。本当に必要な金額は個々によって異なります。

ライフスタイルや今後の社会情勢よって変わりますので、今からできることを行って将来に備えていきましょう。

もし、あなた自身で備えるのが難しいなら、専門家へ相談してみるのもおすすめです。

マネーキャリアでは、お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)と多数連携しており、全般的な家計相談も行っています。

また、家計相談以外に下記の相談も実施しています。
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  • 保険の見直し
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