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この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 50歳で4000万円の住宅ローンを組める可能性は?審査のポイントを解説
- 年収と返済負担率
- 完済時の年齢
- 自己資金の割合
- 健康状態
- 50歳で4000万円の住宅ローンは無謀?確かめたい人はFPを相談してみよう
- 【本当に返せる?】4000万円の住宅ローン返済シミュレーション
- 3つの返済期間でシミュレーション
- 収入の変化を踏まえ計画を立てよう
- 50歳で4000万円の住宅ローンを組む際の返済戦略4選
- 繰り上げ返済を計画的に行う
- 退職金を返済に充てる
- 親子ペアローンやリレーローンを活用する
- リバースモーゲージへ借り換えを行う
- 50歳で4000万円の住宅ローンを組む人が知っておくべき3つのリスク
- 保障が不十分になるリスク
- 収入が減少するリスク
- 老後資金が不足するリスク
- 50歳の住宅ローン「どう借りる?」「どう返す?」不安な人はマネーキャリアに相談を
- 【まとめ】50歳で4000万円の住宅ローンを組める!ただしリスクを踏まえた返済計画を
50歳で4000万円の住宅ローンを組める可能性は?審査のポイントを解説

50歳で4000万円の住宅ローンを組める可能性はありますが、いくつかのポイントがあります。
以下のポイントを押さえることで、審査通過の可能性を高めることができます。
- 年収と返済負担率
- 完済時の年齢
- 自己資金の割合
- 健康状態
年収と返済負担率
年収と返済負担率は住宅ローン審査において最も重要な要素の一つです。
4000万円という高額な住宅ローンを組むには、安定した高い年収が必要で、目安としては年収700万円以上あることが望ましいでしょう。
金融機関は一般的に、年間の返済額が年収の25%以内に収まることを理想としています。
たとえば、年収800万円の場合、年間返済額の上限は200万円程度、月々では約16.7万円が無理のない返済額の目安となります。
共働き世帯であれば、収入合算やペアローンを活用することで、借入可能額を増やしたり返済負担を軽減したりすることも検討するのがおすすめです。
完済時の年齢
完済時の年齢は、住宅ローンを組む上で非常に重要なポイントです。
多くの金融機関では、住宅ローンの完済時年齢を80歳未満と定めています。
50歳からの借入の場合、返済期間は最長でも30年弱、現実的には20~25年程度となるでしょう。
また、定年退職前に完済できるかどうかも審査において重要なポイントとなります。
定年後は収入が減少することが予想されるため、返済能力の低下を懸念する金融機関もあります。
定年退職後も返済が続く場合は、退職金や年金などの収入源を明確にし、返済計画の妥当性を示す必要があります。
自己資金の割合
自己資金(頭金)の割合は、審査結果に大きく影響します。
特に高額な物件を購入する場合、十分な自己資金を用意することで金融機関からの信頼度が高まります。
最低でも物件価格の1~2割、できればそれ以上の自己資金があると審査で有利に働く可能性があります。
また、十分な自己資金があることは、資金管理能力の高さを示すことにもなり、金融機関からの評価にもつながります。
健康状態
健康状態も住宅ローン審査において重要な要素です。
多くの金融機関では、住宅ローン契約時に団体信用生命保険(団信)への加入が必須となっています。
50歳になると若い世代と比べて健康上のリスクが高まるため、団信の審査に通らない可能性があります。
また、加入できたとしても、がんや心疾患などの特定疾病の保障が付与されないなど、保障範囲が限定される可能性もあります。
また、健康状態が悪いと、将来的な収入減少のリスクも高まるため、返済能力の判断材料としてもマイナスに働く可能性があります。
健康診断の結果に問題がある場合は、事前に改善を図るか、団信加入不要の住宅ローン商品を検討することも一つの選択肢です。
50歳で4000万円の住宅ローンは無謀?確かめたい人はFPを相談してみよう

50歳の住宅ローンについての悩みはFPに相談しましょう。
50歳で4000万円の住宅ローンが無謀かどうかは、個々の状況によって大きく異なり、安定した高収入や十分な自己資金、良好な健康状態などのポイントを満たしていれば、十分に実現可能です。
しかし、無事審査を通過したとしても、「返済で家計が逼迫し、老後破綻しないか?」という不安は多くの人が抱えているものです。
一般論だけでは判断が難しいため、契約前に一度住宅ローンの専門家(FP)に相談し、自身の収入や貯蓄、ライフプランに基づいた客観的なアドバイスを受けることがおすすめです。
FPは、現在の家計状況だけでなく、将来の収入変化や老後の生活設計まで考慮した総合的な視点からアドバイスを提供してくれます。

【本当に返せる?】4000万円の住宅ローン返済シミュレーション
4000万円の住宅ローンを実際に借りた場合、毎月の返済額や総返済額はどのくらいになるのでしょうか。
返済期間によって大きく変わってくるため、具体的なシミュレーションを見てみましょう。
これにより、自分の収入で無理なく返済できるかどうかの判断材料になります。
また、将来の収入減少も考慮した返済計画を立てることが重要です。
3つの返済期間でシミュレーション
4000万円の住宅ローンを組む場合、返済期間によって毎月の返済額や総返済額が以下のように変化します。
- フラット35を想定
- 金利:15~20年は1.55%、30年は1.94%
- 元利均等返済、ボーナス返済なし、諸費用は考慮しない
- 年収800万円
返済期間 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 返済負担率 |
---|---|---|---|
15年 | 249,198円 | 44,855,646円 | 37.3% |
20年 | 193,939円 | 46,545,325円 | 29.0% |
30年 | 146,650円 | 52,794,001円 | 21.9% |
収入の変化を踏まえ計画を立てよう
シミュレーション結果をもとに、自身の現在の収入だけでなく、定年退職後の収入減少も考慮に入れた返済計画を立てることが重要です。
50歳から30年ローンを組むと、完済は80歳となり、定年退職後の期間が長くなります。
退職後は収入が年金中心となり、大幅な減少が予想されるため、その時点での返済能力を考慮した計画が必要です。
例えば、定年までは通常返済、退職金で一部繰り上げ返済、その後は減額した返済額で継続するなど、ライフステージの変化に合わせた柔軟な返済計画を検討しましょう。
また、住宅ローン控除などの税制優遇措置の適用期間や、将来の金利変動リスクも考慮に入れた総合的な判断が求められます。
50歳で4000万円の住宅ローンを組む際の返済戦略4選

50歳で4000万円という高額な住宅ローンを組む場合、審査を通過するだけでなく、その後の返済計画も重要です。
特に定年退職を控えた年代では、収入の変化を見据えた返済戦略が必要になります。
ここでは、無理なく完済するための以下の4つの戦略を紹介します。
- 繰り上げ返済を計画的に行う
- 退職金を返済に充てる
- 親子ペアローンやリレーローンを活用する
- リバースモーゲージへ借り換えを行う
繰り上げ返済を計画的に行う
繰り上げ返済を計画的に活用することは、50歳からの住宅ローン返済において非常に効果的な戦略です。
いつ、いくら、期間短縮型か返済額軽減型かを、ライフプランに合わせて検討することで、総返済額の削減や老後の負担軽減につながります。
特にボーナスや臨時収入があった際に、その一部を繰り上げ返済に充てる習慣をつけると、返済期間の短縮や総支払利息の削減に大きく貢献します。
老後資金の貯蓄と並行して、繰り上げ返済のための貯蓄計画も行うことが理想的です。
退職金を返済に充てる
退職金は人生で最もまとまった資金を手にする機会の一つであり、これを住宅ローンの一部または全額返済に充てることで、早期の完済を目指す戦略です。
例えば、定年時に2000万円の退職金を受け取り、そのうち1000万円を住宅ローンの繰り上げ返済に充てることで、残りの返済期間と総返済額を大幅に減らすことができます。
ただし、退職金はセカンドライフの重要な資金源でもあるため、全額を住宅ローン返済に充てるのは危険です。
手元資金を失い今後の収入も見込めない場合には、生活が立ち行かなくなるリスクがあるため、老後生活資金とのバランスを十分に考慮する必要があります。
親子ペアローンやリレーローンを活用する
親子ペアローンやリレーローンは、自身の収入だけでは希望額に届かない場合や、返済負担を軽減したい場合に、子と協力してローンを組む方法です。
ペアローンは親子それぞれが契約者となり、リレーローンは親から子へローンを引き継ぐ形になります。
例えば、50歳の親と25歳の子がペアローンを組むことで、親単独では難しい4000万円の借入が可能になったり、月々の返済負担を分散させたりできます。
ただし、親子間の関係性や将来の同居予定、子の結婚などのライフイベントも考慮する必要があります。
また、親子の同居が必要な金融機関も多いので、子どもの同意を得なければ実現できない点に注意が必要です。
リバースモーゲージへ借り換えを行う
リバースモーゲージは、将来、自宅を担保に老後資金を借り入れ、最終的に自宅の売却等で返済する仕組みです。
通常の住宅ローンからリバースモーゲージへの借り換えを検討することで、月々の返済負担を軽減しながら自宅に住み続けることができます。
例えば、65歳でまだ住宅ローンの返済が残っている場合、リバースモーゲージに借り換えることで、月々の返済がなくなり、さらに追加の生活資金を得ることも可能になります。
ただし、利用条件が厳しく、物件の資産価値が維持されることが前提となるため、立地や建物の状態によっては利用できないケースもあります。
また、相続を考えている場合は、最終的に自宅を手放す可能性があることを家族と事前に話し合っておく必要があります。
50歳で4000万円の住宅ローンを組む人が知っておくべき3つのリスク

50歳で4000万円の住宅ローンを組む人が知っておくべきリスクは以下の3つです。
- 保障が不十分になるリスク
- 収入が減少するリスク
- 老後資金が不足するリスク
保障が不十分になるリスク
年齢とともに健康上の懸念が増えるため、住宅ローン契約時に必須となる団体信用生命保険(団信)の加入審査に通らない、または加入できても保障内容が限定的になる可能性があります。
例えば、がん保障や三大疾病保障などの特約が付けられないケースや、健康状態によっては団信そのものに加入できないこともあります。
また、万が一の際にローンが残ってしまうリスクや、より保険料の高いワイド団信を選択せざるを得なくなることで、実質的な金利負担が増加する可能性もあります。
このリスクに対応するためには、以下の方法が有効です。
- 団信以外の生命保険でカバーする方法
- 頭金を多めに用意して借入額自体を減らす方法
また、団信加入前に健康診断を受け、問題があれば改善してから申し込むなどの対策も有効なので、自分に合った方法を選びましょう。
収入が減少するリスク
50歳から住宅ローンを組む場合、ローン返済期間中に定年退職を迎える可能性が高く、年金収入だけでは月々の返済が厳しくなるリスクがあります。
例えば、60歳で定年を迎えた場合、収入が現役時代の半分以下になることも珍しくありません。
また、病気や怪我による就業不能、会社の業績不振やリストラ、家族の介護離職など、予期せぬ収入減に見舞われる可能性も若い世代より高まります。
このリスクに対応するためには、以下の方法が有効です。
- 定年後の収入見込みを正確に把握し、無理のない返済計画を立てること
- 就業不能保険や収入保障保険などで収入減少リスクに備えること
- 複数の収入源を確保すること
老後資金が不足するリスク
頭金や諸費用の支払いへすべての資金を住宅購入に充ててしまった結果、老後に必要な貯蓄が不足するリスクがあります。
例えば、住宅購入に貯蓄の大半を使ってしまうと、老後の生活資金や医療費、介護費用などに対応できなくなる可能性があります。
また、退職金をローンの繰り上げ返済に充てた場合、手元に残る老後資金が想定より少なくなり、年金だけでは苦しい老後生活を送ることになる可能性もあります。
このリスクに対応するためには、以下の方法が有効です。
- 住宅ローンの返済と並行して老後資金の積立も行うこと
- iDeCoやつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用した資産形成
- 退職金の一部を確実に老後資金として確保する
50歳の住宅ローン「どう借りる?」「どう返す?」不安な人はマネーキャリアに相談を

50歳からの高額な住宅ローンは、「どうすれば審査に通るのか」だけでなく、「どうすれば無理なく返済していけるのか」の両面で不安がつきものです。
年齢的な制約や定年退職後の収入減少など、若い世代とは異なる課題に対応するためには、専門的な知識とアドバイスが必要になります。
個別の状況に合わせた最適なプランを知りたい方は、住宅ローンに詳しいFPが在籍するマネーキャリアへの相談がおすすめです。
今後の収入の変化に応じた返済計画から団信などの保障面に至るまで、様々なリスクを考慮した、総合的なアドバイスが可能です。
【まとめ】50歳で4000万円の住宅ローンを組める!ただしリスクを踏まえた返済計画を
ここまで、50歳で4000万円の住宅ローンを組む際の審査ポイントや返済シミュレーション、リスク対策などを紹介してきました。
50歳で4000万円の住宅ローンを組むことは条件を満たせば十分に実現可能ですが、年齢や収入、定年後の生活設計などを含めた「ライフプラン」に基づいた返済計画が重要です。
しかし、住宅ローンの選択や返済計画の立案には専門知識が必要であり、特に50歳からのスタートは老後資金との兼ね合いなど複雑な問題が多いという問題点があります。
そこで「マネーキャリア」を使うと個別の状況に合わせた最適なアドバイスを受けることができます。
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