
「子育て費用は月々いくら必要なの?」このような疑問を持つママさん・パパさんは多いでしょう。そこで本記事では、月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳、年齢別の子育て費用、子育てで使える助成金の一覧をまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
目次を閉じる「子育て費用」は月々いくらかかる?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、20代女性の方からこんな質問をいただきました。
子どもが生まれて育児をするようになると、様々なお金が必要となります。
特に初めてのお子さんだと、どれくらいお金がかかるのかわからないので不安ですよね。
そこで、今回の記事では、子育て費用を中心に、
- 月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳
- 月々の「子育て費用」金額は子どもの年齢で変わる
- 月々の「子育て費用」金額は高校生・大学生は公立か私立かで変わる
- 子育ての資金はどうする?「子育て費用」で使える助成金を紹介
について紹介します。
月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳
ここからは月々の子育て費用の内訳とその額を紹介します。
まず、子育て費用の内訳ですが、大きく分けて
- 教育費
- 養育費
- 学校教育費
- 学校外教育費
- 学校外活動費
- 食費
- 衣類
- 生活用品
- 医療費
- 保育費
月々の「子育て費用」金額は子どもの年齢で変わる
ではここからは、内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」をもとに、子育て費用がどれくらいかかるのかを紹介します。
ただ注意したいのが、子どもの年齢によって費用が異なるということです。
そのためここでは、
- 未就学児
- 保育所・幼稚園児
- 小学生
- 中学生
未就学児
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | - | - |
学校外教育費 | 1,300円 | 15,635円 |
学校外活動費 | 1.000円 | 11,449円 |
合計 | 2,300円 | 27,084円 |
未就学児ということで、学校教育費は0円ということになりました。
また、学校外教育費・学校外活動費のような習い事もそこまでお金をかけていないということが分かりました。
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 13,900円 | 166,387円 |
衣類 | 5,700円 | 68,754円 |
生活用品 | 12,500円 | 149,425円 |
医療費 | 1,000円 | 11,867円 |
保育費 | 5,200円 | 62,790円 |
合計 | 38,300円 | 459,223円 |
未就学児と一口に言っても、0歳~6歳まで幅広いです。
ミルクを飲ませないといけない年齢から、おもちゃをほしがる年齢まで様々です。
そうしたことから、食費・生活用品ともに比較的高くなっています。
また、乳幼児も含んでいることから、医療費も比較的高くなっていることがうかがえます。
保育所・幼稚園児
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | - | - |
学校外教育費 | 3,600円 | 43,179円 |
学校外活動費 | 2,600円 | 30,784円 |
合計 | 6,200円 | 73,963円 |
保育所・幼稚園では、学校教育費でなく保育費が加算されます。
そして、施設外での習い事も増え始め、未就学児に比べると学校外での出費が高まっています。
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 18,700円 | 224,627円 |
衣類 | 5,500円 | 66,462円 |
生活用品 | 7,700円 | 92,522円 |
医療費 | 1,100円 | 13,462円 |
保育費 | 31,600円 | 379,407円 |
合計 | 64,600円 | 776,480円 |
先ほど述べたように、保育費が加算されるので、かなり高くなっています。
そして、子どもの成長により、食費も増えています。
小学生
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 8,800円 | 105,242円 |
学校外教育費 | 8,800円 | 106,089円 |
学校外活動費 | 7,900円 | 94,985円 |
合計 | 25,500円 | 306,316円 |
小学校に入るので、初めて学校教育費が加算されます。
とはいっても、義務教育で授業料は無償化されるので、そこまで高いわけではありません。
その一方で、習い事がこれまでにないほど高くなっています。
これは小学校に入るにあたり、習い事をさせる家庭が一気に増えて、その分平均値も上がったことが背景にあります。
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 23,200円 | 278,294円 |
衣類 | 5,700円 | 68,970円 |
生活用品 | 7,000円 | 83,419円 |
医療費 | 1,800円 | 21,791円 |
保育費 | 1,600円 | 19,268円 |
合計 | 39,300円 | 471,742円 |
子どもが成長することにより食費は着実に増えていっています。
また、この表では、小学校にもかかわらず保育費が加算されていますが、これは学童保育のようなものを指します。
中学生
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 22,800円 | 274,109円 |
学校外教育費 | 20,700円 | 248,556円 |
学校外活動費 | 4,800円 | 57,337円 |
合計 | 48,300円 | 580,002円 |
ここで初めて学校外教育費が急激に高くなりました。
その理由は、中学校で学習塾に通わせる家庭が増えるためです。
特に中学校三年生になるとほとんどの家庭が通わせるため、かなり高くなっています。
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 29,700円 | 356,633円 |
衣類 | 6,400円 | 76,507円 |
生活用品 | 8,100円 | 97,139円 |
医療費 | 1,900円 | 22,624円 |
保育費 | - | - |
合計 | 46,100円 | 552,903円 |
おしゃれをする子供が増えるためなのか、衣類の費用が今までより少しだけ高くなっています。
月々の「子育て費用」金額は高校生・大学生は公立か私立かで変わる
次は高校生・大学生にかかる費用です。
この年代では、国公立・私立に入るかで費用が大きく変わるため、
- 【高校】公立高校の場合
- 【高校】私立高校の場合
- 【大学】国立大学の場合
- 【大学】公立大学の場合
- 【大学】私立大学
【高校】公立高校の場合
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 23,400円 | 280,487円 |
学校外教育・活動費 | 14,700円 | 176,893円 |
合計 | 38,100円 | 457,380円 |
高校生になると、部活動が本格化し、それに伴いその費用も高くなってきます。
そうしたことから、学校外活動費が今まで以上に必要となるでしょう。
また、学校外教育に関しては、予備校に通う生徒と自学で勉強する生徒に分かれるため、そこまで高いわけではありません。
養育費
養育費に関しては統計がなかったので、表を作成できませんでした。
ただ、この記事では「中学校の養育費」と「大学の養育費」を明らかにしているので、その中間をイメージしていただくといいかもしれません。
【高校】私立高校の場合
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 59,900円 | 719,051円 |
学校外教育・活動費 | 20,900円 | 250,860円 |
合計 | 80,800円 | 969,911円 |
私立高校は学校教育費が非常に高いです。
その分、構内の施設が整っているので、公立ではあまり見られない部活動があることもあります。
もっともそうした部活動は珍しい分、高額な部活動費を請求することもあります。
例えば、筆者の親族が所属しているスキー部では、部活動費で年間50万も必要となると聞きました。
私立高校に通うなら、部活動費のことも頭に入れておく必要があります。
養育費
養育費に関しては統計がなかったので、表を作成できませんでした。
同様に、中学校と(私立)大学の中間をイメージするとよいでしょう。
【大学】国立大学の場合
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 40,700円 | 488,200円 |
学校外活動費 | 4,200円 | 50,100円 |
合計 | 44,900円 | 538,300円 |
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 19,600円 | 235,600円 |
衣類 | 不明 | 不明 |
生活用品 | 12,500円 | 149,400円 |
医療費 | 3,000円 | 36,400円 |
合計 | 35,100円 | 421,400円 |
国立大学は学費が安く、資金面でのゆとりがあります。
そのため、学校外活動費や食費にお金をかけられるため、ほかの大学に比べると高くなっています。
【大学】公立大学の場合
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 43,200円 | 518,800円 |
学校外活動費 | 2,200円 | 26,800円 |
合計 | 45,400円 | 545,600円 |
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 15,200円 | 183,000円 |
衣類 | 不明 | 不明 |
生活用品 | 12,600円 | 150,700円 |
医療費 | 3,200円 | 38,100円 |
合計 | 31,000円 | 207,100円 |
公立大学も国立大学と同じく学費が安いため、他のものにお金を使えます。
【大学】私立大学
それぞれの費用を表にしたので、参考にしてください。
教育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
学校教育費 | 88,300円 | 1,059,400円 |
学校外活動費 | 2,800円 | 34,100円 |
合計 | 91,100円 | 1,093,500円 |
養育費
種類 | 月額 (十の位で四捨五入) | 年間 |
---|---|---|
食費 | 13,800円 | 165,600円 |
衣類 | 不明 | 不明 |
生活用品 | 12,300円 | 147,300円 |
医療費 | 3,300円 | 39,200円 |
合計 | 29,400円 | 352,100円 |
私立大学は最も学費が高いので、資金面でのゆとりがありません。
そのため、食費・生活用品ともに最も安くなっています。
子育ての資金はどうする?「子育て費用」で使える助成金を紹介
ここまでステージごとに子育て費用を紹介してきました。
未就学児から大学までかなりの費用が掛かることを理解していただけたかと思います。
この費用を払えるかどうか不安という方がいるかもしれません。
ここからはそうした方向けに、子育て費用として使える助成金を、
- 児童手当
- 幼児教育・保育の無償化
- 子ども医療費助成
- 高等学校等就学支援金
児童手当
小学校・中学校に関しては児童手当があるので、ある程度費用を補填することができます。
児童手当の条件には、
- 児童の年齢
- 扶養親族等の数
- 所得制限限度額・収入額
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 収入額の目安 |
---|---|---|
0人
(前年末に児童が生まれていない場合等) | 6,220,000円 | 8,333,000円 |
1人
(児童1人の場合等) | 6,600,000円 | 8,756,000円 |
2人
(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等) | 6,980,000円 | 9,178,000円 |
3人
(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等) | 7,360,000円 | 9,600,000円 |
4人
(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等) | 7,740,000円 | 10,020,000円 |
5人
(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等) | 8,120,000円 | 10,400,000円 |
児童の年齢 | 児童手当の額(一人あたり月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上 小学校修了前 | 10,000円 (第3子以降は15,000円) |
中学生 | 一律10,000円 |
幼児教育・保育の無償化
2019年10月1日、「幼児教育・保育の無償化」政策がスタートしました。
これによって、幼児教育・保育の期間にかかる費用をかなり抑えることができるようになりました。
ただ、すべての人が同じ額を支給されるのでなく、条件によって支給額が変わります。
以下の表を参考にしてください。
保育園
0~2歳児 | 3~5歳児 | |
---|---|---|
住民税非課税 | 無料 | 無料 |
年収360万円未満 | 有料 | 第一子が通園している・していないに関わらず、
第2子は半額、第3子以降は無料 |
年収360万円以上 | 有料 | 通園している第1子とカウントし、 第2子は半額、第3子以降は無料 |
幼稚園
- 就労(フルタイム、長時間のパートタイム、夜間すべて)
- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、傷害
- 同居または長期入院している等の親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動
- 就学
- 虐待やDVのおそれがあること
- 育児休業取得時に、すでに保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
- その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
子ども医療費助成
子ども医療費助成は、児童手当と同じく、自治体によって支給額や条件が異なります。
ここでは一例として、札幌市を例に挙げます。
対象
- 札幌市に住民登録をしていること
- 公的医療保険(社会保険、国民健康保険など)に加入していること
- 中学校修了前(15歳に達する日以後、最初の3月31日まで)であること
- 保護者の所得の高い方の前年の所得が限度額未満であること
扶養親族数 | 所得限度額 | 給与収入に換算した目安 |
---|---|---|
0人 | 6,220,000円 | 8,330,000円 |
1人 | 6.600,000円 | 8,750,000円 |
2人 | 6,980,000円 | 9,170,000円 |
3人 | 7,360,000円 | 9,600,000円 |
なおそれ以上の扶養親族数は、所得税法上の扶養親族(同一生計配偶者を含む)1人につき、所得限度額に38万円を加算します。
また、老人扶養親族があるときは、一人につき所得限度額に6万円を加算します。
助成内容
0歳~小学生 | 中学生 | |
---|---|---|
住民税非課税 | 通院・入院医療費の自己負担分 (初診料を除く) | 入院医療費の自己負担分 (初診料を除く) |
住民税課税 | 通院・入院医療費の自己負担分
(初診料を除く) | 入院医療費の1割 (限度額がある) |
高等学校等就学支援金
高校生の子どもを持つ家庭向けに、高等学校等就学支援制度を紹介します。
この制度は2014年度に始まったもので、2020年度に改訂されました。
この制度が改訂されてからは、お金のかかる私立学校であっても実質無料にできるケースも出てきました。
ただし、申請のためには、入学後に学校に必要書類を提出して一定期間後に受け取ることになるため、入学金や前期の授業料など初期費用は一時的に支払わなくてはなりません。
また、条件も厳しくなっているので、自分の家庭が当てはまるのかよく調べてみることが必要です。
月々の「子育て費用」まとめ
ここまでは子育て費用を中心に見てきました。
この記事のポイントは、
- 月々にかかる「子育て費用」教育費・養育費の内訳
- 月々の「子育て費用」金額は子どもの年齢で変わる
- 月々の「子育て費用」金額は高校生・大学生は公立か私立かで変わる
- 子育ての資金はどうする?「子育て費用」で使える助成金を紹介