住宅ローンをご利用中の方でリフォームを検討している方は多く、現在利用中の住宅ローンとさらにリフォームローンを組むのは不安が大きいと思います。そんな方には住宅ローンとリフォームを一括にした借り換えがおすすめです。本記事ではその2つの併用について解説します。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 住宅ローン借り換えとリフォームを一括ですすめた方が良い理由を解説
- 住宅ローン借り換えとリフォームを低金利で借り入れできる
- リフォームローンの特徴について解説
- 10万円と少ない金額からの融資ができる
- 融資期間は6ヶ月〜15年程度と住宅ローンに比べて短い
- 住宅ローンに比べて金利が高い
- 団信がついてないローンがある
- リフォームは住宅ローンの借り換えと合わせてお得【メリットを解説】
- リフォームローンに比べて金利の低い住宅ローンを活用
- ローンの一本化
- 大規模なリフォームは住宅ローンが使える場合もある
- リフォームを上乗せできる条件を確認
- りそな銀行が定める2つの条件
- 新生銀行が定める3つの条件
- 住宅ローン借り換え+リフォームローンのシミュレーション
- リフォームローンともともとの住宅ローンの場合
- 借り換えによるリフォームと住宅ローンの一本化
- 両者では総額100万以上の差が出る
- 住宅ローン借り換えとリフォームローン一括プランのある金融機関を紹介
- 楽天銀行「住宅ローン借り換え×リフォーム一括検討」
- イオン銀行「住宅ローン・リフォーム活用プラン」
- りそな借りかえローン<リフォーム資金セット型>
- みずほ銀行「中古・リフォーム一体型」
- 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス「リフォームローン(プラス借換型)」
- 住信SBIネット銀行
- 住宅ローン借り換えとリフォーム併用の注意点を確認
- 借入金が増えることによる審査
- 着工済み・完了したリフォームは融資の対象にならない
- リフォーム資金と住宅ローンの融資実行日は同一
- 居住している住居しか融資できない場合がある
- 別の金融機関でローンを組んでいると利用できない恐れがある
- 住宅ローン借り換えとリフォーム併用でチェックしておきたい点
- リフォーム代金の上限・下限
- 施工するリフォーム会社の指定があるか
- 融資実行日に指定があるか
- リフォーム費用の見積もり書などの必要書類
- 借り換え後の住宅ローン控除が受けられるかの確認
- 新しい住宅ローン等がもとの住宅ローン等の返済のためだと明らかである
- 新しい住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまる
- 借り換えで借入額が増加したときの住宅ローン控除額の求め方
- 住宅購入はお金のプロに相談すべき理由
- まとめ:住宅ローンの借り換えとリフォームを一括にしよう
住宅ローン借り換えとリフォームを一括ですすめた方が良い理由を解説
- リフォームローンの特徴
- 住宅ローンのおすすめ金融機関
- 住宅ローン借り換えとリフォーム併用の注意点
- 住宅ローン控除が受けられるか
住宅ローン借り換えとリフォームを低金利で借り入れできる
住宅ローンの残債とリフォーム費用を合わせて、住宅ローンの借り換えを検討することをおすすめします。
なぜなら、借り換えであれば、リフォームローンよりも低金利で借り入れできることがあります。
「借り換え」とは、高い金利で組んでいたローンを、より低い金利や有利な条件で組み直すこと。
今回取り上げている「住宅ローン借り換えとリフォームを一括にする」とは、リフォームに関して新たにローンを組むのではなく、現在組んでいる住宅ローンとリフォームローンとまとめてしまおう、というものです。
住み始めてからある程度の年月が経つと、リフォームを検討する方もいらっしゃると思います。
しかし、まだ住宅ローンが残っているけど、リフォームするのにローンを組む必要があると、ためらってしまいませんか?
住宅ローンを契約していると、他に借り入れがあるとされ、リフォームローンの審査に通りにくいこともあります。
そこで、各金融機関で用意している、住宅ローン借り換えとリフォームローンの一括プランを検討してみましょう。
リフォームローンの特徴について解説
リフォームローンの特徴としては、以下が挙げられます。
- 10万円と少ない金額からの融資ができる
- 融資期間は6ヶ月〜15年程度と住宅ローンに比べて短い
- 住宅ローンに比べて金利が高い
- 団信がついてないローンがある
10万円と少ない金額からの融資ができる
リフォームローンは、10万円からでも融資が可能です。
借入限度額は10万円~1000万円が相場であり、住宅ローンに比べて必要な費用が低い分、限度額も低くなっています。
融資期間は6ヶ月〜15年程度と住宅ローンに比べて短い
リフォームローンは、融資期間が6ヶ月〜15年程度と、住宅ローンに比べて短くなっています。
借入限度額が住宅ローンより低い分、融資の期間も短くなっています。
住宅ローンに比べて金利が高い
リフォームローンは、住宅ローンに比べて金利が高いのも特徴です。
借入限度額が短く融資期間も短いので、融資する側としては、金利を高くするのは必然と言えます。
気軽に借りて、返済が長期間に渡ると、存外に高い金額を支払うことになりかねません。慎重に検討してから借りることをおすすめします。
団信がついてないローンがある
団体信用生命保険が付いていないローンがあります。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が返済期間の間に、死亡もしくは高度の障害の状態に陥った場合に適用されます。その保険金で住宅ローンの残高が完済されます。完済後、住宅ローンの返済は不要。
略して「団信」と呼ばれる保険ですが、リフォームローンにはついていない場合があるので、確認してみましょう。
リフォームは住宅ローンの借り換えと合わせてお得【メリットを解説】
- リフォームローンに比べて金利の低い住宅ローンを活用
- ローンの一本化
- 大規模なリフォームは住宅ローンが使える場合もある
リフォームローンに比べて金利の低い住宅ローンを活用
リフォームローンは、住宅ローンに比べて金利が高いことが特徴です。
しかし、リフォーム費用を住宅ローンの借り換えと合わせてしまえば、住宅ローンの金利がリフォーム費用にも適用されることになります。
少しでも金利が低いプランで借りて、お得にリフォームを済ませましょう。
ローンの一本化
大規模なリフォームは住宅ローンが使える場合もある
築年数が経過している住宅では、大規模なリフォームを行う場合もあると思います。大規模なリフォームでは、住宅ローンが使えることがあります。
なぜなら、大規模なリフォームでは、金額が高くなることが予想されるため。
住宅ローンでの借り入れを希望する場合、大規模なリフォームであれば住宅ローンとして借り入れられるかも考えて、金融機関を選ぶことをおすすめします。
リフォームを上乗せできる条件を確認
住宅ローンとリフォーム費用を一緒にすることをおすすめしてきました。しかし、リフォーム費用を上乗せするのにも一定の条件があります。
りそな銀行と新生銀行を例に解説します。
りそな銀行が定める2つの条件
りそな銀行では、以下2点がリフォーム費用を上乗せできる条件になります。
- 現在他の金融機関にて、借り入れしている本人居住用住宅に対する住宅ローンを借り入れ後、2年以上遅延なく返済している
- 瑕疵担保責任法人が登録するリフォーム工事業者、または「増改築工事証明書」の発行可能なリフォーム工事業者によるリフォーム工事
新生銀行が定める3つの条件
- 住宅ローン(住宅購入資金または借換資金)と同時に申し込むこと
- 購入する(または現在居住中)物件に対するリノベーション(リフォーム)であること
- リノベーション(リフォーム)資金と住宅ローンの融資実行が同日であること
住宅ローン借り換え+リフォームローンのシミュレーション
- リフォームローンともともとの住宅ローンの場合
- 借り換えによるリフォームと住宅ローンの一本化
- 両者では総額100万以上の差が出る
リフォームローンともともとの住宅ローンの場合
既に組んでいる住宅ローンと、新規でリフォームローンを併用して借り入れた場合を確認してみます。
リフォームローンは、金利が高く返済期間が短くなります。そのため、リフォームローンを完済するまでは、ローンの返済が重なり、毎月の負担は重くなります。
具体的に金額を以下の通りに当てはめて考えてみましょう。住宅ローンは以下の条件とします。
- 住宅ローンの借入残高:2,500万円
- 残りの返済期間:20年
- 金利:2.5%(全期間固定)
- 返済方法:元利均等返済
リフォームローンは以下の通りとします。
- 借入額:400万円
- 返済期間:10年
- 金利:4.1%
- 返済方法:元利均等返済
リフォームローンが完済するまで、比較的短い期間かもしれません。リフォームローン完済後は少し一息付けそうです。
しかし、それまでは家計が厳しくなるので、気は抜けません。住宅ローンより短い期間とはいえ、10年もあります。その間、家計が圧迫されるのはなかなか厳しいものではないでしょうか。
借り換えによるリフォームと住宅ローンの一本化
借り換えによるリフォーム費用と宅ローンを一本化した場合を確認しましょう。
リフォーム費用に関しても住宅ローンンと同じ返済期間になります。そのため、加算されたリフォーム分が毎月の返済額に及ぼす影響は少なくなります。
実際に具体的な金額を当てはめて考えてみましょう。条件としては、以下で考えてみます。
- 借入額:2,900万円(住宅ローン借入残高+リフォーム費用)
- 返済期間:20年
- 金利:2.0%
- 返済方法:元利均等返済
両者では総額100万以上の差が出る
既存の住宅ローン+リフォームローンの場合と比べて、121万円の差額が生まれます。
もちろん、条件によって金額は異なります。現在組んでいるローンと、借り換えしたい住宅ローンがあれば、それぞれの金融機関で計算してもらうことをおすすめします。
住宅ローン借り換えとリフォームローン一括プランのある金融機関を紹介
住宅ローン借り換えとリフォームローン一括プランのある金融機関を、以下の通りご紹介します。
- 楽天銀行「住宅ローン借り換え×リフォーム一括検討」
- イオン銀行「住宅ローン・リフォーム活用プラン」
- りそな借りかえローン<リフォーム資金セット型>
- みずほ銀行「中古・リフォーム一体型」
- 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス「リフォームローン(プラス借換型)」
- 住信SBIネット銀行
楽天銀行「住宅ローン借り換え×リフォーム一括検討」
楽天銀行には「住宅ローン借り換え×リフォーム一括検討」があります。
楽天のサービスを普段から利用されている方や、楽天銀行を解説している方には、特におすすめです。時期によっては、相談するとキャンペーンで楽天ポイントがもらえることがあります。
ローンの相談は、ZoomやSkypeからも可能です。
最短で26日ほどで融資を受けることができます。
イオン銀行「住宅ローン・リフォーム活用プラン」
イオン銀行には「住宅ローン・リフォーム活用プラン」があります。
住宅ローン借り換えとリフォームローン一括プランだけでなく、中古物件購入とリフォーム資金を借り入れたいケース、リフォーム資金のみの借入も含め、さまざまなニーズに対応しています。また、諸費用も含めて借り入れることが可能です。
借入は最長35年まで可能です。
イオン銀行を開設している方におすすめです。
りそな借りかえローン<リフォーム資金セット型>
りそな銀行には、「りそな借りかえローン<リフォーム資金セット型>」があります。
自宅の担保評価額の最高200%、または担保評価額に最高1,500万円を加えた金額まで、借入れが可能です。
借入は、1年以上35年以内で可能です。
みずほ銀行「中古・リフォーム一体型」
みずほ銀行では「中古・リフォーム一体型」として住宅ローンを提供しています。
中古住宅購入とリフォームの支払い時期が異なる場合や、借り換えとリフォーム費用の支払い時期が異なる場合などは、分割融資で対応してもらえることもあります。
また、リフォーム内容によっては、リフォーム部分の価値も加味して審査します。
借入は、1年以上35年以内で可能です。
三井住友トラスト・パナソニックファイナンス「リフォームローン(プラス借換型)」
三井住友トラスト・パナソニックファイナンスでは「リフォームローン(プラス借換型)」を提供。
借入は、リフォーム費用の最大3倍まで可能です。担保と保証人の設定が原則不要で、保証料と団体信用生命保険料も不要です。
借入は、最長25年まで可能です。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行では、2018/7/13以降に仮審査を申込みした方に限られます。
借換えまでにリフォーム工事が完了し、借換えと同時にリフォーム資金を支払う場合は、住宅ローンをリフォーム資金に利用できます。
住宅ローン借り換えとリフォーム併用の注意点を確認
- 借入金が増えることによる審査
- 着工済み・完了したリフォームは融資の対象にならない
- リフォーム資金と住宅ローンの融資実行日は同一
- 居住している住居しかできない場合がある
- 別の金融機関でローンを組んでいると利用できない恐れがある
借入金が増えることによる審査
借入金が増えることによって審査がきびしくなる可能性があります。
ただし、金融機関によりますので、各機関に相談してみましょう。
着工済み・完了したリフォームは融資の対象にならない
リフォーム資金と住宅ローンの融資実行日は同一
金融機関によって異なる場合もありますが、原則、リフォーム資金と住宅ローンの融資実行日は同じ日です。
ちなみに融資実行までの流れは以下の通りです。
- Webで申し込み
- Web申し込みの情報をもとに、事前審査
(審査結果はメールで通知される場合あり) - 金融機関から申込書類を発送
- 申込書類の記入
- 金融機関が申込書類を受領
- 申込書類により審査
(審査結果がメールや専和で通知される場合あり) - 口座振替依頼書等を提出
- 金融機関から契約書類を発送
- 契約書類を記入
- 融資実行
居住している住居しか融資できない場合がある
別の金融機関でローンを組んでいると利用できない恐れがある
住宅ローン借り換えとリフォーム併用でチェックしておきたい点
住宅ローン借り換えとリフォーム併用でチェックしておきたい点として、以下が挙げられます。
- リフォーム代金の上限・下限
- 施工するリフォーム会社の指定があるか
- 融資実行日に指定があるか
- リフォーム費用の見積もり書などの必要書類
リフォーム代金の上限・下限
金融機関によって、リフォーム代金の上限金額・下限金額に差があります。
先ほどご紹介した金融機関では、三井住友トラスト・パナソニックファイナンスで「リフォーム費用の最大3倍まで」、りそな銀行では「自宅の担保評価額の最高200%、または担保評価額に最高1,500万円を加えた金額まで」となっています。
そもそも自身の希望する金額を融資してもらえるのか、事前に確認しておくとスムーズです。
施工するリフォーム会社の指定があるか
融資実行日に指定があるか
リフォーム費用の見積もり書などの必要書類
融資金額の参考資料として、リフォーム費用の見積もり書を含めた書類が必要になることもあります。
相談が円滑に進められるよう、必要な場合は忘れずに準備しておきましょう。
借り換え後の住宅ローン控除が受けられるかの確認
- 新しい住宅ローン等がもとの住宅ローン等の返済のためだと明らかである
- 新しい住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまる
- 借り換えで借入額が増加したときの住宅ローン控除額の求め方
新しい住宅ローン等がもとの住宅ローン等の返済のためだと明らかである
新しい住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまる
住宅借入金等特別控除の対象に当てはまっている必要があります。
住宅借入金等特別控除は、控除期間が原則10年間。借り換え後の住宅ローンを10年未満で借り入れると、対象要件から外れます。
借り入れによって、住宅ローン控除の期間が延長することはありません。居住の用に供した年、つまり住み始めた年を基準に、一定期間が対象になります。
借り換えで借入額が増加したときの住宅ローン控除額の求め方
- 従来の住宅ローン残高:2,500万円
- 新たな住宅ローン借入高:2,900万円
- 新たな住宅ローンの年末残高:2,840万円
新たな住宅ローンの年末残高×従来の住宅ローン残高÷新たな住宅ローンの借入高
2,480万円×2,500万円÷2,900万円=2,448万円
住宅購入はお金のプロに相談すべき理由
まとめ:住宅ローンの借り換えとリフォームを一括にしよう
本記事では、住宅ローン借り換えとリフォームを一括ですすめた方が良い理由について、以下の通り解説しました。
- 住宅ローンの借り換えとリフォームローンは一括にすると金利が抑えられる
- 住宅ローンの借り換えとリフォームローンを一本化すると、家計管理の面でも楽
- 住宅ローンとリフォームローンを別にすると、返済も割高になってしまう
- 各金融機関で、住宅ローンの借り換えとリフォームローンのプランあり
- 住宅ローンの借り換えとリフォームローンをまとめるには、条件あり
マネーキャリアでは、他にも住宅ローンに関する情報を配信しているので、ぜひご覧ください。