住宅ローンの資金は頭金と繰上げ返済にどっちに回した方がお得?専門家が解説!のサムネイル画像
住宅ローンを組む際、多くの人が「頭金を多く用意するべきか」「それとも繰り上げ返済に回すべきか」と悩みます。この選択は、長期的な家計や生活設計に大きな影響を与える重要な決断です。

本記事では、住宅ローンの専門家の視点から、頭金と繰り上げ返済のメリット・デメリットを詳しく解説します。

さらに、どちらがお得なのか、具体的な数字を交えながら比較検討していきます。

・お得に進めたいが「頭金を多く出すべきか」「繰り上げ返済に回すべきか」分からない。
・住宅ローンはどこ相談するべきか分からない。

住宅購入を考えている方、すでにローンを組んでいる方はこの記事を読むことで公開のない住宅ローン選びを実現することができます。

住宅ローンの頭金と繰り上げ返済、どちらが得かを判断するのは簡単ではありません。各金融機関の商品を比較し、自分の状況に最適な選択をするには、専門的な知識と時間が必要です。 


とはいえ、そのような専門的な知識も時間もなく、誰にどのように相談したら良いのかも分からないという方がほとんどです。


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内容をまとめると

  • 住宅ローンの資金を繰り上げ返済に回すことで、総支払額を大幅に抑えられる可能性がある。
  • 頭金を多く用意すると、借入額が減少し、月々の返済負担が軽くなる。また、審査に通りやすくなり、金利優遇を受けられる可能性もある。ただし、手元資金の減少や住宅ローン控除の恩恵が減少するデメリットにも注意が必要。
  • 金利環境や将来の資金計画も考慮に入れ、バランスの取れた判断が重要。 最適な選択をするためには、自身の状況を慎重に分析し、専門家のアドバイスを受けることが有効。
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この記事の監修者「谷川 昌平」

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー

株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。
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この記事の目次

資金を繰上げ返済に回すことで総支払額を抑えられる

住宅ローンの資金を繰り上げ返済に回すことで、総支払額を大幅に抑えることができます。これは、借入期間が短縮されることで、支払う利息の総額が減少するためです。頭金と繰り上げ返済、どっちが得かを考える上で重要なポイントです。 


繰り上げ返済は、長期的に見て住宅ローンの総コストを削減する効果的な方法です。特に、借入れ初期の段階で繰り上げ返済を行うと、その効果はより大きくなります。どっちが得かを考えると、繰り上げ返済の優位性が感じられます。

500万円を頭金に使用した場合の総返済額

500万円を頭金として住宅ローンを組む場合、借入額が減少するため、月々の返済額と総返済額が低くなります。


例えば、3,500万円の物件を購入する際に500万円の頭金を用意すると、借入額は3,000万円になります。


金利1.5%、返済期間35年の場合、月々の返済額は約9.2万円、総返済額は約3,860万円となります。頭金を用意することで、借入額が減少し、利息の負担も軽減されるため、総返済額を抑えることができます。


一方で、頭金を用意することで手元資金が減少するため、その他の生活費や投資に回せる資金が減ることにも注意が必要です。頭金の金額は、自身の財政状況とライフプランを考慮して決定することが重要です。

500万円を繰上げ返済に使用した場合の総返済額

500万円を繰り上げ返済に使用する場合、総返済額を大幅に削減できる可能性があります。


例えば、3,500万円の住宅ローンを金利1.5%、返済期間35年で組んだ場合、返済総額は約4500万円になります。


しかし、借入れから5年後に500万円の繰り上げ返済を行うと、総返済額は約4250万円まで減少し、返済期間も約6年短縮されます。


この場合、利息は頭金を入れた場合は約860万円、繰り越し返済の場合は750万円となり、後者の場合の方が利子が少ないという事象が起きるのです。


500万円を繰り上げ返済に使用することで、長期的には頭金として使用するよりも大きな経済的メリットが得られる可能性があります。


ただし、繰り上げ返済のタイミングや金額は、個人の財政状況や将来の資金計画に応じて慎重に検討する必要があります。どっちが得かは、慎重に判断する必要があります。

住宅ローンで資金を繰上げ返済に回すデメリット

住宅ローンの資金を繰り上げ返済に回すことには、いくつかのデメリットがあります。まず、手元資金が減少することで、緊急時の対応力が低下する可能性があります。頭金と繰り上げ返済、どっちが得かを考える上で見逃せないポイントです。 


また、繰り上げ返済する時期によって、住宅ローン控除の恩恵を受けられる控除額が少なくなる場合があります。


住宅ローン控除は借入残高に応じて適用されるため、繰り上げ返済によって借入残高が減少すると、控除額も減少します。どちらが得かを判断する際には、税制面での影響も考慮する必要があります。 


さらに、低金利環境下では、繰り上げ返済よりも投資に資金を回した方が、長期的には利益が大きくなる可能性がある点も注意が必要です。


繰り上げ返済を検討する際は、これらのデメリットを考慮し、自身の財政状況や将来の資金計画に照らし合わせて判断することが重要です。どっちが得かは、総合的に判断しましょう。

借入可能額が下がってしまう可能性がある

住宅ローンの資金を繰り上げ返済に回すと、借入可能額が下がってしまう可能性があります。これの理由は、返済負担率の高さです。返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合を指します。


例えば、フラット35では年収400万円以下の場合、返済負担率の基準が設けられています。どっちが得かの前に抑えておくポイントです。


頭金なしで高額な物件を購入しようとすると、この基準を超えてしまい、借入可能額が減額される可能性が高くなります。 さらに、他のローンの有無や借入者の年齢、勤続年数なども考慮されます。


これらの要因により、金融機関が返済能力に不安を感じると、借入可能額が減額されることがあります。 借入可能額を最大化するには、適切な頭金を用意し、返済負担率を抑えることが重要です。これらを含めどっちが得か考える必要があります。

頭金が少なく審査に通らない場合がある

住宅購入の資金を繰り上げ返済に回すと、頭金が少なくなり、審査に通らない場合があります。多くの金融機関では、物件価格の3%から20%程度の頭金を求めています。頭金と繰り上げ返済、どっちが得かを考える上で見逃せない要素です。 


例えば、3,500万円の物件を購入する場合、最低でも約100万円から約700万円程度の頭金が必要となります。頭金が少ないと、借入比率が高くなり、金融機関にとってリスクが高まるため、審査が厳しくなる傾向があります。どっちが得かを判断する際には、審査通過の可能性も考慮する必要があります。 


頭金が少ない場合、金利が上乗せされたり、団体信用生命保険の加入が必須となったりする可能性もあります。住宅ローンの審査を通過するためには、適切な頭金を確保することが重要です。繰り上げ返済と頭金のバランスを考慮し、計画的に資金を準備することが賢明です。

繰上げ返済の手数料が高額になる場合がある

住宅ローンの繰り上げ返済には、手数料がかかる場合があります。この手数料は金融機関によって異なり、高額になることもあります。一般的に、繰り上げ返済の手数料は返済額の1%から3%程度です。

例えば、500万円の繰り上げ返済を行う場合、手数料が5万円から15万円程度かかる可能性があります。この手数料が高額になると、繰り上げ返済によるメリットが減少してしまいます。どっちが得かを判断する際には、手数料の影響も考慮する必要があります。

一部の金融機関では、インターネットバンキングを利用した繰り上げ返済の場合、手数料が無料または低額になるサービスを提供しています。

繰り上げ返済を検討する際は、各金融機関の手数料体系を比較し、最も有利な条件を選ぶことが重要です。

住宅ローンで頭金を多くするメリット

住宅ローンで頭金を多くすることには、いくつかの大きなメリットがあります。まず、借入額が減少するため、月々の返済負担が軽くなります。これにより、家計にゆとりが生まれ、他の生活費や貯蓄に回せる資金が増えます。



頭金を多くすることで、住宅ローンの総コストを大幅に削減できるため、長期的な財政計画において有利になります。


ただし、どっちが得かを考える際、住宅ローン控除の減少や、頭金を増やすことで手元資金が減少するため、緊急時の備えや他の投資機会とのバランスを考慮することが重要です。

ローン審査に通りやすくなる

住宅ローンで頭金を多く用意すると、ローン審査に通りやすくなります。これは、借入額が減少することで、金融機関にとってのリスクが低くなるためです。頭金が多いほど、借入比率(物件価格に対する借入額の割合)が低くなります。 


例えば、4,000万円の物件に対して1,000万円の頭金を用意すると、借入比率は75%になります。一方、頭金が500万円の場合、借入比率は87.5%になります。借入比率が低いほど、金融機関は融資をしやすくなります。 


また、頭金を多く用意することで、申込者の資金力や返済能力の高さをアピールできます。


これにより、年収や職業などの他の審査項目でやや不利な条件があっても、総合的に見て審査に通りやすくなる可能性が高まります。どっちが得か考える前に抑えておくポイントです。

金利優遇を受けられる場合がある

住宅ローンで頭金を多く用意すると、金利優遇を受けられる場合があります。多くの金融機関では、借入比率が低いほど、金利を優遇する制度を設けています。これは、借入比率が低いほど、金融機関にとってのリスクが低くなるためです。


例えば、借入比率が90%以上の場合は基準金利、80%以上90%未満の場合は基準金利から0.1%引き、70%以上80%未満の場合は0.2%引きというように、段階的に金利が優遇されることがあります。 


金利が0.1%下がるだけでも、長期的には大きな違いが生まれます。3,000万円を35年で借りる場合、金利が1.5%から1.4%に下がると、総返済額は約100万円減少します。頭金を多く用意することで金利優遇を受けられれば、住宅ローンの総コストを大幅に削減できる可能性があります。

住宅ローンで頭金か繰上げ返済どっちがお得か迷ったら使いたいサービス

住宅ローンで頭金か繰上げ返済のどちらがお得か迷った場合、専門家のアドバイスを受けることが賢明です。個人の財政状況やライフプランによって最適な選択は異なるため、一概にどちらが得とは言えません。 


例えば、頭金を多く用意すると借入額が減少し、月々の返済負担が軽くなりますが、住宅ローン減税の控除減少や手元資金が減少するデメリットもあります。一方、繰上げ返済は将来の柔軟性を保ちつつ総返済額を減らせますが、住宅ローン控除の恩恵が減少する可能性があります。


このような複雑な判断を行う際には、専門家のアドバイスを受けることで、自身の状況に最適な選択ができる可能性が高まります。


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まとめ:住宅ローンの資金は頭金と繰上げ返済にどっちに回した方がお得?

住宅ローンの資金を頭金に回すか、繰り上げ返済に回すかは、個々の状況によって最適な選択が異なります。繰上げ返済は総支払額の削減に効果的ですが、手元資金の減少や審査通過への影響にも注意が必要です。


一方、頭金を多くすることで審査通過率や金利優遇のメリットがありますが、将来の資金需要への対応力が下がるデメリットもあります。


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