奨学金の推薦書を教授にお願いしたけれど自分で書くように言われた!このような方は多くいらっしゃると思います。奨学金の推薦書は自分で書いて教授が確認・サインをするだけというケースが多いです。この記事では、奨学金推薦書の書き方のコツや例文を紹介します。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 奨学金の推薦書を自分で書く際の書き方のコツは?
- 【学校に伝えたい】推薦書に書いてもらうと良いポイント7選
- ①熱心に学業に取り組んでいることをアピールする
- ②目指している将来像についても書く
- ③長所・短所を両方入れる
- ④実績など客観的な事実を入れる
- ⑤教授の視点から見た評価を書く
- ⑥自己評価と矛盾がないようにする
- ⑦自己評価には書きにくいことを書く
- 奨学金推薦書のテンプレートを紹介【様式を参考にしよう】
- ①導入部分
- ②本題
- ③結びの言葉
- 推薦書の例文を紹介!実際に奨学金受給者が書いた推薦書を公開
- 奨学金受給者が推薦書記入の体験談を語る
- 推薦書を教授にお願いする際の依頼メールのテンプレートを紹介
- 奨学金の推薦書を自分で提出する際の申請の手続きを解説
- 参考:奨学金の推薦書を英語で書くときに使える表現を紹介
- まとめ:奨学金の推薦書は自分で書こう
奨学金の推薦書を自分で書く際の書き方のコツは?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、大学や大学院の入学を希望されている方からこんな相談がありました。
奨学金とは経済的に厳しい家庭だけでなく、奨学生が優秀であることが求められています。
それを裏付けるものとして第三者からの推薦書の提出が求められている奨学金があります。
「推薦書をどのように書けばよいのか。」
奨学金の推薦書の書き方が分からない人が多く、インターネット上で書き方を調べている人は多いようです。
今回は奨学金の推薦書を書く時のコツについて紹介します。
これから奨学金の推薦書を書く方のお手伝いになれば幸いです。
【学校に伝えたい】推薦書に書いてもらうと良いポイント7選
奨学金の推薦書を自分で書く時のことにはどのようなことをアピールしたいかを明確にする必要があります。
ここからは奨学金の推薦書でよく書かれているアピールの内容やコツを7つ紹介します。
- 熱心に学業に取り組んでいること
- 目指している将来像について書くこと
- 長所・短所を両方入れること
- 実績など客観的な事実を入れること
- 教授の視点から見た評価を書くこと
- 自己評価と矛盾がないようにすること
- 自己評価には書きにくいことを書くこと
①熱心に学業に取り組んでいることをアピールする
奨学金の推薦書のコツ1つ目は熱心に学業に取り組んでいることをアピールすることです。
奨学金の推薦書は自身が努力していることなどを第三者に書いてもらうことで奨学生となるための推薦をしてもらいます。
そのため、自身が学業に熱心に取り組んでいることについて推薦してもらう必要があります。
以上のことから熱心に学業に取り組んでいることは必ず書くようにしましょう。
特に、成績や勉強時間など具体例や数字を用いてアピールするとより説得力が出ます。
②目指している将来像についても書く
奨学金の推薦書のコツ2つ目は目指している将来像についても書くことです。
奨学金の制度は学業が優秀であるが、経済的に厳しい家庭に対して経済的な援助を行う制度です。
つまり、将来的に活躍が期待されている学生に対して奨学金を貸与することが奨学金制度の根幹です。
将来の目指しているプランが明確であるほど説得力が増すため、必ず書くようにしましょう。
③長所・短所を両方入れる
奨学金の推薦書のコツ3つ目は長所・短所の両方を入れることです。
奨学金の推薦書で自身の長所を書くことは必須です。
この長所から自身が優秀な学生であることや将来的に社会で活躍できる人材であることをアピールするようにしましょう。
また、その長所を学生の間にどのようにすれば伸ばせるのかという点について書くことができれば、より良い推薦書になると考えられます。
一方で、自身の短所について記載することも重要です。
短所とは自身が描く将来像に対して壁になる部分になります。
これに対して大学や大学院の生活の中でどのようにして乗り越えていくかは大きな課題になります。
これを乗り越えていくためには大学や大学院に入学することが必要で、奨学金が必要になりますという文章構成にすれば、説得力のある推薦書になります。
この点から自身の短所についても洗い出しておき、奨学金の推薦書に記載するようにしましょう。
④実績など客観的な事実を入れる
奨学金の推薦書のコツ4つ目は実績など客観的な事実を入れることです。
先ほど紹介したように奨学金は成績が優秀でかつ経済的に厳しい学生に対して奨学金を貸与する制度です。
そのため、具体的な実績な数字を入れることで推薦書の説得力が増します。
高校生の時の成績や学生の時の活動実績など具体的に記載するようにしましょう。
大学院生の場合は研究成果を記載します。
大学院生の第1種奨学金の返済について優秀な成績や研究成果を上げた学生に対して申請すれば、第1種の奨学金の貸与に対して返済を半額もしくは全額免除してもらうことができます。
この制度ではまず、大学内で推薦される人が選ばれて、そこから日本学生支援機構が奨学金返済の全額免除もしくは半額免除になる人を決めます。
その選考では研究成果の説明やその研究成果を上げるために努力したことなどを記載する必要があります。
大学院生の場合は自身の研究成果を絡めて推薦書が書けるように準備をしておきましょう。
⑤教授の視点から見た評価を書く
奨学金の推薦書のコツ5つ目は教授の視点から見た評価を書くことです。
奨学金の推薦書は第三者に自身が奨学生としてふさわしいという内容を記載してもらう必要があります。
大学の研究室に属している場合は所属している研究室の教授に奨学金の推薦書を書いてもらう必要があります。
そのため、教授の視点から見た評価を書くようにしましょう。
具体的には教授との研究成果の報告やそれについてもディスカッションなど教授との接点がある場面を思い浮かべて自身の評価を書いてみましょう。
その中でもディスカッション回数や学会での発表回数など数値化できるものは数値化して奨学金の推薦書に記載するようにしましょう。
⑥自己評価と矛盾がないようにする
奨学金の推薦書のコツ6つ目は自己評価と矛盾がないようにすることです。
いくら奨学金が欲しいからと言って嘘を書いたり、アピール内容を盛りすぎないように注意する必要があります。
奨学金の推薦書は優秀な学生であることのお墨付きをもらうための書類です。
そのため、第三者として推薦書を書く教授にもその責任が生じることになります。
自己評価と教授の評価に矛盾が生じると書き直しをさせられることになります。
あまりにひどいと自己分析ができない学生と認定され、奨学金の推薦書を書いてもらえなくなる可能性があります。
しっかりと自己評価をするとともに、周りの同じ学生に自身のことについて評価してもらい、自己評価と教授の評価が矛盾しない推薦書を書くようにしましょう。
⑦自己評価には書きにくいことを書く
奨学金の推薦書のコツ7つ目は自己評価には書きにくいことを書くことです。
これは自身の長所を書くことと連動しています。
例えば、自身の長所としてリーダーシップがあること、周りと協力して研究を行っていることが挙げられたとします。
これらは自己評価として書きにくいですが、もし、自分自身でこれらを記載したとしても自分自身で述べているだけなので説得力に欠けます。
しかし、これらを教授に書いていただく推薦書に記載されていると第三者からの説明になるので客観性があり、説得力が増します。
以上から自己評価には書きにくいことは客観性があり、説得力が増すという観点から推薦書を書いてもらうようにしましょう。
奨学金推薦書のテンプレートを紹介【様式を参考にしよう】
ここからは奨学金の推薦書のテンプレートを紹介します。
この様式を参考に奨学金の推薦書を書いてみてください。
①導入部分
まずは導入部分について紹介します。
導入部分では奨学金を申請する申請者と推薦者との関係、申請者がどのような人物なのかを簡潔に述べましょう。
テンプレートは以下のようになります。
私は、申請者である〇〇を当研究室の学生として指導してきました。私は彼が〇〇奨学金を受けるためにふさわしい学生であると考えています。彼は研究室に配属されてから約1年たちますが、私が指導する間、多くの時間を〇〇の研究に注ぎ、成果を残しました。私が指導した生徒の中でも特に熱心で、優秀な学生と言えます。
特に申請者が優秀な人物であることが伝えられる文章が書けるとなお良い推薦書になります。
(参考:ブログ「耕平の赴くままに」)
②本題
次に推薦書の構成について考える必要があります。
推薦書の構成を考える際には以下の5つのステップをもとに考えてみましょう。
- 自身がアピールしたいことのリストアップ
- 情報のリストアップ
- 結び付ける作業
- 推薦者目線での文章を作成する
- 短所を入れてみること
③結びの言葉
最後に結びの言葉を記載して、推薦書を締めくくります。
具体的には、推薦書で記載した内容のまとめや申請者が奨学金の貸与を受けることにふさわしい人材であることを念押しします。
大学院生が奨学金を申請する際の結びの言葉として以下のような例を示しておきます。
ぜひ参考にしてみてください。
申請者は、上記の通り飽くことのない好奇心が非常に高く、誠実であり、また○○において○○という成果を残しました。この功績からも分かる通り、彼は奨学金の貸与を受けるにふさわしい人材として推薦するに値します。
(参考:ブログ「耕平の赴くままに」)
推薦書の例文を紹介!実際に奨学金受給者が書いた推薦書を公開
次は推薦書の例文を紹介します。
ここではインターネット上で紹介されている実際に書かれた奨学金の推薦書を紹介します。
『申請者は向学心に富み、優れた素質を有している。具体的には、申請者は、推薦者が講師を務める学部生対象のゼミへ積極的に参加をしている。また、推薦者のみならず、学内の他の教員とも交流を持ち、○○についての積極的な議論を重ねたりするなど、学問への探究心に優れている。
さらに、申請者は、将来、○○○○に携わる優れた社会人になることを目指しており、そのために企業の○○部門への研修に参加して積極的に情報収集を行うなど、優れた行動力を有している。
以上のことから、申請者は将来、○○○に関する優秀な社会人になることが期待されるため、奨学金の貸与による申請者への支援をお願い申し上げる。』
奨学金受給者が推薦書記入の体験談を語る
ここからは執筆者自身の体験談について紹介します。
私は大学院で奨学金の貸与を受けており、そのために所属している研究室の教授に推薦書を書いていただいた経験があります。
私が当時通っていた大学院では比較的奨学金を利用していた学生はたくさんいました。
そのような背景もあり、私が所属していた研究室の教授は推薦書を書くことに理解がありました。
推薦書を書いていただくまでの流れやスケジュール感については同じ研究室に所属していた先輩方に教えていただきました。
流れとしては推薦書の下書きを教授に提出し、それをもとに教授自身の言葉で清書をしていただいていました。
推薦書の記載内容については原則的にインターネットに記載されている内容を参考にしていました。
推薦書を書くことにあまり苦労した覚えはありませんでした。
その理由としては私が所属していた研究室は研究に熱心であったため、そのようなことにあまり時間を割かないようにとの連絡があったからです。
そのため、推薦書の下書きがいまひとつの文章力であっても教授の文章力で見違えるような推薦書になっていたことを覚えています。
推薦書の流れや教授の対応などは所属する研究室によって異なるため、先輩方やそのことを知っている方に積極的に聞いてみるようにしましょう。
推薦書を教授にお願いする際の依頼メールのテンプレートを紹介
続いては推薦書を教授にお願いする場合の依頼メールのテンプレートを紹介します。
ただし、推薦書をお願いする場合はメールをする前に礼儀として直接会ってお願いをしておきましょう。
また、教授は基本的に忙しいため、メールで送っただけでは見られていない可能性があるため、事前に直接会ってお願いしておくことは必須です。
メールを送る場合のテンプレートは以下の通りです。
件名:【(ご自身の名前)】推薦書作成のご依頼について
先日お願いいたしました奨学金の推薦書について連絡いたしました。
奨学金の推薦書の下書きはワードで書いており、メールに添付しています。
なお、推薦状提出の締め切り日が来月末日ですので、来月20日頃までに作成していただけると幸いです。
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、推薦書を作成していただきますようお願いいたします。
奨学金の推薦書を自分で提出する際の申請の手続きを解説
ここからは奨学金の推薦書を自分で提出する際の申請の手続きについて解説します。
原則的には奨学金の申請書とともに所属している大学の窓口に提出することになります。
申請書などの必要書類は日本学生支援機構からダウンロードしておき、提出できる準備をしておきましょう。
推薦書についても様式を日本学生支援機構からあらかじめダウンロードしておき、その様式に書いてもらえるように教授にメールなどで渡しておきましょう。
提出先や申請時に必要な書類については各大学によって異なるため、ホームページや担当窓口に必ず確認しておく必要があります。
参考:奨学金の推薦書を英語で書くときに使える表現を紹介
- Dear Admission officer,
- Dear Sir or Madam,
- To whom it may concern,
- I highly recommend…,
- I take great pleasure in recommending….
- Yours,
- Best wishes,
- Sincerely,
- Best regards,
まとめ:奨学金の推薦書は自分で書こう
- 推薦書にはアピールポイントだけでなく、短所も記載すること
- アピールポイントと客観的な事実を結び付けて説得力のある推薦書を作成すること
- 教授に作成を依頼する際には余裕を持ったスケジュール感で依頼すること