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遺族年金は、妻が受取る場合と夫が受取る場合の条件に違いがあります。大切な家族の為に、遺族年金の受け取り条件について確認しましょう。

監修者「谷川 昌平」

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

働く妻が亡くなっても、夫は遺族年金を受給できないかもしれません…


かつて、「夫は仕事、妻は家庭を守る」「一家の大黒柱はお父さん」といった認識が当たり前でした。しかし今現在、専業主婦よりも共働きの家庭の方が多くなり、中には「夫婦どちらか一方の収入だけでは生活できない」「大黒柱はお母さん」といった家庭も珍しくなくなりました。 そんな中、妻に万が一のことがあった場合でも、夫が受給することができる遺族年金は限定的、もしくは、受給できないといった可能性もあります。 この記事では、遺族年金を受給する為の条件や、妻の万が一の場合への備え方をお伝えします。    

遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金または厚生年金の被保険者が亡くなった際に、その人に生計を維持されていた遺族の生活を保障する為に支給される年金です。 遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、亡くなった方の年金の加入状況などによって、どちらか一方または両方の年金を受け取ることができます。 

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が亡くなった際に、「亡くなった方に生計を維持されていた子のある配偶者」または「亡くなった方に生計を維持されていた子」が受け取ることのできる年金です。「亡くなった方に生計を維持されていた」と「子」がいることが受給の条件です。 「子」とは、18歳到達年度の末日(3月31日)までの子、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子のことを指します。

 「生計を維持」の条件とは… 
  •  生計を同じくしていること(別居の場合でも、仕送りの事実や健康保険の扶養親族であること等が認められること)
  • 前年の収入が850万円未満(または所得が655万5千円未満)であること  

遺族基礎年金を受給することのできる「配偶者」の性別は問われていませんので、子がいることと収入の条件を満たせば、夫でも妻でも受け取ることができます。 

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者が亡くなった際に、「死亡した方に生計を維持されていた遺族」が受け取ることができる年金です。子の有無は受給の条件になりません。 受給できる遺族は以下のようになります。


 1.)妻(子のない30歳未満の妻は、5年間のみ受給できる)
 2.)子(18歳到達年度の末日3月31日までの子、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子)
 3.)夫(死亡当時に55歳以上である方)
 4.)父母(死亡当時に55歳以上である方)
 5.)孫(18歳到達年度の末日3月31日までの子、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子) 
 6.)祖父母(死亡当時に55歳以上である方) 生計維持の条件は、遺族基礎年金と同じです。

【遺族の優先順位】

妻が万が一の際、夫は遺族厚生年金を受け取れないかもしれません

上記の通り、妻の死亡時に夫が遺族厚生年金を受け取るには、夫が55歳以上であることが条件です。 夫が55歳未満でも、子がいる場合にはその子が受給できますが、子が18歳までと限定的です。 妻の収入が家計の維持において大きな役割を担っている場合、妻に万が一のことがあった場合のことも考えておかなければいけません。

妻に万が一の事があった場合にも備えましょう

公的年金だけでは足りない部分を補ってくれるのが、民間の生命保険です。
かつて生命保険といえば、一家の大黒柱である夫だけが加入することが一般的でした。 現代は共働きが当たり前の時代です。妻も家計における役割を大きく担っているのであれば、万が一の場合への備えは必ず必要です。 
 専業主婦のご家庭であっても、家事・育児のほとんどの役割は妻が担っているかと思います。その妻に万が一のことがあった際には、夫が家事・育児の為に仕事をセーブすることとなり、収入が下がる可能性も多い考えられます。 
 妻が働いているかいないかに関わらず、万が一のことがあった場合に夫や子供の生活を守ることができるよう、収入保障保険や定期保険などで備えてみてはいかがでしょうか?