コロナウイルスの影響で、生活保護とベーシックインカムについての議論が活発になっています。この記事では、生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合にどうなるかを解説していきます。それぞれのメリットデメリットをまとめていますので、ぜひお読みください。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- 生活保護を廃止してベーシックインカムを導入するとどうなる?
- 生活保護とベーシックインカムの違いを解説!
- ①生活保護とは国が国民の生活を保障する制度
- ②ベーシックインカムとは全ての国民に一定額を給付する制度
- 生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合のメリット
- ①ベーシックインカムの方が受給条件がゆるい
- ②ベーシックインカムでは確実に低所得者全員に支給される
- ③労働者は自由に仕事を選ぶことができる
- ④社会的に非難を浴びることがない
- ⑤世帯ではなく個人単位で支給されるので少子化対策となる
- 生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合のデメリット
- ①予算の関係で社会制度をすべて廃止することになる
- ②実現のためには消費税を23%引き上げる必要がある
- ③人によって生活費が異なるため必ずしも生活が保障されない
- ④企業からの給料が低くなる可能性がある
- ⑤個人に高度なライフプランニングの能力が求められる
- あなたはどちら派?生活保護?それともベーシックインカム?
- 生活保護派の意見
- ベーシックインカム派の意見
- 生活保護もベーシックインカムも低所得者の援助ための制度であるべき
- 海外ではベーシックインカムの実験も行われている
- まとめ:生活保護とベーシックインカムについて理解しよう
生活保護を廃止してベーシックインカムを導入するとどうなる?
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、旅館で働く友人から相談を受けました。
緊急事態宣言の影響で、シフトが大幅に減らされて困っているとのことでした。
新型コロナウイルスの影響で、仕事を失う、もしくは収入が大幅に減っている方は沢山いると思われます。 生活保護の申請者も増えていると聞きます。
しかし、生活保護の申請には、厳しい要件があり、また審査にも時間がかかるため、生活に困った人全てが受けられるわけではないという問題もあります。
貧富の差が拡大し、生活保護の条件を満たさないけれど、生活保護の水準よりも低い収入で生活する、ワーキングプアと呼ばれる人も増えています。
そこで、近年、生活保護に代わる制度として注目されているベーシックインカムという制度があるのをご存じでしょうか? ベーシックインカムとは、どういった制度なのでしょうか?
生活保護を廃止してベーシックインカムを導入するとどうなるのでしょうか? ここでは、生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合のメリット・デメリットやベーシックインカムを巡る意見などをご紹介していきたいと思います。
低所得者援助のためのシステムとして、あなたはどちらが望ましいと考えるでしょうか?
生活保護とベーシックインカムの違いを解説!
生活保護を知らない人はほとんどいないと思いますが、ベーシックインカムという制度の名前を聞いたことのない人は多いのではないでしょうか?
ここでは、生活保護とベーシックインカムの違いを詳しく解説していきたいと思います。
①生活保護とは国が国民の生活を保障する制度
生活保護とは、自力で最低限度の生活が出来ない状態の国民に、国が「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度です。
ベーシックインカムが、「すべての国民」に「無条件」に支給するのに対して、生活保護の受給対象者は、「生活困窮者」に限ります。
ベーシックインカムでは原則、申請なども不要なのに対して、生活保護では支給を受けるには申請が必要です。
受給するための要件が厳格なので、生活困窮者の全てが受給できるとは限りません。
また、生活保護受給者が仕事をすると、生活保護費を減らされ、かえって収入が減るという矛盾も問題になっています。
②ベーシックインカムとは全ての国民に一定額を給付する制度
ベーシックインカムとは、年齢・性別に関係なく、無条件で、すべての国民に一定の金額を給付する制度です。
「UBI(Universal Basic Income)」、または「最低所得保障」と呼ばれることもあります。
現在は、生活困窮者に対する国の支援としては、年金や失業保険・生活保護等の社会保障制度が用意されいます。
しかし、これらは審査や手続きの手間や時間というコストがかかります。
また、今後、少子・高齢化が益々進むことが予想される中、社会保障費の配分も問題になっています。
そこに、今回の新型コロナウイルスの影響で、生活に困窮する人が増え始め、生活困窮者を救う制度として、ベーシックインカムの議論が活発になっているのです。
しかし、ベーシックインカムを実現するには財源が必要です。
財源としては、年金・失業保険・生活保護などの社会保障制度にあてていた分を、ベーシックインカムの財源として利用することが考えられています。
更に足りない分は増税で賄うことが考えられています。
ベーシックインカムとして、全ての国民に支給される代わりに、今まで支給されていた失業保険・生活保護等の社会保障制度は廃止されます。
今まで支給されていたものに上乗せされるわけではないことには注意が必要です。
生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合のメリット
生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合のメリットについて、考えてみましょう!
ベーシックインカムを導入した場合のメリットには、
- ベーシックインカムの方が受給条件がゆるい
- ベーシックインカムでは確実に低所得者全員に支給される
- 労働者は自由に仕事を選ぶことができる
- 社会的に非難を浴びることがない
- 世帯ではなく個人単位で支給されるので少子化対策となる
①ベーシックインカムの方が受給条件がゆるい
失業や病気など、生活に行き詰まった時の生活の手段としては、生活保護が頭に浮かぶことと思います。
しかし、生活保護の需給には、
- 収入が最低生活費に満たない人
- 現金・預金・持ち家など資産がない人
- 年金など他の制度を利用しても生活できない人
- 親族からの支援が受けられない人
生活保護は、生活困窮者の最後のセイフティーネットであることから、本当に生活に困っている人には取りこぼさずに支給する必要があります。
しかし実際には、本来支給の対象ではない人の不正受給の問題も後を絶ちません。
生活保護の財源は限られています。
不正受給者への支給を防ごうとすると、審査が厳格化しすぎて本当の困窮者が支援を受けられないという、難しい問題があります。
一方、ベーシックインカムは、無条件に、全ての国民に一定額を支給する制度です。
全員に一定額を支給すれば良いので、所得や資産で支給額を決めたり、支給するかどうかの判断が不要です。
不正受給も問題も、生活困窮者が支援を受けられないという問題も起こりません。
更に手続きが一律で済むことから、手間もかからず、自治体職員の人件費の削減にもなります。
生活保護の要件に該当するのかの調査には多くのコストがかかっています。
これらのコストを、ベーシックインカムの財源に充てられることになります。
②ベーシックインカムでは確実に低所得者全員に支給される
ベーシックインカムでは、無条件に、全ての国民に一定額を支給します。
ですから、ベーシックインカムでは確実に低所得者全員が現金を受け取れるのです。
現在の生活保護制度では、例え収入が最低生活費に満たなくても、貯金や家などの資産があれば支援が受けられません。
一定期間の支援があれば、何とか自立して生活再建が可能な場合でも、資産があると受けられないため、自宅の売却が必要になるケースもあります。
その結果、却って生活保護から抜け出せない悪循環になる可能性もあります。
ベーシックインカムでは、資産があるなしに関わらず、全ての人が受けられますから、自宅を売却しないでも生活の立て直しが可能です。
また、生活保護とは違い、収入があっても支給金額が減るわけではありません。
働いても収入が増えず、生活が楽にならないというワーキングプア対策としても有効と考えれています。
このように、生活保護を受けられない低所得者層への支援が可能なメリットがあります。
③労働者は自由に仕事を選ぶことができる
ベーシックインカムでは、無条件に、全ての国民に、「生活できる最低限の金額」を支給します。
その結果、労働者は自由に仕事を選ぶことができるようになります。
- 労働環境や待遇の悪い職場で無理に働く必用がない。
- 生活の為に、無理に残業をする必要がない。
- 地方への移住も促進される。
- 介護のために仕事を減らしても生活に困らない。
- 生活保護受給者も、自分のペースで働けるようになる。
- 子育てや趣味に時間を使いたいなど、自由なライススタイルの選択が出来るようになる。
最低限の生活費が保証されることから、労働環境の劣悪な職場で、無理して働き続ける必要がなくなります。
現在の制度では、心身に不調をきたすまで働き続け、体調を崩してから医師の診断を受けて休職するしかなかったようなケースも無くなるでしょう。
企業側も、積極的に待遇改善の努力が必要になり、ブラック企業と呼ばれる企業は存在できなくなります。
ベーシックインカムでは、働いた収入はベーシックインカムに上乗せされ、その分生活が豊かになります。
生活に必要を迫られて残業する必要はなくなるでしょう。
また、最低生活費が一律に支給されるのであれば、物価の安い地方へ移住する動きも出てくるでしょう。
介護のために、仕事を減らしても、最低限の生活が出来ることから、今後の少子高齢化問題への対策としても有効でしょう。
生活保護受給者は、一定の収入があると生活保護を打ち切られるため、現在の制度では働きたくても働けない人もいます。
ベーシックインカムでは、支給に条件がないため、そのような人も働きに出るため、労働人口が増えると考えられています。
子育てや、自分の実現したいことなどに時間を使いたいと考える人が、自分の理想とする生活スタイルを実現することも可能になります。
自分の時間を働いてお金を稼ぐことに使うのか、それ以外のことに使うのか、自分の判断で選択が可能になるのです。
④社会的に非難を浴びることがない
生活保護は、最低限の生活が出来ない人の最後のセーフティーネットとされているため、受給要件が厳しくなっています。
それにも関わらず、本来は要件を満たしていないにも関わらず不正受給する人も後を絶たず、社会の目が厳しくなっています。
年々増える保護費を何とか抑えようと、自治体の窓口では「水際作戦」として、なかなか受給につげないことも社会問題になっています。
こういった背景から、生活に困窮し本来は保護が必要な人が、なかなか保護が受けられないという現実があります。
保護を受けている人も、不正受給する人たちの影響や、生活に困窮していても生活保護を受給できない人たちからの不公平感から、非難の対象になりやすい立場にあります。
ベーシックインカムが導入されれば、国民全体に不公平感はなくなりますから、生活困窮者が社会的に非難を浴びることがなくなるでしょう。
⑤世帯ではなく個人単位で支給されるので少子化対策となる
ベーシックインカムは、全ての国民に、無条件で、現金を支給する制度です。
子供が多ければ多いほど、世帯に対して支給される金額が多くなるため、少子化対策にも有効と考えられます。
生活保護を廃止してベーシックインカムを導入した場合のデメリット
ベーシックインカムの導入はメリットばかりではありません。
- 予算の関係で社会制度をすべて廃止することになる
- 実現のためには消費税を23%引き上げる必要がある
- 人によって生活費が異なるため必ずしも生活が保障されない
- 企業からの給料が低くなる可能性がある
- 個人に高度なライフプランニングの能力が求められる
①予算の関係で社会制度をすべて廃止することになる
ベーシックインカムを導入した場合には、予算の関係で社会制度をすべて廃止することになります。
現在の社会保障制度を全廃して、ベーシックインカムの制度に統一するという制度なので、現在の社会保障制度に加えて、ベーシックインカムが行われる訳ではありません。
年金や社会保険関連の費用の配分をどうするかの問題です。
所得の格差が広がる中で、低所得層への支援を念頭にした制度ですが、今まで年金の受給のために、支払い続けてきた人たちからは不満が出ることが予想されます。
更に、その他の社会保障の費用も削られることになりますから、人によってはベーシックインカムの導入で、生活の質が落ちると感じることもあるでしょう。
②実現のためには消費税を23%引き上げる必要がある
ベーシックインカム導入のデメリットとして、増税が必要になることも注意が必要です。
実現のためには消費税を23%引き上げる必要があると言われています。
ベーシックインカム導入には、多額の財源が必要となります。
日本の全人口に月7万円支給したとすると、毎月の予算は8兆7,500億円必要になります。
1年間では、105兆円必要な計算です。
しかも、現在の社会保障費が削られた状況で、月7万円で、果たして生活できるでしょうか?
追加の給付が必要ならば、更に財源が必要になります。
それらを賄うためには、増税が必要になってくるのです。
③人によって生活費が異なるため必ずしも生活が保障されない
ベーシックインカムは、無条件に、全ての国民に、「一定額」を支給します。
無条件に、全ての国民に、「一定額」を支給するためには、ベーシックインカムには莫大な財源が必要になります。
しかし、財源には限りがあるため、支給される金額は、最低限の金額になるでしょう。
最低限の生活に必要とされる金額は、人の生活レベルによって全く異なります。
今まで、生活に困窮していても国からの援助が受けられなかった人にとっては生活が保障されるメリットはあるでしょう。
しかし、現在一定レベル以上の収入を得ている人にとっては、ベーシックインカムだけで生活することは難しく、仕事を続ける必要があります。
しかも、社会保障の制度が無くなり、国によるサービスが有料になることや税金が重くなることなどを考えると、必ずしも生活が保障されているとは感じられないかもしれません。
④企業からの給料が低くなる可能性がある
ベーシックインカムを導入することのデメリットとして、企業からの給料が低くなる可能性があるという意見があります。
条件の悪い会社で無理してまで働く人はいなくなると考えられますから、人気のなかった職業は給料が高くなる可能性があります。
しかし、より豊かな生活を送るためには、ベーシックインカムの収入だけでは足りないので、働くことが必要です。
その際に、最低の生活保障はベーシックインカムで賄われているので、給料はその分低く提示される可能性があるという事です。
企業側にしてみても、ベーシックインカム導入による、税金の負担や競争力の低下などのコストをどこかに転嫁する必要があるとも考えられます。
⑤個人に高度なライフプランニングの能力が求められる
生活保護では、生活に最低限必要と考えられる金額を支給されます。
それに対して、ベーシックインカムでは、無条件に、全ての国民に、一定額を支給します。
生活保護では、支給された金額を贅沢に使うことは許されていないのに対して、ベーシックインカムでは、使い道は自由です。
堅実に生活する人もいるかもしれませんし、散在してしまう人もいるでしょう。
しかし、もはや生活保護という制度は存在しないので、支給された金額を使い切ってしまい、生活に困っても、国は助けてはくれません。
しかも、他の社会保障の制度は廃止されているので、今まで無料で利用できていたものにもお金がかかります。消費税も高くなります。
ベーシックインカムの制度では、より自助努力が必要になり、個人に高度なライフプランニングの能力が求められることになります。
国による保護から、自己責任の社会への変革ともいえるかもしれません。
あなたはどちら派?生活保護?それともベーシックインカム?
生活保護もベーシックインカムも、どちらもメリット・デメリットがあります。
それぞれの生活スタイル、収入、立場によって、どちらが望ましいかは変わってきます。
ここでは、生活保護派とベーシックインカム派のそれぞれの意見をご紹介しましょう。
生活保護とベーシックインカム、あなたはどちら派でしょうか?
生活保護派の意見
ベーシックインカムが導入されると、働かなくても最低限の生活は保障されることになります。
その結果、労働意欲が低下し、働かなくなる人が一定数出てくることが考えられます。
経済競争力の低下につながる可能性があると心配する意見もあります。
また、生活保護は、最低限の生活が出来ないレベルの生活困窮者に対して支給されるのに対して、ベーシックインカムは、生活に困らない人にも一律に支給されます。
そのため莫大な財源が必要になることから、今まで生活保護を受けていた人の支給額は減らされる可能性もあります。
ベーシックインカムで足りない分の収入は自己責任で稼ぐ必要があり、更に消費税などの税金も高くなると考えれます。
生活保護を受けていた人は、より生活が厳しくなる可能性があります。
また、比較的所得の高い世帯からは、社会保障制度がなくなること、税金が高額になることから、抵抗が大きいことが予想できます。
将来年金をもらうために、今まで真面目に年金を収めてきたのに、ベーシックインカム導入によって、年金を収めてこなかった人と同額の扱いになるのは納得できない人も多いでしょう。
ベーシックインカム派の意見
ベーシックインカムは、すべての国民に、無条件で現金を支給することから、貧困・少子化対策に有効と考えられます。
働かなくても最低限の生活が保障されることから、劣悪な環境下で無理して働く必用が無くなり、労働環境の改善などのメリットもあると考えられます。
また、生活保護制度を維持するためには、生活保護の受給要件に合致しているかの調査や、その後のフォローなど多くの人件費が必要になっています。
調査に時間をかけても不正受給を防ぐには限界があり、一定数の不正受給者への支払いというコストも発生するのが現実です。
また、働いても、生活保護受給者以下の収入にしかならないというワーキングプアに属する人にとっては、労働意欲の向上になるでしょう。
ベーシックインカムは、働けば収入が上乗せされ、その分生活が楽になるからです。
新型コロナウイルスの影響もあり、ますます膨れ上がっていく生活保護費のコストを削減する方法として、ベーシックインカムは有効と考えられます。
更に、ベーシックインカムによって、最低限の生活が保障されることは、個人の人生の選択の自由度を上げると考えられています。
個人の幸福度は、人生の選択の自由度に比例すると言わます。
ベーシックインカムの導入は、個人の幸福を実現する制度と考えられます。
生活保護もベーシックインカムも低所得者の援助ための制度であるべき
生活保護もベーシックインカムも低所得者の援助ための制度であるべきです。
低所得者にとって、どちらの制度が本当に有効なのか?という視点で考えることが必要です。
- 低所得の人たちが、最低限の生活を保証されること
- 労働意欲のある低所得の人たちの労働意欲が向上する制度であること
- 低所得の人たちが社会に引け目を感じないで利用できる制度であること
海外ではベーシックインカムの実験も行われている
フィンランドでは、2017年から、失業者2000人を対象に2年間、月7万円を支給するという試みをしました。
その結果、最低限の生活が保障されることで、雇用促進効果も、労働意欲の低下も大きな影響なかったと言われています。
中には生活のためではなく、より質の高い仕事をすることにつながったという意見もあります。
健康やストレスの面からはベーシックインカム導入により良い影響がもたらされたという報告もあると言います。
むしろ、ベーシックインカムを導入したことで労働意欲の低下は起こらないとの立証がされたとも考えられています。
更に、新型コロナウイルスの影響を受けて、ドイツでは2021年から、ベーシックインカムの実証実験をすることになっています。
ベーシックインカムは、新たな社会保障の制度として海外の国々でも注目されています。
まとめ:生活保護とベーシックインカムについて理解しよう
ベーシックインカムは、現在の生活保護制度のデメリットを解消するための制度として、低所得者の生活の向上のために発案された制度です。
しかし、社会保障や年金に加えて、ベーシックインカムが支給されるわけではありません。
ベーシックインカムの導入によって、生活が向上する人がいる分、生活が苦しくなる人もいるでしょう。
生活保護も、ベーシックインカムも、同様に財源が必要ですので、結局は所得の配分の問題となります。
所得の格差が大きくなってきていると言われる中で、新型コロナウイルスが流行し、公的な支援の必要な人が、世界的に急増しています。
限られた財源を有効に活用して、生活困窮者をいかに救う制度を作り上げるか?
ベーシックインカムの議論はまだまだ発展途上です。
今までの社会保障制度を根底から覆す制度ですから、心理的抵抗の大きい人もまだまだいると考えられます。
しかし、ベーシックインカムによって、最低限の生活が保障されることで、各人の人生の選択肢の自由度が増し、幸福度が上がると期待する意見も多くあります。
少子高齢化が進み、将来の社会保障の枠組みが見直される必要がある日本で、ベーシックインカムは今後どのような議論の対象になっていくのか、見守る必要があるでしょう。
マネーキャリアでは、これからもお金に関する必要な知識について発信していきます。
マネーキャリアの記事でお金に関する知識を身に付けていきましょう。
この記事を読んだ方が、お金について考える参考になれば幸いです。