

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 住宅ローン資金は頭金と繰り上げ返済どっちが得かパターン別に紹介
- 金利が1.5%以上で余剰資金が十分な場合
- 金利が1.5%以上で余剰資金が少ない場合
- 金利が1.5%未満で余剰資金が十分な場合
- 金利が1.5%未満で余剰資金が少ない場合
- 住宅ローンで資金を繰上げ返済に回すデメリット
- 借入可能額が下がってしまう可能性がある
- 頭金が少なく審査に通らない場合がある
- 繰上げ返済の手数料が高額になる場合がある
- 住宅ローンで頭金を多くするメリット
- ローン審査に通りやすくなる
- 金利優遇を受けられる場合がある
- 住宅ローンの頭金・繰り上げ返済の返済額の違いをシミュレーション
- 頭金に使用した場合の総支払額
- 繰上げ返済に使用した場合の総返済額
- 住宅ローンで頭金か繰り上げ返済どっちがお得か迷ったらFP相談がおすすめ
- 住宅ローンの審査に関する相談が何度でも無料:マネーキャリア(丸紅グループ)
- 住宅ローン資金は頭金と繰り上げ返済どっちがお得かは金利・資金状況で変わる
住宅ローン資金は頭金と繰り上げ返済どっちが得かパターン別に紹介
住宅ローン資金は、金利の水準と資金の余裕度によって「頭金」と「繰り上げ返済」のどちらが得かが異なります。
ここからは、以下の4つのケースに分けて、それぞれの最適な選択肢を詳しく解説します。
- 金利が1.5%以上で余剰資金が十分な場合
- 金利が1.5%以上で余剰資金が少ない場合
- 金利が1.5%未満で余剰資金が十分な場合
- 金利が1.5%未満で余剰資金が少ない場合
金利の水準や資金の余裕度によって、頭金を優先すべきか、繰り上げ返済を見据えるべきかは大きく変わります。
ご自身の状況に当てはまるケースを参考にしてみてください。
金利が1.5%以上で余剰資金が十分な場合
金利が1.5%以上で余剰資金が十分な場合は、頭金を優先して支払う方が総支払額を抑えられるため得策です。
金利が高いと、その分利息負担も大きくなり、借入額を減らすことで支払総額が大幅に軽減されます。
頭金を多く入れるメリットは以下の通りです。
- 借入額を減らせるため、支払う利息が少なくなる
- ローン審査で有利になりやすく、金利優遇が受けられる可能性がある
- 繰り上げ返済と比べ、資金の使い道が明確で計画が立てやすい
このように、高金利かつ余裕資金がある場合は、頭金を活用することで経済的なメリットを最大化できます。
金利が1.5%以上で余剰資金が少ない場合
金利が1.5%以上で余剰資金が少ない場合は、可能な範囲で頭金を増やすことで、将来的な返済負担を軽減できます。
頭金を増やすことで、借入額が減少し月々の返済額や総支払額を抑えられるからです。
また、頭金を多く用意することで、金融機関からの信頼を得られ、住宅ローンの審査において有利になる可能性があります。
さらに、頭金の割合が高いほど、金利優遇を受けられる場合があり、長期的な支払い総額の削減につながります。
ただし、手元資金が少ない場合は、生活費や予備費を確保することも重要です。
金利が1.5%未満で余剰資金が十分な場合
金利が1.5%未満で余剰資金が十分にある場合は、頭金を抑えて繰り上げ返済や資産運用に回すことがおすすめです。
低金利の住宅ローンでは、繰り上げ返済による利息軽減効果が限定的なため、余剰資金を資産運用に回すことで、より高いリターンを得られる可能性があります。
資産運用の利回りが住宅ローンの金利を上回る場合、繰り上げ返済よりも資産運用の方が資金効率が良くなります。
ただし、資産運用にはリスクが伴うため、運用期間やリスク許容度を考慮し、慎重に判断することが重要です。
金利が1.5%未満で余剰資金が少ない場合
金利が1.5%未満で余剰資金が少ない場合は、頭金を抑え、生活資金を確保しつつ、余裕ができたタイミングで繰り上げ返済を行うのがおすすめです。
低金利の住宅ローンでは、繰り上げ返済による利息軽減効果が限定的なため、無理に頭金を増やすよりも、手元資金を確保しておくことが重要です。
生活資金を確保することで、急な出費やライフイベントにも柔軟に対応でき、家計の安定につながります。
また、余裕資金ができた際に繰り上げ返済を行うことで、返済期間の短縮や利息の軽減が可能です。
住宅ローンで資金を繰上げ返済に回すデメリット
住宅ローンの資金を繰り上げ返済に回すことには、以下のデメリットがあります。
- 借入可能額が下がってしまう可能性がある
- 頭金が少なく審査に通らない場合がある
- 繰り上げ返済の手数料が高額になる場合がある
これらのデメリットを理解し、自身の資金計画や将来のライフプランに照らし合わせて、繰り上げ返済のタイミングや金額を慎重に検討することが重要です。
借入可能額が下がってしまう可能性がある
住宅ローンの資金を繰り上げ返済に充てる際、借入可能額が減少する可能性があります。
これは、金融機関が審査時に重視する「返済負担率」が影響するためです。
借入可能額が下がる主な理由は以下の通りです。
- 返済負担率の基準:年収に対する年間返済額の割合で、フラット35では年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下が基準とされている
- 頭金が少ない場合の影響:頭金を抑えると借入額が増え、返済負担率が高くなり、審査で借入可能額が制限される可能性がある
- 他の借入の影響:自動車ローンや教育ローンなど、他の借入がある場合、それらの返済額も返済負担率に含まれ、借入可能額に影響を与える
このように、繰り上げ返済を優先すると、頭金が減少し、結果として借入可能額が下がるリスクがあります。
住宅購入を検討する際は、返済負担率や他の借入状況を考慮し、資金計画を立てることが重要です。
頭金が少なく審査に通らない場合がある
住宅ローンの資金を繰り上げ返済に回す場合、頭金が少なくなることで審査に通らない可能性があります。
審査に通らないリスクが高まる理由は以下の通りです。
- 頭金の目安:一般的に、住宅購入価格の10~20%程度の頭金が求められる
- 借入比率の増加:頭金が少ないと、借入比率が高くなり、金融機関にとってリスクが増すため、審査が厳しくなる傾向がある
- 金利の上乗せ:頭金が少ない場合、金利が上乗せされる可能性がある
- 団体信用生命保険の加入:頭金が少ないと、団体信用生命保険の加入が必須となる場合がある
これらの要因により、頭金が少ないと住宅ローンの審査に通りにくくなる可能性があります。
そのため、繰り上げ返済と頭金のバランスを考慮し、計画的に資金を準備することが重要です。
繰上げ返済の手数料が高額になる場合がある
住宅ローンの繰り上げ返済には、手数料が発生する場合があり、これが返済のメリットを相殺する可能性があります。
金融機関や手続き方法によって手数料の有無や金額が異なるため、注意が必要です。
以下に繰り上げ返済手数料の一例を記載します。
- 三井住友信託銀行では、全額繰り上げ返済時に22,000円(税込)の手数料がかかります。
- 関西みらい銀行では、一部繰り上げ返済時に所定の手数料が必要です。
- 楽天銀行では、インターネットバンキングを利用した一部繰り上げ返済の手数料が無料です。
- SBI新生銀行でも、インターネットバンキングからの繰り上げ返済手数料が0円となっています。
繰り上げ返済を検討する際は、手数料の有無や金額を事前に確認し、返済による利息軽減効果と手数料を比較することが重要です。
特に、手数料が高額な場合、繰り上げ返済によるメリットが減少する可能性があるため、慎重な判断が求められます。
住宅ローンで頭金を多くするメリット
住宅ローンを利用する際、頭金を多く用意することにはさまざまなメリットがあります。
主なメリットは、以下の2点です。
- ローン審査に通りやすくなる
- 金利優遇を受けられる場合がある
ローン審査に通りやすくなる
- 借入額の減少:月々の返済負担が軽くなり、審査通過の可能性が高まる
- 信用力の向上:資金管理能力があると評価され、金融機関からの信頼度が上がる
- 審査通過率の向上:不利な条件があっても、総合評価でカバーしやすくなる
金利優遇を受けられる場合がある
住宅ローンの頭金を多く用意することで、金利優遇を受けられる可能性があります。
これは、借入リスクが軽減されるため、金融機関が金利を引き下げる制度を設けているからです。
金利優遇を受けるための主な条件は以下の通りです。
- 借入比率が下がる:頭金が多いと借入額が減り、金融機関のリスクが軽くなる
- 優遇制度が使える:借入比率に応じて金利が段階的に引き下げられる制度がある
- 実質負担が減る:0.1%の金利差でも、35年返済なら総支払額が約100万円安くなるケースもある
住宅ローンの頭金・繰り上げ返済の返済額の違いをシミュレーション
住宅ローンの資金を頭金に充てるか、繰り上げ返済に回すかによって、総返済額に大きな違いが生じます。
ここからは、借入金額3,000万円、返済期間35年、固定金利1.5%を前提に、以下の2つパターンで総返済額をシミュレーションします。
- 頭金に使用した場合の総支払額
- 繰上げ返済に使用した場合の総返済額
頭金に使用した場合の総支払額
500万円を頭金として住宅ローンを組む場合、借入額が減少するため、月々の返済額と総返済額を抑えられる点がメリットです
例えば、3,500万円の物件を購入する際に500万円の頭金を用意すると、借入額は3,000万円となります。
金利1.5%、返済期間35年の場合、月々の返済額は約9.2万円、総返済額は約3,860万円となります。
このとき、住宅購入に要する合計金額と内訳は以下の通りです。
頭金 :500万円
返済額:3,000万円
利息 :860万円
合計支払額:4,360万円
ただし、頭金を用意することで手元資金が減少するため、その他の生活費や投資に回せる資金が減ることにも注意が必要です。
頭金の金額は、自身の財政状況とライフプランを考慮して決定しましょう。
繰上げ返済に使用した場合の総返済額
500万円を繰り上げ返済に使用する場合、総返済額を大幅に削減できる可能性があります。
例えば、3,500万円の住宅ローンを金利1.5%、返済期間35年で組んだ場合、返済総額は約4,500万円になります。
しかし、借入れから5年後に500万円の繰り上げ返済を行うと、支払い期間が約6年ほど短縮され、合計支払額も4,160万円となります。
この場合、住宅購入に使用する合計金額は以下のような金額・内訳になります。
頭金 :0円
返済額:3,500万円
利息 :610万円
合計支払額:4,160万円
このように、繰上げ返済を行うことで返済期間を短縮し、利息の軽減といった効果を得ることが可能です。
また、今回のケースのように500万円を頭金に充てるよりも繰上げ返済に当てた方が総支払額が抑えられるような場合もあります。
ただし、繰り上げ返済を行う際には、そのタイミングや金額を慎重に検討する必要があります。
個人の財政状況や将来の資金計画を踏まえた上で、どちらがより得策かを判断することが重要です。
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住宅ローン資金は頭金と繰り上げ返済どっちがお得かは金利・資金状況で変わる
住宅ローンの資金を「頭金」に使うか「繰り上げ返済」に回すかは、金利や資金の状況によって最適な選択が異なります。
どちらにもメリットと注意点があるため、総合的な判断が重要です。
本記事の重要ポイントまとめは以下になります。
- 金利が高いなら頭金を優先:借入額が減り、利息負担を抑えられる
- 金利が低く資金に余裕があるなら繰り上げ返済や運用が有効:将来の返済負担を減らせる
- 頭金が多いと審査や金利で有利に:借入比率が下がり、金融機関の信頼を得やすい
- 繰り上げ返済は手数料や控除の影響に注意:タイミングや資金の残し方が重要
このように判断が分かれる場面では、専門家のアドバイスを活用することが正確で納得のいく選択につながります。
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