雇用慣行賠償責任保険とは?パワハラなどの損害賠償に備える必要性!のサムネイル画像

内容をまとめると

  • 雇用慣行賠償責任保険は、企業の不当行為が原因で損害賠償請求された際に補償する保険
  • パワハラやセクハラ、不当解雇などは業種に関係なく起こりうる
  • 雇用慣行賠償責任保険では、賠償金や訴訟費用も補償
  • 企業のリスク対策として、加入をおすすめ
  • 法人保険や事業のリスク対策相談は「マネーキャリア」がおすすめ
  • 利用満足度98.6%!経験豊富な専門家に何度でも無料相談できる

雇用慣行賠償責任保険とは、従業員に対するパワハラや、不当解雇などにより損害賠償責任を負った場合の費用などを補償する保険です。雇用慣行賠償責任保険に加入することで、雇用に関するトラブルの被害を軽減することができるため、特に中小企業に必要な保険です。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

ハラスメントや不当解雇による賠償リスク


近年、企業に対してパワーハラスメントの防止措置等を義務付けるようになり、年々従業員を守るための制度は充実してきています。


とはいえ、令和2年度の厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、「過去3年間にパワーハラスメントを一度以上経験したことがある」と回答した割合は、31.4%でした。(平成28年度の同調査では32.5%)


企業の従業員向け相談窓口を設置や働きやすさやへの取り組み等、引き続き企業としての取り組みは継続する必要があるでしょう。


ハラスメント行為は、業種や規模に関わらず、職場の環境が起因しています。


会社を経営するにあたって、職場環境を整えたり改善を続けていても、上司と部下がコミュニケーションを取る上で誤解が生じてしまい、不当な行為に発展することも少なからずあるためです。


万が一、ハラスメントが起きた際に会社としての判断・対応を間違えてしまうと、会社の評判や社会的信用が落ちてしまいます


さらに、ハラスメントや不当解雇が原因で、被害者が精神疾患となり休業せざるを得ない状況になったり、自殺してしまった場合は、賠償額が高額になる傾向があります。


実際に被害者が自殺した判例では、1億円を超える賠償を事業主に命じています。


企業は、従業員からハラスメントや不当解雇などで訴えられるリスクを常に抱えているため、従業員によって損害賠償請求をされた場合の費用を補填できる「雇用慣行賠償責任保険」へ加入しリスク対策するとよいでしょう。


上記を加味した上で、まずは自社において最適なリスク対策は何か知るために、法人保険や法人を取り巻くリスク対策に詳しい専門家に相談することをおすすめします。


マネーキャリア」では、厳選された経験豊富な専門家に何度でも無料で相談可能です。


実際にサービスを利用した方の98.6%に満足いただいているため、安心して利用できます。


些細なことでも気になることがあれば、一度マネーキャリアに相談してみましょう。


以下、ハラスメントによる慰謝料請求の事例をご紹介します。

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事例1:暴力行為による慰謝料請求の事例

暴力行為による慰謝料請求の事例を3つご紹介します。

①みぞおちを殴打し顔面を叩いた事例

神社で神職として従事していた職員が、代表役員から指導を受けていた時に、みぞおちを殴打し、顔面を叩かれたり脅迫・暴言を複数吐かれたりといったハラスメントを受けていた事例です。


裁判所は、指導の許容範囲を超えており、不法行為が成立すると判断しました。


この事例では、被害者に100万円の慰謝料を支払いました。

②村役場の職員が傷害を負った事例

村役場に勤めていた職員が、上司からの指示を無視し、注意に対し大声で反論したことで上司から拳で右頬を殴打された事例です。


上司のハラスメント行為により、職員は右頬部打撲、右上腕部皮下出血及び右膝打撲のケガを負いました。


裁判所は、被害者に30万円の慰謝料を認めました。

③交通局事務局員が傷害を負った事例

交通局に勤務している運輸事務局員が、座っているイスを上司が後ろから強く蹴られる等の暴行を受け、頚椎捻挫及び腰椎捻挫の障害を負った事例です。

事務局員は、約3ヶ月間治療を行うため欠勤を余儀なくされました。

裁判所は、損害賠償額として合計約120万円を認めました。


継続的な暴力行為によりケガをした場合は100万円以上の慰謝料が認められる傾向があります。

企業は、上記のようなパワーハラスメントを未然に防ぐ取り組みを実施する必要があります。

また、企業のリスク対策として、被害者から損害賠償を請求されたときの費用や裁判にかかった弁護士費用、調査費用等を補填する雇用慣行賠償責任保険に加入することも検討しましょう。

事例2:精神的なパワハラによる慰謝料請求の事例

精神的なパワハラによる慰謝料請求の事例について3つご紹介します。

①能力を否定するパワハラ発言の事例

とある生命保険会社で営業成績が振るわない社員に対して、上司が能力を否定するような暴言を放っていた事例です。


上司は、他の職員がいるにもかかわらず「この成績でマネージャーが務まると思っているのか」などと傷付ける発言をしていました。


また、強制的にマネージャーを務める班を分離する等嫌がらせを行っていたのです。


結果、社員はストレス性うつ病になってしまいました。


平成21年、鳥取地方裁判所米子支部では、これらの行動や発言は違法であるとして会社側に330万円の支払いを命じました。

②侮辱的発言のパワハラ事例

上司が他の職員の前で「バカヤロウ」「給料泥棒」等の侮辱的発言をしていた事例です。

上記のパワーハラスメントに加えて、12月にも関わらず執拗に扇風機の風を当てられるなどの被害も受け、被害者は抑うつ状態に陥り1ヶ月もの間休職を余儀なくされたのです。

平成22年、東京地方裁判所はこのような言動は不法行為にあたるとして、会社に約95万円の支払いを命じました。

③脅迫的発言のパワハラ事例

代表取締役会長が、営業で損失を出してしまった代表取締役社長に対して脅迫的発言をした事例です。

代表取締役社長は、経営会議の場など多数の人の前にして会長から「本当に無能」「呪い殺してやる」「引きずり倒すぞ」などといった暴言を吐かれました。

令和4年、福岡地方裁判所では、このような発言は社内での地位や人格を否定するものであり、被害者は精神的苦痛を負ったとして、会社に100万円の慰謝料の支払いを命じました。


言葉による侮辱的な暴言は、被害者がうつ病になり休職に追い込まれてしまう事例も存在します。状況によって300〜400万円などより高額な慰謝料となる傾向にあります。


近年、ハラスメントに対する取り組みがなされているとはいえ、まだまだ職場における上司から部下へのパワハラ、異性への言葉によるセクハラ、労働条件の差別的な扱いといった不当行為はゼロにならないのが現実です。


従業員だけでなく会社を守ると言う観点から、万が一の賠償リスクに備えることも重要です。

雇用慣行賠償責任保険とは?


雇用慣行賠償責任保険とは、企業側が従業員に対して行ったハラスメント行為や不当解雇等に起因して、法律上の賠償責任を負担することによって被る損害を補償します。


ここからは、以下2点を詳しく解説していきます。

  • 雇用慣行賠償責任保険の保障内容
  • 補償対象となる場合について

雇用慣行賠償責任保険の補償内容

雇用慣行賠償責任保険の主な補償内容は以下の通りです。

  • 損害賠償金
  • 弁護士費用、交渉等に要する費用
  • 和解金
  • 示談金
実際の損害賠償金以外にも、裁判でかかった弁護士への相談費用や調査費用、交渉費用等幅広く対応しています。

また、保険の補償内容によっては、和解や示談、調停時の賠償金も対象となります。

雇用慣行賠償責任保険の補償対象となる場合

雇用慣行賠償責任保険の補償対象となる不当行為とはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な不当行為を解説します。

パワーハラスメント

令和2年度の職場のハラスメントに関する実態調査結果によると、ハラスメント該当事案の内容として、パワーハラスメントが全体の48.2%と約半数を占めています。

パワーハラスメントは、職場での地位や人間関係等の優位性を利用し、部下に精神的肉体的苦痛を与えます。

例えば、部下を傷付けるような暴言を何度も吐き、職場の仲間からも孤立させるような行為が挙げられます。

セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメントは、一方的に相手に対して性的な要求をしたり発言をする等の嫌がらせを指します。

相手にとって不快だと思わせる行為は、セクシャルハラスメントに該当します。

実態調査結果によると、過去3年のハラスメント相談件数でパワーハラスメントに次いで全体の29.8%と相談件数が多いのも特徴です。

雇用上の差別的行為

年齢や性別、身体的特徴などを理由に労働条件を差別することをさします。

例えば、女性の妊娠・出産のため昇進できない、管理職を意に反して降ろされるといったことが起きている可能性が考えられます。

とはいえ、近年雇用機会均等法によって女性の妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント防止対策は強化されています。

不当解雇

従業員の意に反して、強制的な解雇や会社の定める就労規則に反する退職の強要などのことをさします。

契約社員が一方的に契約解除になることや、病気で休職していた社員が復職を希望していたにも関わらず休職期間の満了をおって退職扱いになるなどが挙げられます。

これらの代表例以外にも、誹謗中傷や名誉毀損により従業員から訴えられた場合も、雇用慣行賠償責任保険の補償対象となります。

対象者の雇用形態について

雇用慣行賠償責任保険では、補償が有効な期間であれば、基本的に訴える人の雇用形態は問われません。正社員や、契約社員、派遣社員、パート、退職者、採用応募者も補償対象となります。

また、訴えられる側も役員や管理職だけではなく、役職のない従業員が派遣社員やパート勤務の方に不当行為を行ったことで賠償請求された場合も補償対象です。

雇用慣行賠償責任保険の保険料の相場


雇用慣行賠償責任保険の保険料は、取り扱い保険会社や業種、会社の規模、保険金の支払限度額などによって異なります。


おおよその目安としては、支払限度額5,000万円に対して年間の保険料は20万円程度になります。


また、雇用慣行賠償責任保険は、「雇用慣行賠償責任補償特約」として加入される方も多いです。

一方、雇用慣行賠償責任保険には所定の割引が適用される場合もあるため、複数の保険会社から見積もりを取り寄せて比較することをおすすめします。

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雇用慣行賠償責任保険に加入する方法


この記事を読んでいる方の中には、新たに保険に加入しようとしている、もしくは加入中の保険見直しを検討している方もいると思います。


今回ご紹介した雇用慣行賠償責任保険への加入方法は、保険を取り扱っている保険代理店や保険会社に直接問い合わせることで加入できます。


とはいえ、問い合わせる前に自社にどのような潜在的なリスクが潜んでいるか、対処方法等を個別に確認したい方もいるでしょう。


そんな方におすすめなのは、「マネーキャリア」です。


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新たに保険加入したい方や見直しを検討中の方は、お気軽にマネーキャリアをご利用ください。

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法人保険の活用事例集

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営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。


したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


そこで、マネーキャリアでは独自に「法人保険の活用事例集(全29ページ)」を作成し公開しています


抑えるべき6つのリスクや、実際の企業で保険がどのように使われているのかもわかりやすくまとめているので、「どのようなリスク対策が必要か」「自社に最適な保険がわからない」担当者の方は必見です。

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【参考】雇用慣行賠償責任保険は加入義務がある?


2022年4月から、労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が、今までは努力義務だった中小企業の事業主も義務化されました。


企業には、パワハラに関する方針などの明確化とその周知、相談窓口の設置等の相談体制のを整えること、パワハラに対する迅速かつ適切な対応等が求められます。


雇用慣行賠償責任保険の加入は任意ですが、人を雇用している企業には、ハラスメントや不当解雇による賠償リスクは少なからず潜んでいます。


万が一訴えられてしまうと、損害賠償金だけでなく弁護士への相談料等の費用がかさんだり、企業の評判を落としてしまう事態も起こりえます。


企業経営の観点から、雇用慣行賠償責任保険等で適切なリスク対策を行う必要はあるでしょう。

まとめ:雇用慣行賠償責任保険について


ここまで、企業側が従業員に対して行ったハラスメント行為等について事例をもとに解説し、リスク対策に有効な雇用慣行賠償責任保険をご紹介しました。


中小企業に対しても、パワーハラスメントの防止措置等を義務付けるようになり、雇用慣行賠償責任保険に加入をしてリスク対策をしている企業が増えてきています。


人を雇用している企業には、不当行為による賠償リスクは少なからず潜んでおり、 万が一訴えられてしまうと、損害賠償金や弁護士費用がかさみ、風評被害に遭うことで経営を圧迫する可能性もあります。


そのため、従業員を雇用する企業がとるリスク対策として必須といえる保険でしょう。


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