
3人家族なんだけど生活費の平均はいくら?内訳はどうなってる?乳幼児・小学生・中学生・高校生で平均に違いはある?3人家族の生活費の節約術は?それぞれ解説します!将来のこどものために早めに教育費を貯めたいあなたにおすすめの貯蓄方法・保険も紹介中!
この記事の目次
目次を閉じる3人家族の生活費の平均ってどれくらい?
こんにちは。マネーキャリア編集長の谷川です。
先日、30代の女性の友人からこんな疑問を寄せられました。
ここでは、
- 3人家族の生活費の平均
- 3人家族の子供の年齢別の生活費について
- 3人家族の生活費を節約する方法
など、3人家族の生活費について分かる記事になっています。ぜひ最後までご覧ください。
マネーキャリアでは、お金に関する記事が数多くありますので興味のある方は合わせてご覧ください。
3人家族の生活費の平均はこどもの年齢によってちがう!
3人家族の生活費は、こどもの年齢により大きく異なります。
当たり前の話ですが、小学校入学前と高校生で生活費が同じなはずがありません。
基本的には年齢に応じて支出はどんどん上がっていきます。
3人家族全体の生活費の平均は約30万円!
まずは、こどもの年齢を考慮しない「3人家族の平均生活費」から見ていきましょう。
世帯人数ごとの生活費については、総務省統計局の家計調査の「消費支出」より統計が取られています。
ただ、住居費の平均がいずれの世帯も3万円未満と、全く実態に即した統計にはなっていません。
これは、地域により住居費に大きな差があるため、特に東京を含めた大都市部お住まいの方にとっては実現不可能な数値になってしまうからです。
会社によっては家賃補助が充実していることも、平均住居費を下げる要因にもなっています。
また、地方なら車が必要だが都心部なら不要など、自動車関連費にも大きなばらつきがあります。
そのため、まずは住居費・自動車購入費を除いた平均生活費を見ていきましょう。
2020年の統計はおおよそ以下の通りです。
期間 | 平均生活費 |
---|---|
1~3月 | 246,892円 |
4~6月 | 233,976円 |
7~9月 | 243,502円 |
10月~12月 | 269,322円 |
ただし、2020年は特殊要因が数多くあります。
- 4~6月:緊急事態宣言で支出大幅減
- 10~12月:gotoトラベルによる旅行特需で支出微増
そのため、住居費や自動車関連費以外の平均生活費については25万円前後と考えられます。
ここに平均的な住居費や自動車関連費を考慮すると、おおよそ下記の通りとなります。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 19,383円 |
食料 | 77,071円 |
光熱・水道 | 22,683円 |
家具・家事用品 | 11,961円 |
被服及び履物 | 11,375円 |
保険医療 | 14,367円 |
自動車・交通 | 31,398円 |
通信 | 13,892円 |
教育 | 10,434円 |
教養娯楽 | 28,658円 |
その他 (雑費・使途不明金) | 62,397円 |
合計 | 303,619円 |
平均的な生活費は30万円前後です。
ただし、東京都心の家賃は平均7万円を優に超える地域も存在しますので、都心在住の方は33万~34万円前後は想定しておいた方が良いと思います。
①こどもが2歳以下の場合の生活費内訳
ここからは3人家族のこどもの年齢別に生活費を見ていきます。
なお、年齢別の生活費については内閣府の「子どものいる世帯の年齢層別消費支出」を元に、消費税増税分を加味して計算します。
上記統計は平成17年ですので、当時の消費税は5%。現在は食料品等のみ軽減税率8%、他は10%です。
日本は近年、物価がほとんど上がっていませんので、これで十分実態に合った数値になると思います。
こどもが2歳以下の場合は下記の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 39,358円 |
食料 | 51,159円 |
光熱・水道 | 16,868円 |
家具・家事用品 | 10,144円 |
被服及び履物 | 13,404円 |
保険医療 | 12,430円 |
自動車・交通 | 33,277円 |
通信 | 16,041円 |
教育 | 510円 |
教養娯楽 | 24,950円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 53,055円 |
合計 | 271,196円 |
こどもが小さいうちは、そこまで生活費は増えません。
住居費が安すぎに見えますが、都心なら車不要、交通費も会社負担が多いので「住居+自動車・交通」まで含めて考えれば、実態に近い数値になります。
②こどもが3〜6歳の場合の生活費内訳
こどもが3~6歳の場合は、下記の通りです。
そろそろ幼稚園や保育園など、教育費用がかかりはじめます。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 39,358円 |
食料 | 59,506円 |
光熱・水道 | 18,396円 |
家具・家事用品 | 9,086円 |
被服及び履物 | 14,967円 |
保険医療 | 11,290円 |
自動車・交通 | 28,445円 |
通信 | 16,041円 |
教育 | 19,727円 |
教養娯楽 | 33,053円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 56,305円 |
合計 | 306,174円 |
3万円以上増えました。
なお、住居費や通信費が統計では0~2歳と比べて減っていますが、特段の事情がない限り減るはずがありませんので同額としています。
③こどもが小学生の場合の生活費内訳
ここから統計上の住居費が全く実態に合わない数値になってしまいますので、国土交通省令和2年度住宅経済関連データや総務省統計局平成30年住宅・土地統計調査をもとに算出します。
上記のデータをいったんまとめます。
- 住宅ローン月額平均:約10万円
- 持家住宅率全国平均:約60%
- 家賃全国平均(非木造):約7万円
※家賃については、借家の平均畳数に1畳当たりの家賃をかけて計算
家賃と住宅ローン負担額の平均を割合も考慮して出すと88,000円となります。
他の費目については、「平成26年全国消費実態調査」を元に修正します。
以上を元にしたこどもが小学生の場合の生活費内訳は下記の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 88,000円 |
食料 | 70,735円 |
光熱・水道 | 19,517円 |
家具・家事用品 | 9,361円 |
被服及び履物 | 16,328円 |
保険医療 | 10,115円 |
自動車・交通 | 33,514円 |
通信 | 16,826円 |
教育 | 9,015円 |
教養娯楽 | 32,967円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 43,959円 |
合計 | 350,337円 |
平均生活費と乖離が発生していますが、これは住居費に関して特別安い人も対象にしているためです。
- 公営住宅
- 勤務先の家賃補助
④こどもが中学生の場合の生活費内訳
こどもが中学生の場合の生活費内訳は下記の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 88,000円 |
食料 | 77,698円 |
光熱・水道 | 21,865円 |
家具・家事用品 | 9,223円 |
被服及び履物 | 16,806円 |
保険医療 | 9,069円 |
自動車・交通 | 30,015円 |
通信 | 19,447円 |
教育 | 25,812円 |
教養娯楽 | 31,827円 |
その他 (雑費・使途不明金) | 44,214円 |
合計 | 373,976円 |
教育費や教養娯楽については、公立中学で塾通いなしなら平均よりはかなり減らせます。
⑤こどもが高校生の場合の生活費内訳
こどもが高校生の場合の生活費内訳は下記の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 88,000円 |
食料 | 82,521円 |
光熱・水道 | 22,888円 |
家具・家事用品 | 10,604円 |
被服及び履物 | 16,804円 |
保険医療 | 10,380円 |
自動車・交通 | 40,720円 |
通信 | 23,197円 |
教育 | 39,593円 |
教養娯楽 | 27,234円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 55,006円 |
合計 | 416,677円 |
高校を公立にすればもう少し安く収まりますし、自動車についてはもう少し下げる余地もあるはずです。
3人家族の理想の生活費内訳
これまで紹介したのはあくまで3人家族の平均生活費で、年収が高い方も含まれています。
「そんなに稼げません!」という人もいるでしょう。
そこで、生活費の費目ごとの割合を見ながら、理想的な内訳を考えていきましょう。
生活費は固定費と変動費に分けられる
まず、生活費を大きく2つに分けます。
- 固定費:生活するうえで毎月ほぼ定額でかかる費用
- 変動費:毎月変動する費用
- 家賃(住宅ローン等)
- 光熱費
- 通信費
- 保険料(医療費)
- 教育費
- 交通費(自動車関連費)
- 食費
- 衣料費
- 交際費(レジャー代)
- 日用品
- その他(趣味に使うお金など)
【変動費】理想の生活費内訳を紹介
では、まずは変動費から3人家族の理想の生活費内訳を見ていきましょう。
世帯の手取り収入を100%として、10%を貯蓄する前提で解説していきます。
a.食費:20%
変動費の中で最も大きな割合を示すのが食費。
食費の支出割合は、「エンゲル係数」とも言われ、日本でのエンゲル係数は平均25%前後と言われています。
しかし、平均通り25%では貯蓄が厳しくなります。
こどもが大きくなると教育費で赤字になる月すら出てくるでしょう。
理想としては15%に抑えていきたいですが、低収入の場合かなりしんどいので20%とします。
b.衣料費:3%
洋服にお金をかけるという習慣は捨てるべきです。
ミーハーなことは20代半ばまで。
家庭を築きこどもを育てることを考えれば、服はUNIQLOやGU等のファストファッション中心にして、仕事がスーツなら私服の購入は控えるべきでしょう。
体格さえ変わらなければ、大学時代で買った洋服+買い替えで何とかなります。
c.交際費(レジャー代):5%
これまでは付き合いによる飲みも多かったと思いますが、コロナでいかに無意味だったかに気付いたはずです。
5%でもかけすぎだと思いますが、あまり減らすとストレスによる浪費もあり得ますのでこのくらいにしておきます。
d.日用品:2%
かなり厳しい金額になってしまいますが、幼少期は教育費が少なく済むので
日用品+教育費(後述)=10%
を目安にしてください。ネットでの購入や適切なまとめ買いを行うことで安く済ますことができます。
e.その他(趣味に使うお金など):2%
【固定費】理想の生活費内訳を紹介
固定費も解説していきます。
a.家賃(住宅ローン等):25%
過去に「手取りの1/3」と言われた家賃ですが、2021年現在でこの基準を当てはめると破綻します。
そもそも手取りの1/3を家賃に充てていた時代は特別でした。
- 昇給&終身雇用が当たり前
- 通信費は今の半分以下
- 消費税5%以下
- 年金制度も安泰
個々の家庭事情によりますが、低収入であればあるほど民間の医療保険や生命保険の有用性は落ちてしまいます。
公的保険の保障内容も確認し、無駄のない保険を組んでいきましょう。
e.教育費:8%
こどもが大学進学すると8%は厳しいですが、その点は貯蓄で補ってください。
中学・高校は私立に通う必要ありません。
私立学校は教育水準にばらつきも大きく、またお金持ちの子が多いため出費もどんどん増えます。
どうしても良い教育を受けさせたいなら、他の費用を我慢するかあなたが稼ぎましょう。
低収入でこどもの成績が良ければ、無利子の奨学金を借りる手もあります。
f.交通費(自動車関連費):9%
自動車が必要か否かにより変動します。
都心部なら多少住居費を高くしてでも自動車を持たない生活をするのはアリです。
地方在住者にとって自動車は必需品ですが、持つのは1台までにしておいた方が良いでしょう。
通勤で夫婦とも必要な場合は、片方は自転車+公共交通機関や原付で我慢する工夫も必要です。
これで、合計90%に収まりました。
出費割合についてまとめた表を下記に載せておきます。
費目 | 割合 |
---|---|
家賃 | 25% |
食費 | 20% |
水道光熱費 | 6% |
日用品 | 2% |
衣料費 | 3% |
通信費 | 5% |
交通費 (自動車関連費) | 9% |
交際費 (レジャー代) | 5% |
教育費 | 8% |
保険料 (医療費) | 5% |
その他 (趣味に使うお金等) | 2% |
貯蓄 | 10% |
合計 | 100% |
これなら急な出費があっても貯蓄で賄えます。
3人家族の生活費の節約について解説!
理想の生活費の割合を紹介しましたが、あなたの家庭はどうでしょうか?
恐らく、理想通りにはなっていないと思います。
節約と言うと、
- 我慢
- 不便
- 楽しくない
①食費の節約について
- コンビニ使いすぎ
- 外食しすぎ
- 生ものや野菜の買いだめしすぎ
- 全てクレジットカード払いにしてポイントゲット
- 閉店前の半額見切り品を買い漁る
②水道光熱費の節約について
大きく節約するのが難しい光熱費ですが、節約する手段はあります。
- 電力会社&ガス会社の変更
- 契約アンペア数の変更
- 電気代やガス代が高い家電の利用制限
3.電気代やガス代が高い家電の利用制限
- 浴室乾燥機
- 小型冷蔵庫
- 石油ストーブ
- LED以外のライト
- 羽根のない扇風機の温風運転
③スマホ代・通信費の節約について
近年価格競争が進んだ結果、知る人と知らない人の差が広がりつつある通信費。
- スマホは絶対にショップで契約しない
- 安くて快適な業者を選ぶ
- iPhoneは即売却しandroid端末を買う
「スマホはショップで契約するもの」
その思い込みをやめましょう。
- 店員に払う給料
- 店舗の経費
- 月1GBまで:無料
- 月3GBまで:980円(税抜)
- 月20GBまで:1980円(税抜)
- それ以上:2980円(税抜)
【参考】おすすめの教育費を貯める方法・保険を紹介!
将来的に大金がかかってしまう教育費。
特に大学進学までを想定するなら入念な準備が欠かせません。
しっかり貯める方法を紹介します。
①手元の教育費を増やす
まずは、増やす方法。
リスクのほぼないものとあるものに分けて紹介します。
a.リスクほぼなしで増やす方法
以下2つが主な方法として該当します。
- ネットバンクの普通預金or定期預金:年率0.1%~0.2%
- 個人向け国債:年率0.05%~
リスクを取らない分利率がかなり低いですが、低金利時代でメガバンクの金利が0.001%であることを比べれば50倍~200倍高いです。
b.リスクを取ってでも増やす方法
つみたてNISAでの投資信託積み立てがオススメです。
つみたてNISAとは、国が設けた制度で年40万円×20年分の投資が非課税になります。
年40万円はあくまで上限ですので、年5万円~10万円からでも可能です。
また、リスク性の高いものや手数料が高い投資信託はあらかじめ除かれており、比較的まともな商品しか買えないようになっています。
あまり詳しくない方は、下記のような商品を積み立てていくと良いでしょう。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
なお、投資信託にはリスクがあります。
株価が下がれば元本割れもあるので、その点は注意してください。
②半強制的に教育費を貯める
増やす方法は、そもそも元手がなければ効果がありません。
お金を貯める方法も紹介します。
主な方法は財形貯蓄と自動積立の2つです。
a.財形貯蓄
これは企業によって制度自体がない場合もありますが、あるなら利用を検討すべきです。
教育費用を貯める専用の財形貯蓄はありませんので、「一般財形貯蓄」を利用することになります。
一部利息が非課税になったり、給与天引きでより強制力のある貯蓄ができます。
b.自動積立
③学資保険などを活用して教育費を貯める
財形貯蓄も自動積立も、貯めることに関しては優秀な制度ですが、金利はほとんど無いに等しく、ほぼ増えません。
「貯めて少しでも増やしたい!」と思う方は、学資保険の利用も検討してみてはいかがでしょうか。
こちらも低金利のあおりを受けて返戻率は落ちていますが、102~105%前後は戻ってきます。すなわち、払い込んだ金額+2~5%が満期時に返ってくることになります。
ソニー生命の学資保険が返戻率も高くおススメです。
【まとめ】こどもの将来のために生活費の貯蓄・節約をしよう!
ここまで、3人家族の生活費について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事では、
- 3人家族の平均生活費
- こどもの年齢ごとの生活費
- 3人家族の生活費を節約する方法
- 教育費の貯め方
- 3人家族の生活費の平均は30万円だが、住居費によって変動がある
- こどもの年齢が上がるにつれて、生活費も上がる
- 食費は外食やコンビニを控えて節約
- 通信費は格安SIM業者や安いandroidスマホに変更して節約
- 光熱費は電力会社やガス会社を変更、電力消費の多い家電を利用制限して節約
- 教育費を貯める方法は、投資信託、学資保険、財形貯蓄、自動積立などがある