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住宅ローンの金利が上がると、家計に大きな影響を与えます。借換えや繰上げ返済を行い、金利が上がる前に対策をしておくことが重要です。住宅ローンは借入れ額が大きいため、少しの改善で大きな効果を生むことができます。住宅ローンの見直しは、家計改善に繋がります。

記事監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者谷川 昌平
フィナンシャルプランナー

東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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住宅ローンの金利が引き上げられる

大手銀行が5月に住宅ローンの10年固定の基準金利を引き上げました。


要因は、基準金利の指標となる長期金利が上昇したことです。

各銀行とも2013~2014年以来の高水準となっています。今後も金利は上昇していく可能性があり、いずれ変動金利が上がってくることになると、非常に多くの人に影響を与える事になります。


固定金利の方は特に住宅ローンの見直しと、これからローンを組んで住宅購入を検討している方は知識として知っておきましょう。

金利の種類

まずはじめに金利の種類には固定金利型、変動金利型、固定金利選択型の3つあります。

  1. 固定金利型とは:借入れした時から完済まで金利が変わらないタイプです。
    ●メリット
    ・借入れ後に市場金利が上昇しても金利が上がらない
    ・借入れ時にトータルの返済額が確定するので、生活設計がしやすい
    ●デメリット
    ・借入れ後に市場金利が下がっても、金利が下がらない
    ・変動金利型よりも借入れ時の金利が高くなるケースが多い

  2. 変動金利型とは:半年ごとに金利が見直しされるタイプです。
    ●メリット
    ・借入れ後に市場金利が下がった場合には、金利も下がる
    ・借入れ時の金利が一番低い
    ●デメリット
    ・借入れ後に市場金利が上がると、返済額が増加する
    ・借入れ時に返済額が確定しないので、生活設計がしにくい
    ・借入れ後に市場金利が急上昇した時に、未払い利息や元本返済ができないリスクがある

  3. 固定金利選択型とは:一定期間金利が固定されるタイプです。
    ●メリット
    ・固定期間中は金利が変更されないため、返済額が確定する
    ●デメリット
    ・固定期間終了後に、金利が上がる可能性が高い
住宅支援機構の行ったデータによると、約68%の方が変動金利、全期間固定金利の方が約12%、固定期間選択型の方が約20%と言われています。

今回は、すでにローンを組んだ方のうちの約20%程度の方は見直しを検討しても良いのかもしません。

固定金利型や固定金利選択型で引き上げ


この度、10年固定の金利が引き上げられました。10年固定は、固定金利選択型になります。引き上げ幅は、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は前月比で0.15%上昇し、それぞれ3.69%と3.7%となり、みずほ銀行は0.1%上昇し、3.05%となりました。ここで、住宅ローンの金利が上昇した際のシュミレーションを説明いたします。



借入額5,000万円、期間35年、10年固定、ボーナス返済なし、元利均等返済

借入年月2022年4月2022年5月
適用金利0.89%
(基準金利3.54%-2.65%)
1.04%
(基準金利3.69%-2.65%)
毎月返済額
138,594円142,076円

こちらは、三菱UFJ銀行の住宅ローン金利にてシュミレーションをしています。


上記は、4月と5月の10年固定金利の比較の表ですが、0.15%の金利差でも毎月の返済額が大幅に増えていることが分かります。年間の返済額で比較すると、+41,784円になります。住宅ローンは借入額が大きくなることが多いため、金利が少し上がっただけで、返済額が大きく増えてしまうのです。少しの対策で効果を生むことも実感できます。

返済額を少しでも減らすためにできること

住宅ローンの毎月返済額を減らす対策は、家計対策に大きなメリットがあります。

なぜなら、住宅ローンは一般家庭の毎月の支出の中で、一番大きな割合を占めているからです。住宅ローンの返済額を減らす対策をすることで、貯蓄を増やすことができるでしょう。

住宅ローンの借換え

住宅ローンの借換えは、現在残っている住宅ローン残高を、借入れしている銀行以外の銀行から借入れして、借入れ日と同日に、現在借入れしている銀行の住宅ローンを完済するという対策です。

メリットは金利が安くなり、毎月返済額が減少することです。住宅ローンの金利は、各銀行によって様々であり、少しでも安い金利で借入れ対策をすれば、その金利分返済額が少なくなります。


注意点としては、借換えには諸費用が掛かるという点です。住宅ローンでは、抵当権という優先的に債権の弁済を受ける権利を融資物件に設定しますが、それを銀行が変われば、抹消して、別の銀行に設定をする必要があるため、登記費用が掛かるのです。また、その他には融資手数料、保証料、印紙代などもかかります。


これらの諸費用を踏まえて、借換えメリットがある場合には、借換えをした方が良いでしょう。諸費用も含めて、借換えの試算をしておくべきでしょう。

繰上げ返済・ボーナス払い

繰上げ返済は、現在借入れしている銀行に債務者が連絡をして、繰上げ返済をしたい希望の金額を伝えて、銀行によって正確に計算した金額の掲示を受けて、その金額を払うものです。


メリットは、繰上げ返済は住宅ローンの元本を返済することになるので、金利の負担が少なくなることです。ただ、以前は金利が数%の住宅ローンが多くあり、繰上げ返済のメリットが大きくありましたが、現在は住宅ローンの金利が下がっているので、メリットが少ないケースもありますので、注意しましょう。


繰り上げ返済には期間短縮型と返済額軽減型がありますが、それぞれの軽減額は以下の図の通りです。

期間短縮型

期間短縮型  

返済額軽減型

返済額軽減型
引用:繰上返済の基礎知識 : 住宅ローン : 滋賀銀行


注意点としては、繰上げ返済には手数料が掛かることがあるので、気を付けましょう。ただ、現在は繰上げ返済の手数料が無料なネット銀行の住宅ローンも増えているので、そうしたところでは、手数料を気にせずに、繰上げ返済の対策ができます。

住宅ローンは大きな金額が関わっている!少しでもお得な選択をしよう!

住宅ローンは大きな金額なため、金利が少しでも安くなるように対策すれば、毎月の返済額を減らすことができます。少しの対策が大きな効果を生むことがあるのです。これからも、住宅ローン金利は上昇していく可能性があり、今のうちに対策をすると安心かもしれません。