年金の追納はしない方が良いと思っている人に伝えたい年金追納のメリットのサムネイル画像

この記事を読んで欲しい人

  • 過去に年金の免除や猶予期間を受けていた方
  • 年金の追納について考えている方
  • 年金について詳しく知りたい方

内容をまとめると

この記事で分かる事
  • 追納しないことにより差し押さえられる場合がある
  • 追納により老齢年金を多く受け取れる
  • 追納により障害基礎年金を受け取れる
  • 追納した年金保険料は年末調整や確定申告で控除できる
  • 年金の相談は何度でも無料で相談できるマネーキャリアがおすすめ

国民年金の追納はしない方が良いと思っている人に伝えたい追納のメリットを解説しています。追納のメリットは、年金の追納で受け取れる年金額が増える、社会保険料控除が受けられる、障害年金を受給できることがあります。また、年金の追納は投資でカバーできるのかも紹介しています。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

国民年金の追納はしない方が良いと思っている人に伝えたい追納のメリットを解説


国民年金の保険料について追納をしない方が良いと考える方も少なからずいらっしゃいますが、国民年金の保険料を追納することにより様々なメリットがあります。


具体的に以下のようなメリットがあります。

  • 将来に受け取れる老齢基礎年金の受取額が増える
  • 障害基礎年金が受け取れる
  • 遺族基礎年金が受け取れる
年金制度は、原則として65歳から受け取れる老齢年金とは別に、障害年金遺族年金が主にあります。

これらを受け取るためには各制度にある要件を満たさなければいけません。

その要件に保険料払込期間があり未納期間があれば、年金受給額が減ったり受け取れなくなったりします。



保険料を追納することにより、受給額が増えたり受け取れるようになったりしますが、次から追納制度について詳しく解説をしていきます。


この記事を通して追納しないデメリットも含めて理解し、国民年金の追納しない方が良いかを考えてみてください。

国民年金の追納制度とは?


まず初めに国民年金の追納制度について詳しく解説をしていきます。


国民年金の追納制度とは、過去に国民年金の保険料の納付について免除や払込猶予、学生免除を受けて保険料を支払っていない期間について、後から保険料を納付することが出来る制度です。


更に国民年金の追納制度は以下のような特徴があります。

  • 過去10年間の未納期間について追納できる
  • 過去3年度から前については加算額が上乗せされる可能性がある
以上の条件で年金事務所へ申請手続きをした後に承認されたら追納をすることができます。

追納が認められた場合は、老齢基礎年金の受給額に反映され増えたり障害基礎年金や遺族基礎年金の要件にも反映されます。


また、年末調整や確定申告で支払った追納分の年金保険料は申告することができます。


次からは以下の2点について解説していきます。

  1. 国民年金の追納をしないとペナルティはある?
  2. 学生納付特例制度とは?
それでは、詳しく見ていきましょう。

国民年金の追納をしないとペナルティはある?

国民年金の追納をしなかった場合のペナルティとして、財産の差押えになることがあります。


20歳になれば国民年金の保険料を支払うのは義務です。


免除や学生免除以外で年金保険料の未納が続いた場合、以下のような流れで財産の差押えになる可能性があります。

  1. 特別催告状が届く
  2. 最終催告状が届く
  3. 督促状が届く
  4. 差押え通知書が届く
  5. 差押えが行われる
このように年金事務所から差押えが行われる可能性があります。年金の未納が続き催告状や督促状が続いて通知が来ている方は、未納の理由によっては猶予期間や保険料が免除となる可能性もありますので無視することなく相談してみましょう。


また、他にも免除や猶予、学生免除による未納期間について追納をしないことによるデメリットとして、将来受け取れる老齢基礎年金の受給額が減少したり、障害基礎年金等の年金が受け取れなくなる可能性もあります。


未納期間がある方については将来の年金受取額や今後のケガや病気のリスク等を考えて、未納期間の年金保険料を追納するかを検討してみましょう。

学生納付特例制度とは?

学生納付特例制度とは、学生が申請手続きをすることで受けることが出来る制度で、一般的には年金保険料の学生免除と言われています。


学生免除が認められると、対象期間については国民年金の年金保険料の払込が免除されます。


ただし、国民年金加入期間としてはカウントされますが、将来受け取る老齢基礎年金の受給額は未納期間として計算されます。


令和4年度時点で学生免除を受けるには以下のような要件があります。

  • 日本に在住の20歳以上の学生
  • 一部を除く学校に在学
  • 前年の所得が128万円+(扶養人数×38万円)+社会保険料控除等

そして、手続きは以下のような流れで行うことができます。

  • 申請書をダウンロード(ねんきんネットで作成も可)
  • 必要事項を記入もしくは入力
  • 申請書と年金手帳・在学証明書を年金事務所へ提出
以上を行うことにより、年金事務所で審査があり承認された際に学生免除が適用されます。


ただし、学生でなくなった時に免除期間について保険料を追納しないと将来受け取る老齢年金受給額は減ったままになります。従って、老齢年金を満額受給したい方は追納により年金保険料を納める必要があります。

国民年金の追納はしない方が良いと思っている人に伝えたい追納のメリット


次は、国民年金の保険料を追納しない方が良いと思っている人へ、追納することによるメリットをもう一度お伝えしようと思います。

追納することにより以下のようなメリットを受けることができます。
  1. 国民年金の追納により受け取れる年金額が増える
  2. 社会保険料控除が受けられる
  3. 障害年金を受給できる
このように老齢年金の受給額が増えるだけではなく、年末調整や確定申告で社会保険料控除を受けることが出来る、障害年金を受けることが出来る、このようなメリットがあります。

前までの解説により、追納制度の概要と追納しないことによるデメリット等を伝えてきましたが、追納することによるメリットも含めてしっかり理解した上で追納分の保険料を払うべきかどうかを検討しましょう。

個人の主観や動画やうわさで偏った意見により判断するのは避けるようにしましょう。

①国民年金の追納により受け取れる年金額が増える

まず初めの国民年金の年金保険料を追納する事により受けられるメリットとして、老齢基礎年金の受給額が増える事です。


国民年金の老齢基礎年金を受け取るための要件は以下の通りです。

  • 保険料納付済み期間と保険料免除期間を合わせた期間が10年以上ある
  • ※保険料免除期間=(全額免除月数の4/8+3/4免除月数の5/8+半額免除月数の6/8+1/4免除月数の7/8)
これらの要件を原則として60歳時点でこの要件を満たしていた場合に65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。


また、老齢基礎年金は保険料の払い込み月数で金額が決まります。ということは未納期間が多ければ多いほど保険料の払い込み月数は減り年金の受給額も減ってしまいます。


令和4年時点で国民年金の老齢基礎年金支給額を決定する計算式が以下の通りです。

777,800円×(保険料納付済期間+保険料免除期間)÷480

この計算式を基に、令和4年時点で例えば学生納付特例制度で免除を受けていた人が追納した時としない時の年間での年金受取金額にどれだけ差があるか見ていきましょう。

学生免除年数年金受取差額
1年1万9,437円
2年3万8,874円
3年5万8,311円
4年7万7,748円

追納することにより、これだけの差額が生じます。老後生活が平均で20年あると考えると上記の表の差額の20年分が生じます。


学生免除期間が4年だと、65歳から平均寿命まで約20年間を年金受け取ったとして155万4,960円の差額が生じ、追納保険料は4年分で約80万円を支払ったとしても76万円多く年金を受給する事になります。


以上のことを考慮して、国民年金の年金保険料を追納しない方が良いかどうかを考えるようにしましょう。

②社会保険料控除が受けられる

次に国民健康保険料を追納することにより受けれるメリットは、追納した年金保険料はその年の社会保険料控除を受けることができることです。


つまり、年末調整確定申告において社会保険料控除として追納した年金保険料を申告することにより、所得から控除され、結果的に課税所地区が下がり納税額が下がります。


年末調整や確定申告では、以下のような控除を申告することができます。

  • 基礎控除、配偶者控除、扶養控除
  • 社会保険料控除、生命保険料控除
  • 住宅ローン控除
また、医療費控除や経費等については確定申告のみで申告することができます。


国民年金の年金保険料を追納した場合は、この社会保険料控除の枠で申告することができます。従って、支払った保険料については所得から控除されて少ない所得として税金が計算されて所得税や住民税が安くなります


このように、追納した年金保険料は無駄に支払うだけではなく税金においてもメリットがあります。追納をしない方が良いと考えている人もこの点を含めて考えると良いかと思います。

③障害年金を受給できる

最後の国民年金の年金保険料を追納するメリットの3つ目として、障害年金を受給できる可能性があります。国民年金には一定の要件をクリアした上でケガや病気で障害認定された際に障害基礎年金として受給することができます。


障害基礎年金の主な支給要件は以下の通りです。

  • 障害等級が1~2級に該当
  • 国民年金の被保険者
  • 保険料納付期間が保険料支払済月数と免除期間月数の合計が2/3以上

このように国民年金の年金保険料について未納期間があると保険料納付期間が2/3を下回ってしまい障害年金が受け取れなくなる可能性があります。


障害年金は、病気やケガで障害等級1~2級になり働けなくなった際の大きな収入源になります。その際の備えをしっかりとしておきたい方は追納をして保険料の納付要件を満たすようにしておいて下さい。


その他にも細かい要件はありますので実際に障害年金を受給したいとなった場合はFPなどへ相談してみて下さい。

国民年金の追納額を投資でカバーできる?


国民年金の年金保険料を追納しない方がい良いという考え方の人で、年金を支払う額分を投資資金に回して利益を得る方が良いと考える方がいます。ただし、これには注意が必要です。


投資は、余裕資金を運用して資産を増やす資産運用です。投資には以下のようなものがあります。

  • 株式投資
  • 投資信託
  • 不動産投資
他にもFXや暗号資産等の投資などがあります。


投資は将来の資産を増やすには良い運用方法ですが、当然リスクもあります。増える可能性もありますが投資対象の価値が減ってしまい自分の資産が減る可能性もあるからです。


従って、投資は余裕資産で行うようにして将来手堅く受け取るための年金保険料を優先として支払うことを優先的に考えるようにしましょう。

障害基礎年金を受給している人が年金を追納する際の注意点


最後に障害基礎年金を受給している人へむけて、年金保険料の追納に関して注意点をお伝えいたします。


障害基礎年金を受給している人の注意点としては以下の通りです。

  • 障害年金の受給額は増えない
このように、国民年金の年金保険料を追納しても既に障害基礎年金を受け取っている方や受け取れる方については障害基礎年金の受給額は法律により決まっており増えることはありません

あくまでも追納の目的は老齢基礎年金の受給額が増えるのと障害基礎年金等の受け取るための要件を満たすことです。


障害基礎年金の年金受給額は以下のように決まっています。

障害等級障害基礎年金受給額
1級97万2,250円+子の加算額
2級97万2,250円+子の加算額

そして、子の加算額については以下の通りです。

子の人数子の加算額
2人まで一人につき22万3,800円
3人目以降一人につき7万4,600円

障害基礎年金を既に受給している方で年金受給額を増やす目的で追納をしようとしても効果が無いため、この点については気を付けて下さい。

国民年金を追納するべきかについてのまとめ


今回は、国民年金保険料の追納制度について解説してきました。


まとめとしては、国民年金の年金保険料を追納することによるメリットは多々ありその恩恵は無視できないでしょう。 

よって追納が可能であれば行うことをおすすめします。


追納しない方が良いと考えている方はもう一度この記事を通して考えてみて下さい。


ただし、年金の制度は他にも色々とあり少し詳しい人からしても複雑な制度です。そして、国民年金保険の他にも厚生年金保険との絡みもあります。


年金について悩んでいたり気になっていることがある方はお金のプロであるFP等に一度相談してみるのをおすすめします。


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