

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 20代で住宅ローン5000万円は現実的?
- 必要な世帯年収の目安は700~800万円以上
- 共働きなら収入合算・ペアローンという選択肢もある
- 【結論】20代の5000万円ローンは世帯年収や計画次第で実現できる
- あなたの家庭にあったプランは?FPと一緒に無理のない資金計画を立てよう
- 【実際どうだった?】20代で5000万円台の住宅ローンを契約した人の体験談
- 住宅ローンを契約したときの年齢・世帯年収を教えてください
- 住宅ローンの借入額・返済期間を教えてください
- ローンの組み方を教えてください
- 頭金はいくら用意しましたか?
- 住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください
- 20代で5000万円の住宅ローンを組む際の月々の返済額をシミュレーション
- 返済期間40年の場合
- 返済期間35年の場合
- 返済期間30年の場合
- 住宅ローンで失敗しないために!無料FP相談で最適な返済計画を立てよう
- 20代で5000万円の住宅ローンを組む際に後悔しないためのポイント5つ
- 将来の収入変動を考慮した「無理のない返済額」を知る
- 出産・育児・教育費などライフイベントを見越した資金計画を立てる
- 住宅ローン以外の維持費をシミュレーションする
- 団信と生命保険の保障バランスを見直す
- 無料FP相談を活用して最適な返済プランを立てる
- 【まとめ】20代の5000万円ローンは綿密な計画が必要!迷ったらFPに相談しよう
20代で住宅ローン5000万円は現実的?
20代で家を買うときに住宅ローンを利用するとして、5000万円の借入を行うのは現実的かどうかは、年収が1つの目安となります。
- 年収800万円以上 : 審査が通りやすく現実的
- 年収400~700万円ぐらい : 審査に通る可能性はあるけど返済が厳しくなりやすい
年収が300万円台の場合、5000万円の借入は現実的ではありません。
ただし、頭金を多く用意できると、年収が低くても無理なく借りられる場合があります。また、出産や育児、転職、病気など生活環境の変化に応じて、高額なローンを利用すべきかどうかも変わってきます。
必要な世帯年収の目安は700~800万円以上
5000万円の住宅ローンを利用する際、以下のような基準が無難なラインです。
- 返済負担率 : 25%以内
- 年収倍率 : 6倍以内
まず、返済負担率を計算してみましょう。金利1.5%で35年のローンを組んだ場合、月々の返済額は約15万円、年間で180万円となります。この180万円が年収の30%に相当すると仮定すると、必要な年収は約720万円です。
次に、年収倍率ですが、年収の6倍が5000万円に相当するため、必要な年収は約830万円となります。
したがって、5000万円の住宅ローンを組むには、年収700~800万円が現実的なラインとなります。
共働きなら収入合算・ペアローンという選択肢もある
20代で5000万円の住宅ローンを利用する場合、返済が厳しくなることがあります。その際、収入合算ローンやペアローンを選ぶこともできます。
収入合算ローンは、夫婦のいずれかが契約し、2人の収入を合わせて借り入れ額が決まります。例えば、夫が500万円、妻が300万円の年収であれば、合算して800万円の収入でローンを組むことになります。
ペアローンは、夫婦がそれぞれローンを組む形です。これにより、借り入れ額は増えますが、諸費用は2倍になり、どちらかが返済できなくなると、残りの1人がその分を補わなければなりません。
【結論】20代の5000万円ローンは世帯年収や計画次第で実現できる
5000万円を借りる場合、返済能力が十分であることが必要です。
以下の条件に当てはまる人は、返済の負担が少なくなるでしょう。
- 年収800万円以上である
- 大企業の正社員や公務員、弁護士、医者などの職業に就いている
- 頭金を多く用意できる
また、十分な頭金を用意できるなら、年収が低くても5000万円の借入が現実的になります。例えば、年収500万円の場合、2000万円の頭金を用意すれば、返済が可能になります。
さらに、夫婦の合計年収が800万円以上ならば、ペアローンや収入合算ローンを利用することで、5000万円の借入が可能になります。
あなたの家庭にあったプランは?FPと一緒に無理のない資金計画を立てよう

5000万円という金額は非常に大きく、住宅ローンで借りる場合、膨大な額を借金することになります。特に20代であれば、35年ローンを組むことが可能ですが、仮に金利を考慮せずに5000万円を35年で返済する場合、年間で約142万円を返済することになります。つまり、月々で10万円以上の返済が必要です。
ローン契約後に返済ができなくなると、購入した家を手放さなければならない事態にもなりかねません。返済不能に陥らないためには、自分の収入を考慮し、無理のない資金計画のもとでローンを組むことが重要です。

【実際どうだった?】20代で5000万円台の住宅ローンを契約した人の体験談
当編集部では、実際に20代で5,000万円の住宅ローンを契約した人を対象にアンケートを実施しました。全体で見れば20代で5,000万円もの高額な住宅ローンを利用する人は決して多くはありません。
今回は、アンケートの回答から見えてきた傾向や注意点を専門家目線で解説します。
住宅ローンを契約したときの年齢・世帯年収を教えてください

住宅ローンの借入額・返済期間を教えてください

ローンの組み方を教えてください

頭金はいくら用意しましたか?

住宅ローンで後悔していることがあれば教えてください

20代で5,000万円の住宅ローンを組んだ人の後悔として最も多かったのは「金利の上昇を考慮すればよかった」(30.5%)でした。
次いで「ライフステージの変化による出費を想定していなかった」(28.2%)、「借入額を減らせばよかった」(25.4%)が続きました。
一方で「特になし」と答えた人は15.9%にとどまり、多くの人が将来的な支出や金利変動の見通しの甘さに課題を感じている様子がうかがえました。
アンケート結果からいくつか紹介しますので具体例として見ていきましょう。

30代男性
将来のライフプランも含めてシュミレーションしておけばよかった

50代男性
子供が生まれるタイミングを考慮していなかった
住宅ローン契約時、特に後悔していることはありませんが、生活費が若干厳しくなったのが実情です。特に、子供がすぐに生まれるとは思っておらず、予想外の支出が増えたことが影響しています。もうじきローンの返済が終わるため、今後は老後資金の準備や生活費の見直しを行い、より安定した生活を目指していきたいと思っています。

40代女性
事前に相談できたので満足のいく決断ができた
住宅ローンを契約する際、固定金利と変動金利で迷いましたが、FPに相談して変動金利を選択しました。金利が上がっても、返済計画には大きな影響がなく、将来的に金利が下がる可能性もあるとアドバイスを受けたため、特に後悔はありません。今の選択が正しかったと感じています。
20代で5000万円の住宅ローンを組む際の月々の返済額をシミュレーション
20代の時期から住宅ローンを組むとして、5000万円の借り入れで返済期間ごとに返済額はどうなるのか、そのシミュレーションを紹介します。
シミュレーションする期間は以下のとおりです。
- 返済期間:40年
- 返済期間:35年
- 返済期間:30年
最近では、40年や50年の期間のローンを組む人も出てきており、特に若い人に選ばれているようです。それぞれの期間における返済額をシミュレーションで見ていきましょう。
※シミュレーションの前提条件は以下の通りです。
- 借入金額:5000万円
- 金利:固定1.5%
- 頭金・ボーナス・繰上返済なし
- 元利均等返済方式 諸費用は含まれません
返済期間40年の場合
最初に行うのは返済期間が40年のシミュレーションです。
借入金額 | 5000万円 |
---|---|
返済期間 | 40年 |
毎月返済額 | 138,586円 |
返済総額 | 66,521,115円 |
※シミュレーションをサイト:住宅保証機構株式会社|返済額の試算
仮に20歳で40年の住宅ローンを組んだら、完済時の年齢は60歳です。ちょうど還暦となり、定年退職した年となります。
毎月の返済額は13万円程度となり、ある程度の手取りがあれば、無理なく返せる金額です。定年退職までに返済できるので、繰上返済は不要でしょう。40年間返済すると、支払う利息が多くなり、1500万円以上の利息を払わないといけません。
返済期間35年の場合
次は借入期間35年でのシミュレーションです。
借入金額 | 5000万円 |
---|---|
返済期間 | 35年 |
毎月返済額 | 153,092円 |
返済総額 | 64,298,491円 |
※シミュレーションをサイト:住宅保証機構株式会社|返済額の試算
35年間でお金を返していくとなると、完済時の年齢は55歳です。定年前に完済して借金がなくなるので、随分と気持ちに余裕ができるでしょう。繰り上げ返済は行っても、行わなくても良いでしょう。
毎月の返済額は15万円ほどとなり、家計に占める返済額の割合が高くなってきます。20代だと手取り30万円にいかない場合もあるので、給料の半分以上を返済に充てることとなります。そのため、十分に計画してお金を返していけないといけません。
返済期間30年の場合
最後は借入期間30年でのシミュレーションです。
借入金額 | 5000万円 |
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返済期間 | 30年 |
毎月返済額 | 172,560円 |
返済総額 | 62,121,428円 |
※シミュレーションをサイト:住宅保証機構株式会社|返済額の試算
40年や35年よりも短い30年の返済期間で住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額はより高くなり、約17万円程度となります。毎月17万円を返済に充てる必要があるため、ローンを利用するには一定の手取り収入が求められます。
完済時には50歳となり、まだまだ人生を楽しめる年齢です。完済後、持ち家を売却して新しい家を購入するという選択肢も出てきます。
十分な収入がある場合には問題ありませんが、手取りが少ない場合や支出が多い場合には、繰り上げ返済を考慮した方が良いかもしれません。
住宅ローンで失敗しないために!無料FP相談で最適な返済計画を立てよう
住宅ローンは何十年とお金を返していくこととなり、途中で返済できないとなれば、買った家を手放す結果になる場合もあります。せっかく買った家を手放すこととならないように、返済計画を立ててローンのお金を返していきましょう。
無理のない返済をするには、自分の手取りを見て、負担が多すぎないような毎月の返済額になるようにローンを組むことです。出産・教育などの費用も発生し、家に関しては修繕やリフォームもあるので、ローンを組むときには、そのような出費も考えておきましょう。
20代で5000万円の住宅ローンを組む際に後悔しないためのポイント5つ

20代で5000万円の住宅ローンを組むときには、後悔しないためには、以下の5つのポイントを抑えておきましょう。
- 将来の収入変動を考慮した 「無理のない返済額」を知る
- 出産・育児・教育費など ライフイベントを見越した資金計画を立てる
- 住宅ローン以外の維持費をシミュレーションする
- 団信と生命保険の保障バランスを見直す
- 無料FP相談を活用して最適な返済プランを立てる
それぞれのどのように考慮しておけばいいか、1つずつ説明します。
将来の収入変動を考慮した「無理のない返済額」を知る
長い期間ローンを返していけば、その間の人生で何が起こるかわかりません。場合によっては、予期せぬ出来事も起こるでしょう。そんな不測の出来事も、ある程度予想しておけば対処でき、ローン返済で慌てずに済みます。
昇給や転職などの将来のキャリアプラン、結婚・出産・育児などでの収入減少を考慮しておきましょう。特に収入が減ったときには、ローンの返済が苦しくなることが多いので、収入が減るイベントが人生の中でないかどうか考えておくと良いです。
出産・育児・教育費などライフイベントを見越した資金計画を立てる
すでに記載のとおり、出産・育児・教育費と、これらのイベントでの出費を考えて資金計画を立てるようにしましょう。この3つは、出費の多いイベントです。特に教育費で多くのお金がかかり、大学に行く時期が費用のピークです。20代で結婚したならば、30~40代がピークとなるでしょう。
また、車を使うならば、車の購入や買い替えも考えましょう。安い車でも100万円程度かかるので、ある程度の出費があります。
住宅ローン以外の維持費をシミュレーションする
住宅ローンを利用する際、契約時に発生する諸費用は無視できません。これらはローンの借入額に加えて、家を購入するために必要な追加費用です。
主な諸費用としては、以下のようなものがあります。
- 手数料:数万円
- 保険料:借入額の2%程度
- 仲介手数料:物件価格の3%程度
- 登記費用:数十万円
家を購入後に発生する費用は、固定資産税や都市計画税の税金、修繕費用やリフォーム費用です。物件の評価額で変わりますが、税金が十数万円は必要です。修繕やリフォームのお金は数十万は見ておいたほうが良いです。
- 税金:十数万円
- 修繕費用:数十万円
- リフォーム費用:数十万円
トイレやキッチンなどの設備は数十年ごとに修理や交換をします。そのような設備の費用も考えておきます。
団信と生命保険の保障バランスを見直す
住宅ローンを組むときに団信に加入するならば、生命保険と保証内容が重複している場合があります。すでに加入している生命保険で、保障内容が重なっているならば、加入する保険を見直してみましょう。見直すことで保険料を安くできるかもしれません。
- 補償額が足りているか
- 団信で賄えないリスクをカバーできるか
見直すときのポイントは上記の2つです。支出や収入を予想して補償額が足りるか考えましょう。そして、がんや脳卒中などでの先進医療は団信ではカバーできないので、その部分を補償する保険に加入すると、バランスよく団信も生命保険も使えます。
無料FP相談を活用して最適な返済プランを立てる
住宅ローンを利用するときには、先にも記載のとおり無理のない返済額で利用することが大切です。無理なく返せる範囲でローンを組んで、返済プランを立てるようにしましょう。
そのためには、自分の収支を見て、ライフプランを考えて、どれぐらいの借入額だと無理なく返せる範囲なのか考えます。場合によっては、ボーナスを併用することも可能ですが、併用すると返済が苦しくなります。また、返済負担率も無理なく返せる金額かどうか見るのに役立つので、割合を算出してみましょう。
【まとめ】20代の5000万円ローンは綿密な計画が必要!迷ったらFPに相談しよう

20代で5000万円ものお金を借りるとなれば、ある程度の収入が必要です。ローンを組めたとしても、完済していくには綿密な返済計画を練らないといけません。人生の中ではどんなライフイベントが発生するか予想できず、ときには出産や病気で収入が減ることもあるでしょう。
できるだけ将来の出来事を正確に予想して計画し、その上でローンを組むと無理なく返済できます。FPはお金に関するライフイベントに詳しく、どれぐらいの費用がかかるのか、どれぐらいの期間働けなくなるのかなどを知っています。そのため、ローンのために綿密な計画を立てるならば、FPに相談してみましょう。
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契約時、固定金利と変動金利で迷いましたが「今は金利が低いから」と営業にすすめられ変動金利を選択しました。少しでも安く抑えるための判断ですが、今では金利が上がり始め返済額も増加しました。将来のライフプランも含めて、固定金利でのシミュレーションをしておけばよかったと後悔しています。