【必見】借入金や事業融資の借り換えの活用法と資金繰り対策とはのサムネイル画像
借り換えは毎月の返済負担を軽減したり、複数の会社の借入金返済を一本化する目的で行われますが、銀行から2度目の融資を受けにくくなるなどのデメリットもあります。

デメリットの少ない借り換えの方法、自社にとって借り換え以外のより良い選択肢を知りたい方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、借入金や事業融資の借り換えの活用法と資金繰り対策を解説します。

・どんなときに借り換えが活用できるか知りたい
・借り換えのデメリットがあるならばより良い代替方法があるのか知りたい

方は本記事を参考にすると、借入金や事業融資の借り換えの活用法と資金繰り対策がわかるうえに、事業開始後の自社のリスク対策ができる方法もわかります。

内容をまとめると

  • 借入金・事業融資の借り換えとは、現在借入金・事業融資返済している金融機関から他の金融機関へと乗り換えることを指す。
  • 借り換えは、複数借入先の一本化により経理処理が簡単になる利点もあるが、同時により手数料がかかったり返済総額が増額するケースもある。
  • 借り換え以外にも追加投資やリスケジュールがあるが、「法人生命保険の活用」は前もって資金繰り改善のために備えておくことから、計画的なリスクヘッジになる。
  • 計画的な資金繰りには保険で債務超過対策を検討することが必須なので、「丸紅グループが運営するマネーキャリア」のような無料相談窓口サービスを有効活用し、自社のリスクに備える会社も増えている。

この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る

この記事の目次

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借入金・事業融資の借り換えとは


借入金・事業融資の借り換えとは、現在借入金・事業融資返済している金融機関から他の金融機関へと乗り換える行為です。


たとえば、もともとA社に返済していた借入金をより金利の低いB社から新たに借り入れた融資で返済し、その後はB社の融資を利用する形が「借り換え」です。


毎月の返済負担を軽減したり、複数の会社の借入金返済を一本化する目的で行われます。


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借入金・事業融資を借り換える方法やシチュエーションとは


以下では、借入金・事業融資を借り換える方法やシチュエーションを解説します。


一般的には借り換えは返済総額や返済期間の負担を減らす、もしくは返済の手続きを簡易化するために行われますが、コロナの影響で悪化した資金繰りを改善する場合にも借り換えができるようになりました。

返済総額や返済期間の負担を減らしたい場合

返済総額や返済期間の負担を減らしたい場合に、借入金・事業融資を借り換えることがあります。


たとえば、金融機関A社で1,000万円の借入金を年利5%かつ1年後返済の条件で借りているとき、毎月の支払額は856,074円ですが、金融機関B社は同じ条件で借入金の年利が3%の場合、毎月の支払額は846,936円で済みます。返済総額の差は約1万円です。(上記はあくまでシミュレーションとなります。)


また、年利は同じでも返済期間が長く設定されているものであれば、返済総額は大きくなるものの月々の返済額は小さくて済みます。


借り換えの方法に「同じ銀行内で、すでに受けている融資を新たに借り換える」「他行へ借り換える」「信用保証協会を利用する」などを採用すると、月々の返済額や返済期間の負担を減らせる可能性があります。


複数の借入先を一本化したい場合

複数の借入先を一本化したい場合にも、 借入金・事業融資を借り換えることがあります。

複数社の借入れを1つにまとめることを借入一本化といいます。A社で500万円、B社で300万円、C社で400万円と3社からお金を借りている法人が、合計借入額1,200万円を1社でまとめて借りることを指します。

とくに、以下の方法を実施すると、複数の借入先を一本化できます。
  • 同じ銀行内で、すでに受けている融資を新たに借り換える
  • 他行へ借り換える
  • 信用保証協会を利用する
  • ビジネスローンを利用する
しかし、とくに「ビジネスローン」を利用して複数の借入先を一本化する場合は、銀行や信用金庫などと比べて金利が高いため借り換え前よりも返済総額が増えてしまう可能性があります。

社会的・経済的環境やコロナの影響で悪化した資金繰りを改善したい場合

社会的・経済的環境やコロナの影響で悪化した資金繰りを改善したい場合にも借り換えを利用できます。

2023年1月10日から、新型コロナウイルスの影響で売上が減ってしまった中小企業や個人事業主を対象に、実質無利子・無担保で融資を受けられる「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)」が施行されました。

コロナ借換保証は、2022年10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響の下で債務が増大した中小企業者の収益力改善等を支援するための借換え需要に応える目的です。

売上高が5%以上減少している中小企業者(個人事業主を含む)を対象に、借入限度額を1億円として、保証料率0.2%~借入期間10年(最大5年、返済据置可能)の条件に、借り換えができます。

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借入金・事業融資の借り換えをするデメリット


以下では、借入金・事業融資の借り換えをするデメリットを解説します。


借り換えは、複数借入先の一本化により経理処理が簡単になる利点もありますが、同時により手数料がかかったり返済総額が増額するケースもあるため、注意が必要です。

借り換え元・借り換え先への手数料がかかる

借入金・事業融資の借り換えをする際は、借り換え元・借り換え先への手数料がかかります

手数料は融資額によって変わるものの、10万円前後かかることが一般的です。

手数料も含めると月々の返済額が増えることもあるため、借り換えの前に手数料がいくらかかるのか確認しなければなりません。

借り換え元の銀行に今後融資を受けられなくなる場合がある

借り換え元の金融機関から受けている融資を、他の金融機関に借り換える場合、借り換え元の銀行に今後融資を受けられなくなる場合があります

他の金融機関への借り換えは、これまで取引してきた金融機関から裏切られたように捉えられてしまいかねません。今後融資が必要となったときに取引を断られてしまう可能性を視野に入れて判断する必要があります。


借り換え条件によっては総返済額が増えてしまう

借り換え条件によっては総返済額が増えてしまう場合があります。


たとえば、複雑な経理処理を簡略化するために複数の借入先を一本化するとき、銀行や信用金庫などと比べて金利が高いビジネスローンを利用すると、借り換え前よりも返済総額が増えてしまう可能性があります。


返済総額の増額を防ぐためにも、借り入れの一本化を目的として借り換えをする場合は、借り換え先の金融機関の金利を確認しなければなりません。


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借入金・事業融資の借り換え以外の方法で資金繰り改善をする方法


以下では、借入金・事業融資の借り換え以外の方法で資金繰り改善をする方法を解説します。


借り換え以外の方法で資金繰りを改善するには「追加投資の検討」「リスケジュールの実施」が一般的ですが、一時的な資金繰り改善にしかならず、根本的な改善にはなりません。それに対して「法人生命保険の活用」は前もって資金繰り改善のために備えておくことから、計画的なリスクヘッジだと言えます。

追加融資を検討する

追加融資とは、すでに融資を受けている事業者が2度目以降に申し込む借入れのことです。 

創業融資などで日本政策金融公庫や銀行といった金融機関から借入れを受けており、返済中に再度融資を受ける例が代表的です。

審査にかかる時間も比較的短く、審査から実施までがスピーディーであるのが特徴です。キャッシュが増え資金繰りの改善につながる一方で、「経営改善計画書」などを作成しないと無条件での追加融資は困難になるため注意が必要です。

追加融資は素早く資金調達ができますが、毎月の返済額も増えてしまいます。そのため、自社が無理なく返済できるのか借入金月商倍率などで確認し、シミュレーションした上で判断しなければなりません。

リスケジュールを実施する

リスケジュールとは、返済期日を遅らせて日程調整することです。業績の悪化などで返済が困難な場合に、借入金の返済期日を遅らせ、一時的に資金繰りを改善する目的で行います。


金融機関は貸し倒れによって融資が回収できなくなることを避けるために、リスケジュールを受け付ける場合がほとんどです。


事業の改善計画を借入先に示したうえで、今後の自社の返済計画を提示し、借入金の返済期限を遅らせることができます。


リスケジュールは業績悪化による契約条件の変更となり、一般的に新規の融資を受けられなくなるため注意しましょう。


法人生命保険を活用する

法人生命保険のなかでも、解約返戻金があるものは借入金の返済資金を準備できます


借入金の返済に活用できる保険は、「長期平準定期保険」「逓増定期保険(ていぞうていきほけん)」「養老保険」の主に3つが代表的です。「長期平準定期保険」「逓増定期保険(ていぞうていきほけん)」は、借入金の返済が困難になった場合は、保険を解約して、その解約金を借入金の返済に充てることができます。


一方で、借入金の返済はスムーズに行えているものの、経営者に万が一のことが起き経営者不在のために事業に影響が出た場合、借入金の返済が困難になります。「養老保険」は、経営者に万が一が起き返済が滞った場合に、差し入れ担保の差し押さえや連帯保証人への請求を回避するために使えます。


法人生命保険は借入金の返済に活用できるのみならず、借入金の返済が不要になった場合にも医療保険として死亡保険金や高度障害保険金が支払われる種類の保険もあるので、会社の福利厚生としての利用もできるのです。


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借入金・事業融資返済に借り換えが最適か確認する方法


以下では、借入金・事業融資返済に借り換えが最適か確認する方法を解説します。


借入金・事業融資返済は借り換えのみならず、追加融資やリスケジュール、法人生命保険の活用などがありますが、一時的な資金繰り改善ではなく長期的な事業運営を見据えて検討しなければなりません。


借入金は膨らみすぎると債務超過になる可能性もあるので、返済総額が減額できる借り換えもしくは生命保険で代物弁済などの検討が重要です。さらに生命保険は借入金返済のみならず、借入金でまかなわれることが多い「多額の役員退職金の準備」としても活用できます。


借入金による債務超過になるリスクを減らすために、どのような生命保険に加入すべきかは経営陣でマストで考えるべき事項なのです。


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借入金・事業融資の借り換えの活用方法と資金繰りの改善方法まとめ


ここまで、借入金・事業融資の借り換えの活用方法と資金繰りの改善方法、借入金・事業融資返済に借り換えが最適か確認する方法まで解説しました。

借り換えは返済総額や返済期間の負担を減らす、もしくは返済の手続きを簡易化するために行われますが、コロナの影響で悪化した資金繰りを改善する場合にも借り換えができるようになりました。

借り換えには約10万円前後の手数料がかかったり、借り換え元銀行に今後融資が受けられなくなる可能性ができたり、総返済額が増えてしまうケースもあったりと、デメリットあります。そのため、法人保険の活用によって会社が債務超過になるリスクを解消する必要があるのです。

しかしながら、法人保険の種類は税制改正などの影響で多様化しており、忙しい経営陣が自ら保険を選ぶのは簡単ではありません。

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