

監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 新NISAは貯金代わりになる?現役FPが解説
- 新NISAと貯金はどっちがおすすめ?10〜30年後のシミュレーション
- 10年後
- 20年後
- 30年後
- 新NISAと貯金のどちらをすべきか迷った場合はFPの無料相談を活用しよう
- 新NISAを貯金代わりにするメリット
- 貯金に比べ資産をより増やすことが期待できる
- 新NISAで増えた資産は非課税になる
- 企業収益の一部や優待品が貰える場合ある
- 新NISAを貯金代わりに利用するときのおすすめの運用方法
- 投資スタイルや保有財産に応じて成長投資枠・つみたて投資枠を選択する
- 現在の支出や収入の流れを可視化して投資できる金額を運用する
- 資産運用の専門家に相談する
- 新NISA・貯金を併用するならどれくらいの割合がおすすめ?
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 【まとめ】新NISAは貯金代わりになる?どっちがおすすめ?
新NISAは貯金代わりになる?現役FPが解説

新NISA | 貯金 | |
---|---|---|
元本 | 保証されない | 保証される |
資産運用の区分 | 投資 | 貯蓄 |
リターン | 大きい | 小さい |
税金 | 1,800万円まで非課税 | 預貯金の利息に20.315%の課税 |
新NISAと貯金はどっちがおすすめ?10〜30年後のシミュレーション
新NISAと貯金、どちらが自分の財産状況に適しているのか、10年ごとにシミュレーションで解説します。
今回のモデルは年収が500万円の方が、生活費や娯楽費用などを除いた余剰資金で投資を行った場合のシミュレーションです。ご自身の資産状況に合わせたシミュレーションは以下から予測できます。
- 10年後の金額
- 20年後の金額
- 30年後の金額
10年後

NISAに投資した場合、貯金と比較して10年後の金額はどのように変化するのかを予測します。
今回のモデルは年収が500万円の方が、生活費や娯楽費用などを除いた余剰資金で投資を行った場合のシミュレーションです。
ご自身の資産状況に合わせたシミュレーションは以下から予測できます。
- 積立金額は毎月5万円
- 新NISAの利回りは年利3%、貯金の金利は0.003%とする
- 積み立て期間は10年
新NISAの利回りは、つみたてNISAの場合5年間の保有で2-8%という結果が出ているため、今回の利回りを3%としました。
参考:つみたてNISAの利回りはどれくらい?平均利回りやおすすめランキング紹介
▼10年後の金額を比較
新NISA | 貯金 | |
---|---|---|
元本 | 600万円 | 600万円 |
10年後の資産総額 | 806.3万円 | 600.2万円 |
増えた金額 | 206.3万円 | 0.2万円 |
このように比較すると、新NISAへ投資を行った方が、貯金しておくよりも資産が206.1万円多く増加すると予測できます。
※貯金は日本銀行を参考にして金利0.003%の場合(日銀のマイナス金利解除で今後金利が変化する可能性があります)
※参考:金融庁の資産運用シミュレーション
20年後

NISAに投資した場合、貯金と比較して20年後の金額はどのように変化するのかを予測します。
今回のモデルは年収が500万円の方が、生活費や娯楽費用などを除いた余剰資金で投資を行った場合のシミュレーションです。
ご自身の資産状況に合わせたシミュレーションは以下から予測できます。
- 積立金額は毎月5万円
- 新NISAの利回りは年利3%、貯金の金利は0.003%
- 積み立て期間は20年
新NISAの利回りは、つみたてNISAの場合5年間の保有で2-8%という結果が出ているため、今回の利回りを3%としました。
新NISA | 貯金 | |
---|---|---|
元本 | 1,200万円 | 1,200万円 |
20年後の資産総額 | 2,167.3万円 | 1,200.7万円 |
増えた金額 | 967.3万円 | 0.7万円 |
貯金する場合と新NISAで投資を行った場合で、約960万円の差が開いていることが分かります。この差額は、単身の方が5年間働かずに暮らせる金額です。
また、同じ条件で10年投資を行った場合と20年行った場合で、資産総額がどのように変化するのかも以下に示します。
▼投資を始めて10年後と20年後の金額を比較
新NISAを始めて10年 | 新NISAを始めて20年 | |
---|---|---|
元本 | 600万円 | 1,200万円 |
20年後の資産総額 | 806.3万円 | 2,167.3万円 |
増えた金額 | 206.3万円 | 967.3万円 |
10年間投資を行うよりも、20年間投資を行った時の方が圧倒的に資産の増加率が大きいことが分かります。新NISAに投資を行う場合は、長期的に行った方が効果が大きいです。
※貯金は日本銀行を参考にして金利0.003%の場合(日銀のマイナス金利解除で今後金利が変化する可能性があります)
※参考:金融庁の資産運用シミュレーション
30年後

NISAに投資した場合、貯金と比較して30年後の金額はどのように変化するのかを予測します。
今回のモデルは年収が500万円の方が、生活費や娯楽費用などを除いた余剰資金で投資を行った場合のシミュレーションです。
ご自身の資産状況に合わせたシミュレーションは以下から予測できます。
- 積立金額は毎月5万円
- 新NISAの利回りは年利3%、貯金の金利は0.003%
- 積み立て期間は30年
新NISAの利回りは、つみたてNISAの場合5年間の保有で2-8%という結果が出ているため、今回の利回りを3%としました。
▼30年後の金額を比較
新NISA | 貯金 | |
---|---|---|
元本 | 1,800万円 | 1,800万円 |
30年後の資産総額 | 4,369.1万円 | 180.5万円 |
増えた金額 | 2,569.1万円 | 1.6万円 |
貯金する場合と新NISAで投資を行った場合で、約2,570万円の差が開いていることが分かります。この差額は、地方であれば家を購入できる金額です。
また、同じ条件で10年投資を行った場合、20年行った場合、30年行った場合で、資産総額がどのように変化するのかも以下に示します。
▼投資を始めて10年後、20年後、30年後の金額を比較
新NISAを始めて10年 | 新NISAを始めて20年 | 新NISAを始めて30年 | |
---|---|---|---|
元本 | 600万円 | 1,200万円 | 1,800万円 |
20年後の資産総額 | 806.3万円 | 2,167.3万円 | 4,369.1万円 |
増えた金額 | 206.3万円 | 967.3万円 | 2,569.1万円 |
新NISAに投資を行う場合は、長期的に行うほど資産増加率が大きいことが分かります。
※貯金は日本銀行を参考にして金利0.003%の場合(日銀のマイナス金利解除で今後金利が変化する可能性があります)
※参考:金融庁の資産運用シミュレーション
このように新NISAには、貯金を超える大きな魅力があります。しかし、いきなり新NISAへ投資をしようと考えても、以下のような問題に悩む方も多いです。
- 一人で資産状況の整理をするのが不安で、月に投資する金額がわからない
- 新NISAの始め方や、正しい投資銘柄を選べる自信がない
- 将来設計が立てられず、いくら必要なのかが不明確
新NISAと貯金のどちらをすべきか迷った場合はFPの無料相談を活用しよう

新NISAと貯金のどちらを選ぶべきか迷ったら、ファイナンシャルプランナー(FP)の無料相談がおすすめです。
FPは資産運用の専門家として、あなたの年収・家族構成・将来設計などを総合的に考慮した適切なアドバイスを提供できます。
多くの人は「どの程度の金額を投資に回せるか」「どんな商品を選べばいいのか」などの悩みを抱えています。FPに相談すれば、自分に合った資産配分や投資スタイルを具体的に知ることが可能です。

新NISAを貯金代わりにするメリット

新NISA・つみたてNISAを貯金代わりにするメリットを紹介します。
紹介するメリットは以下の3つです。
- 貯金に比べ資産をより増やすことが期待できる
- 新NISAで増えた資産は非課税になる
- 企業収益の一部や優待品が貰える場合ある
貯金に比べ資産をより増やすことが期待できる
新NISA・つみたてNISAを貯金代わりに利用すると、貯金に比べて資産をより増やすことが期待できます。
たとえば、月に3万円(利回り3%)を30年運用した場合、元本は1,080万円になります。
新NISA・つみたてNISAを利用すれば、運用利益は668.2万円にもなり、総資産額は2,621.4万円になるとシミュレーションされます。
一方で、貯金(金利0.003%計算)の利息額は10,000円にしかならず、総額は1,081万円です。
※参考:金融庁の資産運用シミュレーション
新NISAで増えた資産は非課税になる
新NISAで増えた資産は非課税になります。
たとえば、月に5万円(利回り3%)を15年運用した場合の増えた資産について、新NISAと貯金で比較します。
新NISAの総資産額は1,402.2万円となり、運用利益は502.2万円になります。一方で、貯金(金利0.003%計算)の元本は900万円で、利息額は0.4万円です。
新NISAは増えた資産に対して非課税になるため、運用利益の502.2万円に対して税金を支払う必要はありません。
それに対して、貯金で得た利息額の0.4万円には20.315%の税金が課税されてしまいます。このように、貯金代わりに新NISAを利用するメリットは大きいと言えます。
企業収益の一部や優待品が貰える場合ある
企業の収益の一部が配当金、優待金としてもらえたり、株主優待として優待品が貰える場合があったりすることも、NISAを貯金代わりにするメリットです。
NISAには、「つみたて投資枠と成長投資枠の2種類」があります。このうち、成長投資枠に投資を行うことで投資する銘柄を自分で決められます。
そのため、銘柄によっては配当金、優待金や優待品がもらえる銘柄に投資を行えます。
新NISAを貯金代わりに利用するときのおすすめの運用方法

新NISAを貯金代わりに利用するときのおすすめの運用方法を紹介します。
- 投資スタイルや保有財産に応じて成長投資枠・つみたて投資枠を選択する
- 現在の支出や収入の流れを可視化して投資できる金額を運用する
- NISA・資産運用の専門家に相談する
資産増加率が大きいNISAを、貯金代わりとして使いたいが、どのような点を意識して資産運用すれば良いかわからない方は必見です。
投資スタイルや保有財産に応じて成長投資枠・つみたて投資枠を選択する
新NISA・つみたてNISAを貯金代わりに利用する際は、貯蓄と投資の割合をあらかじめ整理しておくことが大切です。
貯蓄と投資の割合をあらかじめ整理のは、自分の生活費や余剰資金を把握することに繋がります。家賃や食費などの生活費や、将来必要になるとわかっている教育資金は新NISAに回すべきではありません。
また、急にお金が必要になるときの場合を考えて、およそ半年から1年分の生活費は貯蓄しておくことをおすすめします。当面の生活費と将来必要になるお金を貯蓄したのち、余裕のあるお金を貯金代わりに新NISAへ投資すると無理なく運用できます。
リスクを避けるため、自分の貯蓄額や余裕のあるお金はいくらなのか把握し、貯蓄と投資の割合を整理しましょう。
しかし、なかなか今の自分の資産状況を把握する時間が取れなかったり、一人で将来設計を立てるのが不安という方も多いです。
そんな方は、資産形成のプロが集まるマネーキャリアで相談しましょう。マネーキャリアでは、無料で何度でも相談でき、支出や収入の流れも簡単に可視化してくれるのです。
現在の支出や収入の流れを可視化して投資できる金額を運用する
- 成長投資枠:つみたて投資枠の商品に加えて、上場株式やその他投資信託に投資が可能。積立投資の他に、一括投資ができる。
- つみたて投資枠:投資初心者や、少量の投資を行う場合におすすめ。金融庁の基準を満たした投資信託であるため、安全性が高い。つみたて投資枠は、決まった額を一定の期間積み立てる。
- 食費 4万3,848円/月
- 住居 3万2,312円/月
- 光熱費 7,206円/月
- 家具・家事用品 3,630円/月
- 被服及び履物 8,401円/月
- 保健医療 4,708円/月
- 交通・通信 2万7,460円/月
- 教養娯楽 1万9,285円/月
- その他 2万4,447円/月
- 合計 17万1,297円/月
資産運用の専門家に相談する
NISAを始める際は、資産運用の専門家に相談するようにしましょう。
貯金は元本が保証された資産運用方法ですが、新NISA・つみたてNISAは元本割れをするリスクが伴う投資です。
いざ投資をはじめるとなっても、以下のような問題に悩む方がほとんどです。
- どこの証券会社・銀行でNISA口座を開設すればいいの?
- どの銘柄を買えばいいの?
- 月いくら投資すればいいの?
そこでNISAを始める前に、まずは資産運用の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。
FPは国家資格であり、資産運用全般の相談を専門としています。相談員全員がFP資格を持つマネーキャリアでは、相談を行うことで「お金の不安」を明確にし、個人の資産状況に合った資産運用方法を知れます。
新NISA・貯金を併用するならどれくらいの割合がおすすめ?
新NISAを活用しながら貯金もバランスよく確保するには、年代ごとに考え方を変えるのが重要です。ここでは、以下の年代別に新NISAと貯金の割合を解説します。
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
人生のステージに応じた資産管理を意識することで、無理なく安定した資産形成ができるでしょう。
20代
20代は社会人生活を始めたばかりで、収入が安定しない時期です。初任給の水準も低いため、突発的な転職や引っ越し、さらには結婚など将来に備える資金が欠かせません。
このため、貯金と投資の割合は「貯金70%・投資30%」を目安にするのがおすすめです。まずは生活費6か月分以上の生活防衛資金を優先して貯め、その後に余剰資金を新NISAで運用しましょう。20代は時間を最大の武器にできるため、多少の価格変動があっても、長期・分散投資を続けることで安定的なリターンが期待できます。
30代
30代は結婚・出産・育児・マイホーム購入といったライフイベントが集中する時期です。教育資金や住宅ローン、場合によっては二人目以降の出産費用など、長期的な支出計画を立てる必要があります。
そのため、貯金と投資の割合は「貯金60%・投資40%」を目安にするのが現実的です。まずは緊急時に備えて生活費6~12か月分を確保し、教育資金や住宅関連費用に必要な金額も別に取り分けます。
40代
40代は子どもの教育費負担がピークを迎え、住宅ローンの返済や親の介護リスクにも備えなければならない世代です。さらに、自分自身の老後資金準備も意識し始める重要なタイミングでもあります。
このため、貯金と投資の割合は「貯金50%・投資50%」を基本にバランスよく配分しましょう。短期的に使う予定のあるお金はしっかり預貯金で守りつつ、10年以上使う予定のない余裕資金を新NISAで運用が賢明です。
50代
50代は子どもの教育資金負担が落ち着き、住宅ローンの完済が近づく一方、親の介護や自らの老後資金の準備が必要な時期です。収入がピークを過ぎる可能性もあるため、より堅実な資産管理が求められます。
このため、貯金と投資の割合は「貯金60%・投資40%」を意識しましょう。日常生活費や緊急予備資金は手堅く確保し、残りをリスクを抑えた運用に回します。新NISAを活用する場合は、成長投資枠よりもつみたて投資枠を優先し、債券型ファンドや安定型のバランスファンド中心に組み立てるとよいでしょう。
【まとめ】新NISAは貯金代わりになる?どっちがおすすめ?

