内容をまとめると
- E&O保険は他人に与えた逸失利益などの経済損害を補償
- PL保険や請負業者賠償責任保険では補償されない範囲を補償
- 製造業者、建設業者にとってはとくにメリットのある保険
- E&O保険に加入するには、保険代理店や保険会社に問い合わすることで加入可能
- 事前に相談するなら「マネーキャリア」で無料相談がおすすめ
E&O保険とは、第三者の身体障害や財物損壊に対するリスクの損失を除いた、経済的損害のみを補償する保険です。つまりPL保険で補償できない範囲を、E&O保険で補償することができます。PL保険の加入を検討している製造業や建設業の方々におすすめの損害保険です。
この記事の目次
E&O保険(業務過誤賠償責任保険)とは?
E&O保険(業務過誤賠償責任保険)とは「Errrors&Omission」の頭文字をとっており、業務遂行中の過失や怠慢のことを指しています。
- E&O保険の補償範囲とは?
- E&O保険の補償対象となる事例
- E&O保険を導入するメリット
- E&O保険に加入する方法
PL保険との違いは?
PL保険との違いは何でしょうか?
PL保険とは、「Product Liability」の頭文字からとっており、製品の欠陥により第三者のものを壊したり、誰かをけがさせた場合に企業が負う賠償責任を補償してくれる保険です。
例えばPL保険では以下のような事故が補償されます。
- 製造した電化製品の部品に欠陥があり、ユーザーがヤケドを負った
- 欠陥があった部品の生産をストップしたので、完成品メーカーから代替の部品ができるまでの間の逸失利益を請求された
E&O保険の補償範囲とは?
E&O保険で補償される内容をみていきましょう。
E&O保険では、以下にあげられた事由によって、他人に生じた逸失利益や事業中断による損害を補償します。
- 生産物の欠陥
- 生産物の仕様などで、意図していた効能・性能を発揮できかなったこと
- 工場の火災などの突発的事由による納期遅延
- 損害賠償金
- 争訟費用
- 損害拡大防止費用
E&O保険の補償対象となる事例
E&O保険で補償される事例をご紹介します。
E&O保険は製造業のほか、建設業やIT業者、などさまざまな業種を対象としていますがこの記事では、以下の業種における事例についてご紹介します。
- 製造業における事例
- 建設業における事例
製造業における事例
製造業における事例をいくつかご紹介します。
とくに、部品製造業者は、完成品メーカーから納期遅延などで賠償請求されることもあります。
以下の事例はよくある事例ですのでご確認ください。
印刷業者の事例
- 印刷業者が食品に貼る表示ラベルに、2つの原材料について印刷が漏れた。このことで、輸出ができなくなり食品加工業者から逸失利益を請求された。
- バルブ製造業者が、浄水器のバルブを製造したところ、仕様にあっておらず、完成品のいくつかが故障をおこした。メーカーから本来得られるはずであった逸失利益を請求された。
自動車部品製造業
- 納入した自動車部品が仕様に合わないことが、完成品メーカーの検査で判明。部品交換のため納期が遅れたとして、メーカーから納期が遅れた分の利益損失を賠償請求された。
参考:製造業者E&O保険
建設業における事例
- 工場の製造設備の施工に欠陥があり、部品の生産が大幅に減少した。工場側は別の製造ラインを稼働させるなどして対応したが、発注者への引き渡しが大幅に遅延した。工場の製造設備の施工を担当した建設会社は、工場から逸失利益や人件費を請求された。
E&O保険を導入するメリット
E&O保険を導入するメリットについて解説します。
すでに加入している保険などと一緒に加入することでもれなく補償を受けることができメリットが大きい保険です。
以下の業種について解説します。
- 製造業におけるメリット
- 建設業におけるメリット
製造業におけるメリット
- 製造物が不良品であった場合の賠償リスクを補償
- オペレーションミスによる賠償リスクを補償
- 他人に与えた逸失利益などの経済損害を補償
- 賠償事故の被害拡大防止のために負担する各種費用を補償
- 電子部品の欠陥によりスマートフォンが高温となることが判明した。代替の部品ができるまでの間、メーカーから出荷していたら本来得られるはずだった逸失利益を請求された。
建設業におけるメリット
建設業者がE&O保険に加入するメリットを解説します。
建設業者がE&O保険に加入することで、以下の補償を受けることができます。
- 工事遅延等による逸失利益や代替費用など
- 損害賠償責任の発生または拡大を防止するための再施工費用など
- ビルの建設工事中に、施工に欠陥はあることが判明したため、補修工事を実施。予定していた引渡し納期に間に合わず、発注者から逸失利益を請求された
- 店舗工事の引き渡し後に、墨出し穴の塞ぎ漏れが複数個所で発覚した。被害拡大防止のため、再施工を行うための費用が発生した
建設業者が加入する賠償責任保険のなかで、代表的なものは請負業者賠償責任保険、生産物賠償責任保険(PL保険)がありますが、いずれも上記の内容は補償対象外となっています。
請負業者賠償責任保険、PL保険での補償範囲は、以下のとおりです。
- 請負業者賠償責任保険:仕事の遂行中に生じた対人・対物事故を補償
- PL保険:施工の結果生じた対人・対物事故を補償
E&O保険に加入する方法
製造業者や建設業者だけでなく、IT業者向けのE&O保険を販売している保険会社もありますので、ぜひ検討していただくことをおすすめします。
E&O保険に加入するには、お近くの保険代理店または保険会社に問い合わせることで加入が可能です。
保険会社に相談する前に、自社に本当に必要な保険なのか、補償内容はどういった内容なのか、詳しく確認したいこともあるかと思います。
国内最大級のオンライン保険相談サービス「マネーキャリア」では、無料のオンライン相談を受け付けています。
厳選されたFPに納得いくまで何度も相談できますので、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:E&O保険とは?
E&O保険について理解を深めていただけたでしょうか。
この記事ではE&O保険についてご紹介しました。
- E&O保険は他人に与えた逸失利益などの経済損害を補償
- PL保険や請負業者賠償責任保険では補償されない範囲を補償
- 製造業者、建設業者にとってはとくにメリットのある保険
- E&O保険に加入するには、保険代理店や保険会社に問い合わすることで加入可能
- 事前に相談するなら「マネーキャリア」で無料相談がおすすめ