「子育て費用」は月々いくら必要?こどもにかかるお金について解説のサムネイル画像

「子育て費用は月々いくら必要なの?」このような疑問を持つママさん・パパさんは多いでしょう。そこで本記事では、月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳、年齢別の子育て費用、子育てで使える助成金の一覧をまとめました。ぜひ最後までご覧ください。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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「子育て費用」は月々いくらかかる?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。 


先日、20代女性の方からこんな質問をいただきました。

もうすぐ子どもが生まれるのですが、今の収入で子育てできるのか不安です。 子育て費用はどれくらいかかるものなのでしょうか。

子どもが生まれて育児をするようになると、様々なお金が必要となります。


特に初めてのお子さんだと、どれくらいお金がかかるのかわからないので不安ですよね


そこで、今回の記事では、子育て費用を中心に、

  • 月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳
  • 月々の「子育て費用」金額は子どもの年齢で変わる
  • 月々の「子育て費用」金額は高校生・大学生は公立か私立かで変わる
  • 子育ての資金はどうする?「子育て費用」で使える助成金を紹介

について紹介します。

月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳


ここからは月々の子育て費用の内訳とその額を紹介します。


まず、子育て費用の内訳ですが、大きく分けて

  • 教育費
  • 養育費
の2つがあります。

一般的に子育て費用というと、教育費ばかりがフォーカスされると思いますが、養育費も馬鹿にできません

必ず養育費もセットで考えて見通しを立てるようにしましょう。

ここからは、教育費・養育費の内訳を見ていきます。

まず教育費の中には、
  • 学校教育費
  • 学校外教育費
  • 学校外活動費
があります。

学校教育費は、入学金や授業料を含めた額で、一般的に国公立よりも私立の方が高くなります

そして学校外教育費・学校外活動費ですが、ざっくりいうと習い事のことで、その内容で二つに分別します。

学習塾や英語スクールなどの学びに関することは学校外教育費で、水泳や野球などの運動に関することは学校外活動費となります。

次に養育費の中には、
  • 食費
  • 衣類
  • 生活用品
  • 医療費
  • 保育費
があります。

食費や保育費はもちろんのこと、医療費や衣類も含まれます。

医療費は人によってはまったくお金がかからないこともあります。

月々の「子育て費用」金額は子どもの年齢で変わる


ではここからは、内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」をもとに、子育て費用がどれくらいかかるのかを紹介します。


ただ注意したいのが、子どもの年齢によって費用が異なるということです。

そのためここでは、

  • 未就学児
  • 保育所・幼稚園児
  • 小学生
  • 中学生
に分けて紹介したいと思います。

未就学児

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費--
学校外教育費1,300円15,635円
学校外活動費1.000円11,449円
合計2,300円27,084円


未就学児ということで、学校教育費は0円ということになりました。


また、学校外教育費・学校外活動費のような習い事もそこまでお金をかけていないということが分かりました。


養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費13,900円166,387円
衣類5,700円68,754円
生活用品12,500円149,425円
医療費1,000円11,867円
保育費5,200円62,790円
合計38,300円459,223円


未就学児と一口に言っても、0歳~6歳まで幅広いです。


ミルクを飲ませないといけない年齢から、おもちゃをほしがる年齢まで様々です。


そうしたことから、食費・生活用品ともに比較的高くなっています。


また、乳幼児も含んでいることから、医療費も比較的高くなっていることがうかがえます。

保育所・幼稚園児

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費
--
学校外教育費3,600円43,179円
学校外活動費2,600円30,784円
合計6,200円73,963円


保育所・幼稚園では、学校教育費でなく保育費が加算されます


そして、施設外での習い事も増え始め、未就学児に比べると学校外での出費が高まっています。

養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費18,700円224,627円
衣類5,500円66,462円
生活用品7,700円92,522円
医療費1,100円13,462円
保育費31,600円379,407円
合計64,600円776,480円


先ほど述べたように、保育費が加算されるので、かなり高くなっています。


そして、子どもの成長により、食費も増えています。

小学生

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費8,800円105,242円
学校外教育費 8,800円106,089円
学校外活動費7,900円94,985円
合計25,500円306,316円


小学校に入るので、初めて学校教育費が加算されます。


とはいっても、義務教育で授業料は無償化されるので、そこまで高いわけではありません


その一方で、習い事がこれまでにないほど高くなっています。


これは小学校に入るにあたり、習い事をさせる家庭が一気に増えて、その分平均値も上がったことが背景にあります。


養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費23,200円278,294円
衣類5,700円68,970円
生活用品7,000円83,419円
医療費1,800円21,791円
保育費1,600円19,268円
合計39,300円471,742円


子どもが成長することにより食費は着実に増えていっています。


また、この表では、小学校にもかかわらず保育費が加算されていますが、これは学童保育のようなものを指します。

中学生

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費22,800円274,109円
学校外教育費 20,700円248,556円
学校外活動費4,800円57,337円
 合計48,300円580,002円


ここで初めて学校外教育費が急激に高くなりました


その理由は、中学校で学習塾に通わせる家庭が増えるためです。


特に中学校三年生になるとほとんどの家庭が通わせるため、かなり高くなっています。


養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費29,700円356,633円
衣類6,400円76,507円
生活用品8,100円97,139円
医療費1,900円22,624円
保育費--
合計46,100円552,903円


おしゃれをする子供が増えるためなのか、衣類の費用が今までより少しだけ高くなっています。

月々の「子育て費用」金額は高校生・大学生は公立か私立かで変わる


次は高校生・大学生にかかる費用です。


この年代では、国公立・私立に入るかで費用が大きく変わるため、

  • 【高校】公立高校の場合
  • 【高校】私立高校の場合
  • 【大学】国立大学の場合
  • 【大学】公立大学の場合
  • 【大学】私立大学
というように、別で紹介します。

なお高校生は文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」をもとにしました。

そして、大学生は独立行政法人日本学生支援機構の「平成30年度学生生活調査」をもとにしました(令和2年度が最新ですが、コロナの影響を考慮して省きました)。 

【高校】公立高校の場合

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費23,400円280,487円
学校外教育・活動費14,700円176,893円
合計38,100円457,380円


高校生になると、部活動が本格化し、それに伴いその費用も高くなってきます。


そうしたことから、学校外活動費が今まで以上に必要となるでしょう。


また、学校外教育に関しては、予備校に通う生徒と自学で勉強する生徒に分かれるため、そこまで高いわけではありません。


養育費

養育費に関しては統計がなかったので、表を作成できませんでした。


ただ、この記事では「中学校の養育費」と「大学の養育費」を明らかにしているので、その中間をイメージしていただくといいかもしれません。

【高校】私立高校の場合

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費59,900円719,051円
学校外教育・活動費20,900円250,860円 
合計80,800円969,911円


私立高校は学校教育費が非常に高いです。


その分、構内の施設が整っているので、公立ではあまり見られない部活動があることもあります。


もっともそうした部活動は珍しい分、高額な部活動費を請求することもあります


例えば、筆者の親族が所属しているスキー部では、部活動費で年間50万も必要となると聞きました。


私立高校に通うなら、部活動費のことも頭に入れておく必要があります。


養育費

養育費に関しては統計がなかったので、表を作成できませんでした。


同様に、中学校と(私立)大学の中間をイメージするとよいでしょう。

【大学】国立大学の場合

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費40,700円488,200円
学校外活動費4,200円50,100円
合計44,900円538,300円



養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費19,600円235,600円
衣類不明不明
生活用品12,500円149,400円
医療費3,000円36,400円
合計35,100円421,400円


国立大学は学費が安く、資金面でのゆとりがあります。


そのため、学校外活動費や食費にお金をかけられるため、ほかの大学に比べると高くなっています。

【大学】公立大学の場合

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費43,200円518,800円
学校外活動費2,200円26,800円
合計45,400円545,600円


養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費15,200円183,000円
衣類不明不明
生活用品12,600円150,700円
医療費3,200円38,100円
合計31,000円207,100円


公立大学も国立大学と同じく学費が安いため、他のものにお金を使えます。

【大学】私立大学

それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。


教育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
学校教育費88,300円1,059,400円
学校外活動費2,800円34,100円
合計91,100円1,093,500円



養育費


種類月額
(十の位で四捨五入)
年間
食費13,800円165,600円
衣類不明不明
生活用品12,300円147,300円
医療費3,300円39,200円
合計29,400円352,100円


私立大学は最も学費が高いので、資金面でのゆとりがありません。


そのため、食費・生活用品ともに最も安くなっています。

子育ての資金はどうする?「子育て費用」で使える助成金を紹介


ここまでステージごとに子育て費用を紹介してきました。


未就学児から大学までかなりの費用が掛かることを理解していただけたかと思います。


この費用を払えるかどうか不安という方がいるかもしれません。


ここからはそうした方向けに、子育て費用として使える助成金を、

  • 児童手当
  • 幼児教育・保育の無償化
  • 子ども医療費助成
  • 高等学校等就学支援金
の4点紹介したいと思います。

児童手当

小学校・中学校に関しては児童手当があるので、ある程度費用を補填することができます。


児童手当の条件には、

  • 児童の年齢
  • 扶養親族等の数
  • 所得制限限度額・収入額
等が関わってきます。

ここからは内閣府の「児童手当制度のご案内」に示された内容をもとに、より詳細に説明します。 

対象

対象となっているのは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方です。

条件

支給にはある程度の条件があります。

条件によって支給額が変わることがあるので、以下の表を参考にしてください。

扶養親族等の数所得制限限度額収入額の目安
0人
(前年末に児童が生まれていない場合等)
6,220,000円8,333,000円
1人
(児童1人の場合等)
6,600,000円8,756,000円
2人
(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)
6,980,000円9,178,000円
3人
(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
7,360,000円9,600,000円
4人
(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
7,740,000円10,020,000円
5人
(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
8,120,000円10,400,000円

限度額を超えている家庭に関しては、特例として児童1人当たり月額一律5,000円が支給されます。

手当内容

児童手当は年齢によって支給額が変わるため、下の表を参照してください。

児童の年齢児童手当の額(一人あたり月額)
3歳未満一律15,000円
3歳以上
小学校修了前
 10,000円
 (第3子以降は15,000円)
中学生一律10,000円

幼児教育・保育の無償化

2019年10月1日、「幼児教育・保育の無償化」政策がスタートしました。


これによって、幼児教育・保育の期間にかかる費用をかなり抑えることができるようになりました。


ただ、すべての人が同じ額を支給されるのでなく、条件によって支給額が変わります。


以下の表を参考にしてください。


保育園


0~2歳児3~5歳児
住民税非課税無料無料
年収360万円未満有料第一子が通園している・していないに関わらず、
第2子は半額、第3子以降は無料
年収360万円以上有料通園している第1子とカウントし、
第2子は半額、第3子以降は無料


幼稚園

幼稚園無償化の対象となるのは、「保育の必要性がある」と定められた人のみです。

その「保育の必要性がある」とされる事由とは、
  • 就労(フルタイム、長時間のパートタイム、夜間すべて)
  • 妊娠、出産
  • 保護者の疾病、傷害
  • 同居または長期入院している等の親族の介護・看護
  • 災害復旧
  • 求職活動
  • 就学
  • 虐待やDVのおそれがあること
  • 育児休業取得時に、すでに保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
  • その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
です。

これらに当たる場合に限り、3~5歳児の最大月額1.13万円まで無償化となります。

子ども医療費助成

子ども医療費助成は、児童手当と同じく、自治体によって支給額や条件が異なります。


ここでは一例として、札幌市を例に挙げます。


対象

対象となるのは、
  1. 札幌市に住民登録をしていること
  2. 公的医療保険(社会保険、国民健康保険など)に加入していること
  3. 中学校修了前(15歳に達する日以後、最初の3月31日まで)であること
  4. 保護者の所得の高い方の前年の所得が限度額未満であること
となっています。

条件

対象の4にあるように、子ども医療費助成には保護者の限度額が重要になってきます。

その限度額について、表にしましたので参考にしてください。


扶養親族数所得限度額給与収入に換算した目安
0人6,220,000円8,330,000円
1人6.600,000円8,750,000円
2人6,980,000円9,170,000円
3人7,360,000円9,600,000円


なおそれ以上の扶養親族数は、所得税法上の扶養親族(同一生計配偶者を含む)1人につき、所得限度額に38万円を加算します。


また、老人扶養親族があるときは、一人につき所得限度額に6万円を加算します。


助成内容

いくら助成されるのかは子どもの年齢によって異なります。

年齢別に表にしましたので参考にしてください。

0歳~小学生中学生
住民税非課税通院・入院医療費の自己負担分
(初診料を除く)

入院医療費の自己負担分
(初診料を除く)
住民税課税通院・入院医療費の自己負担分
(初診料を除く) 
入院医療費の1割
(限度額がある)

高等学校等就学支援金

高校生の子どもを持つ家庭向けに、高等学校等就学支援制度を紹介します。


この制度は2014年度に始まったもので、2020年度に改訂されました。


この制度が改訂されてからは、お金のかかる私立学校であっても実質無料にできるケースも出てきました。


ただし、申請のためには、入学後に学校に必要書類を提出して一定期間後に受け取ることになるため、入学金や前期の授業料など初期費用は一時的に支払わなくてはなりません


また、条件も厳しくなっているので、自分の家庭が当てはまるのかよく調べてみることが必要です。

月々の「子育て費用」まとめ

ここまでは子育て費用を中心に見てきました。


この記事のポイントは、

  • 月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳
  • 月々の「子育て費用」金額は子どもの年齢で変わる
  • 月々の「子育て費用」金額は高校生・大学生は公立か私立かで変わる
  • 子育ての資金はどうする?「子育て費用」で使える助成金を紹介
でした。

子育てには多くのお金が必要になります。

それには学校に通うための教育費だけでなく、日常生活のための養育費も含まれています。

できるだけ安くしようと節約しようとしても、自分一人ではどうすればいいのかわからない人が大半でしょう。

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