キッチンカーの運営に必要な保険とは?食中毒などのリスク対策は必須のサムネイル画像

内容をまとめると

  • キッチンカーは自動車事故だけでなく食中毒など様々なリスクをかかえている 
  • 食中毒が発生すると営業停止に追い込まれ、一定期間休業せざるをえない 
  • 様々なリスクに対応できるよう、自動車保険や賠償責任保険への加入がおすすめ
  • 個人事業主でも法人保険への加入は可能

キッチンカーを開業・運営する場合、食中毒や火災などのリスクがあります。このようなリスクの対策として、キッチンカー開業・運営者の方々は、PL保険や自動車保険、動産総合保険などに加入する必要があります。もしものことを考えて、損害保険に加入しておきましょう。

記事監修者「金子 賢司」

監修者金子 賢司
フィナンシャルプランナー

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。<br>以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP

この記事の目次

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キッチンカーの開業・運営を取り巻くリスク

キッチンカー運営を取り巻くリスク

キッチンカー運営を取り巻くリスク
キッチンカーの開業を検討されている方は、どのようなリスクがあるかご存じでしょうか。

自動車事故だけでなく、食品を調理し提供するため、食中毒のリスクや、火災のリスクもあります。

また、カスタマイズされたキッチンカーですので、キッチンカー自体の欠陥に起因した事故も想定されます。

上記のような事故がおこった場合、被害者に対して治療費などを賠償する必要が生じ、最悪の場合は一定期間休業せざるをえない事態となります。

どのようなリスクがあるのか、どういった保険に加入する必要があるのかご確認いただき、安心して事業ができるよう対策をうつことが重要です。

この記事では以下の内容について解説します。
  • キッチンカーの開業・運営を取り巻くリスク
  • キッチンカーが関連する損害事例
  • キッチンカーに必要な損害保険4選
  • 【参考】キッチンカーで自動車保険に加入する場合の保険料は高額
  • キッチンカー開業者・運営者が保険に加入する方法
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どのような保険に加入すればいいかわからない、保険の加入を見直したいなど個別のご相談があればお気軽にご相談ください。
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①食中毒や衛生管理に関するリスク

まずは食中毒や衛生管理に関するリスクです上記のリスクマップでは、発生頻度も高く、事業への影響も大きいリスクとなっています。


食中毒や衛生管理に関する事故は、発生した場合、被害者に対して治療費を支払う義務が生じます。


このリスクは複数人に同時に発症することがあるため、そのぶん、損害賠償も高額となることがあります。


また、一度食中毒が発生してしまうと、行政から営業停止の処分を受けるだけでなく、その後の営業にも影響してくる事態となり、非常に深刻な問題です。


日々の衛生管理の徹底も重要となりますが、発生した場合に速やかに対処できるよう適切な保険への加入をおすすめします。

②自動車で事故になるリスク

次は自動車事故のリスクです。上記のリスクマップでは、発生頻度も高く、事業への影響もあるリスクとなっています。


自動車ですので日々のメンテナンスが重要となります。一度事故を起こすと、修理期間中の営業ができなくなります。


また、自動車事故により、人にケガをさせてしまった場合や、物を壊してしまった場合は、治療費や修理費を支払うことになります。


キッチンカーで事業を行う方は、中古車を購入される方も多いのではないでしょうか。中古車の場合は、エンジンまわりの整備など、より注意して行う必要があります。

③火災のリスク

次は火災のリスクです。


火災や爆発といった事故は、上記のリスクマップによると発生頻度は少なくなるものの、一度起こると多大な影響をもたらすリスクとなります。


キッチンカーの中は非常に狭く、揚げ物などの高温調理も頻繁に行われるため、非常に火災のリスクが高くなっています。


火災や爆発が起こってしまうと、キッチンカーを修理する間の営業ができなくなるだけでなく、被害者がいれば、治療費などの賠償責任が生じます。


治療費ですめばいいですが、人命にもかかわる大きな事故となる可能性もあるリスクですので、しっかりと適切な対策をとる必要があります。

④施設や設備が起因となり事故になるリスク

次は、施設や設備が起因となり事故になるリスクです。


上記のリスクマップでは、影響は小さいですが、頻度としてはそれなりにあるリスクとなります。


例えば、キッチンカーに取付けていた看板が落下してしまったり、キッチンカーの装飾が原因でお客様がケガをする事態になることが想定されます。


キッチンカーはカスタマイズしていることがほとんどですので、こういった事故には注意したいですね。

キッチンカーが関連する損害事例


キッチンカーが関連する損害事例をご紹介します。


以下の事例がよくある事例ですのでご確認ください。

  1. 販売した飲食物から食中毒が発生
  2. キッチンカーから火災が発生
  3. キッチンカーと乗用車の自動車事故

事例1:販売した飲食物から食中毒が発生

販売した飲食物から食中毒が発生した事例です。


東京都千代田区内で営業していたキッチンカーで商品を購入したお客様に食中毒の症状がでました。


調査の結果、購入者および調理従業員から黄色ブドウ球菌が検出されたため、行政より営業停止処分をうけました。


症状がでたのは5名のお客様で、調査期間中の休業および、3日間の営業停止処分を受けたとのことです。


参考:食中毒事故発生に関するお詫びとお知らせ

事例2:キッチンカーから火災が発生

火災が発生した事例をご紹介します。


沖縄の高級リゾートホテル内のプールサイドで、商品を販売していたキッチンカーから火災が発生しました。


火元の原因はフライヤーで、キッチンカーは全焼する自体となりました。スタッフがフライヤーで油を熱したまま、キッチンカーを離れたあいだに出火したとのことです。


幸いなことに、ケガ人はゼロとのことでしたが、消防車が4台出動する騒ぎとなりました。


参考:リゾートホテル内で出火

事例3:キッチンカーと乗用車の自動車事故

自動車事故の事例をご紹介します。 


 北海道の交差点で右折しようとしたキッチンカーと、直進してきた乗用車が衝突したとのことです。


 乗用車の前方部分は激しく損壊、キッチンカーは横転する事態となったため、3名の方がケガなどをしたため病院に運ばれました。 


 交差点には信号が設置されておらず、事故の原因は、キッチンカーの運転手の前方不注意とみられるようです。 


 参考:キッチンカーと乗用車が衝突し高齢の男女3人搬送

キッチンカーに必要な損害保険4選


では、どのように対策をしていけばよいのでしょうか。

ここからは、キッチンカーに必要な損害保険を4つ解説します。

  1. PL保険(生産物賠償責任保険)
  2. 施設賠償責任保険
  3. 自動車保険
  4. 動産総合保険
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どの保険に入ればいいかわからない、今加入している保険を見直したい、など個別の相談があればぜひいちどご相談ください。

自社に必要な保険を相談する

①PL保険(生産物賠償責任保険)

まず、必ず加入をおすすめしたいのが、PL保険(生産物賠償責任保険)です。


PL保険とは、キッチンカー事業者の方がかかえる生産物に関するリスクを補償する賠償責任保険です。


例えば以下のような事故を補償します。

  • キッチンカーで販売したお弁当を食べたお客様が食中毒を発症。調査の結果、卵に付着したサルモネラ菌が原因と判明した。
  • キッチンカーで販売した商品につけた木のスプーンにとげがあり、お客様がケガをした。
キッチンカーで販売した商品で誰かがケガをしてしまった場合や、食中毒を起こしてしまった場合は、被害者に対して治療費を賠償する必要がありますので、保険に加入しておくと安心です。

PL保険では、損害賠償金を補償するだけでなく、裁判になった場合の争訟費用も補償されます。
また、以下のような特約を付帯することで、補償を拡大することもできます。
  • 食中毒利益担保特約:営業停止中の利益損失分を補償
  • 初期対応費用担保特約:事故の原因調査費用や、被害者への見舞費用を補償
  • 被害者治療費用担保特約:賠償責任の有無に関係なく、被害者の治療費を補償

PL保険について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事からご覧ください。

PL保険についてのサムネイル画像

PL保険とは?適用補償や対策できる費用等をわかりやすく解説!

②施設賠償責任保険

施設賠償責任保険は、キッチンカー自体の欠陥に起因した事故や、キッチンカーでの業務遂行中に生じた事故を補償する保険です。


例えば以下のような事故を補償します。

  • キッチンカーに取り付けていた看板が剥がれ落ち、お客様がケガをした
  • キッチンカーで商品を受け渡す際に、熱湯をお客様にかけてしまいやけどをした
上記のような事故が発生した場合は、被害者に対して治療費を支払う必要が生じます。

この保険では、損害賠償金を補償するだけでなく、裁判になった際の争訟費用も補償されますので安心です。

また、以下のような特約を付帯することで、補償を拡大することもできます。
  • 借用不動産損壊担保特約:借用している店舗や事務所が損壊した場合に補償
  • 初期対応費用担保特約:事故の原因調査費用や、被害者への見舞費用を補償 
  • 被害者治療費用担保特約:賠償責任の有無に関係なく、被害者の治療費を補償
特約は保険会社によっても異なりますので、各保険会社のパンフレットでご確認ください。

また、施設賠償責任について詳しい内容を別の記事で解説しています。気になる方はそちらの記事をご覧ください。

施設賠償責任保険についてのサムネイル画像

施設賠償責任保険とは?支払い事例や保険料の相場などを徹底解説!

③自動車保険

自動車保険は、キッチンカー自体の補償や、自動車事故に起因した対人・対物事故、搭乗者のけがに対する補償がひとつになった保険です。


補償される内容は以下です。

  • 車自体の補償
  • 賠償に関する補償
  • ご自身や搭乗者のケガに関する補償

例えば以下のような事故を補償します。
  • キッチンカーを運転中に乗用車と衝突。相手の車を損壊させた
  • キッチンカーで調理中に爆発、車が損壊した
キッチンカーはカスタマイズされた車両のため、「8ナンバー(特殊用途車種)」として登録されます。

「8ナンバー(特殊用途車種)」の場合は、一般的な乗用車と比較すると少し保険料が割高になります。

キッチンカー自体の補償(車両保険)を付帯する場合は、車自体の費用にキッチンなどの設備費用も含めた金額で契約することができます。

設備費用も含めずに契約すると、調理場などの車両にカスタマイズして固定された部分は補償対象外となりますので注意しましょう。


事業で活用する自動車保険について、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はそちらの記事をご覧ください。

自動車保険についてのサムネイル画像

法人向け自動車保険とは?個人との違いや法人名義のメリット等を解説

④動産総合保険

動産総合保険は、調理器具やテーブルなどの動産を補償する保険です。キッチンカーには多くの営業用什器食材を積んでいます。


冷凍物や生鮮食材といったものも、補償の対象です。


補償される内容は以下です。

  • 火災、破裂、爆発
  • 盗難
  • 運送中の事故
  • 破損
  • 車の飛び込み
  • 飛行機の墜落
  • 落雷
  • 水濡れ

例えば、以下のような事故を補償します。
  • キッチンカーで調理中に火災が発生し、調理器具や食材が焼失した
  • キッチンカーが乗用車と衝突し横転、調理器具が損壊した
自動車保険では、車両に固定されたものであれば車両保険の対象となりますが、固定していない動産は補償対象外となりますので、動産総合保険にも忘れずに加入しておきましょう。

動産総合保険について、以下の記事で詳しく解説しているので気になる方はそちらの記事もご覧ください。

動産総合保険についてのサムネイル画像

動産総合保険とは?補償内容や保険料の相場等をわかりやすく解説!

【参考】キッチンカーで自動車保険に加入する場合の保険料は高額


キッチンカーで自動車保険に加入する場合の保険料が高額なのはなぜでしょうか。

以下の要因について、解説します。

  1. 自動車の使用目的が移動だけでない
  2. 割引が適用できない
  3. 運転者の条件を指定できない

自社が保有するキッチンカーで、自動車保険に加入する場合の、保険料を知りたい方は、「マネーキャリア」をご利用ください。

法人保険や事業のリスク対策に詳しい専門家が、相談者の悩みや不安をなんでも聞いてくれます。

自社が加入する場合の保険料を知る

①自動車の使用目的が移動だけでない

自動車保険では、使用する目的を申告する必要があります。


使用目的は3種類あり、日常やレジャーとして使用するもの、通勤や通学に使用するもの、業務に使用するものとしてわかれています。


業務使用から順番にリスクが高いとみなされており、保険料が割高になっています。

キッチンカーは日常的に使用する車とは異なり、調理を行い、提供する「業務使用」にあたるため、他の使用目的より保険料が高くなります。

だからといって使用目的を正しく申告しない場合、万が一の事故があった場合に保険金がお支払いされないことがありますので、ただしく申告するようにしましょう。

②割引が適用できない

自動車保険には各種割引制度があります。


例えば、セカンドカー割引といって、2台以上の車を所有している場合に2台目に割引が適用できる制度があります。


割引の適用条件は以下の通りです。

  • 他の保険契約(例えば1台目)が11等級以上であること
  • 新たな契約と他の保険契約と用途車種がいずれも主な自家用乗用車であること
例えば、1台目に11等級以上の自家用車を所有していたとしても、特殊用途車種にあたるキッチンカーの場合は、上記の条件が満たせず、割引の適用対象外となります。

また自動車保険には、等級制度といって、無事故で契約年数があがるごとに等級があがっていき、保険料が割安になっていく制度があります。

この等級制度も、例えば自家用乗用車で契約していた分の等級は引き継ぐことができず、特殊用途車種での契約が今までにない場合は、6S等級の新規加入となりますので注意が必要です。

③運転者の条件を指定できない

自動車保険では、以下のように運転する人の範囲や年齢を特定した場合、保険料を抑えることができます。


【限定制度】

  • 本人限定
  • 本人・夫婦限定
  • 限定なし
【運転者の年齢条件】
  • 年齢を問わず補償
  • 21歳以上補償
  • 26歳以上補償
  • 35歳以上補償
キッチンカーでは従業員を雇っていることもあるかと思いますので、どの従業員でも補償対象とするには、どちらも限定なしを選びます。

この場合、他の限定した場合と比較すると保険料が割高になってしまいます。

例えば、夫婦で運営されているキッチンカーの場合は「本人・夫婦限定」「35歳以上補償」などとしても問題なく、その場合は保険料を割安にすることができます。

キッチンカー開業者・運営者が保険に加入する方法


キッチンカー開業者・運営者が保険に加入する方法を解説します。


この記事でご紹介したような損害保険に加入するためには、お近くの損害保険代理店もしくは保険会社に問い合わせすることで加入できます。


保険会社に連絡する前に、補償の内容を詳しく知りたい、というかたも多いのではないでしょうか。


そんなときは「マネーキャリア」の無料のオンライン相談を利用してみてはいかがでしょうか。


厳選された法人保険に詳しいFPが在籍していますので、顧客満足度は98.6%です。


今加入している保険を見直したい、本当に必要な保険に加入したい、などお困りごとがあれば何でもご相談ください。

キッチンカーに必要な保険を相談する

個人事業主でも法人保険の加入はできる?

キッチンカーでの飲食業は、個人事業主として開業されている方が多いと思います。


この記事でご紹介した法人向け保険はどれも、法人を設立していない個人事業主の方でも加入が可能です。


とくに個人事業主の方は、万が一の事故が起こって多額の賠償金や修理費、休業損失をかかえた場合、経営の存続にかかわる事態にもなりかねませんので、しっかりと保険で対策をしておくことをおすすめします。

まとめ:キッチンカーを取り巻くリスクと保険


この記事ではキッチンカーに関するリスクと保険を解説しました。


記事のまとめです。

  • キッチンカーは自動車事故だけでなく食中毒など様々なリスクをかかえている
  • 食中毒が発生すると営業停止に追い込まれ、一定期間休業せざるをえない
  • 様々なリスクに対応できるよう、自動車保険や賠償責任保険への加入がおすすめ
  • 個人事業主でも法人保険への加入は可能
キッチンカーは店舗で開業する飲食店とは、異なり、移動が伴うためよりリスクが高い事業といえます。

そのため、自社にどのようなリスクがあるか知りたい、今の加入内容を見直したいなどお困りのことがあれば、「マネーキャリア」がおすすめです。

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自社に必要な保険を相談する