内容をまとめると
- 低解約返戻金型逓増定期保険とは、加入開始から数年までは解約返戻率が低いが、5年目ごろから最大5倍程度まで解約返戻金が増加する法人保険の一種。
- メリットは、契約者貸付制度が使えたり払済保険への変更ができたりする貯蓄性の高い保険な点。
- 現在では税制改正により、節税対策は難しくなった点や加入後の見直しがしづらい点に注意。
- 低解約返戻金型逓増定期保険が自社に最適かは、事業フェーズによっても異なるので、「丸紅グループが運営するマネーキャリア」のような「何度でも相談できる無料相談窓口」を使って、法人保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談する経営者も多い。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
低解約返戻金型逓増定期保険とは
低解約返戻金型逓増保険とは、保険期間が経過するごとに、最大5倍程度まで解約返戻金が上昇する「逓増定期保険」の一種です。
最初の数年ほどは解約返戻率が低く設定されており、保険料の負担を抑えられる点が大きな特徴です。長期平準定期保険など、保険期間が長期に設定されている保険よりも保険期間が短く設定されているケースが多く、短期の保障を希望する経営者の方に向いています。
一方で、国税庁から令和3年4月28日に「保険契約等に関する権利の評価」を見直す、との公表があったことからも、2019年の税制改正後7月8日以降に加入した保険に対しても遡って改正が決定されています。
そのため、企業として検討するにあたり、節税を目的に加入しても実際には節税効果は以前より薄くなっている点に注意しましょう。
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低解約返戻金型逓増定期保険のメリット
ここでは、低解約返戻金型逓増定期保険のメリットをご紹介します。目的にマッチした法人保険を選定できている企業は、経営陣が以下のメリットを正しく理解しているのです。
貯蓄性がある
低解約返戻金型逓増定期保険は、保険期間の経過とともに保険金額が上昇していくうえ、保険金を事業資金に活用できる貯蓄性の高さがポイントです。
そのため、高齢な経営陣への万が一のリスク対応ができるだけでなく、事業の運転資金や従業員への給与支払いに充てられます。また、一般的な定期保険とは異なり、解約返戻率が高く設定されているケースがほとんどです。
ただし、解約返戻金のピークを過ぎてしまうと解約返戻金が減少し、満了すると保障や保険金の受け取りができなくなる点には注意が必要です。
契約者貸付制度が使える
契約者貸付制度が使える商品が多いのもメリットのひとつです。 貸付制度とは、解約返戻金の一定範囲内で融資を受けられる仕組みです。
そのため、急な資金が必要になった場合でも、保険の加入期間に応じて資金確保できる特徴を持ちます。
一方で、保険会社ごとに規定の利息が必要になったり、解約返戻率のピークを過ぎているケースでは利用できなかったりするので、細かな契約内容まで確認しておかなければなりません。
払済保険へ変更可能
低解約返戻金型逓増定期保険でも、商品によっては払済保険へ変更可能なものが多く、柔軟に対応ができる点もポイントです。
払済保険の変更ができれば、仮に何らかの理由で保険料の継続的な支払いが難しくなった場合でも、以降の保険料を抑えられます。一定期間経過後の解約返戻金を使って、すでに保険料を支払った(払済)状態となり、保障も満期まで継続させられるのです。
ただし、保険金額や解約返戻金も比例して減額されたり、種類によっては特約の加入が解消されたりしてしまうので注意しましょう。
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【シミュレーションあり!】低解約返戻金型逓増定期保険の注意点
ここでは、低解約返戻金型逓増定期保険の注意点を、シミュレーションを交えて紹介します。とくに、税制改正後の取り扱いはもちろん、低解約返戻金型逓増定期保険が持つ独自の注意事項もあるので、契約時には正しく確認しておかなければなりません。
節税効果は税制改正前と比較して少ない
2019年に第一分野(生命保険など)・第二分野(損害保険など)・第三分野(医療保険屋がん保険など)の保険に関して、損金計上のルールが国税庁の通達によって見直されたことから、低解約返戻金型逓増定期保険の節税効果もほとんどなくなってしまいました。
たとえば、「解約返戻率70%超から85%以下(損金参入40%、資産計上60%)、年間保険料500万円」のシミュレーションでは、以下のとおりとなります。
解約返戻金 | 資産計上額 | |
---|---|---|
1年目 | 0万円(0%) | 300万円 |
2年目 | 5万円(1%) | 600万円 |
3年目 | 15万円(2%) | 900万円 |
4年目 | 30万円(3%) | 1,200万円(契約名義の変更) |
5年目 | 2,125万円(85%) | 0万円 |
上記シミュレーションでは、
・雑損失=1,170万円(1,200万円-30万円)
・過去4年の損金参入額=800万円(1,000万×40%×4年)
であり、税制改正前までは、4年で支払った保険料の2,000万円のうち、4年目の解約返戻金30万円を引いた累計1,970万円が損金参入できていました。
移転金額後の「個人の支出」は、5年目に500万円を支払ったあとに名義変更して解約すると、変更価額30万円に500万円を足して530万円になります。
しかし、2021年の見直しでは「解約返戻金額が資産計上額の7割未満=資産計上した保険料の金額が評価額」になったのです。
シミュレーションでは、4年目の資産計上額は1,200万円になり、840万円(1,200万円×7割)が解約返戻金の額30万円を超えているため、契約者を個人に変更した場合は、移転金額は1,200万円となります。結果として、
・損金参入額は1,970万円→800万円
・個人の支出額は530万円→1200万円
となるので、損金参入額が支出を上回っており、節税にはならないことがわかります。
保険期間初期で解約すると大きく損をしてしまう
保険期間の初期で解約すると大きく損をする点も注意しましょう。
仮に500万円の保険料で解約返戻金が5年目以降に85%、1年目から4年目までは1%ずつ増えていく例で、3年目で解約をすると15万円-500万円で485万円も損になってしまうのです。
そのため、低解約型逓増定期保険では短期解約のケースが発生しないように、加入前に吟味しなければなりません。
保険の見直しがしにくくなる
一度低解約返戻金型逓増定期保険に加入すると、加入後数年間は解約返戻金の額が目減りしているので、保険の見直しがしにくくなる点にも注意です。
とくに、創業期や成長期の事業フェーズにある企業では、外的・内的要因で状況が変わりやすいため、定期的に加入している保険の見直しが必要になります。
したがって、低解約返戻金型逓増定期保険を含む保険の加入検討は、経営陣の独断で決めるのではなく、マネーキャリアをはじめとした無料相談サービスを活用して判断する企業も多いのです。
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低解約返戻金型逓増定期保険を含む「法人保険」を簡単に見直せる方法
以下では、自社で加入すべき保険を簡単に、正しく判断できる方法をご紹介します。
低解約返戻金型逓増定期保険は長期平準定期保険などと比較すると、保険料を抑えつつ高い解約返戻金が設定されているので、法人保険の候補になりえる保険のひとつです。
一方で、税制改正によって以前よりも節税を目的とした保険は少なくなったうえ、今後も税制改正が公表される可能性があります。そのため、とくに法人保険の分野では保険に関する専門的、かつ最新情報も取り入れなければ正しく選定できません。
したがって、「法人向け保険の知見が豊富なファイナンシャルプランナー」へ無料相談できるマネーキャリアを使いながらの保険加入が必須となります。
丸紅グループが運営するマネーキャリアでは、法人向けに特化した保険相談が「無料で何度でも」可能であり、実際に相談満足度は98.6%を誇るので「自社に合わない保険に加入してしまうリスク」を抑えつつ、自社の事業に集中できます。
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低解約返戻金型逓増定期保険の概要まとめ
ここまで、「低解約返戻金型逓増定期保険」の概要からメリット、シミュレーションを含む注意点まで紹介しました。
低解約返戻金型逓増定期保険のメリットは、契約者貸付制度や払済保険への変更ができたり、貯蓄性が高い点でした。逆に、短期間で解約すると、大きく損をしたり見直しがしにくい注意点もあります。
一方で、低解約返戻金型逓増定期保険を含む法人保険は、税制改正によって以前ほど節税効果は望めなくなり、各社が保険の見直しを迫られている状態です。
そのため、法人保険に関するプロのファイナンシャルプランナーに、何度でも無料相談ができるマネーキャリアを使い、自社のリスクを解消する企業も増えているのです。
無料登録は30秒で完了するので、ぜひマネーキャリアで「低解約返戻金型逓増定期保険が最適か」はもちろん、自社の状況を踏まえたベストな保険を選びましょう。