
「つみたてNISAの銘柄はいくつ買うのが良いの?」
「つみたてNISAで複数銘柄を買うデメリットはあるの?」
とお悩みではないでしょうか。
結論、つみたてNISAの銘柄をいくつ買うべきかは投資の目的やリスク許容度・目標金額によって異なるため一概には言えません。
複数銘柄を買う際は、メリットとデメリットを踏まえて慎重に検討することが大切です。
この記事では銘柄をいくつ買うのが良いかの詳細や、つみたてNISAで分散投資するメリット・デメリットについて解説するのでぜひご覧ください。


この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- つみたてNISAの銘柄はいくつ買うべき?
- つみたてNISAで分散投資するメリットとデメリット
- メリット
- デメリット
- つみたてNISAの銘柄の組み合わせ例を紹介
- ひとつの銘柄で運用したい場合
- 複数銘柄で運用したい場合
- つみたてNISAで複数銘柄を選ぶポイント・分散投資のコツ
- 地域が異なる銘柄を組み合わせる
- 手数料が低い商品を選ぶ
- インデックスファンドを選ぶ
- リスク許容度を確認する
- つみたてNISAの複数銘柄に関するよくある質問Q&A
- 銘柄数に上限はありますか?
- 銘柄は途中で変更できますか?
- 積立金額は銘柄ごとに自由に設定できますか?
- つみたてNISAで複数銘柄に積み立てるデメリット【まとめ】
つみたてNISAの銘柄はいくつ買うべき?
つみたてNISAのおすすめの銘柄数は、個人のリスク許容度や投資目的によって異なります。
一般的には、初心者であれば1~3銘柄程度、経験者でも5銘柄程度に抑えるのがおすすめです。
実際に当社で行ったつみたてNISAの銘柄数のアンケート(※)では、以下のような結果が出ています。
つみたてNISAの銘柄数 | 割合 |
---|---|
1本 | 34.0% |
2本 | 22.0% |
3本 | 10.0% |
4本以上 | 34.0% |
つみたてNISAで分散投資するメリットとデメリット
つみたてNISAで分散投資をすることには、メリットとデメリットの両方があります。
分散投資とは、複数の異なる資産や地域に投資することで、リスクを分散させる投資手法です。
つみたてNISAでは、最大で年間120万円まで非課税で投資できるため、この枠内でどのように分散投資するかが重要になります。
以下では、つみたてNISAで分散投資をする際のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
それぞれを理解することで、自分に合った投資戦略を立てることができるでしょう。
メリット
複数銘柄に投資するメリットは、自身のリスク許容度に合わせて投資割合のメンテナンスを細かく行いたい人や成長を期待している特定の地域や業種がある方におすすめ(バイキングスタイル)であることです。
また、複数銘柄に投資する際、以下の3つの要素を分散させるとリスクを抑えられます。
- 資産:株式や債券、現預金など
- 地域:日本やアメリカ、新興国など
- 時間:ドルコスト平均法(定時定額購入)、長期間投資など
デメリット
次に、つみたてNISAで複数銘柄を所有することの、デメリットの解説です。
複数銘柄を所有するデメリットは、銘柄の投資対象地域が一部被るような組み合わせでは、分散効果が低下する可能性があることです。
例えば、国内株式と新興国株式、米国株式、欧州株式といった異なる地域の組み合わせはリスク分散に効果的ですが、以下のような対象地域が被るような組み合わせでは、効果を発揮しにくいです。
- 全世界株式+日本株式
- 全世界株式+先進国株式
- 全世界株式+新興国株式
- 先進国株式+米国株式
つみたてNISAの銘柄の組み合わせ例を紹介
つみたてNISAの銘柄組み合わせには、様々なパターンがあります。
投資経験や目標、リスク許容度に応じて最適な組み合わせは異なります。
ここでは、「ひとつの銘柄で運用したい場合」と「複数銘柄で運用したい場合」の2つのパターンに分けて、具体的な組み合わせ例を紹介します。
これらの例を参考にしながら、自分に合った銘柄の組み合わせを検討してみましょう。
なお、以下で紹介する組み合わせはあくまで例であり、個人の投資目標やリスク許容度によって最適な選択は変わります。
ひとつの銘柄で運用したい場合
ひとつの銘柄で運用したい場合は、リスク分散されている商品を選ぶことがポイントです。
主な投資対象の種類とリスクは以下のとおりです。
投資対象 | 特徴 | リスク |
---|---|---|
先進国債券 | 先進国の国債や社債に投資 | 低~中 |
国内債券 | 日本国債や社債に投資 | 低 |
8資産均等型 | 国内外の株式・債券・リートに均等投資 | 中 |
全世界株式 | 世界中の株式市場に分散投資 | 中~高 |
自分のリスク許容度に合わせて投資対象を選ぶことで、長期的に安定した資産形成が期待できます。
特に初心者の方は、まずは自分の投資目的や許容できるリスクを明確にしてから、適切な商品を選ぶことが重要です。
複数銘柄で運用したい場合
複数銘柄で運用したい場合は、異なる特性を持つ銘柄を組み合わせることが重要です。
主な組み合わせパターンとその特徴は以下のとおりです。
投資対象 | 配分例 | 特徴 |
---|---|---|
先進国株式+新興国株式 | 70%:30% | 成長性重視 |
株式型+債券型 | 60%:40% | バランス重視 |
国内債券+先進国債券+新興国債券 | 40%:40%:20% | 安定性重視 |
複数銘柄を組み合わせる際は、値動きが異なる銘柄を選ぶことで、より効果的な分散投資が実現できます。
ただし、銘柄数が多すぎると管理が複雑になるため、初心者は2~3銘柄、経験者でも5銘柄程度に抑えるのが一般的です。
つみたてNISAで複数銘柄を選ぶポイント・分散投資のコツ
つみたてNISAで複数銘柄を選ぶ際のポイント・分散投資のコツは以下のとおりです。
- 地域が異なる銘柄を組み合わせる
- 手数料が低い商品を選ぶ
- インデックスファンドを選ぶ
- リスク許容度を確認する
これらのポイントを押さえることで、より効果的な分散投資が可能になります。
地域が異なる銘柄を組み合わせる
1つ目は、投資先の地域が異なる銘柄を買うことです。
例えば、日本株式だけでなく、米国や欧州、新興国などの株式に投資することで、特定の地域の経済状況に依存しない資産運用が可能になります。
例えば、日本経済が停滞している時期でも、米国や新興国が好調であれば、運用全体のパフォーマンスを一定に保つことができます。
手数料が低い商品を選ぶ
2つ目は、手数料が低い商品を買うことです。
長期投資においては、わずかな手数料の差が将来的な資産形成に大きな影響を与えます。
例えば、信託報酬が年0.1%の商品と0.5%の商品では、20年間の運用で最終的な資産額に約8%の差が生じる可能性があります。
つみたてNISA対象商品は比較的手数料が低い傾向がありますが、その中でも特に低コストの商品を選ぶことで、長期的なリターンを高められます。
複数銘柄を選ぶ際は、各銘柄の手数料を比較し、全体としての平均手数料を低く抑えることを意識しましょう。
インデックスファンドを選ぶ
3つ目は、インデックスファンドを選ぶことです。
投資信託(ファンド)には「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類があります。それぞれ運用方針や組入銘柄の特徴が異なり、両者のおもな違いは以下の通りです。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
運用方針 | 特定の指数に連動する | 特定の指数を上回る |
組入銘柄 | 特定の指数の構成銘柄と同様 | 専門家の調査・分析を通じて選定 |
信託報酬 | 安い | 高い |
つみたてNISAは長期投資が前提のため、低コストで市場平均のリターンを狙えるインデックスファンドとの相性が良いと言えます。
複数銘柄を選ぶ際も、異なる指数に連動するインデックスファンドを組み合わせることで、効率的な分散投資が可能になります。
リスク許容度を確認する
リスク許容度とは、投資において価格変動や損失をどの程度許容できるかを示すものです。
若く投資期間が長い場合や、投資資金が余裕資金である場合は、リスク許容度が高い傾向にあります。
反対に、投資期間が短い場合や、投資資金が生活に直結する場合は、リスク許容度が低くなります。
自分のリスク許容度に合わせて、株式と債券の比率や、先進国と新興国の比率を調整することで、自分に合った分散投資が実現できます。
つみたてNISAの複数銘柄に関するよくある質問Q&A
つみたてNISAに関するよくある質問を解説します。
解説する質問は以下のとおりです。
- 銘柄数に上限はありますか?
- 銘柄は途中で変更できますか?
- 積立金額は銘柄ごとに自由に設定できますか?
よくある質問への解説を見て、不安や疑問点を解消しましょう。
銘柄数に上限はありますか?
組み合わせや個数の上限はありません。
非課税投資枠1,800万円の範囲内であれば、制限なく買うことができます。
ただし、複数の銘柄を購入すれば、その分管理も煩雑になります。銘柄をいくつ買うか迷う際は、購入の目的を明確にし、目的に沿った個数を購入しましょう。
銘柄は途中で変更できますか?
銘柄は途中で変更できます。
ただし、銘柄を途中で変更する際には以下の注意点があります。
- 「値上がりしている」という理由だけで銘柄を買い替えない
- 銘柄数が少ない時は金融機関の変更も視野に入れる
値上がりしている銘柄を見つけたとしても、直近だけでなく長期的な成績を見て成長が期待できるか判断しましょう。
また、銘柄の取扱本数は 金融機関によって大きく異なります。あるネット証券では200本近くの取り扱いに対し、ある銀行では20本も取り扱っていないケースもあります。取扱本数に不満があるときは、取扱本数の多い金融機関への変更もおすすめです。
積立金額は銘柄ごとに自由に設定できますか?
銘柄ごとに異なる積立金額を設定することが可能です。
例えば、リスクの高い銘柄には毎月5,000円、リスクの低い銘柄には毎月10,000円というように、自分の投資戦略に合わせて配分を調整できます。
ただし、各証券会社によって最低積立金額が設定されている場合があるので注意が必要です。
つみたてNISAで複数銘柄に積み立てるデメリット【まとめ】

ここまで、つみたてNISAでの銘柄数や分散投資のポイントについて紹介してきました。
つみたてNISAで複数銘柄に投資する場合、管理の複雑さや分散効果が弱いといったデメリットがあります。
しかし、つみたてNISAでの銘柄選びは投資目的やリスク許容度によって大きく異なるため、一概に「何銘柄が最適」とは言えません。
そこで、マネーキャリアのFP無料相談サービスを利用すれば、あなたの状況に合った最適な銘柄数や組み合わせについて、専門家のアドバイスを受けることができます。
無料相談予約は30秒で完了するので、ぜひ気軽に相談して、自信を持ってつみたてNISAを始めてみましょう。
