奨学金を申し込むときに大学やJASSOに封筒を郵送で送りますよね。その時に、封筒の書き方に困るという方は多いのではないでしょうか。この記事では、宛名など奨学金申請時の封筒の書き方や提出書類について、実際の奨学金利用者が解説します。
監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 奨学金を申請するときの封筒の書き方は?封筒のサイズや宛名は?
- 奨学金を申請するときの封筒の書き方を実際の奨学金利用者が紹介
- ①大学宛てに郵送する場合
- ②JASSO(日本学生支援機構)宛てに郵送する場合
- 奨学金申し込みに必要な書類を確認【封筒に入れる書類とは】
- ①予約採用の場合
- ②大学採用の場合
- 奨学金を申請するときの手続きをステップごとに解説!
- 予約採用の流れ~進学前~
- 予約採用の流れ~進学後~
- 在学採用の流れ
- 参考:奨学金の減額返還制度・返還期限猶予制度について解説
- 減額返還制度・返還期限猶予制度とは【返還できない時の救済】
- 減額返還制度・返還期限猶予制度の手続きの流れを解説
- 提出書類を確認【封筒の書き方も紹介】
- 制度を利用するときに注意すべきこと3選!
- まとめ:奨学金の申し込みは不備がないようにしよう
奨学金を申請するときの封筒の書き方は?封筒のサイズや宛名は?
最近は、大学等に通う学生の内、2.6人に1人(38%)がJASSO(日本学生支援機構)の奨学金を借りています。
私自身も大学から大学院までの6年間奨学金を利用し、現在返済中です。
しかし、奨学金は申請書類などが複雑で、書類の書き方や申請に手こずっている方も多いのではないでしょうか。
さらには、
と非常に細かい部分について疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- 奨学金申請封筒について(大きさ、色、書き方)
- 申し込みに必要な書類について
- 奨学金申請の手続方法について
- 【参考】返済制度について
奨学金を申請するときの封筒の書き方を実際の奨学金利用者が紹介
奨学金の申請を行う上で注意が必要な点があります。それは、「書類によって提出先が異なる」ことです。
提出先と書類の関係を以下で説明します。
提出先 | 書類 |
---|---|
大学 | マイナンバー関連以外 |
JASSO (日本学生支援機構) | マイナンバー関連 |
①大学宛てに郵送する場合
封筒のサイズ
書類を送付する際は、書類を折らずに入れることができる「角形(かくがた)2号」を選ぶようにしましょう。
封筒の種類には大きく分けて、「角形(かくがた)」、「長形(なががた)」、「洋形(ようがた)」の3種類があります。それぞれの特徴を以下にまとめます。
- 角形:長辺の長さが短辺の長さの2倍よりも短い封筒で、書類を折らずに入れられる。封入口が短辺側にある。
- 長形:長辺の長さが短辺の長さの2倍以上ある封筒で、書類を折りたたんで入れる。封入口が短辺側にある。
- 洋形:封入口が長辺側にある封筒で、結婚式などの招待状の送付に用いられます。
- 宛先が「〇〇課・係宛」の場合
⇛敬称は、「御中(おんちゅう)」と書く - 宛先が「〇〇課・係担当者宛」の場合
⇛敬称は、「様」と書く
封筒の表面と裏面を書いて満足してはいけません。必ず切手を貼ってから郵送してくださいね。
②JASSO(日本学生支援機構)宛てに郵送する場合
JASSOにはマイナンバー関連の書類を送付します。
マイナンバーの提出には、必ずJASSOから学校を通じて配布している専用の「提出用封筒(緑色)」で返送する必要があります。
その際に最も注意すべき点は、郵便局から簡易書留で提出しなければならない点です。
書留とは、郵便物に追跡番号が割り振られ、郵便局から配達先までの過程をデータで記録する郵便方法です。
マイナンバーのような個人情報などの重要な物を送るときに用います。
書留で送ることで万が一郵便物が破損したり届かなかったりした場合でもある範囲内で賠償してもらうことができます。
簡易書留は、郵便局の窓口あるいはゆうゆう窓口のみで取り扱っており、コンビニなどからは送ることができないので、注意してください。
奨学金申し込みに必要な書類を確認【封筒に入れる書類とは】
貸与型の奨学金の申し込みには、高校3年生時に申込む「予約採用」と大学進学後に申し込む「在学採用」があります。
どちらの採用方法かによって必要な書類が変わってきますので、確認していきましょう。
①予約採用の場合
予約採用では主に以下の書類が必要となります。
- 申し込みに関する書類
・提出書類一覧表
・特別永住証明書or在留カードor住民票の写し
・給付奨学金確認書
・貸与奨学金確認書兼個人信用情報の取り扱いに関する同意書 - 社会的養護を必要とする人の書類(該当者のみ)
・児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)の卒業証明書 - 収入に関する書類
・給与明細計算書+給与明細書(直近3ヶ月分)など - 特別控除に関する書類
・障害のあることの証明書(障害者手帳・療育手帳等)など - マイナンバー提出書類
・マイナンバー提出書
・身元確認書類
・番号確認書類 - マイナンバーに代わる書類(マイナンバーが提出できない場合)
・マイナンバー代用書類提出台紙 - 海外居住者の追加書類
・年収等の実績計算書など
- マイナンバーが提出できる場合
大学宛
・マイナンバー提出書類以外全て
JASSO宛
・マイナンバー提出書類 - マイナンバーが提出できない場合
大学宛
・マイナンバーに代わる書類
・マイナンバー提出書類・マイナンバー代わる書類以外全て
JASSO宛
・マイナンバー提出書類
(マイナンバー提出できない理由を記載の上、身元確認書類及び番号確認書類を添付して提出)
・奨学生本人の住民票の写し(コピーの不可)
マイナンバーが提出できる場合、できない場合で少し複雑ですよね。
冒頭で説明している通り、JASSOと大学宛で異なるのはマイナンバー関連の資料かどうかですが、「マイナンバーに代わる書類は大学宛」と覚えておきましょう!
②大学採用の場合
在学採用では主に以下の書類が必要となります。
- 確認書兼個人信用情報の取り扱いに関する同意書
- 収入に関する証明書類(該当者のみ)
- 特別控除に関する証明書類(該当者のみ)
- 在留資格及び在留期間が明記されている証明書類(該当者のみ)
- 社会的養護を必要とする者であることを証明する書類(該当者のみ)
- その他学校が指定する書類等
- マイナンバーの提出に必要な書類
- マイナンバーが提出できる場合
大学宛
・マイナンバー提出書類以外全て
JASSO宛
・マイナンバーの提出に必要な書類 - マイナンバーが提出できない場合
大学宛
・マイナンバーに代わる書類
・マイナンバー提出書類
・マイナンバー代わる書類以外全て
JASSO宛
・マイナンバー提出書類 (マイナンバー提出できない理由を記載の上、身元確認書類及び番号確認書類を添付して提出)
・奨学生本人の住民票の写し(コピーの不可)
奨学金を申請するときの手続きをステップごとに解説!
次に奨学金の申し込み〜採用までどのような流れで手続きしていく必要があるかについて解説していきます!
予約採用と在学採用ではこの一連の流れが少し異なるので、自分が応募する採用方式の流れについて確認してください!
予約採用の流れ~進学前~
- 申し込みに必要な書類の収集・・・通っている高校に奨学金の申し込みに関する資料を請求します。
- 必要書類の準備(書き方は応募要領を参照)・・・上記で解説した必要書類の記入や住民票などを準備する。
- インターネットで申し込み・・・スカラネットという奨学金申込専用ホームページにアクセスし、必要事項を入力します。 ログインの際に必要なユーザーIDやパスワードは学校から交付されます。
- 必要書類の提出・・・スカラネットから申し込んだ後は、マイナンバー関連の書類をJASSOへ、マイナンバー関連以外の書類は学校に提出します。
- 選考・・・提出された資料を元にJASSOが採用にふさわしいかどうか選考を行います。
- 採用候補者決定通知・・・JASSO⇛高校⇛本人の流れで通知されます。この時点ではまだ正式な奨学生として採用されたわけではありません。
予約採用の流れ~進学後~
- 進学届の提出・・・進学届はインターネットから行います。 その際のパスワードを進学先の学校から受領してください。 (高等専門学校へ進学した場合は届け出は紙で行います。)
- 採用の決定・・・JASSO⇛進学先の学校⇛本人の流れ通知されます。 この通知によって正式に奨学生として採用となります。
在学採用の流れ
- 申し込みに必要な書類の収集・・・在籍している学校の奨学金申込時説明会に出席し、申し込みに必要な書類を受け取ります。
- 必要書類の提出(学校のみ。書き方は応募要領参照。)・・・学校が支持する期限までに、確認書・必要書類を提出する。
- インターネットで申し込み・・・スカラネットという奨学金申込専用ホームページにアクセスし、必要事項を入力します。 ログインの際に必要なユーザーIDやパスワードは学校から交付されます。
- マイナンバーの提出・・・スカラネットからの申し込み後、マイナンバー関連の書類をJASSOに提出します。
- 採用の決定・・・家計や学力基準の観点で選考され、JASSO⇛学校⇛本人の流れで通知されます。 この通知によって正式に奨学生として採用となります。
参考:奨学金の減額返還制度・返還期限猶予制度について解説
突然の事故や怪我、さらには新型コロナウイルスによる経済への打撃などによって収入が減少し、奨学金の返済が困難という方も多いのではないでしょうか?
JASSOは、奨学金の返還に困った人に対し、2つの救済制度を設けています。
それが、減額返還制度と返還期限猶予制度です。
- 減額返還制度
月々の返還金額を1/2もしくは1/3に減らすことができる制度です。
返還金額に応じて返還期間も2倍、3倍に長くなりますが、利息を含む返還予定総額は変わりません。 - 返還期限猶予制度
月々の返還を先延ばしにすることができる制度で、減額返還でも困難になった場合に適用できる制度です。
先に伸ばした分返還完了時期も延長されますが、利息を含む返還予定総額は変わりません。
以下では、これらの制度について、対象となる収入基準や適用期間、返還総額に関する情報に加え、実際に申請する際の手順について解説していきます。
奨学金の減額や免除についての記事もまとめましたので合わせてご覧いただくと良いでしょう。
減額返還制度・返還期限猶予制度とは【返還できない時の救済】
①対象となる収入基準
収入基準 | |
---|---|
給与所得の方 | 年間収入金額325万円以下 |
給与所得以外の所得がある方 | 年間所得金額225万円以下 |
収入基準 | |
---|---|
給与所得の方 | 年間収入金額300万円以下 |
給与所得以外の所得がある方 | 年間所得金額200万円以下 |
②適用期間
制度 | 適用期間 |
---|---|
減額返還 | 最長15年間 |
返還期限猶予 | 最長10年間 |
③返還する総額
④返還が困難な理由について
- 自分の現状の年収を書く
- 返還が困難な理由を書く
- 最後に「奨学金の〇〇を希望します」と書く
⑤猶予願の提出期限
減額返還制度・返還期限猶予制度の手続きの流れを解説
減額返還制度、返還期限猶予制度の手続きの流れは、以下の必要な書類の記入・準備を行い、JASSOに郵送で提出すればOKです。
奨学金の申請時と異なり、スカラネットでの手続きは特にありません。
- 減額返還制度
【全員必要な書類】
・奨学金減額返還願&チェックシート
・返済が難しいことを示す証明書*
【該当者のみ必要】
・マイナンバー提出書(奨学金申請時に提出した方は不要)
・個人信用情報の取り扱いに関する同意書
・休職・休業している場合に関する書類
・収入基準を超える場合に認められる控除に関する書類 - 返還期限猶予制度
【全員必要な書類】
・猶予願&チェックシート
・返済が難しいことを示す証明書*
【該当者のみ必要】
・マイナンバー提出書(奨学金申請時に提出したかは不要)
・休職・休業している場合に関する書類
・猶予年限特例または所得連動返還型無利子奨学金の猶予で、奨学生本人が被扶養
者である場合に関する書類
・収入基準を超える場合に認められる控除に関する書類
*返済が難しいことを示す証明書には、マイナンバーで省略できるものとできないものがあるので、確認してみてください。
提出書類を確認【封筒の書き方も紹介】
以下で改めて封筒の書き方を紹介しますが、基本的には奨学金申請時と同じです。
封筒のサイズ
制度を利用するときに注意すべきこと3選!
①返済期間が長期間にわたってしまう
もともとの返済期間 | 制度利用後の返済期間 | |
---|---|---|
減額返還制度 (1/2返還で15年利用) | 20年 | 27.5年 |
返還期限猶予制度 (最長10年利用) | 20年 | 30年 |
②滞納してしまうと減額や猶予が中止になることも
③延納してしまいそうな時は早めに減額返還制度・返還期限猶予制度を申請しよう
まとめ:奨学金の申し込みは不備がないようにしよう
申請時の封筒の書き方〜返済までの一連の流れについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは、
- 奨学金を申請する時の封筒サイズ、表・裏面の書き方、切手の値段
- 奨学金申請時に必要な書類
- 大学にはマイナンバー関連以外の資料、JASSOにはマイナンバー関連の資料を送付
- 奨学生採用は予約採用と在学採用の2パターン
- それぞれの採用の流れについて解説
- 奨学金の返還が困難な時は、減額返還制度や返還期限猶予制度が利用可能
- 上記制度の申請方法・必要書類について解説