- 定期保険が必要かどうかを、どのように判断したら良いか悩んでいる人
- 定期保険のメリットやデメリットを知りたい人
- 年齢別における生命保険の加入率を知りたい人
- 定期保険が必要な人と必要でない人の特徴がわかる
- 定期保険の特徴と注意しておくべきことがわかる
- データをもとに、定期保険への加入時期を考えることができる
定期保険が必要かどうか悩んでいる人に向けて、定期保険の特徴をもとに必要性について詳しく解説しています。定期保険の加入時には、メリットやデメリットを理解することも重要ですが、遺族年金と合わせて定期保険が必要かどうかを考えることも大切だと言えます。
この記事の目次
- 定期保険は必要か?必要な人を解説
- 子供が独立するまでなど一定期間の死亡保障が欲しい人
- 定期的に死亡保険の保障内容を見直したい人
- できる限り安い保険料で保障を付けたい人
- 長期間の保険料の支払いに自信がないが死亡保障が欲しい人
- 定期保険が不要・いらない人
- 生命保険で相続税の対策をしたい人
- すでに十分な貯蓄があり、ご自身に万が一があっても遺族が困らない人
- 生命保険で資産運用も一緒にしたい人
- ご自身が亡くなっても遺族が金銭的に困らないという人
- 遺族基礎年金も考慮して定期保険が必要か考えるのがおすすめ
- 定期保険がご自身に必要か判断するうえで参考になるデータ
- 生命保険の加入率
- 年齢別の死亡率と平均余命
- 定期保険のメリット
- 定期保険のデメリット
- 定期保険の選び方
- まとめ:定期保険は必要か
定期保険は必要か?必要な人を解説
生命保険で定期保険が必要かと考えたとき、「定期保険が必要だ」と言える人は、以下にある4つのいずれかに該当する人だと言えます。
- 子供が独立するまでの一定期間、死亡保障を準備しておきたい人
- ライフプランに合わせて定期的に保障内容を見直したい人
- できるだけ安い保険料で保障を持っておきたい人
- 死亡保障は準備しておきたいが、高い高い保険料を支払えない人
子供が独立するまでなど一定期間の死亡保障が欲しい人
子供が育ち、独立するまでの一定期間のみ死亡保障が欲しい人には、定期保険がおすすめです。
終身保険は保険料が高い特徴があるため、大きな死亡保障に備えるには不向きです。
そのため、一定期間大きな死亡保障が欲しい人には、少ない保険料で高額な死亡保障が準備できる定期保険が向いているのです。
定期保険は10年や15年、20年な必用な期間のみ大きな死亡保障を準備できる特徴があるため、ニーズに合った保障を持つことができます。
ただし定期保険に加入する際は、以下のポイントに注意が必要です。
- 子供が何歳になるまで死亡保障が必要か
- 必要とする保障期間中に更新を迎える保障期間となっていないか
定期的に死亡保険の保障内容を見直したい人
ライフイベントごとに死亡保障を見直したい人には、定期保険がおすすめです。
終身保険は、生涯おなじ死亡保障額を継続することを前提として加入するため、定期的な見直しには不向きな死亡保険だと言えるのです。
定期保険は、一定期間のみを対象とした死亡保険となっていることから、保障の見直しがしやすく、以下のような人におすすめの死亡保険となっています。
- いまは独身で、結婚する予定がある人
- 子供を産む予定がある人
できる限り安い保険料で保障を付けたい人
安い保険料で高額な死亡保障が欲しい人には、定期保険がおすすめですが、保険料は掛け捨てであることを覚えておいてください。
終身保険は一生涯の保障を準備するため、貯蓄性に優れた性質を持っています。
しかし定期保険は短期間の保障であるため、保険料の試算には以下のことがポイントとなっています。
- 一定期間に対して、性別や年齢ごとの死亡率で保険料が決まる
- 満期金や将来に必要とする保障が必要ないため、保険料の積み立て部分が少ない
たとえば、ある保険会社の定期保険では、死亡保障2,000万円に対して、以下のような保険料となっています。
保険料 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20歳 | 1,550円 | 830円 |
30歳 | 1,850円 | 1,410円 |
40歳 | 3,570円 | 2,650円 |
50歳 | 8,070円 | 5,110円 |
60歳 | 18,850円 | 9,230円 |
保険料が割安な定期保険ですが、加入時の年齢によっては毎月の保険料が非常に高くなりますので、本当に定期保険が必要かどうかを判断し、複数の保険商品を比較しながら検討することが大切です。
長期間の保険料の支払いに自信がないが死亡保障が欲しい人
終身保険のように、長期間にわたって保険料を支払うことがむずかしい人は、定期保険がおすすめです。
終身保険が必要か、定期保険が必要か悩んだときには、それぞれの保険商品の特徴を知ったうえで考える必要があります。
定期保険と終身保険の大きな違いは、以下のとおりです。
保険種類の違い | 定期保険 | 終身保険 |
---|---|---|
保険料の特徴 | 安い | 高い |
保険料の特徴 | 掛け捨てタイプ | 積み立てタイプ |
解約返戻金 | 少ない | 継続期間によっては多くなる |
一定期間のみ死亡保障がある定期保険では、掛け捨てタイプの特徴から、たとえ途中で解約したとしても、もともと少ない解約返戻金に大きな影響はありません。
しかし、終身保険を途中で解約すると、加入期間が短い場合に積み立てタイプの保険であるにもかかわらず、解約返戻金より支払った保険料が多くなる元本割れを起こす可能性が高くなります。
このような保険種類の特徴から、長期間にわたって保険料を支払うことがむずかしい人には、終身保険は向いていないと言えるのです。
定期保険が不要・いらない人
定期保険に加入する必要性が低いのは、以下の4つのいずれかに当てはまる人だと言えます。
- 生命保険を利用して相続税の対策をしておきたい人
- 十分な貯蓄があって遺族が困らない人
- 保障と資産運用の両方を生命保険で期待している人
- 遺族が金銭的に困らない環境の人
生命保険で相続税の対策をしたい人
相続税の対策には定期保険が有効かと考えると、実は定期保険では不向きだと言えます。
将来、万が一のことがあったときに相続対策を考えているなら、万が一のことが起きたときに、死亡保障のある保険に加入しておく必要があるのです。
つまり、一定期間で保障期間が終わってしまう定期保険よりも、一生涯継続する終身保険の方が、相続対策には適していることになります。
相続税対策における生命保険については、死亡保障のある保険に継続して加入していれば良いことから、「保険料が安い定期保険を更新し続ければ良いのではないか」という質問が多くあります。
定期保険を更新した場合と終身保険でどちらが必要が悩んだときには、それぞれの保険料や保障を比較してみることが大切です。
- 定期保険は保険料は安いが更新するたびに保険料が上がる。しかし、終身保険は保険料は一定額のままで継続できる
- 定期保険は更新できる上限がありやがては保障が消滅するが、終身保険の保障は一生涯継続することができる
すでに十分な貯蓄があり、ご自身に万が一があっても遺族が困らない人
十分な貯蓄があり、万が一のことがあっても遺族は生活に困らないという人は、定期保険の必要性は低くなります。
子供が独立し、夫婦二人だけの生活なら万が一のことがあった場合でも、十分な貯蓄があるなら生命保険で死亡保障を備える必要はないのです。
ただし預貯金の場合、万が一のときには次のようなリスクがあることを忘れてはいけません。
- 故人の口座は凍結され、すぐにお金を引き出すことができなくなる
- 預貯金は全額、相続税の課税対象となる
このようなリスクを避けたい場合は、定期保険ではなく一時払いの終身保険などの利用がおすすめです。
終身保険の死亡保障なら、遺産分割などを待つ必要がなく受け取ることができ、生命保険による非課税限度額「500万円×法定相続人の数」が利用できるため、相続税対策も可能となります。
生命保険で資産運用も一緒にしたい人
生命保険の利率を利用して、死亡保障だけでなく資産運用も考えている人には、定期保険はおすすめできません。
利率の良さは貯蓄タイプなら、高い利率で運用されるため資産が増加することに繋がりますが、掛け捨てタイプでは保険料の割引に利率が利用されているという大きな違いがあるのです。
そのため定期保険は、安い保険料で高額な死亡保障を持てる魅力がありますが、掛け捨てタイプであるために資産運用はできません。
どのような保険に加入が必要かと悩んだときは、以下を参考にしてみてください。
- 資産運用を行いたいなら貯蓄タイプの生命保険
- 高額な保障を準備しておきたいなら掛け捨てタイプの定期保険
生命保険を利用した資産運用が可能な保険商品は、終身保険や個人年金保険、または外貨建て終身保険など貯蓄タイプがあります。
保険に加入するときは、目的に合わせてどんな保険商品が必要かを考えることが重要です。
ご自身が亡くなっても遺族が金銭的に困らないという人
万が一のことがあり、自分自身の収入が途絶えても、遺族が金銭的に困ることはないという人なら、定期保険に加入する必要性は低いと言えます。
たとえば専業主婦(夫)の人の場合、配偶者の収入だけで家計が成り立っているなら、自分自身に万が一のことがあっても、配偶者には収入があるため、専業主婦(夫)には大きな死亡保障は必要ないと考えられるのです。
ただし子供がいる場合は、専業主婦(夫)にも定期保険が必要であると言えます。
遺された配偶者は、ひとりで子育てをしながら働く必要があるため、思うように働けず収入が減ってしまう可能性が高くなります。
そのため、専業主婦(夫)であっても、子供がいる場合は教育費として定期保険などで万が一に備えておく必要があると言えるのです。
遺族基礎年金も考慮して定期保険が必要か考えるのがおすすめ
万が一のことがあったとき、遺された家族の生活を支えることを目的として、公的制度による遺族年金があるため、遺族年金を考慮したうえで定期保険が必要かどうか考えてみることも大切です。
遺族年金には、2つの種類があります。(参照:日本年金機構「遺族年金」)
- 国民年金による遺族基礎年金
- 厚生年金に加入していた場合に加算される遺族厚生年金
配偶者の年齢 | 年金額 |
---|---|
67歳以下 | 795,000円+子供の加算 |
68歳以上 | 792,600円+子供の加算 |
定期保険がご自身に必要か判断するうえで参考になるデータ
定期保険が必要かどうかを判断するときに参考となるデータを2つ紹介します。
- 年代別における生命保険の加入率
- 年齢別における死亡率や平均余命
生命保険の加入率
定期保険が必要か考えたとき、特約として定期保険を付加することが多い生命保険の加入率を知りたい場合は、生命保険文化センター「生命保険に加入している人はどれくらい?」を参考にすることができます。
2022年度の調査では、全年齢に対して男性は77.6%、女性は81.5%の人が生命保険に加入していることがわかっています。
また、年代や性別ごとの生命保険加入率は、以下のとおりです。
生命保険の加入率 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20代 | 43.4% | 57.1% |
30代 | 81.5% | 82.8% |
40代 | 86.1% | 86.3% |
50代 | 86.9% | 87.8% |
60代 | 85.8% | 86.5% |
70代 | 72.5% | 78.8% |
30代以降は生命保険の加入率は非常に高くなり、また、どの年代でも女性の方が生命保険の加入率が高いことがわかります。
なお、定期保険への加入が必要か悩んだときは、年代や性別による加入率を参考にすることも大切ですが、ご自身の生活環境や仕事、家族構成などによって加入の必要性が大きく変わることも忘れないようにしてください。
年齢別の死亡率と平均余命
定期保険は大きな死亡保障を準備できる特徴があるため、死亡率や平均余命を参考にして、定期保険への加入が必要かを考えることもできます。
死亡率では、一定の人数のもと1年間における年齢別の死亡者数を、平均余命では、0歳を基準として年齢ごとにあと何年生きられるかということが示されています。
死亡率と平均余命は、どちらも厚生労働省「簡易生命表(令和3年)」で知ることができ、性別ごとに調べることが可能です。
たとえば40歳の死亡率や平均余命では、男性と女性で異なっています。
簡易生命表
(抜粋) | 死亡率 | 平均余命 |
---|---|---|
40歳 男性 | 0.092% | 42.4年 |
40歳 女性 | 0.056% | 48.24年 |
また、0歳の時点の平均余命で日本人の平均寿命を知ることができ、男性は81.47年、女性では87.57年で、日本人の平均寿命は世界でもトップクラスだということがわかります。
年齢が高くなればなるほど、死亡率は高くなりますが、定期保険の保険料の高さも年齢に比例して高くなります。
近い将来、定期保険に加入する必要性が高くなるなら、1歳でも若い方が死亡率が低くなるため保険料も安くなるので、加入時の年齢も考慮して定期保険に加入する必要があるのかを検討してみてくださいね。
定期保険のメリット
ライフプランに合わせて加入しやすい定期保険にはメリットが3つあります。
- お手頃な保険料で死亡保障を準備できる
- 他の保険より高額な死亡保障を準備できる
- 保険期間が短いため、ライフプランに合わせて見直しがしやすい
定期保険のデメリット
定期保険に加入する場合は、3つのデメリットもよく理解しておくことが大切です。
- 解約しても解約返戻金はない
- 保障期間が終わると契約は消滅してしまう
- 更新型の定期保険は、更新するたびに保険料が高くなる
定期保険の選び方
定期保険が必要かどうかを考えた上で加入を決めたときには、以下の流れで加入する定期保険を選ぶことがおすすめです。
- 必要とする保障内容や、つけておきたい特約を決める
- 継続して支払うことができる保険料の金額を決める
- 保障内容と保険料が目的に合致する定期保険を複数比較して検討する
定期保険の種類 | 特徴 | 保険金の受け取り方 |
---|---|---|
平準定期保険 | 一定期間、おなじ保障額が継続する | 一時金 |
収入保障保険 | 一定期間ごとに保障額が減っていく | 年金(一時金も可能) |
逓減定期保険 | 毎年保障額が減っていく | 一時金 |
一般的な定期保険といえば平準定期保険ですが、子供のいる世帯には収入保障保険が向いているなど、それぞれの特徴を理解しながら保険商品を選ぶことが大切です。
また、1つの保険商品だけを見て加入するのではなく、複数の保険商品を比較することも重要です。
おなじ特徴を持つ複数の保険商品見つけることが難しい場合は、簡単に比較できる定期保険の比較サイトの利用がおすすめです。
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まとめ:定期保険は必要か
定期保険が必要かどうかは、万が一に備える必要性だけでなく、どのような目的で死亡保障を準備するかがポイントです。
お手頃な保険料で高額な死亡保障を持つことができる定期保険ですが、掛け捨てタイプで保障は一定期間となっています。
そのため、解約返戻金が発生しないことや、期間が満了になると保障がなくなってしまうというデメリットがあります。
メリットとデメリットを理解したうえで、自分にとって定期保険が必要かどうかを判断し、慎重に検討するようにしてくださいね。