

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 公務員がお金を増やすための6つの方法
- 公務員の共済貯金を活用する
- iDeCo(イデコ)
- つみたてNISA
- 株式投資・投資信託
- 債券投資
- 不動産投資
- 迷ったら無料FP相談!プロと一緒に賢くお金を増やす方法を見つけよう
- 公務員が資産運用をする際の注意点4つ
- 服務規律を遵守する
- ハイリスクな投資は避ける
- 節税を意識した運用をする
- 必要に応じて確定申告をおこなう
- あなたにぴったりの方法は?無料FP相談で今すぐ最適な運用プランを見つけよう
- 公務員のお金の増やし方・資産運用に関するよくある質問
- 公務員の資産運用は何から始めるべきですか?
- まずは少額投資をしたいのですが、いくらから始められますか?
- 公務員の退職金や年金だけで老後の生活は安心できますか?
- 【まとめ】公務員は安定収入を活かした長期的な資産運用がおすすめ!
公務員がお金を増やすための6つの方法
公務員がお金を増やすために、どんな商品を活用していけばよいのか具体的に見ていきましょう。投資にはさまざまな方法がありますが、6つに絞って解説します。
これら6つの方法は、公務員が禁止されているものではありません。一定のルールを守ってやれば成果が期待できる運用方法です。
公務員の共済貯金を活用する
公務員には共済組合の制度があります。自分が勤務している役所ごとに所属の共済組合が決まっており、就職と同時に自動的に加入します。また、所属の共済組合ごとに条件や利用できる制度が違います。
共済組合には、短期が健康保険制度、長期が年金制度、福利厚生事業の一環として貯蓄制度や貸付制度があります。
共済貯金は、天引きで貯蓄ができる制度です。給料が自分の口座に振り込まれる前に自動的に貯蓄されるので、払い戻しをしなければどんどん貯まります。
共済貯金の利率は市中銀行の利率より高めに設定されていますが、金利は組合ごとに異なります。共済貯金の預入限度額は基本的には3,000万円ですが、3,000万円より少ない組合もあります。
iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)は自分で老後の資金を準備するための制度です。公務員は、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入でき、自分で決めた掛金を毎月積み立てて運用し、老後資金の形成に利用できます。2024年12月からは、掛金の上限が月額12,000円から20,000円に引き上げられました。
iDeCoの掛金の全額が所得控除の対象となるため、節税効果が大きいです。満額の月2万を積み立てると年間24万円が所得控除になります。
掛け金は月5,000円から1,000円単位で設定できます。老後資金のためのものなので60歳になるまでおろせません。iDeCoの受給権発生が60歳となっており、一括受け取り、年金受け取り、2つの併用の選択ができます。75歳まで受給開始を延ばすこともできます。
失業や転職、病気など、iDeCoの掛け金を支払うことが困難になってしまった場合には、加入している金融機関の「加入者資格喪失届」提出することで、掛金拠出を一時的に停止することが可能です。ただし積立停止期間も手数料は発生します。
つみたてNISA
NISAは少額投資非課税制度のことをいいます。制度は2014年に始まりましたが、2024年に改正された新NISAではより使いやすくなりました。
元本1,800万円までの投資商品を購入して利益が出た場合、利益が非課税になるものです。NISA以外で投資した場合、通常は利益に20.315%の税金が引かれます。
NISAは1年間に360万円まで積立可能で、総額1,800万円までの投資に利用できます。NISAはひとり1契約しかできません。金融機関も1つしか選べません。違う金融機関に変えることは可能ですが、一時的に取引に制限がかかる場合があるので、どこの金融機関にするかは慎重に選択しましょう。
株式投資・投資信託
投資といって真っ先に思いうかぶのは、株式投資や投資信託でしょう。
株式投資は、個別の企業の株を購入することです。投資の初心者は多くの株の中から適した商品を選ぶのは難しいでしょう。個別株の株式投資は上級者むけの投資方法です。
投資初心者は、投資信託から始めた方が無難です。投資信託は資産運用の専門家が選んだ複数の商品があらかじめセットになっている金融商品のことをいいます。投資信託には多くの種類があり、株式が数百銘柄入っているもの、株式だけではなく債券や不動産など複数の金融商品を組み合わせたものなど様々です。
投資信託は複数の銘柄が入っているので、1つの投資信託を購入するだけで、分散投資ができます。しかも1,000円から購入できるものもあります。ただし、株式投資も投資信託もリスク商品なのでリスクを十分に理解したうえで始めましょう。
債券投資
債券とは発行する団体が借入をするための有価証券のことです。日本国債は日本の国が投資家からお金を借りるための有価証券です。債券投資を簡単に言うと、国や会社などにお金を貸して、利息をつけて返してもらうことです。
債券の種類は国債、地方債、社債、外国債などがあります。日本国債は銀行でも買えます。社債や外国債は銀行では取り扱いがなく証券会社でしか買えません。
国債も社債も格付けがあり、国や会社の信用度によって決まります。安定している国や業績の良い会社は格付けが高くなります。逆に政治が不安定な国や、業績が悪い会社は格付けが低くなります。
格付けが低い国債や社債は利回りが高くなります。格付けの低い債券投資はリスクがあるかわりに投資した時の利益は大きくなるというわけです。
不動産投資
公務員は一定規模の不動産投資は認められています。
- 不動産規模が5棟、10室以下
- 投資による賃料収入が年間500万円未満
公務員は信用力が高いので銀行から融資を受けられる確率が高いです。うまくいけば長期にわたり定期的な収入になります。とはいえ不動産投資にはリスクがつきものです。
不動産投資は今まで経験があれば判断はしやすいですが、初めての場合は検討がつきません。建物が新しいうちは満室でも、古くなれば家賃を下げなければならない可能性も出てきます。定期的なメンテナンスは必須ですし、新しい設備の投資も必要になるかもしれません。
不動産投資は必ず、職場に許可を得てから始めましょう。管理が大変な時は管理会社に任せるなどの工夫も必要です。
迷ったら無料FP相談!プロと一緒に賢くお金を増やす方法を見つけよう
共済貯金を活用する 、iDeCo、つみたてNISA 、株式投資・投資信託、債券投資、不動産投資の中ですでにやっていることはありますか?新しく始めてみたいものはありますか?
お金を積極的に増やしていきたいと思えば、ある程度リスクを取った運用をする必要があります。でもリスクをとりすぎて大きく損をして、逆に資産を減らしてしまっては元も子もありません。
資産運用は、まず「いつまでにいくら必要か」を考え、長期目線で行った方が成功の確率は上がります。お金のプロであるFPと一緒に最適な方法を見つけましょう。

公務員が資産運用をする際の注意点4つ

服務規律を遵守する
公務員は、国家公務員法や地方公務員法により、副業が原則として禁止されています。しかし、株式投資などの資産運用は副業には該当しないと解釈されており、法律で禁止されているわけではありません。
一方で、株取引ができる時間帯と勤務時間が重なるため、勤務時間中の投資は、職務専念義務違反となる可能性があります。所属機関の規定を確認し、ルールを守って行いましょう。
2024年、金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引疑惑で告発されたことがありました。公務員は職務上、未公開の重要情報を知り得る立場にあるため、インサイダー取引には特に注意が必要です。情報を家族に漏らすことも絶対にダメです。
ハイリスクな投資は避ける
株式投資でも個別株の集中投資や外国の株式、投資信託でも新興国対象のハイリスクなものがあります。
仮想通貨取引、FX、株の信用取引などリスクの高い商品はいろいろあります。これらはギャンブル的な要素が強く、堅実な投資対象とは言えないかもしれません。たとえ1回うまくいったとしても勝ち続けることは難しく、大きな損失を被る可能性も大きいです。
大きな損失を被れば仕事がおろそかになることも。損失が気になり、服務規律を遵守するどころではなくなってしまいます。
節税を意識した運用をする
ふるさと納税は、寄付した金額から2,000円を差し引いた金額が、所得税や住民税から控除される仕組みです。つまり、実質2,000円の負担で、寄付先の自治体から特産品などの返礼品を受け取ることができます。
ふるさと納税を利用する場合はまず、自分がいくらの税金を支払っているかを把握しましょう。収入が同じでも、扶養家族の人数やその他の要因で税金が異なる場合があります。 所得税をいくら支払っているかは昨年度の源泉徴収票を確認しましょう。
住民税は毎月の給料から控除されている場合が多いと思います。毎年6月頃に職場から住民税決定通知書が来るので確認してみましょう。支払っている税金を確認し税金が戻ってくるのを確認してから、ふるさと納税を行いましょう。
必要に応じて確定申告をおこなう
給与収入だけの場合、年末調整を職場でやってくれるので原則確定申告は不要です。
ただし、次のケースは確定申告が必要です。
- 住宅ローン控除を受ける初年度
- 医療費控除を受ける時
- ふるさと納税をしたとき
- 副業収入が20万円以上ある時(不動産投資などで)
- 株式や投資信託を売却して20万円以上利益がある時(例外あり)
あなたにぴったりの方法は?無料FP相談で今すぐ最適な運用プランを見つけよう

ここまで公務員がお金を増やす6つの方法や注意すべき点についてお伝えしてきましたが、あなたにぴったりの方法は見つかりましたか?
6つを全部やるのは難しいにしても、1つだけでなく複数やることでリスクの分散にもなります。どれがいいか迷ったら専門家への相談をおすすめします。
みんなそれぞれお金を増やしたい気持ちがあると思いますが、目的や目標金額はそれぞれ違うでしょう。専門家に相談すれば、節税対策のアドバイスも可能です。節税をしながら運用をした方が、効率よくお金を増やせるでしょう。
節税のアドバイスや資産運用はFPへ相談しながら考えましょう。自分だけで考えるよりうまくいく確率が上がります。
公務員のお金の増やし方・資産運用に関するよくある質問
公務員の資産運用は何から始めるべきですか?
公務員が資産運用をするうえでのステップは下記の通りです。
- 何のためにいつまでに必要かを考える (ライフプランを立てる)
- 目標額と期間を決める (教育費のために10年後までに500万円など)
- 生活防衛資金を確保し、運用資金を決める (不測の事態に備える)
- 目標金額に応じて運用商品を決める
- 資産運用を開始し定期的に見直す
まずは少額投資をしたいのですが、いくらから始められますか?
投資初心者は最初は少しずつ始めるほうがよいでしょう。慣れるまでには一定期間かかることもあるので、できるだけ早く始めましょう。投資は自分には合わないと感じたら無理に続けなくても別の方法を考えることもできます。
つみたてNISAは1,000円から投資可能です。金融機関によっては100円からできるところもあります。1,000円であれば失敗しても勉強代だと思えば気軽に始められます。
iDeCoは5,000円から1,000円単位で始められます。ただ、60歳まで積み立てた資金の払い戻しが不可なので、老後資金のためのものと考えた方がよいでしょう。
公務員の退職金や年金だけで老後の生活は安心できますか?
公務員は民間企業よりも退職金や年金が多いと言われています。退職金に関しては定年まで勤めることができれば一番多くもらえますが、途中でやめてしまえば勤続年数に応じた金額になります。
国も赤字を抱えていますし、県や市町村も財政状態がとてもよい、というところは限られています。将来、現在と同程度の年金や退職金がもらえない可能性があるでしょう。
環境の変化は思ったより早いものです。制度の改定が予想より早い場合があるかもしれません。iDeCoを利用して、長期投資で老後に備えることが一般的になるかもしれません。
【まとめ】公務員は安定収入を活かした長期的な資産運用がおすすめ!

公務員がお金を増やすための6つの方法や注意する点について解説してきました。公務員は安定収入を活かし、長期的に運用することをおすすめします。無理にリスクを取らずに安全性の高い投資方法でも長期で行えば確実性が高いはずです。
iDeCoもNISAも比較的新しい制度なので、熟知している方は少ないでしょう。どちらも長期投資を前提としているので、少しでも早く始めた方が有利です。
資産運用はあまりなじみのない方でも、まずはどんなものかを専門家からじっくり聞いてみることをおすすめします。
マネーキャリアではオンライン相談も可能です。気軽な気持ちで気になったところから相談してみましょう。未知なことを知ることで新たな気づきがあるでしょう。
