E&O保険とは?PL保険に加入する製造業や建設業の方におすすめ!のサムネイル画像

内容をまとめると

  • E&O保険は他人に与えた逸失利益などの経済損害を補償 
  • PL保険や請負業者賠償責任保険では補償されない範囲を補償 
  • 製造業者、建設業者にとってはとくにメリットのある保険 
  • E&O保険に加入するには、保険代理店や保険会社に問い合わすることで加入可能 
  • 事前に相談するなら「マネーキャリア」で無料相談がおすすめ

E&O保険とは、第三者の身体障害や財物損壊に対するリスクの損失を除いた、経済的損害のみを補償する保険です。つまりPL保険で補償できない範囲を、E&O保険で補償することができます。PL保険の加入を検討している製造業や建設業の方々におすすめの損害保険です。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

E&O保険(業務過誤賠償責任保険)とは?


E&O保険(業務過誤賠償責任保険)とは「Errrors&Omission」の頭文字をとっており、業務遂行中の過失や怠慢のことを指しています。

具体的にどういった保険かというと、生産物が不良品であったり、納期の遅れなどによって、取引先に与えた逸失利益などの経済的な損害を補償するのがこの保険です。

製造業者が加入する保険ではPL保険が有名ですが、製造業者E&O保険は、このPL保険の補償範囲とはまったく異なった範囲を補償します。

PL保険の加入を検討している事業者は、E&O保険の加入もあわせて検討することで、事業中のリスクをもれなく補償できるといえますのでぜひ検討してみてください。

この記事ではそんなE&O保険について以下の内容を解説します。

  • E&O保険の補償範囲とは?
  • E&O保険の補償対象となる事例
  • E&O保険を導入するメリット
  • E&O保険に加入する方法
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PL保険との違いは?

PL保険との違いは何でしょうか?


PL保険とは、「Product Liability」の頭文字からとっており、製品の欠陥により第三者のものを壊したり、誰かをけがさせた場合に企業が負う賠償責任を補償してくれる保険です。


例えばPL保険では以下のような事故が補償されます。

  • 製造した電化製品の部品に欠陥があり、ユーザーがヤケドを負った
このように、製造物の欠陥により、第三者をケガさせてしまった場合などはPL保険の補償対象となります。

一方で、例えば以下のような事故はPL保険では補償されません。
  • 欠陥があった部品の生産をストップしたので、完成品メーカーから代替の部品ができるまでの間の逸失利益を請求された
この場合、部品メーカーは完成品メーカーに対して逸失利益を賠償する必要がありますが、PL保険では補償対象外です。

上記のような、第三者に対する対人・対物事故を伴わない場合で、逸失利益や、事業中断などによる経済的損失をおわせてしまった場合に補償されるのが、E&O保険です。

PL保険に加入を検討している企業は、E&O保険のリスクも忘れずに検討することをおすすめします。

PL保険については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はそちらの記事をご覧ください。

PL保険についてのサムネイル画像

PL保険とは?適用補償や対策できる費用等をわかりやすく解説!

E&O保険の補償範囲とは?


E&O保険で補償される内容をみていきましょう。


E&O保険では、以下にあげられた事由によって、他人に生じた逸失利益や事業中断による損害を補償します。

  • 生産物の欠陥
  • 生産物の仕様などで、意図していた効能・性能を発揮できかなったこと
  • 工場の火災などの突発的事由による納期遅延
生産物に不具合があった場合や納期遅れといった場合は保険の対象とならないと思われがちですが、E&O保険で補償されれば安心です。

E&O保険では上記の事由が生じた場合に、以下のような費用が補償されます。
  • 損害賠償金
  • 争訟費用
  • 損害拡大防止費用
保険会社によって補償範囲が異なりますので、詳しくは各保険会社のパンフレットをご確認下さい。

E&O保険の補償対象となる事例


E&O保険で補償される事例をご紹介します。


E&O保険は製造業のほか、建設業やIT業者、などさまざまな業種を対象としていますがこの記事では、以下の業種における事例についてご紹介します。

  • 製造業における事例
  • 建設業における事例
どちらの事例もよくある事例ですので、製造業者建設業者の方はとくにご確認ください。

製造業における事例

製造業における事例をいくつかご紹介します。

とくに、部品製造業者は、完成品メーカーから納期遅延などで賠償請求されることもあります。

以下の事例はよくある事例ですのでご確認ください。


印刷業者の事例

  • 印刷業者が食品に貼る表示ラベルに、2つの原材料について印刷が漏れた。このことで、輸出ができなくなり食品加工業者から逸失利益を請求された。
表示ラベルの意図していた性能を発揮できなかったことで、輸出できなかった分の利益の減少分を請求された事例です。表示ラベルの貼付け漏れなどでも補償対象となります。
 

金属加工業者の事例

  • バルブ製造業者が、浄水器のバルブを製造したところ、仕様にあっておらず、完成品のいくつかが故障をおこした。メーカーから本来得られるはずであった逸失利益を請求された。
この場合、故障した完成品自体の損害は、PL保険補償されることがありますので、PL保険とあわせて加入することで安心です。

 自動車部品製造業 

  • 納入した自動車部品が仕様に合わないことが、完成品メーカーの検査で判明。部品交換のため納期が遅れたとして、メーカーから納期が遅れた分の利益損失を賠償請求された。
意図していた仕様と異なっていたために、賠償請求された事例です。
部品メーカーなどはとくに加入しておきたい保険といえそうです。

建設業における事例

建設業における事例をご紹介します。

建設業では、工事の施工の不具合によって引き渡し後に賠償請求される事案が増加しています。

建設業者における引き渡し後の事故を補償する保険として生産物賠償責任保険(PL保険)が有名ですが、第三者にけがをさせたり、第三者のものを壊したりしていない場合は、PL保険の補償対象外となります。

E&O保険で補償されるのは、以下のような事例です。

  • 工場の製造設備の施工に欠陥があり、部品の生産が大幅に減少した。工場側は別の製造ラインを稼働させるなどして対応したが、発注者への引き渡しが大幅に遅延した。工場の製造設備の施工を担当した建設会社は、工場から逸失利益や人件費を請求された。
上記の事例では、対人・対物事故は発生していませんが、生産遅延などの経済的損害が発生しています。


このように、PL保険では補償対象外となっている、他人に与えた経済的損害を補償するのがE&O保険となっています。

E&O保険を導入するメリット


E&O保険を導入するメリットについて解説します。


すでに加入している保険などと一緒に加入することでもれなく補償を受けることができメリットが大きい保険です。


以下の業種について解説します。

  • 製造業におけるメリット
  • 建設業におけるメリット

製造業におけるメリット

製造業者がE&O保険に加入すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

製造業者は主に、製造販売した商品による対人・対物事故を補償するPL保険に加入しているかと思いますが、そのPL保険では補償されない範囲を対象としているのがE&O保険です。

E&O保険を導入することで以下の内容が補償されます。
  • 製造物が不良品であった場合の賠償リスクを補償
  • オペレーションミスによる賠償リスクを補償
  • 他人に与えた逸失利益などの経済損害を補償
  • 賠償事故の被害拡大防止のために負担する各種費用を補償

例えば、以下のような事故を補償することができます。
  • 電子部品の欠陥によりスマートフォンが高温となることが判明した。代替の部品ができるまでの間、メーカーから出荷していたら本来得られるはずだった逸失利益を請求された。
PL保険だけでなく、E&O保険に加入することで、不良品を製造した場合の事故を包括的に補償することができる点が最大のメリットです。

建設業におけるメリット

建設業者がE&O保険に加入するメリットを解説します。


建設業者がE&O保険に加入することで、以下の補償を受けることができます。 

  • 工事遅延等による逸失利益や代替費用など 
  • 損害賠償責任の発生または拡大を防止するための再施工費用など
例えば、以下のような事故が補償されます。
  • ビルの建設工事中に、施工に欠陥はあることが判明したため、補修工事を実施。予定していた引渡し納期に間に合わず、発注者から逸失利益を請求された 
  • 店舗工事の引き渡し後に、墨出し穴の塞ぎ漏れが複数個所で発覚した。被害拡大防止のため、再施工を行うための費用が発生した


建設業者が加入する賠償責任保険のなかで、代表的なものは請負業者賠償責任保険、生産物賠償責任保険(PL保険)がありますが、いずれも上記の内容は補償対象外となっています。


請負業者賠償責任保険、PL保険での補償範囲は、以下のとおりです。

  • 請負業者賠償責任保険:仕事の遂行中に生じた対人・対物事故を補償
  • PL保険:施工の結果生じた対人・対物事故を補償
請負業者賠償責任保険や、PL保険では、業務遂行中や、作業完了後に生じた対人・対物事故に対して補償されますが、他人に与えた経済的損失は補償の対象外となっています。

請負業者賠償責任保険、PL保険などとあわせて、E&O保険に加入することで、業務遂行に起因した賠償請求に網羅的に対応できるようになりますので、建設業者にとってもおすすめな保険です。

E&O保険に加入する方法


E&O保険の補償内容はご理解いただけたでしょうか。


製造業者や建設業者だけでなく、IT業者向けのE&O保険を販売している保険会社もありますので、ぜひ検討していただくことをおすすめします。


E&O保険に加入するには、お近くの保険代理店または保険会社に問い合わせることで加入が可能です。


保険会社に相談する前に、自社に本当に必要な保険なのか、補償内容はどういった内容なのか、詳しく確認したいこともあるかと思います。


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したがって、自社にどのような保険が必要か・リスク対策が必要かを「法人保険の事例」を参考に洗い出す必要があります。


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まとめ:E&O保険とは?


E&O保険について理解を深めていただけたでしょうか。


この記事ではE&O保険についてご紹介しました。

  • E&O保険は他人に与えた逸失利益などの経済損害を補償
  • PL保険や請負業者賠償責任保険では補償されない範囲を補償
  • 製造業者、建設業者にとってはとくにメリットのある保険
  • E&O保険に加入するには、保険代理店や保険会社に問い合わすることで加入可能
  • 事前に相談するなら「マネーキャリア」で無料相談がおすすめ
E&O保険は、PL保険や請負業者賠償責任保険に比べてあまりご存じの方がいらっしゃらない保険かと思いますが、補償される内容は重要です。

逸失利益などは、賠償金が高額になることもあり、事前に保険で備えておきたいですね。

とくに、製造業者や建設業者にとっては必要な補償ですので、PL保険などとあわせて加入を検討されることをおすすめします。

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