実家暮らしで生活保護を受けたいと思っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、実家暮らしで生活保護を受ける条件について解説しています。生活保護を受ける手順や生活保護を受けるために実家を離れて一人暮らしをする方法についても説明しています。
監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 実家暮らしの人が生活保護を受ける条件は?
- 実家暮らしの人が生活保護を受ける条件は3つ!
- 条件①最低生活費よりも世帯収入が低い
- 条件②現金や売ってお金になる財産がない
- 条件③うつ病や障害などの理由で仕事をすることができない
- 条件④経済的に助けてくれる親戚がいない
- 実家暮らしが生活保護を受けたときの注意点
- ①虚偽の報告をしない
- ②収入が最低生活費を上回る
- ③ケースワーカーの助言に従わない
- ④生活保護制度の目的は最低限の生活を送れるようにすること
- 実家暮らしで生活保護を受けた場合の受給額はいくら?
- 実家暮らしの人が生活保護を受けるまでの流れを紹介!
- ①福祉事務所や役所の生活保護窓口で申請書類を提出する
- ②ケースワーカーによる家庭訪問で審査される
- ③預金残高や親戚の経済状況を審査される
- ④2週間以内に審査結果を連絡が来る
- 生活保護を受けるため実家を離れることはできる?
- まとめ:条件付きで実家暮らしでも生活保護を受けられる
実家暮らしの人が生活保護を受ける条件は?
この記事を読んでいる人に中には、実家暮らしの人が生活保護を受けられるのか気になっている人もいるでしょう。
生活保護と聞くと、障害者・母子家庭のシングルマザー・うつ病など病気の人が受給するイメージを持ちやすいですよね。
親の収入があるのに、実家暮らしでも生活保護は受けられるのでしょうか。
この記事では、実家暮らしの人の生活保護の受給について
- 実家暮らしの人が生活保護を受給するための条件
- 生活保護を申請するときの注意点
- 生活保護を受給するまでの流れ
- 実家を離れても生活保護は受給できるのか
実家暮らしの人が生活保護を受ける条件は3つ!
実家暮らしでも、以下の4つの条件を満たせば生活保護を受けることができます。
- 最低生活費よりも世帯収入が低い
- 現金や売ってお金になる財産がない
- うつ病や障害などの理由で仕事をすることができない
- 経済的に助けてくれる親戚がいない
条件①最低生活費よりも世帯収入が低い
世帯収入とは、自分を含めた家族全員の収入金額の合計のことです。
この世帯収入が自分が住んでいる地域の最低生活費よりも下回っていたら、生活保護が受けられます。
最低生活費は都会と地方、さらには同じ市内でも住んでいる地区や家族の人数などで異なります。
そのため、一概に「世帯収入が〇円以下なら生活保護が受けられるよ」とは言い切れません。
まず始めに、自分が住んでいる都道府県(居住地が町・村の人は都道府県が窓口です)、もしくは市区町村の基準とする最低生活費を調べましょう。
それぞれの自治体の公式サイトや、都道府県庁・市役所・区役所の窓口で調べることができます。
条件②現金や売ってお金になる財産がない
現金や売ってお金になる財産がないことも、生活保護を受けるための条件になります。
売ってお金になる財産とは、これらのことを指します。
- 車
- バイク
- 不動産(家など)
- 土地
- 保険
条件③うつ病や障害などの理由で仕事をすることができない
体調面や精神面に事情があり、仕事ができないときも生活保護を受給できます。
例えば、お医者さんからうつ病と診断された、けがをして障害が残ってしまい以前のようには働けないなどです。
しかしこれは、裏を返すと「体も心も元気なら働いて、生活費は自分で稼いでね」ということになります。
心身ともに元気な人はまずは働いて収入を増やすようにしましょう。
それでも居住地の最低生活費以上の金額が稼げないときは「条件①最低生活費よりも世帯収入が低い」に当てはまり、生活保護が受給できる可能性があります。
条件④経済的に助けてくれる親戚がいない
実家に住んでいる両親、別の地域で暮らしている兄弟姉妹や祖父母・叔父伯母など、経済的に助けてくれる親戚がいないことも生活保護を受給するための条件です。
まずは身内同士で助け合って、それでもダメなら生活保護が受給できます。
生活保護を受けるための調査では、経済的に助けてくれる親戚が本当にいないのか・親戚の経済状況はどうなのかを聞かれます。
事前に確認を取って、経済的に助けてくれる親戚がいないことを説明できるようにしておきましょう。
実家暮らしが生活保護を受けたときの注意点
実家暮らしが生活保護を受けたときは、以下の4点を行わないよう注意しましょう。
- 虚偽の報告をしない
- 収入が最低生活費を上回る
- ケースワーカーの助言に従わない
- 生活保護制度の目的は最低限の生活を送れるようにすること
①虚偽の報告をしない
生活保護を受けるときは、嘘をつかないようにしましょう。
例えば、収入金額を極端に少なくして申告する・売ったらお金になる資産があるのに隠す・本当は居るけれど助けてくれる親戚がいないと言うなどです。
生活保護は困っている人に向けて作られたものです。
もし嘘の申告が通り、生活保護を不正受給していることがばれると、懲役や罰金が課せられます。
生活保護が継続して受けられるか微妙な時でも、虚偽の報告はしないようにしましょう。
②収入が最低生活費を上回る
収入が最低生活費を上回ると、先ほど紹介した「条件①最低生活費よりも世帯収入が低い」がクリアできていないことになります。
つまり収入が最低生活費を上回ると、最低限必要な生活費が稼げていると判断され、生活保護が受けられなくなるのです。
最低生活費は住んでいる自治体や地域ごとに異なります。
生活保護を受ける前に、自分の家族の収入が居住地の最低生活費よりも高くないか確認しましょう。
③ケースワーカーの助言に従わない
ケースワーカとは、生活保護を受けている人の自立を促す市役所・区役所の職員のことです。
定期的に生活の様子を訪ねてアドバイスをしたり、「こんな仕事はどうですか?」と新しい仕事先を教えてくれたりします。
生活保護を受けている人が生活保護なしでも生活できるよう、たくさんの助言をしてくれるのです。
しかしケースワーカーの助言に従わないと、最悪の場合、生活保護の受給は停止・廃止になります。
生活保護なしでも生きていけるように頑張っている姿勢を見せるようにしましょう。
④生活保護制度の目的は最低限の生活を送れるようにすること
生活保護を受けることになった時は、「生活保護制度の目的は最低限の生活を送れるようにすること」を忘れないでください。
生活保護制度は、母子家庭で子育てに時間を取られて満足に働けないシングルマザーや、働きたくても働けない怪我人・病気の人・障害者を助けるための制度です。
また、生活保護費には自治体の予算だけでなく多くの人が毎日働いて納めた税金も含まれています。
なんとなく働きたくないから・毎月の給料に加えて収入が欲しいからなど、気軽な気持ちでは使わないようにしてくださいね。
実家暮らしで生活保護を受けた場合の受給額はいくら?
生活保護は、世帯単位で受給することになります。
どういうことかというと、実家暮らしなら実家に住んでいる自分だけでなく、同じく実家に住んでいる両親や兄弟姉妹も同時に受給することになるということです。
そのため、実家で暮らしている家族のうち自分一人だけが生活保護を受けることはできません。
生活保護の受給額は次の8つの項目の合計金額になります。
- 生活扶助:食費や光熱費など日常生活に必要な費用
- 住宅扶助:アパートなどの家賃
- 教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
- 医療扶助:医療サービスの費用
- 介護扶助:介護サービスの費用
- 出産扶助:出産費用
- 生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
- 総裁扶助:お葬式などで必要な費用
実家暮らしの人が生活保護を受けるまでの流れを紹介!
実家暮らしの人が生活保護を受けるまでの流れは、次のようになっています。
- 福祉事務所や役所の窓口で書類を提出する
- ケースワーカーが家庭訪問をして審査する
- 残額や親戚の経済状況を審査する
- 2週間以内に審査結果を連絡が来る
①福祉事務所や役所の生活保護窓口で申請書類を提出する
生活保護制度の説明を受けたら、福祉事務所や役所の生活保護窓口で必要な書類を提出します。
必要な書類は、生活保護制度の説明を受けた福祉事務所や役所の窓口でもらえます。
必要な書類はもらったらその場で書いても良いですし、一度持ち帰って書いても構いません。
申請書類を提出するときは、これらのものも一緒に持って行くようにしましょう。
- 印鑑
- 通帳
- 本人確認(免許証など)
- 収入がわかるもの(給与明細など)
- 賃貸借契約書(アパートなどに住んでいる場合)
②ケースワーカーによる家庭訪問で審査される
書類を提出したら、次はケースワーカーがあなたの家まで訪問して実際の生活の様子を見に来ます。
収入の状況・障害や病気の具合など、色々なことを質問されたり確認されたりもします。
少し緊張するかもしれませんが、訪問されるからといって身構えなくても大丈夫です。
今の暮らしがどういう状況なのか・「これから仕事を増やしたり転職したりして収入を増やしたいと思っている」といった今後のことを落ち着いて話しましょう。
③預金残高や親戚の経済状況を審査される
家庭訪問が終わったら、あなたの貯金・車や建物など資産の残額や親戚の経済状況が審査されます。
売ったら生活費に充てられるものはないか、生活保護を受けなくても親戚から助けてもらえないかなどを調査されるのです。
必要に応じて収入申告書・資産申告書という書類を提出します。
この「③残額や親戚の経済状況を審査される」が生活保護を受けられるかどうかの鍵になります。
審査・調査には担当者の指示通り、きちんと協力するようにしましょう。
④2週間以内に審査結果を連絡が来る
これまで受けた調査の結果や提出した書類をもとに生活保護が受けられるかどうかが審査され、2週間以内に結果の連絡が来ます。
審査結果は、保護決定通知書という書類もしくは電話で届きます。
普通は2週間以内に連絡が来ますが、審査に時間が掛かったら30日ほどかかることもあるようです。
2週間を過ぎても連絡が来ない場合は、申請書類を提出した福祉事務所や役所の生活保護窓口に確認しましょう。
生活保護を受けるため実家を離れることはできる?
生活保護を受けるために実家を離れることは難しいです。
なぜなら、生活保護を受けるための条件④「生活保護制度の目的は最低限の生活を送れるようにすること」に引っ掛かるからです。
引っ越しするためには、不動産の契約料や新しい家具代など、それなりにお金が掛かりますよね。
生活保護を受けるための審査では、このような引っ越しの費用は生活費に充てられるからと審査が通らないことがあるのです。
また、もし引っ越してから生活保護を受給しようとしている人・現在実家から離れて暮らしている人がいたら注意してください。
実家から離れて暮らしながら生活保護を受けようとすると、生活保護を受けるまでの流れ③「残額や親戚の経済状況を審査される」段階で実家に調査や連絡が入ります。
そこで実家が頼れそうなら、「今の暮らしが苦しいなら、実家に戻ってください」と言われて生活保護が受けられなくなります。
実家の暮らしも生活保護が受給できるぐらい苦しくないと、生活保護を受けるために実家を離れることは難しいでしょう。
まとめ:条件付きで実家暮らしでも生活保護を受けられる
実家暮らしでも生活保護を受けられるかどうかについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
実家暮らしでも以下の条件を満たせば生活保護を受けられます。
- 最低生活費よりも世帯収入が低い
- 現金や売ってお金になる財産がない
- うつ病や障害などの理由で仕事をすることができない
- 経済的に助けてくれる親戚がいない
- 福祉事務所や役所の窓口で書類を提出する
- ケースワーカーが家庭訪問をして審査する
- 貯金・資産の残額や親戚の経済状況を審査する
- 2週間以内に審査結果を連絡が来る