公的年金は老後に受け取るものだと考えている人もいるのではないでしょうか。実は年金には3種類の受け取り方があります。今回の記事では、公的年金の制度と3種類の受け取り方について解説しています。受給要件を満たすことで年金を受け取れますので、是非最後までご覧ください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
公的年金とは?どんな種類がある?
公的年金の制度は時代とともに変化を続けてきましたが、2023年現在、日本の公的年金制度は2階建ての構造となっています。
それぞれの公的年金を見ていきましょう。
- 国民年金
- 第1号被保険者:自営業者やフリーランス、農業、漁業などで働いている人
- 第2号被保険者:会社員や公務員など
- 第3号被保険者:厚生年金や共済組合に加入している人に扶養されている配偶者
- 厚生年金保険
年金を受給できるのは老後だけじゃない
公的年金の受給方法 | 公的年金の受給要件 | 公的年金の受給額 |
---|---|---|
老齢年金 | 65歳を過ぎたとき ※繰上げ受給や繰上げ受給あり | 厚生年金の加入期間に応じて変動 |
障害年金 | 病気がけがをして一定の要件を満たしたとき | 厚生年金の加入期間に応じて変動 |
遺族年金 | 被保険者が亡くなったとき | 厚生年金の加入期間に応じて変動 |
上記3種類の公的年金の受け取り方について、1つずつ詳細を解説していきます。
老齢年金
- 老齢基礎年金
- 老齢厚生年金
障害年金
- 障害基礎年金
65歳未満で法令によって定められた障害者等級表に該当する症状があるときに受け取れます。
20歳未満や60~65歳の人については、国民年金に加入していなくても受給できます。
ただし、初診日の前日時点で以下の要件のどちらかを満たしている必要がある点には注意が必要です。
- 初診日の2カ月前までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上納付をしていることもしくは納付が免除されていること
- 初診日に65歳未満であり、初診日の2か月前までの1年間保険料を納付していること
保険料の納付が滞っている人は対象外になるということですね。
他の人が支払をしている中で支払いをせず、お金だけ受け取ることができないのは当然のことではありますが、覚えておきましょう。
- 障害厚生年金・障害手当金
障害基礎年金と同様の要件を満たす場合に、厚生年金の加入期間などに応じて上乗せされて年金を受け取れます。
また、障害手当金は初診日から5年以内に病気やけがが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害で合った場合に受け取れます。
障害認定日に軽い症状だったとしても、月日の経過とともに状態が重くなった場合に受け取れる場合がありますので、覚えておきましょう。
遺族年金
公的年金の三つ目の受け取り方は、遺族年金です。
遺族年金は、被保険者が亡くなったときに遺族が受け取れるもので、以下の2種類があります。
- 遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者であった人が亡くなった場合に、亡くなった人により生計を維持していた子どものいる配偶者もしくは子どもが受け取れます。
ここでいう「子ども」とは、18歳になる年度の3月31日までが条件として挙げられ、以下の要件に該当していない人のことを指します。
- 婚姻している
- 胎児(※出生以降に受給対象)
- 遺族厚生年金
遺族厚生年金は、遺族基礎年金と同様の要件を満たす場合に、亡くなった人の厚生年金の加入期間などに応じて上乗せされて年金を受け取れます。
まとめ
今回の記事では、公的年金の種類について紹介しました。
日本の公的年金制度は2段階になっていて、国民年金と厚生年金から成り立っています。
その中で、年金は老後に受け取る老齢年金だけではなく、障害年金と遺族年金といった全部で3種類の受け取り方があります。
それぞれの受け取り方について細かい条件などはありますが、公的年金について知っているのと知らないとでは受け取れる年金額も変わってきます。
公的年金に限った話ではありませんが、お金に関するさまざまな知識や情報については日頃からアンテナを高く張っておくことが大切です。