
- 積立NISA口座を別の金融機関に変更できるか知りたい人
- 積立NISA口座の金融機関変更方法がわからない人
- 現状よりも上手に資産運用したいと考えている人
内容をまとめると
積立NISAを始めたものの口座変更(移管)を検討している方もいると思います。積立NISAでは、条件を満たせばNISA口座の金融機関を変更することが可能です。この記事では、口座変更のタイミングやメリット・デメリット、乗り換え方法等を詳しく解説します!
この記事の目次
目次を閉じる積立NISA口座を別の金融機関に変更(移管)は可能?手続き期限や乗り換えルールとは
結論、積立NISA口座を別の金融機関に変更(移管)することは可能です。
ただし、変更にはルールがあります。
まずは、口座を別の金融機関に変更(移管)する際に知っておきたい手続きを見ていきましょう。
年に1回のタイミングで口座の金融機関変更(移管)が可能
積立NISA口座は、年に1回のタイミングで別の金融機関に変更(移管)することが可能です。
金融機関の変更は、年単位で実施します。
口座を変更したい場合は、変更したい前年の10月1日から翌年の9月30日までに変更手続きを行う必要があります。
たとえば、2023年に口座を変更したいのであれば、2022年10月1日から2023年9月30日までが口座変更できるタイミングとなります。
積立NISA口座を別の金融機関に変更(移管)するタイミングは「年に1回」と覚えておきましょう。
金融機関変更作業は難しい?
積立NISA口座の金融機関は変更できるとはいえ「変更作業が難しいのでは?」と思っている方もいるでしょう。
実は、口座変更の作業はどこの金融機関もほとんど同じのため、そこまで難しくありません。
金融機関変更の手続きは、大きく以下の2ステップです。
- いつまでが受付期間であるか確認する
- 申請作業を行う
やり方は、後半で詳しく説明しておりますのでご参照ください。
積立NISA口座の金融機関変更のデメリットとは?注意点2選
積立NISA口座の金融機関変更には、いくつか注意点があります。
ここでは、金融機関変更のデメリットや注意点を2つ紹介いたします。
- 1円でも買い付けると口座変更ができない
- ロールオーバーできない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1円でも買い付けると口座変更ができない!
口座変更は、変更したい前年の10月1日から翌年の9月30日までに手続きを行う必要があります。
ただし、その年にすでに1円でも買い付けを行っていると、同年中の変更はできなくなります。
たとえば、2023年の1月1日から9月30日の期間に1円でも買い付けを行ってしまうと、2023年の口座変更はできません。
その年にすでに買い付けをしている場合、変更は翌年以降に持ち越されます。
そのため、金融機関を変更したいと思ったら「その年に買い付けをしない」ことが必要です。
金融機関の変更を考えている場合は、自分がいつ買い付けを行ったか、事前に把握しておきましょう。
ロールオーバーできない!
ロールオーバーとは、非課税保有期間が終わる金融商品を、翌年の年間投資枠に移行することで、引き続き非課税で保有できる仕組みのことです。
しかし、ロールオーバーできるのは同じ金融機関での利用に限られているため、金融機関を変更するとロールオーバーできません。
運用方法によっては、非課税のメリットをうまく活かせない可能性も出てきます。
金融機関を変更したい場合は、ロールオーバーできなくなるデメリットも考慮しておきましょう。
口座の金融機関変更のメリットとは?変更したらどうなる?
金融機関変更のデメリットをお伝えしましたが、変更によって得られるメリットもあります。
ここでは、口座の金融機関変更のメリットを2つ紹介いたします。
- 証券会社によって異なる銘柄が買えるようになる
- 手数料が安くなることがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
証券会社によって異なる銘柄が買えるようになる
積立NISAでは、金融庁が定めた基準をクリアした投資信託やETF(上場投資信託)に投資できるのが特徴です。
しかし、金融庁が定めた対象商品をすべて取り扱っている金融機関は今のところありません。
そのため、積立NISAの口座をどこの金融機関で開設するかによって選べる商品が変わってくるのです。
店舗型の証券会社や銀行では、ネット証券に比べて選べる銘柄が少ない傾向にあります。
ネット証券に変更するだけでも、選べる商品の幅が広がることもあるでしょう。
また、特定の証券会社でしか取り扱っていない銘柄も存在します。
証券会社によって異なる銘柄が買えるようになるのはメリットといえます。
手数料が安くなることがある
通常、金融商品の取引には購入時にかかる費用(買付手数料)がかかりますが、積立NISAの場合は買付手数料がかかりません。
ただし、投資信託を保有している期間、運用にかかる費用(信託報酬)は発生し、それは投資する銘柄によって異なります。
つまり、信託報酬が低い銘柄を選べば、手数料を安くおさえることが可能です。
取扱銘柄数が多い証券会社に変更すれば、その分手数料が安くなることもあるでしょう。
積立NISAは最長20年の運用になるため、信託報酬のわずかな差も積み重ねで大きなコストとなり得ます。
長期運用を考えるのであれば、手数料が安い金融機関への変更は大きなメリットといえそうです。
口座の金融機関変更の手続きやり方を解説
口座の変更手続きのやり方は、どこの金融機関もほとんど同じです。
一般的な手続きの流れは、大きく以下の2ステップになります。
- いつまでが受付期間であるか確認する
- 申請作業を行う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1:いつまでが受付期間であるか確認する
まずは、積立NISA口座の変更が受付可能期間であるか確認しましょう。
口座の変更は、変更したい前年の10月1日から9月30日までに行う必要があります。
たとえば、2023年の口座変更の受付期間は、2022年10月1日から2023年9月30日までです。
また、その年の1月1日から9月30日の期間に買い付けをしていないことも条件になります。
口座変更を思い立ったときに、その年のNISA口座を使用しておらず、かつ受付期間内であればその年での変更が可能です。
受付期間が過ぎてしまったら、次の年に変更できるよう事前に準備しておきましょう。
2:申請作業を行う
受付期間を確認できたら申請作業を行います。
まずは、現行の金融機関に変更の申込みをしましょう。
コールセンターもしくはオンラインから変更依頼をし「勘定廃止通知書」を取得します。
金融機関により異なりますが、およそ1〜2週間程度で書類が届きます。
次に、変更先の金融機関に必要書類を提出します。
口座開設をしていない場合は、先に口座開設を済ませておきましょう。
口座開設を済ませ「勘定廃止通知書」が届いたら、変更先の金融機関に以下の書類を提出します。
- 勘定廃止通知書
- 本人確認書類
- マイナンバー確認書類
提出した書類は金融機関と税務署で審査されます。
ここで書類に不備がないか、積立NISA口座が重複していないかをチェックします。
審査には1〜2週間ほどかかります。
無事に審査が完了すれば、変更後の金融機関から口座開設のお知らせが届き、変更が完了します。
どんな人が口座の金融機関変更をするべき?
積立NISAの口座変更は、メリットがあるといえど多少の手間がかかります。
では、どんな人が口座の金融機関を変更するべきなのでしょうか?
口座変更するべき方は、以下のような人です。
- 現行の手数料に不満がある人
- 投資の選択肢を増やしたい人
- お得な金融機関を使いたい人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
現行の手数料に不満がある人
現行の手数料に不満がある人は、口座変更を検討しましょう。
ネット証券は店舗型の証券会社や銀行に比べ、手数料が安い傾向にあります。
とくに、店舗窓口の担当者に言われるがまま商品を選んでしまった場合は、手数料が高い可能性があるため注意が必要です。
手数料が高ければ、運用パフォーマンスも高いわけではありません。
現行の金融機関の手数料を確認し、少しでも手数料が安いところがあれば、変更したほうがよいといえるでしょう。
投資の選択肢を増やしたい人
投資の選択肢を増やしたい人も、口座変更はおすすめです。
積立NISAは金融機関によって取り扱っている商品が異なります。
たとえば、銀行では投資信託や債権をメインに扱っており、株式やETF(上場投資信託)はそもそも取り扱っておりません。
そのため、銀行で口座開設した方や、投資信託以外のさまざまな商品に投資したいと考えている方は、口座変更するべきです。
口座変更する場合は、自分が投資したい商品があるかチェックしておくことをおすすめします。
お得な金融機関を使いたい人
よりお得に積立NISAを運用したいと考えてる人も、金融機関の変更を検討しましょう。
金融機関によっては、クレジットカード決済によりポイント還元などが受けられます。
口座振替が主流の金融機関では、ポイントが貯まらずにこのような還元が受けられません。
支払い方法を変えるだけで、数千から数万のポイントをゲットできる可能性があります。
せっかくであれば、ポイント還元を受けながらお得に運用していきたいですよね。
自分が普段使うポイントが貯まりやすい金融機関を選べば、よりお得に積立NISAを運用できるでしょう。
【ジュニアNISA】口座の金融機関変更はできる?
積立NISAでは、口座を別の金融機関に変更することは可能とお伝えいたしました。
では、ジュニアNISAの場合は別の金融機関に口座変更することができるのでしょうか?
ここでは、ジュニアNISAで口座開設し、別の金融機関に変更したい場合に変更できるのかについて解説いたします。
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAとは、未成年者少額投資非課税制度のことで、0歳以上17歳以下を口座開設者とするいわゆる子ども用のNISA制度です。
ジュニアNISAを活用すれば、口座内で投資した金融商品にかかる配当金や売買益等が、年間80万円、最長5年間にわたり非課税となります。
大人はNISAもしくは積立NISAを、子どもはジュニアNISAを活用することで、家族全員がNISA口座を開設でき、その分の非課税枠を使いながら資産運用できるメリットがあります。
たとえば、両親と子ども2人の4人家族の場合、両親がともにNISAを利用し、子ども2人がジュニアNISAを利用すれば、大人ひとりあたり120万円、子どもひとりあたり80万円の合計400万円が非課税で運用できます。
ただし、2024年に新NISA制度が開始されるにともない、2023年をもってジュニアNISAは廃止されます。
2024年以降は、ジュニアNISAでの新規口座開設や買付は停止となりますのでご注意ください。
ジュニアNISAでは金融機関が変更できない
結論、ジュニアNISAでは金融機関の口座変更ができません。
別の金融機関に変更したい場合は、変更前の金融機関の口座廃止手続きをする必要がでてきます。
また、ジュニアNISAの口座で買い付けを行っていた場合は、同年に新たな金融機関で口座開設することはできません。
さらに、非課税となっていた過去の配当金や売買益等がさかのぼって課税されてしまいます。
ジュニアNISAの口座を開設してから取引していないような場合には、金融機関を変更しても問題ありません。
しかし、すでに利用している場合は、上記のデメリットを承知のうえで再開設する必要があります。
ジュニアNISAでの金融機関の変更は不可能ではありませんが難しいため、始めるときの金融機関選びは慎重に行いましょう。
【積立NISA口座変更】よくある質問

NISA口座を他社へ変更する時、保有残高は売却しなければいけない?
いいえ、すぐに売却しなくても大丈夫です。
別の金融機関へ変更しても、現在の口座で保有している投資信託にかかる配当金や売買益等は、非課税期間満了まで課税されることはありません。
NISA口座みなし廃止とは?
NISA口座みなし廃止とは、2021年度の税制改正により設けられた措置のことです。
具体的には、2017年以前にNISA口座を開設したが、2018年以降にNISA口座を設定していない方は、マイナンバーを提出していないため、継続利用の意思がないとみなし、2022年1月1日をもってNISA口座が廃止される措置です。
該当する方で、引き続きNISA口座の利用を希望する場合は、各金融機関にお問い合わせのうえ、マイナンバーの提出等の手続きを済ませてください。
なお、積立NISAを利用している方は、すでにマイナンバーは提出済みなので問題ありません。
現行の口座は新NISAに移管できる?
いいえ、現行の口座は新NISAに移管されず、別枠で管理されることになります。
現行のNISAと新NISAは別の口座になるため、新NISA開始後も現行NISAで持っている商品は、非課税期間はそのままで保有可能です(一般的NISAは5年、積立NISAは20年)。
また、2023年中に一般NISAおよび積立NISA口座を持っている場合は、別途手続き不要で自動的に新NISA口座が2024年に開設されます。
新NISAでは年間投資上限額が「つみたて投資枠」で年間120万円「成長投資枠」で年間240万円まで拡大し、非課税保有期間が「無期限」になりました。
新NISAにより大幅に制度が拡充されますので、この機会に積極的に資産形成を進めていきましょう。
まとめ:つみたてNISA口座引っ越しでより良い資産運用を行おう!
今回は、つみたてNISAの口座変更について解説いたしました。
この記事のポイントは以下のとおりです。
- 積立NISA口座を別の金融機関に変更(移管)することは可能
- 変更したい場合は、変更したい前年の10月1日から翌年の9月30日までに手続きを行う必要がある
- ただし、その年に1円でも買い付けを行っていると、同年中の変更はできないため注意
金融機関の変更は手続きに多少の手間はかかりますが、手数料が安くなる、投資の選択肢が増えるといったメリットを受けられる可能性があります。
口座変更するべき人にあてはまった方は、金融機関の変更を検討してみてはいかがでしょうか?
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