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奨学金を申し込んだが不採用になってしまったという方は多くいらっしゃると思います。基準を満たしていたはずなのに不採用になってしまうと焦りますよね。奨学金が不採用になっても教育費を補填する方法は他にもたくさんあります。ここでは、不採用の原因と解決策を紹介します。

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る

この記事の目次

奨学金が不採用になってしまった!考えられる原因は?

こんにちは。マネーキャリア編集部・FPの渡辺です。 


 先日10代男性からこんな相談がありました。  




大学に行きたいが奨学金が受けられないと経済的に苦しいです。奨学金について詳しく教えてください。

学生が受けることができる主な奨学金は、日本学生支援機構が支給する奨学金です。


多くの方が利用しており、なじみのある奨学金ですが、内容について詳しく知らない方は多いのではないでしょうか? 


そこで今回は、奨学金に不採用になる原因や解決策について詳しく説明をします。


日本学生支援機構が支給する奨学金以外の学費の調達方法についても説明をしますので、ぜひ参考にしてください。 


奨学金の理解を深めるお手伝いになれば幸いです。

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奨学金が不採用になってしまう原因5選を紹介!



独立法人日本学生支援機構によると、大学生の奨学金使用率は37.5%(H29年度)です。


約2.7人に1人が奨学金を利用していることになります。多くの方が、利用している奨学金ですが必ず受給できるとは限りません。 不採用になってしまう可能性もあるのです。


この章では、奨学金が不採用になってしまった原因についてわかりやすく説明をします。 解決策についても説明しますのでぜひ参考にしてください。 

①世帯収入が基準より高かった(家計に関する基準を満たさなかった)

世帯収入が基準より高いと、学業成績などの基準を満たしていても、奨学金を受けることができません。


収入基準は、利用する奨学金によって違いますのでよく確認するようにしましょう。


例えば、給与所得者世帯で、高校在学中に申し込みをする予約採用の場合、世帯人数が3人だと、無利子の第一種貸与型奨学金で657万円、利子のかかる第二種貸与型奨学金で1009万円になります。 


年収基準についての詳細は以下の表をご覧ください。


<第一種貸与型奨学金>

世帯人数給与所得者給与所得者以外
3人657万円 286万円
4人747万円349万円
5人922万円514万円


<第二種貸与型奨学金>

世帯人数給与所得者給与所得者以外
3人1009万円601万円
4人1100万円692万円
5人1300万円892万円

(参考:日本学生支援機構)

②学力・学業成績が基準に満たなかった



奨学金は、ある程度の学力、学業成績がないと受給することができません。 


利用する奨学金によって基準は違いますが、例えば無利子の第一種貸与型奨学金で、申し込み時の成績の平均値が3.5以上必要になります。


利子がかかる第二種貸与型奨学金でも、学業成績が平均以上は必要になりますので、しっかりと勉強をするようにしてください。 

③返済能力が認められなかった

奨学金を利用するには、基本的に保証人が必要です。


保証人には通常、親がなることが一般的ですが、親が債務整理などを行っている場合は保証人になることができません。また65歳以上の人も保証人にはなれない決まりになっています。 


もし、保証人が見つからない場合、機関保証という制度がありますので、積極的に利用するようにしましょう。


機関保証とは保証期間が連帯保証する制度です。保証料がかかるデメリットはありますが、自分の責任だけで奨学金を利用することができるメリットがあります。 

④採用枠が少なく応募でいっぱいになってしまった



日本学生支援機構の奨学金は無制限では決してありません。


あらかじめ予算が決まっていますので収入や学力の基準を満たしていても不採用になることもあります。


学校によって採用枠は違ってきますので、もし在学中に奨学金の審査に落ちてしまっても、大学などに進学した後に奨学金を再申請することができますので、諦めずに再チャレンジしてください。 

⑤書類不備があった

奨学金の申請を行うには書類を提出する必要があります、当然ですがこの書類に不備があると奨学金を受けることができません。


もちろん虚偽記載は論外ですので、申請書類は正確に記入するようにしてください。


また、必要書類も、もれなく添付する必要があります。 

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解決策①:もう一度JASSOの奨学金を申し込む



奨学金が不採用になってしまっても、まだチャンスはあります。

再度、日本学生支援機構の奨学金に申し込みするチャンスはありますので一度落ちたからといってあきらめないでください。 

①第二種奨学金を申請する【第一種が不採用だった場合】

無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金は併用して申請することができます。


併願のパターンは以下の通りです。 

  • 第一種奨学金を希望するが、不採用の場合は第二種奨学金を希望 
  • 第一種奨学金、第二種奨学金の併用を希望するが、不採用の場合は第二種奨学金を希望 

このように、第一種奨学金が不採用でも第二種奨学金は利用できる可能性がありますので、奨学金の申し込みをする際は併願することをお勧めします。 

②高3秋に二回目の応募をする



奨学金の申請は、高校3年生の6月ごろに行うことになりますが、第二種奨学金に限っては、高校3年生の10月にも募集があります。


不採用になってしまった場合でも、10月に再度申し込みをすることが可能です。 


第二種奨学金の資格を得た場合、大学などに入学した後に、第一種奨学金への変更への申し込みをすることができますので積極的に利用するようにしてください。 

③在学採用を申請する【予約採用が不採用だった場合】

奨学金は大学などに入学した後でも申請することができます。 


大学などに入学した後に申請する奨学金のことを在学採用といい、基準は、高校在学中に申請する予約採用とは異なります。予約採用に落ちても在学採用に通過する可能性は十分にあるのです。


予約採用に落ちてしまったからといって進学をあきらめることがないようにしましょう。 

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解決策②:他の奨学金制度を利用する



日本学生支援機構の奨学金に落ちてしまっても、他の制度を利用して学費を工面することができます。


日本学生支援機構の奨学金が受給できないからといって諦めることがないようにしましょう。 

①学校が独自に設ける奨学金を活用する

大学や専門学校の場合、独自に奨学金を設けている学校が多いです。


独自の奨学金は給付型が多いのが特徴で、返済の必要がありません。


給付型の奨学金を受給するには、成績の基準を満たす必要があり、決して誰でも受けることができるものではないですが、審査基準が緩やかな返済型の奨学金を設けている学校もあります。


学校独自の奨学金については、ホームページなどで確認するようにしましょう。 

②新聞奨学金を利用する



新聞奨学金とは、新聞社が主催している奨学金です。 


新聞配達を行うことにより、新聞社が学費を立て替えてくれます。立て替えてくれた学費は、新聞配達の給料から返済することになりますので、卒業後に返済をする必要はありません。


新聞配達は、決して楽な仕事では無いですが、申し込み資格の幅が広いので、保証人が付けられないなどの特別な事情がなければまず採用されます。 

③地方自治体の奨学金を利用する

地方自治体でも奨学金を用意しているケースがあります。


地方自治体の奨学金を利用する条件は自治体によって様々ですが、ほとんどがその地域の出身か保護者が住んでいることが条件になります。 


地方自治体の奨学金は、自治体によって条件や内容が様々になりますのでインターネットで調べるようにしましょう。 

④国の教育ローンを利用する


日本政策金融公庫という金融機関は、国の教育ローンを用意しています。 


国の教育ローンは奨学金と違って入学前に、お金が入ってくるローンになりますので入学金などに充てることが可能です。 


金利は1.76%程度と奨学金(0.5%程度)に比べると高いですが、銀行の教育ローンやカードローンよりは安くなっています。 

⑤銀行の教育ローンを使う

多くの銀行では教育ローンの取り扱いをしています。


銀行の教育ローンの金利は、国の教育ローンに比べると高いですが、資金使途が比較的自由なことがメリットです。


予備校などの学費にも使うことができますので、浪人してしまった場合などでもを利用することができます。 

⑥銀行のカードローンを使う



銀行のカードローンは、基本的に資金使途が自由です。 


また、審査も比較的すぐ下りる傾向にありますので非常に便利なローンといえるでしょう。 


しかし、銀行のカードローンは国の教育ローンや銀行の教育論に比べてかなり金利が高いです。 

⑦教育費非課税贈与を利用する

教育費非課税贈与とは、教育費に関しては贈与税がかからないことです。 


一般的に、贈与を受けると贈与税を支払わなければなりません。110万円までは非課税になります。


しかし、110万円を超えた贈与を受けると贈与税を支払うことになりますが教育費に使うために贈与を受けた場合、110万円を超えても非課税になります。 


ただし、すぐに教育費として支払いを行わないと一般的な贈与としてみなされてしまい贈与税を支払うことになってしまいますので注意するようにしてください。 

⑧消費者金融を利用する【緊急の場合】



緊急の場合は、消費者金融を利用することも1つの方法でしょう。


消費者金融は、即日で審査が下りることも多く、審査基準も銀行に比べ通りやすい傾向にありますので非常に便利です。 


ただし、消費者金融の金利は18%程度かかることが一般的なので非常に金利が高くなります。 消費者金融を利用する際は、緊急の場合に留めておいた方が良さそうです。 

【不採用にならないために】申し込み資格と収入・学力条件を確認しよう


奨学金を受給することができなくても、他に学費を用意する方法はたくさんありますが、奨学金を受給することができることに越した事はありません。


そこでこの章では、各奨学金の申し込み資格について説明をします。収入基準や学力条件等について詳しく説明しますのでぜひ参考にしてください。 

①給付型奨学金

給付型奨学金はその名の通り返済をする必要がない奨学金です。 


給付型奨学金を受給する基準は以前はとても厳しかったですが、2020年4月から制度が改正され受給基準が緩和されました。


以前は生活保護世帯や住民税非課税世帯など家計が苦しくかつ優秀な成績(評定平均3.5以上)を収めていることが条件でした。


2020年4月からは、年収が約380万円までの世帯に条件が緩和され、成績の基準も評定平均3.5に達していなくても、面談の実施やレポートなどで学修意欲を評価するという判断基準が審査に加わりました。 


給付型の奨学金の申し込みの流れは以下のようになります。 


  1. インターネットでの申し込み
  2. 必要書類を学校へ提出
  3. マイナンバーと身元確認書類を日本学生支援機構へ提出

主な必要書類は以下のようになります。 


  • 提出書類チェック表
  • スカラネット入力下書き用紙 
  • 給付奨学金確認書 
  • 授業料減免の対象者の認定に関する申請書 
  • 修学支援の措置に係る学修計画書 
  • 本人名義の通帳コピー 

②第一種貸与型奨学金(無利子)



第一種貸与型奨学金は利息がかからない返還型の奨学金です。


利息がかからない奨学金のため当然ですが審査基準は厳しくなります。


世帯の収入基準はおよそ800万円以下で高校の平均評定が3.5以上であることが条件です。 


年収の基準については世帯人数の数によっても変わってきますのであくまで目安として考えてください。 

③第二種貸与型奨学金(利息あり)

第二種貸与型奨学金とは利息が発生する返還型の奨学金のことです。 


利息が発生する奨学金になりますので第一種貸与型奨学金に比べ審査基準は緩くなります。


収入基準の目安は、第一種貸与型奨学金と同様に800万円以下ですが、成績の基準は平均以上の成績があり卒業する見込みがあるものになっており、第一種貸与型奨学金に比べ緩い基準です。 


第一種と第二種は併用して申し込みすることができますので積極的に併用して申し込みするようにしましょう。


では、第一種貸与型奨学金、第二種貸与型奨学金の申し込みの流れと必要書類について簡単に説明します。 


・申し込みの流れ 

  1. インターネットでの申し込み
  2. 必要書類を学校へ提出
  3. マイナンバーと身元確認書類を日本学生支援機構へ提出 

申し込みに関する書類 


  • 提出書類一覧表
  • 身元確認書類
  • 番号確認書類
  • 貸与奨学金確認書兼個人信用情報の取扱いに関する同意書
  • 収入に関する書類
  • 特別控除に関する書類
  • マイナンバー提出書類
  • その他学校が指定する書類 

④入学時特別増額貸与奨学金



入学時特別増額貸与奨学金とは、大学の入学金などを後から工面するための奨学金です。 


入学時特別増額貸与奨学金の利用条件は、国の教育ローンに申し込みをしたけど利用できなかったことになります。


貸与額は、10万円・20万円・30万円・40万円・50万円から選ぶことが可能です。


入学時特別増額貸与奨学金は、入学後、進学先に必要書類を提出して、インターネットで手続きをする必要があります。


入学時特別増額貸与奨学金の必要書類は以下の通りです。 


  • 国の教育ローン申し込み用紙
  • 利用できない旨を記載した公庫発行の通知書のコピー 

【不採用にならないために】奨学金の手続き・必要書類を確認しよう

この章では、不採用にならないために奨学金の手続きの流れや必要書類について説明をします。


奨学金の手続きの流れや必要書類についてしっかり確認してください。

奨学金の採用通知が来ない!通知はいつくるのか奨学金利用者が解説



日本学生支援機構の奨学金の申し込みは、大まかな流れは以下のようになります。 


  1. 高校3年生の5月…奨学金の募集要項が出る
  2. 高校3年生の6月〜7月…申込書類を学校に提出し、スカラネットに申込情報を入力。マイナンバーを日本学生支援機構に郵送する。 
  3. 高校3年生の12月から1月…審査結果が来る 
日本学生支援機構のホームページには高校3年生の1月までに審査結果が届くと書いてありますが、学校によってばらつきがあるようです。


12月に届く人もいますが2月になって届く人もいます。審査結果が届かない事は絶対に無いので気長に待つようにしましょう。 

JASSO奨学金の採用・不採用通知の文面を奨学金利用者が紹介!



では、一体どのような通知が来るのでしょうか。


採用候補決定通知書には以下のことが記載されています。


  • 選考結果…候補者決定と書いてある奨学金を利用することができます。不採用の場合は不採用と記載されています。 
  • 選考結果の内訳…不採用になった理由について書かれています。家計なのか成績なのかつ様書類に不備があったのか等について記載されています。
  • 採用候補者となった奨学金の内容…奨学金の利用可能金額について記載されています。 

以上が採用候補決定通知書の重要な部分です。大切な内容になりますのでしっかり確認するようにしましょう。 

参考:奨学金は成績次第で在学中に打ち切りになることも



奨学金をめでたく受け取ることができても、成績次第で在学中に奨学金が打ち切られてしまうこともあります。


また、貸与奨学金継続願を提出しなかったり退学や除籍になってしまった場合や著しい素行不良の場合も奨学金は打ち切られてしまいます。


奨学金を受けることが決定した後も、慢心せずに生活をすることが大切です。 

まとめ:奨学金が不採用でも他に利用できる制度はある

今回は、奨学金について説明をしました。奨学金の受給が不正用になってしまう理由や奨学金以外の学費の工面方法などについて説明をしましたがいかがだったでしょうか?今回の記事のポイントは、


  • 奨学金の受給が不採用になってしまう理由
  • 不採用になってしまったときの対応策
  • 奨学金以外の学費の工面方法
  • 奨学金の申し込み資格と収入・学力条件
  • 奨学金の手続き・必要書類
  • 奨学金の採用・不採用通知の文面を奨学金利用者が紹介
現在は、多くの人が高校から大学などの上級学校に進学する時代になりました。文部科学省の2020年の調査では、高校卒業者の54.4%が大学に進学するそうです。

しかし、経済的な理由で進学をあきらめる人も少なからずいます。大学や専門学校などに進学することがすべてではありませんが、経済的な理由で自身の可能性を狭めてしまうのは寂しすぎます。

今回、紹介した奨学金の内容を参考にしていただき、自身の夢の実現のために利用していただければ幸いです。

マネーキャリアでは、ほかにも知っておきたい奨学金に関する記事が多数掲載されているので是非ご覧ください。