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賃貸 VS マイホーム、誰もが一度は考えるであろう問題を徹底的に解説。お互いのメリット、デメリットに切り込むだけでなく、具体的な数字を使って家計収支や貯金額のシミュレーションも実施。これを読めばきっとあなたの住まい選びに大きく役立つはずです!

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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賃貸とマイホームのメリット・デメリット


これからの住まいを選ぶとき、賃貸とマイホーム、どちらが良いのか悩む人は多いでしょう。

今回は、賃貸VSマイホームというテーマで、あなたにとってどちらがおすすめかを詳しく解説していきたいと思います。

これを読めば、自分にとって賃貸とマイホームのどちらが向いているのかを理解できるようになるはずです!

賃貸に住むメリット


まずは賃貸物件に住むメリットについて考えていきましょう。 


・ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる

賃貸の最大の魅力は、その時に合ったライフスタイルに合わせられる点です。


たとえば、子どもが増えたからもっと広い家に引っ越したい、リモートワークが増えたから仕事部屋がほしい、隣人の近所迷惑に悩んでいる、など。


さまざまな状況に柔軟に対応できるのが、賃貸の良さでしょう。


・住宅ローンに縛られない

また住宅ローンに家計収支を縛られない点も見逃せません。


マイホームを購入し住宅ローンを組むと、毎月決まった金額を返済していくようになります。


そのため収支計画が立てやすい反面、収入が減ってしまった場合でも簡単には返済額を減らすことはできません。


一方で賃貸であれば、収入が減少した場合は家賃の安い物件を探して引っ越せばよいので、ある程度の家計収支をコントロールすることが可能です。


・維持費用がかからない

賃貸では固定資産税などマイホームでは必ずかかる維持費用が不要になります。


基本的に住居にかかる費用は家賃のみであり、日々のランニングコストを安く抑えたいのならば賃貸の方が安上がりと言えるでしょう。 


・家賃補助が利用できる

勤務先によっては賃貸に家賃補助が出る企業もあります。


支給要件はさまざまですが、月々の家賃負担が軽く済む点は大きなメリットです。


ただし、年齢や制度の変更によって家賃補助が打ち切られる可能性もあるため、永遠に約束された制度ではない点に注意が必要です。 

マイホームを持つメリット

続いてマイホームを持つメリットです。


・自分の好きな間取りや内装にできる

マイホームで注文住宅を選択すれば、我が家を自分の好きな間取りや内装にできます。


また、建売であってもリフォームやリノベーションによって自分好みの仕上がりが選べるので、賃貸に比べると圧倒的に自由度が高いと言えます。


借りた当初の現状維持が求められる賃貸とは違い、オリジナルにカスタマイズできる点がマイホームの最大の魅力でしょう。


・住む場所に困らないという安心感

さらに自分の家を持つことで得られる安心感が挙げられます。


賃貸は契約更新の度やアパートの老朽化を理由に立ち退きを求められる可能性があります。


しかし、マイホームはまぎれもなく自分の持ちモノです。


住むところがあるというのは当たり前のように感じるかもしれませんが、万が一高齢になってから賃貸物件で突然立ち退きを求められた場合、簡単に次の住居が見つかるとは限りません。


マイホームであればそういった心配をすることなく、将来の大きな安心感を得られるのです。


・家族に資産としてマイホームを残せる

およそ30年に渡る住宅ローンが無事に完済となれば、晴れてマイホームは完全にあなたの物となります。


以降は毎月の返済に追われることもなく、心にもゆとりができるはずです。


加えて、もしあなたに万が一のことがあっても、残された家族にマイホームを資産として残してあげられます。


仮にあなたが大きな財産を残せなくとも、住む場所があるだけでも残された家族は安心するはずです。


また、住宅ローンが完済していなくても団体信用生命保険という住宅ローン専用の生命保険に加入していれば、あなたが死亡した時点でローンが保険金によって完済される仕組みがあります。 

賃貸に住むデメリット


・ずっと家賃を支払わなければいけない 

賃貸の最大のデメリットは支払い続けないといけない家賃でしょう。

マイホームでは住宅ローン完済というゴールがありますが、賃貸の場合はそれがありません。


・自分に合わせたリフォームができない 

賃貸物件は原状復帰が原則です。借りた当初の状態のままに戻すというのが条件となっているため、壁紙を変える、壁に穴を空けるといった行為をすれば修復費用を支払う必要があります。 


・高齢になると賃貸を借りられないリスクがある

さらに高齢になり、働いての収入がなくなってくると賃貸物件を借りられなくなるケースもあります。


最終的にはオーナーの判断になりますが、年金生活者に対しては入居条件を厳しくしているところも多いようです。  

マイホームを持つデメリット

・住宅ローンを完済しないといけない 

マイホーム購入につきものなのが住宅ローンですよね。


多くの人はマイホームの夢をかなえると同時に長年のローンを背負い込むことになります。


住宅ローンが完済になるまでは借金を負った状態であるため、経済的なもの以外に精神的な負担にもなってきます。 


・維持費用がかかる 

毎月のローン返済以外にもマイホームにはさまざまな費用が必要になります。


その代表例が固定資産税です。不動産を持っているだけで課せられる税金であるため、マイホームがある限り避けて通れない税金と言えます。


・環境の変化に対応しづらい 

マイホームは一度購入すると賃貸のようにすぐに別の物件へ引っ越すというわけにはいきません。


収入が減ったからといって簡単に住宅ローンの返済額を落とすこともできません。


そのため、マイホーム購入にあたっては、しっかりとした自身のライフプランを立てる必要があるのです。 

賃貸とマイホームのシミュレーション


ここまで賃貸とマイホーム、それぞれのメリット・デメリットを見てきましたが、やっぱり一番気になるのはコストですよね。


そこでこの章では、以下の条件の下でそれぞれのコストについてシミュレーションをしてみました。


【前提条件】

  • 35歳独身
  • 年収:450万円(毎年1%上昇)
  • 資産:600万円
  • 年間生活費:180万円(年間1%上昇)、60歳以降は150万円
  • 60歳で退職金:1,000万円
  • 65歳から公的年金:月15万円


賃貸のシミュレーション

まずは賃貸の場合のシミュレーションです。


家賃は月10万円、65歳以降は月7万円と仮定した場合、家計貯蓄の推移は次のグラフのようになりました。


グラフ



現役世代である35~60歳までは順調に資産形成ができている一方で、退職後は貯金を食いつぶしながら老後生活を送っているのが分かると思います。


しかし、65歳以降は家賃の安い所に引っ越しをしたため、貯金は大きく減ることなく75歳時点でもまだ余裕がある状態になりました。

マイホームのシュミレーション

そして次にマイホームでも検証をしてみましょう。


マイホームの前提条件は、次の通りです。

  • マンション購入額:3,000万円
  • 借入残高:2,700万円(頭金300万円)
  • 住宅ローン金利:1%
  • 借入期間:35年



当初は住宅ローンの頭金として300万円を使っているため、賃貸のケースと比べると当初の貯金額は少ない状態になっています。しかし、家賃より住宅ローン返済の方が少ないため、歳を重ねる毎に貯金額は増加していき、退職時には6,000万円を超えました。さらに、老後も70歳で住宅ローン完済となった後は収支の改善が見られて、ふたたび貯金額の増加が見られるという結果になりました。


まとめ

以上の結果をまとめると、賃貸はその時のライフスタイルに合った住み方が選べますが、ずっと家賃を支払い続ける必要があります。


マイホームは自分好みに間取りなどを決められる自由度が高いですが、住宅ローン負担が重くのしかかることになります。


また、収支のシミュレーション結果からは見てみると、賃貸は頭金等の大きな出費を抑えられる一方で、老後の収支についてはマイナスになる可能性が高そうです。


マイホームでは住宅ローンを借りる際に頭金を入れるために当初の貯金額は減りますが、住宅ローン完済後の収支は大きく改善されることが分かりました。


今回ご紹介したメリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、自分に合ったライフスタイルを検討してみてはいかかでしょうか。