イデコは2022年の法改正でどう変わる?どんな影響があるの?のサムネイル画像

「イデコの2022年の法改正について知りたい」「企業型DC加入者にどんな影響があるの?」このような悩みを抱える人は多いでしょう。そこで本記事ではイデコの2022年の主な改正内容やその影響、会社員のメリットについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

この記事の目次

目次を閉じる

イデコ(iDeCo、確定拠出年金)は2022年の法改正でどう変わるの?

こんにちは、マネーキャリア編集部です。


先日60代男性からこんな質問をいただきました。


銀行から60代でもiDeCoに入れるようになると言われたのですが、どういうことでしょうか。


確かに以前まではiDeCoの加入は60歳までと決まっており、60歳以降に加入することは不可能でした。


ところが、2022年の法改正によって60代でも加入できるようになります。


このように法改正によってiDeCoの制度は大幅に変わることが決定しています。


具体的にどう変わるのかを中心に、

  • イデコの2022年の主な改正内容
  • イデコの2022年の改正でどんな影響がある?
  • イデコの2022年の法改正で会社員にどんなメリットがある?
  • 企業型DC加入者は2022年の法改正でどう変わる?
  • 資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由
について解説していきたいと思います。

イデコの2022年の主な改正内容

そもそもiDeCoの法改正が進むきっかけとなったのは、2020年5月29日に成立した「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」でした。


この法律案によって、

  • 被用者保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大
  • 在職中の年金受給の在り方の見直し(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)
  • 受給開始時期の選択肢の拡大
  • 確定拠出年金の加入可能要件の見直し
などが実行される運びとなったのです。

これをもとにiDeCoも2022年から改正されるようになりました。

ここからは2022年の法改正の具体的な内容を、

  1. 受給開始時期の選択肢の拡大(4月)
  2. 加入可能年齢の拡大(5月)
  3. 企業型DC加入者のiDeCo加入条件緩和(10月) 
という流れで解説します。

注目すべきポイントは、「これまでとどう違うのか」というところです。

現行制度の条件と合わせて解説するので、改正後と比較してみてください。

①受給開始時期の選択肢の拡大(4月)

まず2022年4月からは受給開始時期の選択肢が広がるようになります。


具体的に言うと、

  • 現行制度では60歳以降70歳までに受け取りを開始しなくてはいけない
  • 改正後は60歳から75歳までに受け取りを開始すればいい
ことになりました。

なぜ改正されたのかいというと、60歳で退職せずに働き続けるという人に配慮したためです。

同じく公的年金も75歳まで延長されることもあり、これからは年齢にとらわれない多様な働き方が広がることが予想されます。

この法改正もそれを見越したものでしょう。

②加入可能年齢の拡大(5月)

2022年5月からは加入可能年齢が延長されるようになります。


この改正が一番注目されていて、これまで対象外で加入できなかった人を取り込む狙いがあります。


具体的に言うと、

  • 現行制度では60歳までしか加入できない
  • 改正後は65歳まで加入できるようになる(条件あり)
ことになりました。

ただし注意しなくてはいけないのは「誰でも65歳まで加入できるようになるわけではない」ということです。

60歳を超えて加入するには各種条件があります。

その条件とは、
  • 国民年金被保険者であること(任意加入被保険者でも可能)
  • iDeCoの老齢給付金を受給していないこと
  • 公的年金を65歳より前に繰上げ受給していないこと
となっています。

これらの条件を満たした場合にようやく60歳を超えても加入が認められます。

またただ単に加入できる年齢が広がっただけでなく、それに伴って掛金拠出できる期間が延長されたことにも着目すべきです。

これまでだと60歳からは掛金拠出がストップして、今ある分で運用するしかありませんでした。

しかし改正後は65歳まで掛金拠出できるので、その分積立金も増やすことができます。

例えば毎月1.5万円の掛け金を拠出していたとしたら、5年間で90万円多く積立できることになります。

これは非常に大きいメリットなので、この改正が一番注目されているのです。

③企業型DC加入者のiDeCo加入条件緩和(10月)

2022年10月からは企業型DC加入者であってもiDeCoに加入しやすくなります。


具体的に言うと、

  • 現行制度では会社が認めていなければ、企業型DCとiDeCoの併用は認められなかった
  • 改正後は会社に関係なく、自由に併用できるようになる
ことになりました。

現在では企業型DCの加入者は約750万人と言われており、そのうちほとんどの人がiDeCoの加入を諦めざるを得ませんでした。

しかしこの改正によって、誰でも併用できるように変わりました。

ただし注意しなくてはいけないのは「マッチング拠出とiDeCoの併用は依然認められていない」ということです。

それでも、企業型DCしか加入できなかったかなり多くの人がiDeCoに加入できるようになる改正となりました。

イデコの2022年の改正でどんな影響がある?

ここからはiDeCoの2022年の法改正でどのような影響があるのかを、

  1. 75歳から受け取ることもできる
  2. 海外に転居する人も使いやすくなる
  3. 企業年金とイデコで資金を動かしやすくなる
という流れで紹介します。

①75歳から受け取ることもできる

まず年金受取年齢の拡大によって、75歳からでも受け取れるようになります。


受取年齢が伸びることのメリットとしては、

  • 一度に受け取る年金の額を増やせる
  • もっと長い間働き続けられる
  • もっと長い間iDeCoの運用ができるようになる(ただし新たに掛金拠出できないので注意)
などがあります。

それに対して、
  • もし早く亡くなってしまうと、65歳から受け取っていた場合と比べて年金総額の受取額が減少してしまう
という最大のデメリットがあります。

これまでより5歳も伸びるということで、かなりライフプランが変わります。

しかしデメリットを踏まえると、今まで以上にきちんとしたライフプランを設計しておくことが必要となります。

②海外に転居する人も使いやすくなる

法改正によって、海外移住した人もiDeCoに加入できるようになります。


ただし、いくつか条件があって、

  • 国民年金に加入している
  • 国内法人に勤めながら海外赴任する(厚生年金被保険者のまま転勤する)
  • 社会保障協定の締結先18ヵ国で短期就労(5年未満)を行う(別途申請が必要)
ことが前提となっています。

それでもこれまでは海外に転居したらiDeCoに加入できなくなっていたので、海外転勤が多い方でもかなり使いやすくなります。

③企業年金とイデコで資金を動かしやすくなる

法改正によって、企業型DCとiDeCoの間で資金の移換がしやすくなります。


最も移換することが多いのは、

  • 就職
  • 転職
といったケースです。

現行制度では就職や転職のために資金を移換しようと思っても、なかなか思うようにいきませんでした。

そのせいでiDeCoに加入するのをためらってしまっていた人も少なからずいたでしょう。

しかしこの法改正によって移換しやすくなり、気兼ねなくiDeCoに加入できるようになるので、ますます加入者が増えることが予想されます。

イデコの2022年の法改正で会社員にどんなメリットがある?

ここまではiDeCoの改正内容に着目して解説してきました。


法改正によって様々なメリットがあることを確認できました。


ただあくまで一般論であるため、本当にそのメリット受けられるのか不安に思った方もいるかもしれません。


そこでここからはどういうメリット受けられるのかをシミュレーションによって確かめたいと思います。


ここでは

  • 60歳の会社員
  • 64歳まで働くつもり
を前提とします。

現行制度では60歳になるとiDeCoに加入できなかったので、60歳で会社員の方ならもう加入を諦めなければいけませんでした。

しかし法改正によってまだ加入できるようになります。

もっとも法改正されたといっても、たったの5年間なので意味ないとお考えの方もいるかもしれません。

しかしこの5年間は非常に大きいです。

その理由は、
  • 積立金を積み増しできる
  • 掛金の所得控除をもっと受けられる
  • 50代でiDeCoに新規加入するデメリットがほとんどなくなる
といったことがあるからです。

一つ目の積立金の積み増しは、単純に5年分掛金が拠出できるようになるので、その分増えるということです。

二つ目の掛金の所得控除とは、iDeCoのメリットである税制優遇制度に基づいたものです。

iDeCoでは掛金を払ったとしても、後からその分の課税所得を減らすことができます

つまり、実質掛金分の所得を得たことになります。

iDeCoは、お金を支払っているのに、損失にならないというこの最大のメリットが特徴です。

この所得控除を60歳を超えても受けられるので、法改正は非常に大きいです。

三つ目に挙げた50代で新規加入するデメリットがほとんどなくなるとは、
  • iDeCoの年金を受け取るためには、10年間の加入期間が必要
という特徴によるものです。

その10年間は、掛金拠出・運用するだけの期間を含みます。

この10年間でiDeCo税制優遇のメリットを最大まで活かすためには、できるだけ長く掛け金を拠出する必要があります

ただiDeCoに加入できなくなる年齢(現行:60歳、改正後:65歳)を過ぎれば、掛金を拠出できず、運用しかできなくなります。

この「10年間の加入期間」と「iDeCoに加入できなくなる年齢」に注目して、現行と改正後でどう違うのかを以下の表で確認してみましょう。

現行改正後
~49歳60歳まで10年以上あるので、10年以上掛金拠出が可能65歳まで10年以上あるので、10年以上掛金拠出が可能
50~54歳数年間は掛金を拠出して、後は運用する
65歳まで10年以上あるので、10年以上掛金拠出が可能
55歳~59歳ほんの少しの間だけ掛金を拠出できる数年間は掛金を拠出して、後は運用する
60~65歳iDeCoに加入できない ほんの少しの間だけ掛金を拠出できる

つまり、現行のiDeCoだと、50代前半から若干利益が減って、50代後半だとほとんど利益を受けられませんでした。

それに対し、改正後は50代前半でも問題なく利益を受けられて、50代後半になってようやく利益が減る程度で収まるようになるのです。

このことから、法改正によって50代でiDeCoに加入するデメリットがほとんどなくなるといえます。

また、60歳を超えても若干の利益を受けられるので、60歳の会社員の方であっても加入する選択肢が広がったのはありがたいです。

このように、5年間延長されることで、60歳を超えてもまだまだ働いて老後資金を増やそうと思っている人に非常にありがたい制度となりました。

この5年間を有効活用することで、以前よりももっと豊かな老後資金を確保できるようになるでしょう。

そして65歳で会社を退職したとしても、75歳まで多くの積立金を運用してもっと増やす生活もできます。

もしくは退職後、海外に移住して海外生活を楽しみながら、iDeCoの運用を続ける生活もいいかもしれません。

以上のように、法改正によって、実に多くのメリットを受けられることが分かりました。

企業型DC加入者は2022の法改正でどう変わる?

ここからは企業型加入者の方に焦点を当てて、2022年の法改正でどのように変わるのかを、

  • 企業型DC加入者のマッチング拠出
  • 企業型DC加入者のイデコ同時加入
に分けて解説してきたいと思います。


企業型DC加入者のマッチング拠出

そもそも現行のiDeCoでは、マッチング拠出を採択している企業に就職・転職した場合、問答無用でマッチング拠出に加入させられるようになっていました。


たとえiDeCoに加入していたとしても、マッチング拠出が優先されていました。


ところが、法改正によって、マッチング拠出を採択している企業に就職・転職した場合であっても、マッチング拠出かiDeCoかを選べるようになります


すでにiDeCoに加入している人なら、わざわざマッチング拠出に加入する必要がなくなったのです。


ただし、相変わらずマッチング拠出とiDeCoの併用は未だ認められていないので、どちらかを選ばなければいけません。


幸いマッチング拠出もiDeCoも似通っている部分があるので、気に入った方に加入するようにしましょう。

企業型DC加入者のイデコ同時加入

そもそも現行のiDeCoでは、企業型DCに加入している人で、iDeCoも加入しようとするのは非常に困難でした。


なぜなら、企業型DCとiDeCoの併用のためには、

  • 会社の規約を変更する
  • 企業型DCの掛金を減らす
といった面倒な申請が必要となっていたからです。

そのため会社に申請してもほとんど認められないという現実がありました。

ところが、法改正によって、こうした申請を無視して本人の意思だけでiDeCoを併用できるようになります。

ただし、
  • 企業年金の有無に応じたiDeCoの限度額以内
  • 企業型DCの会社掛金とiDeCoの掛金の合計が、企業型DCの限度額以内
といった条件を満たさなければいけません。

それでも今まで認められなかった併用ができるようになったという点で、かなり便利になったと言えるのではないでしょうか。

資産運用について迷ったらお金のプロに相談すべき理由

今までお伝えしてきたように、iDeCoの法改正は非常に多くの人にメリットをもたらすものでした。


この法改正によって、現行の制度では加入できなかった人が加入するケースが増えることが予想されます。


その一方で法改正されたからと言って、やっぱりiDeCoに加入するのは心配という方もいるかもしれません。


確かにiDeCoは個人で加入する制度なので、自分から決断するしかなく、決めづらいですよね。


そうした人を後押ししてくれるのが、FP(ファイナンシャルプランナー)相談です。


FP相談では、お金のことならなんにでも相談に乗ってくれます。


とはいえ、一口にFP相談といっても世の中にはごまんとあり、どれがいいのか迷ってしまいがちです。


ここでおすすめしたいのは、マネーキャリアのFP相談です。


マネーキャリアには、

  • 納得いくまで何度でも無料相談
  • 3000名のFPが登録されている
  • 満足度は93%
  • スマホで気軽にオンライン相談可能
などのメリットがあるので、非常におすすめです。

自分一人で悩んでしまうよりも、FP相談を活用して豊かなライフプランを実現しませんか。

とにかく一度検討してみてはいかがでしょうか。

マネーキャリアの無料FP相談の詳細はコチラ

イデコの法改正で使い方の幅が広がる

ここまでは2022年の法改正でiDeCoがどう変わるのかを中心に見てきました。


この記事のポイントは、

  • イデコの2022年の法改正で、「加入年齢」・「年金受取開始年齢」・「企業型DCとの同時加入の条件」の3点が変わる
  • イデコの2022年の法改正で、「75歳まで年金受取の延長」・「海外生活でのiDeCo利用」・「企業型DCとの移換作業の簡略化」の3つのことが可能になる!
  • イデコの2022年の法改正で会社員なら、「積立金を積み増しできる」・「 掛金の所得控除をもっと受けられる」・「 50代でiDeCoに新規加入するデメリットがほとんどなくなる」という3つのメリットが受けられる
  • 企業型DC加入者は、「iDeCoとの同時加入」・「マッチング拠出とiDeCoの選択」ができるようになる!
  • 資産運用について迷ったらマネーキャリアのFP相談がおすすめ
でした。

先ほどお伝えしたように、FP相談によって抱えている問題を解決するのは非常に大切です。

iDeCoの法改正に関しても、マネーキャリアのFP相談で納得いくまで何度でもご説明します。

もちろんiDeCo以外の質問であっても対応可能です。

例えば、
  • 保険
  • 年金
  • 投資
  • 貯金
などについても丁寧にサポートしていきます。

少しでもマネーキャリアに興味を持たれたという方は、下のボタンからチェックしてみてください。

マネーキャリアの無料FP相談の詳細はコチラ