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外貨建て保険は利益が出る可能性があるものの、多くのFPが相談者に「やってはいけない」とアドバイスしています。外貨建て保険は初心者には扱いにくい保険商品で、かつ元本割れの可能性が高いからです。本記事では、外貨建て保険の仕組み、やってはいけない理由を解説します。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

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外貨建て(ドル建て)保険はやってはいけない?

保険会社の保険相談やネットの書き込みなどから、外貨建て保険を知ったという方も少なくないでしょう。


近頃は特に耳にする機会の増えた外貨建て保険ですが、多くのFPが相談者に対して「外貨建て保険をやってはいけない」とアドバイスしています。


外貨建て保険は円建て保険よりも高い利益を上げられる可能性がある一方、元本割れなどのリスクもあります。


運用利回りだけを見て、「儲かりそう」「お金が増えそう」と手を出すことは危険です。


外貨建て保険を運用するにあたって知識が必要であり、かつ手間コストがかかります。


外貨建て保険に加入される方はリスクやデメリットをきちんとおさえた上で、加入するようにしてください。

外貨建て保険をやってはいけない?おすすめしない理由4選


「やってはいけない」と言われることの多い外貨建て保険ですが、「利率は高いし儲かるのでは?」と思われている方もいらっしゃるでしょう。


外貨建て保険は利回りがよくお金を増やせるというメリットがあるものの、多くの方にとってやってはいけないと言われている保険商品です。


外貨建て保険をやってはいけないと言われる4つの理由は、

  1. 購入のタイミングや仕組みが初心者には難しい
  2. 為替手数料などの諸費用が高い
  3. 「途中解約は損」などリスクが多く複雑
  4. 認知機能の低下した高齢者などのトラブルが多発している
となっています。

以下、上記4つの理由について解説していきます。

①購入のタイミングや仕組みが初心者には難しい

外貨建て保険は仕組みの理解が難しいことから、「やってはいけない」と言われることが多いです。


外貨建て保険には以下の特徴があります。

  • 為替の影響を受けやすい
  • 利益を出すには購入のタイミングが鍵となる
  • 外貨建て保険は外貨で運用される投資型の保険
  • 円建て保険よりも元本割れしやすい
  • 利回りが高い(成功すれば、お金を円建て保険よりも膨らませられる)
外貨建て保険に関して詳しく知らない方の中には、「利回りの高さ」だけに注目される方が少なくありません。
しかし、外貨建て保険を契約する際は、為替レートの影響を受けやすいこと景気に左右されることなど、あらかじめ知っておかなければならない特徴がたくさんあります。
保険商品や投資について詳しくない人が、外貨建て保険のこうした特徴を短期間で理解することは容易ではありません。

②為替手数料などの諸費用が高い

外貨建て保険の各種手数料の高さも「外貨保険をやってはいけない」と言われる理由です。

外貨建て保険を契約する際は各種手数料が高いことをおさえておく必要があります。

手数料の高さや手数料を支払う頻度が思いの外あることに、契約してから気付く方も多いです。


外貨建て保険には、以下の手数料が主にかかります。

  • 為替手数料
  • 解約時の手数料
  • 外貨運用のための手数料
  • 両替手数料

為替手数料とは外貨から円に交換する時に金融機関へ支払うお金です。 

多くの金融機関が1ドルにつき為替手数料を1円に設定しています。


外貨建て保険は外貨為替手数料、解約時の手数料などを利用して運用を行うため、運用にかかる費用や解約したときの両替手数料などは高額です。

円建て保険の手数料は保険料の2~3%ですが、外貨建て保険の手数料は保険料の6~8%かかります。

③「途中解約は損」などリスクが多く複雑

「外貨建て保険の途中契約は大損」と言われています。

ほとんどの外貨建て保険において1年目に解約する場合、10%の解約控除金が引かれます。

解約控除金の率は年々下がりますが、契約から10年間は課されることが一般的です。

解約時には解約控除金の他にも為替差損が加わるため、たいていの場合は元本割れします。


「保険料を払うことが難しくなった」など、解約を検討しなければならない事情が発生することは誰にでもあり得ます。


しかし、途中解約すると元本割れすることが大半のため、支払った金額を取り戻すことは非常に難しくなります。


外貨建て保険に加入する際、思い付きによる契約はやってはいけないです。

保険料を継続的に支払えるか、長いスパンで考えましょう。

④認知機能の低下した高齢者などのトラブルが多発している

「高齢者は外貨建て保険をやってはいけない」と注意喚起されることが多いです。

しかし、現状として、老後資金を外貨建て保険の支払いによって失ってしまう高齢者は少なくありません。


営業トークに騙されてしまう高齢者や、外貨建て保険について理解しない状態で加入してしまう高齢者が後を絶ちません。


80代男性の以下のトラブルについて、週刊女性PRIMEに記されています。


定期預金として自分のお金1000万円と、妻のお金600万円を預けたつもりだった。最近になって書類をよく見たら、外貨建て生命保険に加入していることになっていた。気づけば夫婦で200万円の損失に(引用:週刊女性PRIME)


上記のケースのように、資産が目減りしていることに気付いた時、外貨建て保険に加入していたとはじめて知る高齢者が多いのです。

外貨建て保険ってそもそもどういう仕組み?


多くの方が加入されている保険は日本円で保険料を支払い、各種保険金や満期保険金などを日本円で受け取ります。


一方、外貨建て保険とは、保険料の支払い・受け取りを外国通貨で行います。

日本では、米ドル、ユーロ、豪ドルなどがメジャーです。


保険料と保険金の二つが外貨ベースとなっており、それらの支払いや受け取りのタイミングで為替レートの影響を受けるところに大きな特徴があります。


米ドル建ての終身保険の場合、万が一の時に受け取る保険金額が米ドルで定められています。

たとえば、受取り額が10ドルだとすると、契約後に受け取る保険額は10ドルですが、日本円に換算すると為替レートによって金額が変動します。

受取り額がプラスにもマイナスにも為替レートによってなるのです。


外貨建て保険はこのように複雑な仕組みであるため、契約する際は仕組みを正しく理解しておく必要があります。

外貨建て保険は一般の人にとって理解が難しいことからも、「やってはいけない」と言われる場面も少なくないのです。

外貨建て保険のメリット・デメリット


年金や預金にのみ頼ることが難しくなってきており、資産を運用していこうという考えが広まっています。

そうした中、利回りが高く、貯蓄性で有利な外貨建て保険が注目されているのです。


外貨建て保険を契約する際は、外貨建て保険が持つメリットだけでなく、デメリットについても理解しておく必要があります。


外貨建て保険の契約を検討されている方は、外貨建て保険のメリット・デメリットを理解することからはじめましょう。

外貨建て保険のメリット

外貨建て保険のメリットは以下の通りです。

  • 利回りが良い
  • 利益が出る可能性がある
  • リスク分散できる
外貨建て保険の最大のメリットは利回りが良く高い利益を得られる可能性があるところです。
外貨建て保険のリスクを理解した上で、上手に利用することができれば、資産形成において有力なものとなります。

また、外貨建て保険を契約することにより、資産を円のみならず海外の通貨に分散できます。
投資の基本は分散投資ですので、円だけでなく、別の通貨でも資産を保有することは資産を守るために有効な手段です。

外貨建て保険は「やってはいけない」と言われることも多いですが、上手く運用できれば、大きなリターンを得ることができます。

外貨建て保険のデメリット

外貨建て保険のデメリットは以下の通りです。

  • 元本割れの可能性がある
  • 手数料が高い
外貨建て保険はハイリスク・ハイリターンの保険商品です。
外貨建て保険を契約する際、外貨建て保険の仕組みを理解せずに、良い部分だけに着目することはやってはいけないことです。

外貨建て保険は契約時よりも、満期時、ないし解約時に円高になっている場合、受取額は少なくなります
外貨建て保険は為替の影響を受けるため、ハイリスク・ハイリターンと言われているのです。

また、外貨建て保険は手数料が高額に設定されています。
たとえば、1ドル=105円の場合、1万ドル購入するのに105円×1万ドル=105万円が必要資金です。
これに加えて、為替手数料として1ドルにつき0.5円ほどかかります。 

外貨建て保険をやってはいけない人・おすすめな人


外貨建て保険は正しい知識を持って、上手に扱うことで、お金を膨らませることができます。


一方、外貨建て保険は円建て保険よりもリスクがあるため、安易な気持ちで手を出すことはおすすめできません。


以下、外貨建て保険をやってはいけない人・おすすめな人の特徴を紹介していきます。

外貨建て保険の契約後に後悔しないようにするため、外貨建て保険との相性を確認しておきましょう。

外貨建て保険をやってはいけない人

外貨建て保険をやってはいけない人は以下の特徴を持つ人です。

  • リスクを理解していない人
  • 外貨建て保険の仕組みが分からない人
  • 為替、円安、円高といった言葉の意味を正しく理解できていない人
  • お金に余裕のない人
  • 中途解約してしまう可能性のある人
外貨建て保険を契約する際は、リスクがあることを理解しておく必要があります。
保険・金融商品に馴染みのない方は、外貨建て保険を知らないだけでなく、為替、円安、円高といった言葉にもなじみのないない方が多いです。

外貨建て保険を知識のない状態で契約し、何が起きているかよく分からない中で資産が目減りしていたとう事例も少なくありません。

お金に余裕のない方は、外貨建て保険で元本割れした際に立て直すことが難しくなるので手を出さない方が無難でしょう。

外貨建て保険がおすすめな人

外貨建て保険がオススメな人は以下の特徴を持つ人です。

  • リスクを理解できる人
  • 外貨建て保険の仕組みを理解できる人
  • 資産を分散したい人
  • 投資に利用したい人
  • お金にある程度余裕があり、失敗した時のダメージが少ない人

「やってはいけない」と言われることの多い外貨建て保険ですが、外貨建て保険を利用して資産を増やしている人がいることも事実です。

外貨建て保険の特質上、元本割れを100%回避することは難しいですが、正しい知識を持ち、上手に運用していくことで、元本割れをある程度は回避できます。


また、外貨建て保険はリスクが高いため、元本割れしたとしても生活に影響しないだけの余裕がある場合にのみ手を出すようにしてください。

たとえば、高齢の方が老後資金を外貨建て保険につぎ込み、失敗した場合、立て直しが難しくなります。

若い方やこれからも預金を増やせる方は、外貨建て保険を利用してみても良いかもしれません。

【参考】外貨建て保険はコロナの影響を受けている


外貨建て保険は新型コロナウィルスの影響を受けています。

運用環境が悪化し、米ドル建て生命保険で落ち込みが見られます。


たとえば、以下のような新型コロナの影響があります。

  • (契約済みの場合)積立利率が下がる可能性がある
  • (新規契約の場合)予定利率の引き下げ、及び一部商品の販売休止

外貨建て保険料引き上げ、積立利率の引き下げ、販売停止になる企業がコロナ禍において増加傾向にあります。

外貨建て保険はコロナ禍で魅力が低下していますので、現在検討されている方は経済が回復するまでやってはいけないです。

まとめ:外貨建て保険のリスクを正しく理解しよう

最近、注目を集めている外貨建て保険ですが、各メディアの記事やSNSの投稿などを見ると、良い部分のみが強調されている印象を受けます。

確かに、外貨建て保険を正しい知識をもって上手に利用すれば、お金を膨らませることができます。


一方、外貨建て保険を知識がない状態で契約しても、想定外のマイナスが発生してしまうケースが大半です。

外貨建て保険はハイリスク・ハイリターンですので、商品の特徴をよく理解し、リスクを覚悟して契約しなければなりません。


実際、外貨建て保険を契約した人たちから不満困惑の声もあがっています。

たとえば、「定期預金と思ってお金を預けたら外貨建て保険だった」「手数料がこんなに高額だとは知らなかった」といった声は少なくありません。


外貨建て保険の良い部分のみに着目しての契約はやってはいけないことです。

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