
金を買うなら、現物と投資信託のどちらが有利なの?
自分の投資スタイルに合っているのはどっち?
このような疑問を感じていませんか?
インフレ対策や資産の分散先として人気の「金投資」ですが、実際に始めようとすると「現物」と「投資信託」のどちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。それぞれにメリット・デメリットがあり、投資目的やライフスタイルによって向き不向きが分かれます。
本記事では、金の現物と投資信託の違いをわかりやすく比較しながら、どちらがどんな人に向いているのかをタイプ別に診断します。
ファイナンシャルプランナーの視点から、保管コストや流動性、リスク分散の観点も踏まえて解説しますので、金投資を始める前にぜひ参考にしてください。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 金現物と投資信託はどっちがおすすめ?違い・特徴を比較
- 金現物と投資信託の違い
- 金現物の特徴とは?
- 投資信託の特徴とは?
- 金に投資したいけど現物か投資信託で迷っている人はFPに相談してみよう
- 【タイプ別に診断】金現物と投資信託どっちがおすすめ?
- 分散投資をしたい人
- 手軽に金に投資したい人
- 制度を上手に活用したい人
- 長期的な運用を考えている人
- コストを抑えて運用したい人
- 安全性の高い資産を持ちたい人
- 金投資・投資信託で失敗ないための注意点を比較
- 金現物の注意点
- 投資信託の注意点
- 金現物と投資信託共通の注意点
- 自分にぴったりな金投資の方法は?マネーキャリアのFPがアドバイス
- 【まとめ】金現物か投資信託どっちが向いているかそれぞれの特徴を理解しよう
金現物と投資信託はどっちがおすすめ?違い・特徴を比較
「金(ゴールド)」は、インフレや経済不安に強い資産として、長年にわたり多くの投資家に選ばれてきました。そんな金への投資方法には、大きく分けて「金現物」と「金の投資信託(ファンド)」の2つがありますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、目的やライフスタイルによって向き不向きが異なります。
まずは、金への投資を検討している方に向けて、以下の3つの視点から「金現物」と「投資信託」の違いや特徴をわかりやすく比較します。
- 金現物と投資信託の違い
- 金現物の特徴とは?
- 投資信託の特徴とは?
どちらが自分に合っているのかを見極めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
金現物と投資信託の違い
金への投資には「現物」と「投資信託」の2つの選択肢があります。現物は金地金や金貨などの実物資産で、手元に保有できる安心感がある一方、保管や売却に手間がかかります。
対して、投資信託は金価格に連動する金融商品で、少額から始められ、流動性も高いのが特徴です。以下の表で、両者の違いを比較してみましょう。
比較ポイント | 金現物投資 | 金に投資する投資信託 |
---|---|---|
投資対象 | 金地金、金貨など「実物の金」そのもの | 金価格に連動する金融商品(ファンド、ETF) |
取扱場所 | 貴金属店など専門店、一部の証券会社 | 銀行・証券会社などの金融機関 |
最低投資額 | 数万円~(金貨)、数十万円~(地金) | 数千円~数万円から可能 |
コスト | 購入・売却手数料、スプレッド、保管料 | 購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額 |
リスク | 盗難・紛失、偽造、価格変動 | 価格変動、為替変動(一部)、運用会社の信用リスク |
流動性 | 換金場所・時間に制約あり、やや低い | 市場でいつでも売買可能、高い |
税金 | 譲渡所得 (総合課税、5年超保有で有利な場合も) | 譲渡所得 (申告分離課税、NISAなら非課税) |
金現物の特徴とは?
金現物投資は、金地金や金貨といった「実物の金」を直接購入し、保有する投資手法です。純金積立を通じて一定量に達した後、現物として引き出す方法もあります。
最大の特徴は、手に取れる実物資産であることです。インフレや金融不安といった有事の際にも価値が下がりにくく、発行体の信用リスクを伴わない点が評価されています。
一方で、盗難や紛失のリスクがあり、安全な保管にはコストがかかります。また、売買時のスプレッドが大きく、換金性や収益性の面では注意が必要です。
投資信託の特徴とは?
金に投資する投資信託は、運用の専門家が金価格に連動する資産に分散投資する金融商品です。代表的なものにはゴールドファンドや金ETFがあり、ネット証券などを通じて少額から購入できます。
現物と異なり保管の手間がなく、NISA口座を活用すれば税制優遇も受けられます。市場での流動性が高く、売買のタイミングを柔軟に選べる点も魅力です。
ただし、信託報酬などの運用コストが継続的に発生し、実物資産を直接保有するわけではないため、所有感には欠ける側面もあります。
金に投資したいけど現物か投資信託で迷っている人はFPに相談してみよう

金現物と投資信託、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解しても、「自分にはどちらが合っているのか」と迷う方は少なくありません。投資の目的や保有資産の状況、リスク許容度によって、適した投資手法は異なります。
そうした判断に迷ったときは、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談がおすすめです。中立的な立場から、資産全体のバランスを踏まえたアドバイスを受けることで、より納得感のある選択ができるでしょう。FP相談を受けてみたいという方は、無料相談が可能な「マネーキャリア」をぜひ活用してみてください。
【タイプ別に診断】金現物と投資信託どっちがおすすめ?
金への投資には「金現物」と「金の投資信託(ファンド)」という2つの選択肢がありますが、どちらが自分に合っているのか迷う方も多いのではないでしょうか。実は、投資スタイルや目的によって、向いている方法は大きく異なります。
ここでは、あなたの投資タイプに応じて、どちらの方法がより適しているかを以下の6つの視点から診断・解説します。
- 分散投資をしたい人
- 手軽に金に投資したい人
- 制度を上手に活用したい人
- 長期的な運用を考えている人
- コストを抑えて運用したい人
- 安全性の高い資産を持ちたい人
それぞれのタイプに合った金投資の選び方を知ることで、より納得のいく資産形成ができるはずです。
分散投資をしたい人
分散投資を重視する方には、金に投資する「投資信託」がおすすめです。株式や債券など他の資産と組み合わせてポートフォリオを構築する際、金投資信託は少額から手軽に組み入れられるため、資産全体のバランスを調整しやすいのが利点です。
ネット証券を通じて簡単に購入でき、NISAを活用すれば税制面でも有利です。ただし、すでに他の資産で十分な分散が図れている場合は、実物資産としての金現物も選択肢に入ります。
手軽に金に投資したい人
「まずは少額から金投資を始めてみたい」「保管の手間は避けたい」と考える方には、金に投資する「投資信託」がおすすめです。
スマートフォンやパソコンから簡単に購入・売却ができ、現物のように保管場所や盗難リスクを気にする必要がありません。
少額から投資できるため、初心者でも無理なくスタートできます。日常的な資産運用の一環として、金を気軽に取り入れたい方に適した選択肢です。
制度を上手に活用したい人
税制優遇を活かして効率的に資産形成を進めたい方には、「投資信託」がおすすめです。金に投資する投資信託の中には、NISAの「成長投資枠」の対象となる商品もあり、運用益が非課税になるメリットがあります。
ネット証券などで対象商品を選べば、少額からでも非課税の恩恵を受けながら金投資を始められます。
一方、金現物も5年以上保有すれば譲渡所得の特例が適用される場合があり、長期保有を前提とするなら検討の余地があります。
長期的な運用を考えている人
長期的な資産保全を目的とするなら、「金現物」が適しています。金はインフレや通貨価値の下落といった経済変動に対するヘッジ手段として長年活用されており、実物資産としての安定性が期待できます。
特に、発行体の信用リスクを伴わない点は、長期保有における安心材料となります。ただし、投資信託も長期保有を前提とすれば、価格変動リスクを抑えながら運用益を狙うことが可能です。安定性を重視するか、流動性や手軽さを優先するかで選択が分かれます。
コストを抑えて運用したい人
運用コストをできるだけ抑えたい方には、「投資信託」が適しています。金現物は購入時の手数料やスプレッドに加え、安全な保管を行う場合は保管料も発生します。
一方、金に投資する投資信託では、購入時手数料や信託報酬、信託財産留保額が主なコストですが、商品によってはこれらが無料または低水準に設定されているケースもあります。
長期的に見れば、ローコストな投資信託の方が効率的な運用につながりやすいでしょう。
安全性の高い資産を持ちたい人
安全性を重視する方には、「金現物」が適しています。金はそれ自体に価値がある実物資産であり、国や企業の信用に依存しないため、発行体の破綻リスクを伴いません。
こうした特性から、金は「有事の金」とも呼ばれ、世界的な経済不安や金融危機の際に価値が見直されやすい傾向があります。長期的な資産保全や、通貨の信認が揺らぐ局面に備えた“最後の砦”として、金現物は高い信頼性を持つ資産といえるでしょう。
金投資・投資信託で失敗ないための注意点を比較
金への投資は、インフレ対策や資産の分散先として人気がありますが、「金現物」と「金の投資信託」では注意すべきポイントが異なります。どちらも魅力的な選択肢ですが、仕組みやリスクを正しく理解しておかないと、思わぬ損失やトラブルにつながることもあります。
ここからは、金投資で失敗しないために押さえておきたい注意点を、以下の3つの視点から比較・解説します。
- 金現物の注意点
- 投資信託の注意点
- 金現物と投資信託共通の注意点
それぞれのリスクや管理のポイントを知っておくことで、安心して金投資を始めることができます。
金現物の注意点

金現物を保有する際には、いくつかのリスクとコストに注意が必要です。まず、盗難や紛失のリスクがあるため、自宅保管には限界があります。
安全性を確保するには、銀行の貸金庫などの利用が有効ですが、年間数千円〜数万円の保管料が発生します。また、金の売買には手数料のほかにスプレッド(売値と買値の差)があり、業者によってその幅が異なるため、事前の比較検討が重要です。
さらに、金は利息や配当を生まないため、利益を得るには購入価格より高く売却する必要があります。
投資信託の注意点

投資信託は手軽に始められる一方で、いくつかの注意点があります。まず、購入時手数料や信託報酬、信託財産留保額などのコストが発生するため、事前に商品ごとの費用構造を確認することが重要です。
また、金価格の変動により基準価額も上下するため、元本保証はありません。購入時よりも価格が下がれば損失が生じる可能性もあります。
さらに、運用会社の信用リスクもゼロではありませんが、投資信託の資産は法律に基づき分別管理されており、万が一の場合でも資産が保護される仕組みが整っています。
金現物と投資信託共通の注意点

金への投資は、現物・投資信託を問わず価格変動リスクを伴います。金価格は国際市場で日々変動しており、購入時よりも価格が下がれば元本割れとなる可能性があります。
また、金は米ドル建てで取引されるため、為替レートの変動も価格に影響を与える要因です。特に円安・円高の動きによって、円ベースでの評価額が変動します。投資信託の場合、「為替ヘッジあり」の商品を選ぶことで、為替リスクをある程度抑えることが可能です。
自分にぴったりな金投資の方法は?マネーキャリアのFPがアドバイス
これまで金現物と投資信託の特徴や、タイプ別のおすすめを見てきましたが、最適な投資方法は一人ひとりのマネープランや資産状況、リスク許容度によって異なります。「どちらが良いか」だけでなく、「どのように組み合わせるか」も重要な視点です。
より具体的に自分に合った金投資の方法を知りたい方は、マネーキャリアのファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。中立的な立場から、金投資を含めた総合的な資産設計をサポートしてくれます。

【まとめ】金現物か投資信託どっちが向いているかそれぞれの特徴を理解しよう

金現物か投資信託どちらがいいのか、それぞれのメリット、デメリットリスクややどのような人に向いているのかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
金現物は、実物資産としての安心感や有事の際の価値を重視し、長期的な資産保全を目的とする人に適しています。一方、投資信託は少額から手軽に始められ、NISAなどの制度を活用した効率的な運用を目指す人にとって魅力的な選択肢です。
ただし、どちらか一方が常に優れているわけではなく、自身の投資目的やリスク許容度、「金に何を求めるか」によって最適な方法は異なります。
迷ったときは、FPなどの専門家に相談し、自分に合った投資スタイルを見つけることが大切です。マネーキャリアの無料相談を利用すればそんな悩みも一緒に解説してくれるのでぜひ利用してみましょう!
