- 会社を経営している人
- 何らかの保険に入ることを検討している人
- 万が一の際に事業保障を受けたい人
- 役員や幹部の退職金を積み立てておきたい人
- 経営者保険とは企業内の経営者や役員が加入する保険のこと
- 長期平準定期保険や養老保険、医療保険やがん保険など様々な種類がある
- 経営者保険にはメリット・デメリットどちらもあるので確認が必要
- 経営者保険の加入に悩んでいるならマネーキャリアに相談を!
経営者保険とは、経営者に万が一何かあった際の保障がある保険のことで、キーマン保険や役員保険とも呼ばれています。経営者保険には長期平準定期保険や養老保険、医療保険などの種類があり、保険によっては事業保障や事業承継対策になります。
この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 経営者保険とは何?
- 経営者保険の種類と特徴6選
- 経営者保険の種類①:長期平準定期保険
- 経営者保険の種類②:逓増定期保険
- 経営者保険の種類③:養老保険
- 経営者保険の種類④:終身保険
- 経営者保険の種類⑤:医療保険
- 経営者保険の種類⑥:がん保険
- 経営者保険に入る3つのメリット
- 経営者保険のメリット①:万が一何かあった際の事業保障がある
- 経営者保険のメリット②:事業承継対策になる
- 経営者保険に入る2つのデメリット
- 経営者保険のデメリット①:資金繰りが悪くなる可能性がある
- 経営者保険のデメリット②:タイミングによって解約金額が少なくなる
- 経営者保険の選び方のポイントは何を重視するのかが大切
- 法人保険に節税効果はないので注意
- 法人保険の活用事例集
- まとめ:経営者保険が必要かどうかマネーキャリアのプロに相談!
経営者保険とは何?
経営者保険とは、企業内の経営者や役員、幹部の人が加入する保険です。法人保険やキーマン保険、役員保険と呼ばれることもあります。
ある程度の利益を得ている企業は安泰だと思われがちですが、突然経営者や役員などの重要なポストの人が病気になる恐れがあります。
重要ポストに穴が開くと経営が傾き、一気に状況が悪化するかもしれません。経営者保険は状況が悪化したときのお守り代わりになるものです。
経営者保険に加入しておけば、加入者に万が一のことがあった際に起こりうる損害を補填してもらえます。
経営者保険は個人向けの生命保険と同じように、加入者に何かあった際に保険金で手助けをしてくれます。万が一のことを考えるなら、早めに加入しておいた方がいいでしょう。
経営者保険の種類と特徴6選
企業経営者が加入できる保険には様々な種類があります。保険の種類によって特徴が異なるため、加入前にどのような種類があるかを押さえておきましょう。
経営者保険には以下のような種類があります。
- 長期平準定期保険
- 逓増定期保険(ていぞうていきほけん)
- 養老保険
- 終身保険
- 医療保険
- がん保険
経営者保険の種類①:長期平準定期保険
長期平準定期保険は、最長99歳まで保険期間が続く特徴を持ちます。名前に平準が含まれている通り、保険金額は加入後ずっと変わりません。
加入期間が長いため何かあった時に保険金を受け取れる安心感があるものの、返戻率に大きな差があるので注意する必要があります。
長期平準定期保険の返戻率はピーク時が50~75%、ピーク後は徐々に下がっていき、最後には返戻率ゼロになってしまいます。
そのため、長期平準定期保険は解約の時期を慎重に見定めなければなりません。
60~70歳頃に返戻率のピークを迎えるとされているので、その時期の返戻率をチェックしてください。
場合によっては返戻率は70%を超え、85%を超える可能性もあります。解約のタイミングに最適な時期を狙えば、多くの返戻金を受け取れるでしょう。
経営者保険の種類②:逓増定期保険
逓増定期保険とは、加入後に少しずつ保険金の額が増えていくものです。加入当初は保険金額が少ないものの、年数が経過するにつれて徐々に受け取れる額も増えます。
逓増定期保険は企業が徐々に大きくなっていくことを想定している保険です。企業の規模拡大とともに保険金額が上がり、最終的に当初の5倍ほどに金額が上がります。
保険金額は少しずつ上がっていくものの、支払う保険料は最初から支払い終えるまで一定です。そのため、加入当初は保険料が高いように感じるでしょう。
これは高額の保険金を用意するために、加入当初から多めに保険料を納めておく必要があるからです。
多めに納めた保険料は後年の分の預かり金として保管されるため、保険金を多く受け取れる時期になっても、保険料が上がることもありません。
経営者保険の種類③:養老保険
養老保険とは、死亡時には死亡保険金を、保険満了時には満期保険金がもらえるものです。契約は法人で行いますが、被保険者は会社に勤める役員や幹部などです。
死亡保険金と満期保険金の受け取りは、契約している法人か被保険者の遺族どちらかに設定できます。
最も多いのは死亡保険金は被保険者の遺族に、満期保険金は契約している法人に設定するパターンです。
誰に設定するかによって受け取り手が変わるため、慎重に検討した上で決めましょう。
養老保険は福利厚生に含まれるので、税金の支払い負担が軽くなるメリットを得られます。社員にとっても法人にとっても利益のある保険だと言えるでしょう。
養老保険に加入する場合は、保険金の受け取り手が誰になるかを説明しておくことも大切です。
経営者保険の種類④:終身保険
終身保険とは、個人向け生命保険の内容と同じものです。保険料はそのままで、保障が一生涯続くため、万が一のことがあった際にいつでも保険金を受け取れます。
保障が一生涯続くため、積み立てタイプの保険として活用する方も多いでしょう。ただし、会社の損金としてみなされないので、税制面でのメリットが得られません。
終身保険に加入する際は、メリット・デメリットについてしっかり確認することが大切です。
一生涯保障を受け取れるメリット、保険料をずっと支払い続ける・税制面での支払い負担が軽くならないデメリットです。
契約中に解約する場合は解約返戻金が受け取れますので、契約期間問わず一定の金額が受け取れる点もメリットとして挙げられます。
経営者保険の種類⑤:医療保険
医療保険とは、被保険者が病気や怪我をして入院・手術をした際に保険金を受け取れるものです。
社員に何かあった際に医療費を負担できるため、福利厚生の一部として喜ばれるでしょう。
医療保険は特約を付けられます。先進医療特約やがん・脳梗塞・心筋梗塞といった三大疾病に手厚い保障を行うものなどがあります。
特約を付けておけば重大な病気にかかった際に特約分の保障も受けられますので、高額の医療費支払いへの負担を抑えられるでしょう。
会社の経営者が加入しておけば、経営者自身に何かあった際の支援も可能です。保険金で損失分を負担できるため、重要ポストの人材は加入しておいて損はありません。
医療保険も保険料を支払う必要があるため、誰が加入しておいた方が良いかを慎重に検討しましょう。
経営者保険の種類⑥:がん保険
がん保険とは、がんによる手術や入院の際に保障を受けられるものです。がんを重視した保険内容となっているため、医療保険とは多少内容が異なります。
がん保険には4つの種類がありますので、加入前に種類の特徴を把握しておきましょう。
- がん診断・入院・手術・死亡時の保険金がセットになったもの
- がんと診断された際に受け取れるもの
- 特定の治療を受けた際に保険金を受け取れるもの
- どのような治療を受けても一定額を受け取れるもの
経営者保険に入る3つのメリット
経営者保険はいくつかの種類があり、それぞれで内容が異なります。毎月納める保険料にも違いがありますので、無理なく払えるものを選ぶことが大切です。
経営者保険は加入することでのメリットも大きいため、どのような利点を得られるかを把握しておくと良いでしょう。
得られるメリットには以下のようなものがあります。
- 万が一の際に事業保障を受けられる
- 事業承継をスムーズに行える
経営者保険のメリット①:万が一何かあった際の事業保障がある
経営者保険は経営者や幹部など、被保険者に何かあった際に保障を受け取れます。ポストに穴が開くことによって発生した損失も、保障で負担できるでしょう。
また、経営者保険には解約返戻金を活用した契約者貸付制度が設けられています。
解約返戻金の一部をもとにお金を借りられるため、経営状況が悪化している際はそちらから融資を受けることが可能です。
借りられるのは解約返戻金の一部のみなので、経済状況が好転しない場合は返済せずに済みます。
解約時の返戻金は少なくなるものの、返済をせずに済むのであれば会社の危機を乗り越えられるでしょう。
企業経営で抱えがちなリスクの際に資金調達ができるため、この点は会社にとって大きな利点だといえます。
経営者保険のメリット②:事業承継対策になる
親族や企業に勤める社員に事業を承継する場合にも、経営者保険を活用できます。
事業を譲る際は、会社の株式を承継者が買い取らなければなりません。株式の購入額は会社によって大きく異なり、場合によっては支払えないほどの額になるケースもあります。
支払えないほどの額だと承継ができないものの、経営者保険の解約返戻金などを活用すれば株式購入資金の足しにできるでしょう。
経営者保険の中には積み立てタイプもありますので、そちらを選べば多くの返戻金を受け取れます。加入する際は返戻率がどのくらいかをチェックしておきましょう。
経営者はいずれ退陣し、企業の担い手に事業を譲らなければなりません。スムーズに承継を済ませたいのであれば、積み立てタイプの保険を選ぶことがおすすめです。
経営者保険に入る2つのデメリット
経営者保険は被保険者にとっても、会社にとっても利点の多い保険です。福利厚生にもなりますので、魅力的だと感じる社員も多いでしょう。
しかし、経営者保険にはメリットの一方でデメリットもあります。加入後に後悔しないためにも、考えられる悪い点を押さえておくことが大切です。
考えられるデメリットは以下です。
- 会社の経済状況が悪化する恐れがある
- 解約のタイミングによっては返戻金が少ない
経営者保険のデメリット①:資金繰りが悪くなる可能性がある
経営者保険に毎月支払う保険料によって、会社の経営状況が悪化する恐れもあります。
経営者保険は個人向けの保険に比べ、保険料が高くなっています。契約内容や加入する人数によってはより費用が高額になるため、会社の支出も増えてしまうのです。
安定した経営状況を保っている時は問題なく払えるものの、状況が悪くなれば支払いが厳しくなるでしょう。
積み立て目的で加入していても、業績の悪化により倒産などを招いては意味がありません。
そのため、毎月どれくらいなら問題なく支払えるかをしっかり考えましょう。
経営状況が悪化し、どうにもならない場合は保険を解約することも検討してください。解約返戻金があるため、経営の足しにできるでしょう。
経営者保険のデメリット②:タイミングによって解約金額が少なくなる
経営者保険はいつでも解約できるものの、タイミングによってはほとんどお金が戻ってこないケースもあります。
保険契約を解除すれば解約返戻金がもらえます。会社の状況が悪ければ返戻金で損失を補填できるため、経営難を乗り越える用途に使えるでしょう。
ただし、保険の中にはある程度の期間加入しなければほとんど返戻金をもらえないものもあります。
お金が戻ってこなければ損失の補填もできませんので、保険契約の意味がなくなってしまうのです。
保険を選ぶ時は、タイミング別の解約返戻金を確認しましょう。どの保険にもタイミング別に解約返戻率が定められているので、そちらをチェックしてください。
返戻率の数値が高ければ多くのお金が戻ってきますので、損なく解約できます。
経営者保険の選び方のポイントは何を重視するのかが大切
経営者保険を選ぶ時は、業績悪化時の損害補填や役員などへの退職金積み立て、社員が病気になった際の備えなど、重視するポイントを決めておきましょう。
業績悪化時の補填を重視するなら、積み立てタイプや契約者貸付制度が設けられている保険がおすすめです。万が一の際は融資を受けられるため、損失を補えます。
役員や幹部など、退職金が出ない人たちへの保障を考える場合も積み立てタイプがおすすめです。退職時に手厚い保障が受けられるとわかれば、士気も上がるでしょう。
社員の病気に備えるのであれば、医療保険やがん保険への加入を検討しましょう。会社側で保険に加入してもらえる点は大きなメリットです。
社員のモチベーションが上がるだけでなく、会社そのものの印象も良くできます。
毎月の保険料や解約返戻率も大切なポイントなので、いくつかのポイントをチェックした上で良い条件のものを選んでください。
法人保険に節税効果はないので注意
法人保険の活用事例集
まとめ:経営者保険が必要かどうかマネーキャリアのプロに相談!
経営者保険は万が一の際に保障を受けられるため、企業経営をしている方はぜひ加入を検討してみてください。
長期平準定期保険や養老保険、医療保険などいくつかの種類がありますので、事前に保障内容と保障金額、返戻率などを確認しておくことがおすすめです。
加入を前向きに考えているけれど、どれを選べばいいかわからないとお困りの方はマネーキャリアにご相談ください。
保険のプロであるFPがお客様のご希望を確認した上で、最適な保険をご案内いたします。
営業活動を安心して継続するために法人保険の加入は必須となりますが、インターネット上で事例を調べても事例の情報は非常に少ないのが現状です。
したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。
そこで、マネーキャリアでは独自に「法人保険の活用事例集(全29ページ)」を作成し公開しています。
抑えるべき6つのリスクや、実際の企業で保険がどのように使われているのかもわかりやすくまとめているので、「どのようなリスク対策が必要か」「自社に最適な保険がわからない」担当者の方は必見です。