監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 3人家族全体の生活費の平均は約30万円!
- 3人家族の生活費の平均と内訳をこどもの年齢別にシミュレーションで解説
- こどもが2歳以下の場合
- こどもが3〜6歳の場合
- こどもが小学生の場合
- こどもが中学生の場合
- こどもが高校生の場合
- 3人家族生活費の節約のコツを紹介!
- 食費の節約方法
- 水道光熱費の節約方法
- スマホ代・通信費の節約方法
- 3人家族の理想と実際の生活費内訳
- 生活費は固定費と変動費に分けられる
- 【変動費】理想の生活費内訳を紹介
- 【固定費】理想の生活費内訳を紹介
- おすすめの教育費を貯める方法・保険を紹介!
- 手元の教育費を増やす
- 半強制的に教育費を貯める
- 学資保険などを活用して教育費を貯める
- 【まとめ】こどもの将来のために生活費の貯蓄・節約をしよう!
3人家族全体の生活費の平均は約30万円!
こどもの年齢を考慮しない「3人家族の平均生活費」は30万円前後です。
それぞれの内訳を見ていくと、以下の表の通りになります。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 18,013円 |
食料 | 86,554円 |
光熱・水道 | 23,855円 |
家具・家事用品 | 12,375円 |
被服及び履物 | 9,644円 |
保険医療 | 14,728円 |
交通・通信 | 42,838円 |
教育 | 10,448円 |
教養娯楽 | 29,765円 |
その他 (雑費・使途不明金) | 45,777円 |
合計 | 293,997円 |
ただし、これは全国平均であり、都市部と地方では差が出るので注意が必要です。
その他にも賃貸か持ち家、車の有無などでも必要な生活費は変化していきます。
ただ、都市部だと住居費用が増える傾向にあるので、都市部在住の方は33~34万円前後を想定しておきましょう。
3人家族の生活費の平均と内訳をこどもの年齢別にシミュレーションで解説
3人家族の生活費の平均と内訳を以下のこどもの年齢に分けて解説していきます。
- こどもが2歳以下の場合
- こどもが3~6歳の場合
- こどもが小学生の場合
- こどもが中学生の場合
- こどもが高校生の場合
こどもが2歳以下の場合
こどもが2歳以下の場合の生活費の内訳と平均は下記の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 39,358円 |
食料 | 51,159円 |
光熱・水道 | 16,868円 |
家具・家事用品 | 10,144円 |
被服及び履物 | 13,404円 |
保険医療 | 12,430円 |
自動車・交通 | 33,277円 |
通信 | 16,041円 |
教育 | 510円 |
教養娯楽 | 24,950円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 53,055円 |
合計 | 271,196円 |
※内閣府の平成17年「こどものいる世帯の年齢層別消費支出」を元に消費税増税分を加味して計算
合計の平均額は約27万円かかります。
こどもが2歳以下の場合は、頻繁にこどもの着替えが必要だったり子育て用品をそろえる必要があったりするため、衣類や家事用品にお金がかかりやすいといえます。
こどもが3〜6歳の場合
こどもが3~6歳の場合の生活費の内訳と平均は以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 39,358円 |
食料 | 59,506円 |
光熱・水道 | 18,396円 |
家具・家事用品 | 9,086円 |
被服及び履物 | 14,967円 |
保険医療 | 11,290円 |
自動車・交通 | 28,445円 |
通信 | 16,041円 |
教育 | 19,727円 |
教養娯楽 | 33,053円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 56,305円 |
合計 | 306,174円 |
合計の平均額は約30万円かかります。
また、この年齢になると、幼稚園や保育園に通う子供が増えてきます。
そのため、タオルや布団などの必要物品や学費などで教育費が増加傾向です。
食べる量の増加や、通園でほかの子供と関わるようになり風邪をもらいやすくなるなど、食費や保険医療費も増える傾向にあります。
全体で見ると、2歳以下の時よりも、約3万円ほど増えています。
こどもが小学生の場合
こどもが小学生の場合の生活費の内訳と平均は以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 88,000円 |
食料 | 70,735円 |
光熱・水道 | 19,517円 |
家具・家事用品 | 9,361円 |
被服及び履物 | 16,328円 |
保険医療 | 10,115円 |
自動車・交通 | 33,514円 |
通信 | 16,826円 |
教育 | 9,015円 |
教養娯楽 | 32,967円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 43,959円 |
合計 | 350,337円 |
合計の平均額は約35万円かかります。
この頃にはマイホームを購入する人が増えるので、住居費用が大きく増えています。
また、小学生からは成長期に入り、高校生にかけて食事量が増えるので、食費はどんどん増える傾向にあります。
教育費は多少減りますが、その分、学習塾や習い事などが増えるので、教養娯楽費での支出が大きいです。
こどもが中学生の場合
こどもが中学生の場合の生活費の内訳と平均は以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 88,000円 |
食料 | 77,698円 |
光熱・水道 | 21,865円 |
家具・家事用品 | 9,223円 |
被服及び履物 | 16,806円 |
保険医療 | 9,069円 |
自動車・交通 | 30,015円 |
通信 | 19,447円 |
教育 | 25,812円 |
教養娯楽 | 31,827円 |
その他 (雑費・使途不明金) | 44,214円 |
合計 | 373,976円 |
合計の平均額は約37万円かかります。
小学生の場合に比べて教育費が大きく増えています。
これは高校受験に備えて塾に通ったり、私立中学に進学したため学費が増えることがあるためです。
また、中学からは部活動も始まり、それに応じて道具や遠征などにも費用が必要になってきます。
こどもが高校生の場合
こどもが高校生の場合の生活費の内訳と平均は以下の通りです。
費目 | 金額 |
---|---|
住居 | 88,000円 |
食料 | 82,521円 |
光熱・水道 | 22,888円 |
家具・家事用品 | 10,604円 |
被服及び履物 | 16,804円 |
保険医療 | 10,380円 |
自動車・交通 | 40,720円 |
通信 | 23,197円 |
教育 | 39,593円 |
教養娯楽 | 27,234円 |
その他
(雑費・使途不明金) | 55,006円 |
合計 | 416,677円 |
合計の平均額は約41万円かかります。
高校生では食費、通信費、教育費などが増加傾向です。
食費は高校生が一番食べ盛りですので、特に男子では大人以上に食べる子も少なくありません。
また、高校生ではほとんどのこどもがスマホを持ち、中にはパソコンを持つ子もいるので、通信費が増える傾向にあります。
教育費については中学同様に公立・私立で大きく変わってくるので、臨機応変に対応することが大切です。
3人家族生活費の節約のコツを紹介!
3人家族生活費の節約のコツについて、以下の3つに分けて解説していきます。
- 食費
- 水道光熱費
- スマホ代・通信費
それぞれ家計に与える影響は小さくないものです。
この3つの費用を削ることができると、家計に余裕をもたらしてくれます。
また、節約も辛いと挫折してしまうので、長続きする方法を紹介していきます。
食費の節約方法
- コンビニ使いすぎ
- 外食しすぎ
- 生ものや野菜の買いだめしすぎ
水道光熱費の節約方法
水道光熱費の節約方法は以下の3つがあります。
- 電力会社&ガス会社の変更
- 契約アンペア数の変更
- 電気代やガス代が高い家電の利用制限
スマホ代・通信費の節約方法
スマホ代や通信費を節約する方法は以下の3つです。
- スマホは絶対にショップで契約しない
- 安くて快適な業者を選ぶ
- iPhoneは即売却しandroid端末を買う
3人家族の理想と実際の生活費内訳
3人家族の理想と実際の生活費の内訳について以下の内容を解説していきます。
- 生活費は固定費と変動費に分けられる
- 【変動費】理想の生活費内訳
- 【固定費】理想の生活費内訳
一概に生活費とまとめられていますが、しっかりと固定費と変動費に分けて考えることが大切です。
特に固定費は毎月必ずかかる費用なので、節約できると家計に大きなゆとりをもたらしてくれます。
理想の生活費を満たしていない人であっても決して諦めず、家計管理の見直しや節約を駆使して、少しずつ理想に近づいていきましょう。
生活費は固定費と変動費に分けられる
まず、生活費を大きく2つに分けます。
- 固定費:生活するうえで毎月ほぼ定額でかかる費用
- 変動費:毎月変動する費用
- 家賃(住宅ローン等)
- 光熱費
- 通信費
- 保険料(医療費)
- 教育費
- 交通費(自動車関連費)
- 食費
- 衣料費
- 交際費(レジャー代)
- 日用品
- その他(趣味に使うお金など)
【変動費】理想の生活費内訳を紹介
では、まずは変動費から3人家族の理想の生活費内訳を見ていきましょう。
世帯の手取り収入を100%として、10%を貯蓄する前提で解説していきます。
a.食費:20%
変動費の中で最も大きな割合を示すのが食費。
食費の支出割合は、「エンゲル係数」とも言われ、日本でのエンゲル係数は平均25%前後と言われています。
しかし、平均通り25%では貯蓄が厳しくなります。
こどもが大きくなると教育費で赤字になる月すら出てくるでしょう。
理想としては15%に抑えていきたいですが、低収入の場合かなりしんどいので20%とします。
b.衣料費:3%
洋服にお金をかけるという習慣は捨てるのが賢明です。
家庭を築きこどもを育てることを考えれば、服はUNIQLOやGU等のファストファッションや西松屋やしまむらなど中心にして、上手に着まわしましょう。
着用頻度のことを考えると仕事がスーツなら私服の購入は控えるのも一案です。
体格さえ変わらなければ、大学時代で買った洋服+買い替えで何とかなります。
また、どうしても衣服にこだわりたい方は他の項目で支出を減らすなどして調整しましょう。
c.交際費(レジャー代):5%
これまでは付き合いによる飲みも多かったと思いますが、コロナでいかに無意味だったかに気付いたはずです。
5%でもかけすぎだと思いますが、あまり減らすとストレスによる浪費もあり得ますのでこのくらいにしておきます。
d.日用品:2%
かなり厳しい金額になってしまいますが、幼少期は教育費が少なく済むので
日用品+教育費(後述)=10%
を目安にしてください。ネットでの購入や適切なまとめ買いを行うことで安く済ますことができます。
e.その他(趣味に使うお金など):2%
【固定費】理想の生活費内訳を紹介
固定費も解説していきます。
a.家賃(住宅ローン等):25%
過去に「手取りの1/3」と言われた家賃ですが、2021年現在でこの基準を当てはめると破綻します。
そもそも手取りの1/3を家賃に充てていた時代は特別でした。
- 昇給&終身雇用が当たり前
- 通信費は今の半分以下
- 消費税5%以下
- 年金制度も安泰
個々の家庭事情によりますが、高収入であればあるほど民間の医療保険や生命保険の有用性は落ちてしまいます。
公的保険の保障内容も確認し、無駄のない保険を組んでいきましょう。
e.教育費:8%
こどもが大学進学すると毎月8%捻出するのは非常に厳しいですが、その点は貯蓄で補ってください。
中学・高校は教育水準の高さを求めて私立に通わせることを希望する方もいますが公立と比較してどの部分が優れているのかしっかり検証してから決断しましょう。
私立学校は教育水準にばらつきも大きく、またお金持ちの子が多いため出費もどんどん増えます。
どうしても良い教育を受けさせたいなら、他の費用を我慢するか給与収入を増やすなどして対策をとってください。
低収入でこどもの成績が良ければ、無利子の奨学金を借りる手もあります。
f.交通費(自動車関連費):9%
自動車が必要か否かにより変動します。
都心部なら多少住居費を高くしてでも自動車を持たない生活をするのはアリです。
地方在住者にとって自動車は必需品ですが、持つのは1台までにしておいた方が良いでしょう。
通勤で夫婦とも必要な場合は、片方は自転車+公共交通機関や原付で我慢する工夫も必要です。
これで、合計90%に収まりました。
出費割合についてまとめた表を下記に載せておきます。
費目 | 割合 |
---|---|
家賃 | 25% |
食費 | 20% |
水道光熱費 | 6% |
日用品 | 2% |
衣料費 | 3% |
通信費 | 5% |
交通費 (自動車関連費) | 9% |
交際費 (レジャー代) | 5% |
教育費 | 8% |
保険料 (医療費) | 5% |
その他 (趣味に使うお金等) | 2% |
貯蓄 | 10% |
合計 | 100% |
これなら急な出費があっても貯蓄で賄えます。
おすすめの教育費を貯める方法・保険を紹介!
将来的に大金がかかってしまう教育費。
特に大学進学までを想定するなら入念な準備が欠かせません。
しっかり貯める方法を紹介します。
手元の教育費を増やす
手元の教育費を増やす方法は以下の3つです。
- ネットバンクの普通預金or定期預金:年率0.1%~0.2%
- 個人向け国債:年率0.05%~
- 新NISA:年率は商品による
ネットバンクや個人向け国債はリスクはほぼありませんが、金利は低いですが、新NISAであれば、リスクはありますが一番増える可能性が高いです。
新NISAは国が設けた制度で、最大1800万円の元本を非課税で運用ができますし、投資商品も金融庁が選定した信頼性の高い商品になっているので安心です。
あまり詳しくない方は、下記のような人気商品を積み立てていくといいでしょう。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ただし、あくまで投資は元本割れのリスクはあるので、その点は理解した上で投資してみたい方は、楽天証券やSBI証券を利用してみましょう。
半強制的に教育費を貯める
増やす方法は、そもそも元手がなければ効果がありません。
お金を貯める方法も紹介します。
主な方法は財形貯蓄と自動積立の2つです。
a.財形貯蓄
これは企業によって制度自体がない場合もありますが、あるなら利用を検討すべきです。
教育費用を貯める専用の財形貯蓄はありませんので、「一般財形貯蓄」を利用することになります。
一部利息が非課税になったり、給与天引きでより強制力のある貯蓄ができます。
b.自動積立
学資保険などを活用して教育費を貯める
財形貯蓄も自動積立も、貯めることに関しては優秀な制度ですが、金利はほとんど無いに等しく、ほぼ増えません。
「貯めて少しでも増やしたい!」と思う方は、学資保険の利用も検討してみてはいかがでしょうか。
こちらも低金利のあおりを受けて返戻率は落ちていますが、102~105%前後は戻ってきます。すなわち、払い込んだ金額+2~5%が満期時に返ってくることになります。
【まとめ】こどもの将来のために生活費の貯蓄・節約をしよう!
ここまで、3人家族の生活費について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事では、
- 3人家族の平均生活費
- こどもの年齢ごとの生活費
- 3人家族の生活費を節約する方法
- 教育費の貯め方
- 3人家族の生活費の平均は30万円だが、住居費によって変動がある
- こどもの年齢が上がるにつれて、生活費も上がる
- 食費は外食やコンビニを控えて節約
- 通信費は格安SIM業者や安いandroidスマホに変更して節約
- 光熱費は電力会社やガス会社を変更、電力消費の多い家電を利用制限して節約
- 教育費を貯める方法は、投資信託、学資保険、財形貯蓄、自動積立などがある