

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 40歳で住宅ローン5000万円は現実的?
- 必要な年収の目安は?
- 理想的な頭金の目安は?
- 【結論】40歳で住宅ローン5000万円は年収やライフプラン次第で可能
- 無料FP相談を賢く活用して、無理のない返済計画を立てよう!
- 40歳・住宅ローン5000万円の借入期間別の返済額をシミュレーション
- 借入期間35年の場合
- 借入期間30年の場合
- 借入期間25年の場合
- 借入期間15年の場合
- あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な返済プランを考えよう
- 40歳で住宅ローン5000万円を組む際に後悔しないためのポイント6つ
- 完済年齢を現実的に設定する
- 返済比率は「手取りの20%〜25%以下」に抑える
- 別途諸費用がかかる点に注意する
- 教育資金・老後資金とのバランスを慎重に考える
- 共働きならペアローンも検討する
- 無料FP相談を活用して最適な返済プランを立てる
- 【実際どうだった?】40代で5000万円台の住宅ローンを契約した人の体験談
- 住宅ローンを組んだときの年齢・世帯年収を教えてください
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- 頭金はいくら用意しましたか?
- 住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください
- 【まとめ】40歳で5000万円の住宅ローンを組む際はライフプランを必ず考慮しよう
40歳で住宅ローン5000万円は現実的?
不動産経済研究所によると、平成24年度首都圏の新築の分譲マンションの平均価格は8,135万円※1、大阪中心の近畿圏でも5,065万円※2となっています。住宅の価格高騰を考えると5,000万円以上の住宅ローンを組む人は一定数いると考えられます。
住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査※3」によると、住宅ローンを組んだ平均年齢は44.3歳です。最も多い年齢層は30代で、全体の30.4%を占めています。2番目に多いのが40代で27.6%となっています。
以前は30代で住宅ローンを組む人が多かったのですが、50代以上で利用する人も31.5%と増えているのが最近の特徴です。定年が少しずつ伸びていることもあり、40代で住宅ローンを組むのは一般的です。
※1 参照:首都圏新築分譲マンション市場動向2024年度|株式会社不動産経済研究所
必要な年収の目安は?
住宅ローンは、年収の5倍〜7倍程度が借入額の目安とされています。例えば、5,000万円の住宅ローンを組む場合、年収は700万円〜1,000万円以上が一つの目安となります。
5,000万円を最長35年で借り入れ、金利を固定1.5%と仮定すると、年間の返済額はおよそ180万円程度です。多くの金融機関では、年収を基に返済負担率(年収に占める返済額の割合)を審査の指標としています。
年収ベースの返済金負担率は次の通りです。
- 700万円:約25.7%
- 800万円:約22.5%
- 900万円:約20%
- 1,000万円:約18%
金融機関の審査は通っても、手取りベースで考えると年収700万円でも返済は厳しいかもしれません。
理想的な頭金の目安は?
40代で住宅ローンを組む場合、頭金は物件価格の2割以上を用意するのが理想とされています。しかし実際には、2割以上の頭金を準備できている人は40代で47.6%にとどまっています。
2022年に1万人を対象に行われたアンケートによると、頭金なし、あるいは1割程度しか用意できなかった人の割合は、30代で65.5%、40代でも52.4%と半数を超えています。多くの人が、理想とされる頭金2割には届いていないのが現状です。
頭金 | 40歳~49歳 | 30歳~39歳 |
---|---|---|
頭金なし | 29.6% | 38.6% |
1割 | 22.8% | 26.9% |
2割 | 15.2% | 14.4% |
3割 | 15.3% | 9.6% |
4割以上 | 17.1% | 10.5% |
アンケートによると40代では頭金なしの人が減り、30代と比較して3割~4割準備できている人が増えています。
【結論】40歳で住宅ローン5000万円は年収やライフプラン次第で可能
40歳で5,000万円の住宅ローンを借りられるかどうかは、年収だけでなく、子どもの教育費や老後資金の備えなど、ライフプラン全体をどう考えるかによって大きく変わります。特に教育費と住宅ローンの支払いが重なる時期の資金計画が重要で、ここをどう乗り切るかが判断の分かれ目になるでしょう。
5,000万円の借り入れが現実的な人の特徴
- 年収が高く、20年~25年程度で完済できる見込みがある
- 子どもが1人で、教育費を抑えられる
- 子供の教育費にはできるだけお金をかけない予定の人
- 共働きで、2人とも正社員として安定した収入がある
- 退職金が多く、退職時に一括で完済する計画が立てられる
- 年収にかかわらず、生活費を低く抑えられる家計設計ができている
無料FP相談を賢く活用して、無理のない返済計画を立てよう!

40歳で5,000万円の住宅ローンが可能かどうかは、最終的には金融機関の判断に委ねられます。ただし、審査に通っても「完済できるかどうか」は別問題です。
大切なのは、無理のない返済計画を立て、それに沿って継続的に返済していけるかどうかです。返済額は、生活に支障をきたさない金額に設定しましょう。返済額を下げれば月々の負担は軽くなりますが、その分返済期間が延び、総返済額や利息負担は増えます。完済年齢が高くなりすぎないよう注意も必要です。
金融機関の「借入可能額」をそのまま鵜呑みにせず、自分の家計やライフプランに照らして、本当に返せる金額かを冷静に見極めましょう。

40歳・住宅ローン5000万円の借入期間別の返済額をシミュレーション
40歳で住宅ローンを5,000万円借り入れをすると、借入期間別に返済金がいくらくらいになるかを試算してみました。
前提条件
- 金利は固定で1.5%と想定
- 頭金なし、月払いのみでボーナス払いはなし
- 元利均等返済、繰り上げ返済はしない
- 諸費用は考慮せず
35年、30年、25年、15年の4パターンで計算してみました。借入期間と返済金を決めるうえで参考にしてみて下さい。
計算は次のサイトを参考にしています。
借入期間35年の場合
借入金額 | 5,000万円 |
---|---|
借入期間 | 35年(420回) |
毎月返済額 | 153,092円 |
年間返済額 | 1,837,104円 |
総返済額 | 64,298,640円 |
65歳時点での残高 | 17,049,648円 |
65歳時点での残高が1,700万円あり、何らかの対策が必要でしょう。
借入期間30年の場合
借入金額 | 5,000万円 |
---|---|
借入期間 | 30年(360回) |
毎月返済額 | 172,560円 |
年間返済額 | 2,070,720円 |
総返済額 | 62,121,600円 |
65歳時点での残高 | 9,968,739円 |
65歳時点での残高が約1,000万円あります。退職金で完済可能であれば完済した方が無難でしょう。
借入期間25年の場合
借入金額 | 5,000万円 |
---|---|
借入期間 | 25年(300回) |
毎月返済額 | 199,968円 |
年間返済額 | 2,399,616円 |
総返済額 | 59,990,400円 |
65歳時点での残高 | 0 |
ちょうど65歳で完済になるので、住宅ローンがない状態で年金生活が送れます。
借入期間15年の場合
40歳で15年返済にした場合55歳で完済になります。定年前に完済できることは大きなメリットです。
返済金は毎月30万円、年間返済額も370万円となり、収入が高くないと支払いは難しいでしょう。
借入金額 | 5,000万円 |
---|---|
借入期間 | 15年(180回) |
毎月返済額 | 310,371円 |
年間返済額 | 3,724,452円 |
総返済額 | 55,866,780円 |
65歳時点での残高 | 0 |
55歳で完済できれば、定年までまだ5年~10年あり、その間に老後資金を準備することも可能かもしれません。
あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な返済プランを考えよう

返済方法は一度決めると簡単には変更できませんので、慎重に選ぶ必要があります。
返済金を早く終わらせることを優先すると、毎月の返済金は増えてしまう一方で、返済金を下げると支払い期間が長くなり、65歳を過ぎても返済を続けることになります。どの方法が最適かは、10年後、20年後のライフプランを基に考えるのが重要です。
特に考慮すべきポイントは、住宅ローンと並行して支出が見込まれる教育費の計画です。教育費をどこまで出せるか、今のうちにしっかり考えておきましょう。
40歳で住宅ローン5000万円を組む際に後悔しないためのポイント6つ

40歳で5,000万円の住宅ローンを組む際に、注意してほしいポイントは次の6つです。
- 完済年齢を現実的に設定する
- 返済比率は「手取りの20%〜25%以下」に抑える
- 別途諸費用がかかる点に注意する
- 教育資金・老後資金とのバランスを慎重に考える
- 共働きならペアローンも検討する
- 無料FP相談を活用して最適な返済プランを立てる
この6つを考慮しながら計画すると失敗のリスクを減らせます。
完済年齢を現実的に設定する
住宅ローンの規定上、完済年齢は75歳や80歳までとなっていることが一般的です。専門職である医師や弁護士、自営業者などは、定年がなく、80歳まで高収入を維持できる可能性もあります。しかし、サラリーマンの場合、60歳や65歳を過ぎると年収が急激に下がることが考えられます。
また、75歳や80歳まで現在の仕事を続けられるかどうかも不確実です。仮に続けられたとしても、健康状態が悪化し、40代や50代と同じ働き方が難しくなる場合も考えられます。
将来の予測は非常に難しく、例えば、定年年齢が70歳に延長される企業も増えてきています。しかし、それでもやはり若いうちに住宅ローンを完済しておくことが理想的です。もし65歳までに完済できれば、年金生活に入った後でも、老後資金に余裕を持たせることができるでしょう。
返済比率は「手取りの20%〜25%以下」に抑える
住宅ローンの返済比率は手取りの25%以下に抑えることが理想です。
◆返済金負担率の計算方法の例
年収500万円 住宅ローンの年間返済額 100万円
- 100万÷500万×100=20 20%
年収500万円 年間返済額180万円
- 180万÷500万×100=36 36%
年収800万円 年間返済額180万円
- 180万÷800万×100=22.5 22.5%
返済比率は収入と返済金の金額で決まります。30%を超えると返済が大変になりますし、住宅ローンの審査が通りにくくなるでしょう。
別途諸費用がかかる点に注意する
住宅ローンの借入れには、5,000万円とは別に諸経費がかかります。代表的な諸経費として以下のようなものがあります。
- 金融機関に支払う融資手数料
- ローン保証会社に支払う保証料
- 抵当権設定の登録免許税
- 司法書士への手数料
- 火災保険料
一般的に諸経費は借入額の3%~5%程度で、5,000万円の場合は150万円~250万円が目安となります。そのため、予算化しておかないと支払いが難しくなる場合があります。
また、金融機関によっては、諸経費分も融資対象に含まれることがありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。
教育資金・老後資金とのバランスを慎重に考える
住宅ローンを返済する過程で特に考えなければならないのは、教育資金と老後資金の問題です。
子供がいる方は、教育資金が必要となる時期を予測し、教育資金に「いくら準備できるか」「どこまで用意するのか」をしっかりと考えましょう。
住宅ローンは20年、30年と続く可能性が高いため、返済開始時は40代でも完済時には60歳を過ぎる方が多いでしょう。もし、住宅ローンの支払いに精一杯で、老後資金を全く考えないまま60代になってしまうと、老後の生活に支障が出る可能性もあります。
収入には限りがありますので、何を優先させるべきかをしっかりと考えましょう。住宅、教育資金、老後資金の適切なバランスを取ることが重要です。
共働きならペアローンも検討する
ペアローンとは一つの物件に対し、夫婦または親子が、それぞれ契約者として住宅ローンを組む方法です。それぞれの収入に応じて借り入れができるので、どちらか一方が単独でローンを組むよりも借入金額を増やすことができます。
◆メリット
- それぞれが別のローンを組める
- 違う条件のローンでも組める
- 団信もそれぞれで加入する
- 収入合算より借入可能額が増える
- それぞれ住宅ローン控除が受けられるので、住宅ローン控除金額が増える
リスク分散になります。住宅ローン控除額はそれぞれで利用できます。
無料FP相談を活用して最適な返済プランを立てる
住宅ローンを組むことは一生に一度か二度くらいでしょう。経験がなければ何から考えたらよいかわからない方が多いでしょう。最適なプランの選択には専門家への相談が有効です。
専門家に相談可能なこと
- 資金計画を立てるサポート
- 家計・ライフプランを踏まえた借入可能額の試算
- 現在の家計の収支状況を確認
- ライフイベントを踏まえたキャッシュフロー表の作成
- 返済額のシミュレーション
- 住宅メーカーから提案された借入額のセカンドオピニオン
住宅ローンを検討する際には現在の家計をしっかり把握することが必要です。
【実際どうだった?】40代で5000万円台の住宅ローンを契約した人の体験談
「40代で5000万円台のローンを組んで本当に大丈夫なの?」とまだ悩んでいる人もいるでしょう。そんな方のために、実際に契約した方の意見をまとめました。
調査項目は下記です。
- 住宅ローンを組んだときの年齢・世帯年収を教えてください
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- 頭金はいくら用意しましたか?
- 住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください
住宅ローンを組んだときの年齢・世帯年収を教えてください
住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
頭金はいくら用意しましたか?

住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください
人生最大の買い物と言われる住宅。夢のマイホームを手に入れたはずが、40代で5000万円台の住宅ローンを抱え「あの時、こうしていれば…」そんな後悔をしないようにしたいものです。
そこで、ここからは実際に40歳で5000万円の住宅ローンを組んだ方の口コミから、後悔したエピソードを紹介します。他の方の経験を参考に、自身のローンについて慎重に検討してみてください。

40代男性
金利上昇が家計を圧迫

40代男性
もっと早く借り換えを検討していれば
5000万円の住宅ローンを組んでもうすぐ10年が経とうとしています。当初は問題なく返済できていましたが、最近になって他の金融機関の金利が低いことに気づきました。もっと早く借り換えを検討していれば、総返済額を抑えられたかもしれません。手続きが面倒だと感じて先延ばしにしていましたが、情報収集はこまめに行うべきだと痛感しました。これからローンを組む方は、借り換えという選択肢も頭に入れておくと良いと思います。

50代男性
繰り上げ返済も視野に入れてみてください
当時は毎月の返済額を抑えることばかり考えて、35年の返済期間を選んでしまいました。正直、繰り上げ返済のことは頭の片隅にはあったものの『いつかできたら』くらいの軽い気持ちだったんです。でも、今になって振り返ると、もう少し早くからコツコツとでも繰り上げ返済をしていれば、利息の負担は全然違っていたんじゃないかと。これから住宅ローンを組む方は、できる時に少しずつでも繰り上げ返済することをおすすめします。
【まとめ】40歳で5000万円の住宅ローンを組む際はライフプランを必ず考慮しよう

40歳で5,000万円の住宅ローンを組むことを具体的に考えたい人は、ライフプランを考えることが必須です。
マネーキャリアのFP相談のおすすめポイント
- 土日祝日も対応可能
- オンライン相談OK
- 何度でも相談無料
- 3,500人以上のFPの中から厳選されたFPのみ対応(質の低い専門家は対応しない)
- FP資格取得率100%
- 中立的な立場で様々な解決方法を提案
- 一人ひとりのライフプラン、今後のライフイベントを見据えて、最適な提案が可能
マネーキャリアの専門家に相談しながら、完済できる住宅ローンのプランを検討しましょう。

40歳で念願のマイホームを手に入れたものの、5000万円の住宅ローンはやはり重いですね。変動金利を選んだのですが、ここ数年で金利が上昇し、毎月の返済額がじわじわと増えています。あの時、固定金利も視野に入れて慎重に検討すればよかったと後悔しています。これから住宅ローンを組む方は、金利タイプのリスクをしっかり理解し、長期的な視点を持つことが大切だと思います。