

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 親族間売買の住宅ローンが組める銀行・金融機関一覧
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- フラット35
- セゾンファンデックス
- 親族間売買の住宅ローンで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
- 親族間売買は住宅ローンが組みにくいと言われる理由と対処法
- 「売買」ではなく「贈与」と疑われる可能性があるから
- 借入金の使途が不透明だから
- 不動産の評価額が安くなりやすいから
- あなたの家庭にぴったりの方法は?FPと一緒に最適な住宅ローンを選ぼう
- 親族間売買で住宅ローンを利用するときの注意点
- 「みなし贈与税」の発生リスクを徹底的に回避する
- 住宅ローン控除が利用できない
- 譲渡所得の特別控除が適用されない
- 家族全体で税金負担を含めた資金計画を共有する
- 自己資金をできるだけ準備する
- 【まとめ】親族間売買の住宅ローンを検討する際は無料FP相談を活用しよう
親族間売買の住宅ローンが組める銀行・金融機関一覧

親族間での不動産売買は、通常の取引と比べて住宅ローン審査が厳しくなる傾向があります。特に「親子間」の売買となると、融資の対象外とされるケースもあるため、対応可能な銀行は限られています。
ここでは、親子リレーローンや柔軟な審査体制を持つ金融機関を中心に、利用を検討しやすい4社を紹介します。
▼親族間売買の住宅ローンが組める銀行・金融機関一覧
銀行名 | 特徴 | 条件 (親族間売買の可否・審査基準) | 相談方法 |
---|---|---|---|
みずほ銀行 | 大手ならではの安心感 | 条件次第で親子間売買にも柔軟に対応可能 売買価格の妥当性を重視 第三者評価書などの提出を求められることも | 店舗・オンライン相談可 |
三井住友銀行 | リレーローンの取り扱いあり | 事前相談での確認が必須 親族間売買は個別審査 売買契約書・評価資料が重要 | 店舗・オンライン相談可 |
フラット35 | 公的ローンであり、 親族間売買にも一定の条件下で対応可能 | 実勢価格での売買、第三者の関与がある場合に限る | 提携金融機関にて対応 |
セゾンファンデックス | 不動産担保ローンに強み | 柔軟な審査姿勢が魅力 評価額・返済能力重視 親族間でも収支の整合性が確認されれば可 | 電話・オンライン相談可 |
みずほ銀行
- 対象者: 満18歳以上71歳未満で、最終返済時の年齢が満81歳未満の方。安定した収入があり、みずほ銀行が契約する生命保険会社の団体信用生命保険に加入が認められる方。
- 対象物件: 親族間売買の物件も対象。ただし、住宅兼店舗、普通借地権・定期借地権付物件、保留地、仮換地、賃貸併用住宅で住宅部分の延床面積が50%未満の物件は対象外。
- 必要書類: 住民票(家族全員記載、続柄記載、本籍・マイナンバーの記載がないもの)、運転免許証またはパスポート等の顔写真付書類、印鑑証明書など。
- 金利タイプ: 変動金利、全期間固定金利など複数のプランを提供。 • 借入期間: 最長35年。
- 団体信用生命保険: 標準の団信に加え、ワイド団信、がん団信、ペアローン団信など多様な選択肢あり。
- 返済方法: 元金均等返済、元利均等返済から選択可能。
- その他: 中古住宅の購入とリフォームを一体化したローンや、自然災害支援ローンなど、付帯サービスも充実。
- 相談方法: 店舗での対面相談、オンラインでのAI事前診断、電話相談など多様な方法を提供。
- アクセス: 全国に店舗を展開しており、全国対応が可能。
- 相談のしやすさ: 平日の夕方や休日にも住宅ローン相談会を開催しており、相談しやすい環境を整備。
三井住友銀行
<親族間売買住宅ローンの主な条件>
- 申込可能: 親族間売買でも住宅ローンの申し込みが可能です。
- 媒介契約の必要性: 原則として、不動産仲介業者の媒介による売買契約が必要です。
<特徴・金利タイプ>
- 借入条件など • 金利タイプ: 変動金利型、固定金利特約型、超長期固定金利型など、複数の金利プランを提供しています。
- 借入期間: 最長35年。
- 団体信用生命保険: 団体信用生命保険への加入が必要です。 • 返済方法: 元利均等返済または元金均等返済から選択可能です。
- 連帯債務型借入: 親子・ご夫婦の連帯債務型借入も利用可能ですが、物件を共有し、同居されることが条件となります。
<相談方法・アクセス・対応エリア>
- 相談方法: 店舗での対面相談、電話相談、オンライン相談など、多様な相談方法を提供しています。
- アクセス: 全国に店舗を展開しており、全国対応が可能です。
- 相談のしやすさ: 平日だけでなく、休日にも住宅ローン相談会を開催しており、相談しやすい環境を整えています。
フラット35
<親族間売買住宅ローンの主な条件>
- 対象となる親族間: 親子間、直系親族間、兄弟姉妹間の売買が対象となります。夫婦間の売買は対象外です。
- 必要な契約形態: 売買契約を締結し、所有権移転登記の登記原因が「売買」となることが必要です。
- 融資対象外となるケース: • 売主と買主(申込人)が同居している場合(現入居者間の売買)。売主は居住していないが、申込人が売主から使用貸借(賃貸借契約書を締結せずに居住)している場合。
<特徴・金利タイプ・借入条件など>
- 金利タイプ: 全期間固定金利型。借入時の金利が返済終了まで変わらないため、将来の金利変動リスクを回避できます。
- 借入期間: 最長35年。
- 団体信用生命保険: 任意加入。加入する場合、金利が上乗せされます。
- 物件の評価: 親族間売買では、売買価格が市場価格と乖離していると「みなし贈与」と見なされる可能性があります。市場価格の80%以内を目安に価格設定することが推奨されます。
<相談方法・アクセス・対応エリア>
- 相談方法: フラット35は、全国の取扱金融機関を通じて提供されています。各金融機関での対面相談、電話相談、オンライン相談が可能です。
- アクセス: 全国対応。取扱金融機関は全国に展開しており、地域に関係なく利用できます。
- 相談のしやすさ: 取扱金融機関によっては、平日だけでなく、休日にも住宅ローン相談会を開催しており、相談しやすい環境が整っています。
セゾンファンデックス
<親族間売買住宅ローンの主な条件>
- 対象となる親族間: 親子間、兄弟姉妹間、夫婦間などの親族間での不動産売買が対象です。
- 申込条件: 申込時の年齢が満20歳以上70歳以下で、完済時の年齢が85歳未満の方。安定した収入のある方が対象です。
- 融資金額: 500万円~5億円。
- 返済期間・返済回数: 5年~30年/60回~360回。
- 融資方法: お客さまの口座へお振込。
<特徴・金利タイプ・借入条件など>
- 金利タイプ: 変動金利。
- 融資利率: 団体信用生命保険なしの場合:3.90%~4.70%(2024年12月時点)・団体信用生命保険ありの場合:4.40%~5.30%(2024年12月時点)
- 実質年率: 15.0%以内(事務手数料・調査料などを含め年率で換算したもの)。
- 遅延損害金: 年率20.00%。
<相談方法・アクセス・対応エリア>
- 相談方法: 電話での相談が可能です。
- 東日本にお住まいの方:0120-212-622(平日9:00~17:30 土日祝は休み)
- 西日本にお住まいの方:0120-517-050(平日9:00~17:30 土日祝は休み)
- アクセス: 全国対応。ただし、一部対応できない地域があります。
親族間売買の住宅ローンで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
親族間の不動産売買は、住宅ローンの手続きや条件が複雑になりがちです。どの銀行を選ぶべきか迷ったときは、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのがおすすめです。
マネーキャリアなら、無料で住宅ローンに詳しいFPにオンライン相談が可能。自分の状況に合った金融機関や手続きの流れを丁寧にアドバイスしてもらえます。強引な勧誘もなく、初めてでも安心して利用できます。

親族間売買は住宅ローンが組みにくいと言われる理由と対処法

ここからは、親族間売買は住宅ローンが組みにくいと言われる理由はなぜなのか?という点とそんな中住宅ローンを組むため対処法について解説していきます。
- 「売買」ではなく「贈与」と疑われる可能性があるから
- 借入金の使途が不透明だから
- 不動産の評価額が安くなりやすいから
上記トピックについて詳しく見ていきましょう!
「売買」ではなく「贈与」と疑われる可能性があるから
借入金の使途が不透明だから
不動産の評価額が安くなりやすいから
あなたの家庭にぴったりの方法は?FPと一緒に最適な住宅ローンを選ぼう


親族間売買で住宅ローンを利用するときの注意点

ここからは、親族間売買で住宅ローンを利用するときの注意点について5点まとめてご紹介します。
事前に注意点について把握しておくことであとで失敗した…ということや、そんなことあるなんて知らなかった…ということが防げますよ。
- 「みなし贈与税」の発生リスクを徹底的に回避する
- 住宅ローン控除が利用できない
- 譲渡所得の特別控除が適用されない
- 家族全体で税金負担を含めた資金計画を共有する
- 自己資金をできるだけ準備する
しっかりと確認していきましょう!
「みなし贈与税」の発生リスクを徹底的に回避する
親族間売買で住宅ローンを利用する場合、もっとも注意したいのが「みなし贈与」と判断されるリスクです。たとえば、相場より極端に安い価格での取引や、不自然な資金の流れがあると、贈与とみなされ課税対象になることがあります。
対策としては、不動産会社による適正価格の査定書を準備し、売買契約書を正式に交わし、売買代金の振込記録を通帳などに残すこと。税務署や金融機関に疑われない、客観的な証拠を整えておくことが大切です。
住宅ローン控除が利用できない
親族間売買では、住宅ローンを組めても「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」が適用されないケースがあります。
国税庁の定めにより、直系血族や生計を一にする親族などから住宅を取得した場合、控除の対象外となるためです。
控除を受けるためには、売主が親族でないことや、生計が別であるなどの条件を満たす必要があります。節税目的で購入を検討している場合は、事前にしっかり制度の内容を確認しましょう。
譲渡所得の特別控除が適用されない
通常、マイホームを売却した際に得た譲渡益には「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用されますが、親族間売買ではこの制度が使えないことがあります。
国税庁の規定により、売却相手が配偶者や直系血族などの親族である場合、特別控除の適用対象外とされているためです。
親子間や兄弟間で不動産を売買する際には、控除が受けられないことを前提に資金計画を立てる必要があります。
家族全体で税金負担を含めた資金計画を共有する
親族間売買では、買主だけでなく売主にも税金が発生する可能性があります。譲渡所得税や登録免許税、不動産取得税、印紙税、贈与税など、取引内容によってさまざまな税が関係してくるため、家族全体で税負担を事前に把握し、資金計画を共有しておくことが重要です。
知らずに進めると、後から多額の税金が発生するケースも。売買の段階で「誰が、どの税を、いつ払うのか」を明確にしておくことで、トラブルの防止につながります。
▼発生する税金の種類と負担者・注意点など
税金の種類 | 負担者 | 内容・注意点 |
---|---|---|
譲渡所得税 | 売主 | 売却益が出た場合に課税。 親族間では特別控除(3,000万円)が適用されないケースあり。 |
贈与税 | 買主 | 相場より極端に安い売買などは 「みなし贈与」とされるリスクあり。 |
登録免許税 | 買主 | 所有権移転登記に必要。 売買契約書の内容や登記原因によって税率が異なる。 |
不動産取得税 | 買主 | 不動産を取得した際に発生。 特例措置を受けられるかどうか事前に確認が必要。 |
印紙税 | 売主・買主 | 売買契約書に貼付。 契約金額に応じた印紙を用意する必要がある。 |
このように、双方に関係する税金が複数あるため、事前にFPなど専門家に相談しながら、家族でしっかり資金計画を話し合うことが大切です。
自己資金をできるだけ準備する
親族間売買での住宅ローンは、通常の不動産取引に比べて審査が厳しくなる傾向があります。売買の実態が不明瞭と見なされやすいため、借入希望額の全額をローンに頼ると、金融機関の不信感を招きかねません。
そこで、できるだけ自己資金を多めに用意しておくことが重要です。さらに、安定した収入や勤務先、勤続年数など、いわゆる「借主の属性」も審査の重要なポイントです。信用力を高め、審査通過の可能性を上げるための準備が欠かせません。
【まとめ】親族間売買の住宅ローンを検討する際は無料FP相談を活用しよう

親族間売買の住宅ローンが組める銀行のご紹介とローンが組みにくいと言われる理由と対処法について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
親族間売買で住宅ローンを利用するには、通常の取引と異なる注意点が多くあります。税務署から「贈与」と疑われないための対策や、住宅ローン控除や特別控除が適用されない可能性、物件の評価額、資金計画の共有など、検討すべき要素は多岐にわたります。
さらに、金融機関の審査も厳しくなる傾向があるため、自己資金や信用力といった点でもしっかりと準備が必要です。
こうした複雑な問題に一人で対処するのは大変ですが、マネーキャリアの無料FP相談なら、住宅ローンや税制に詳しい専門家が中立の立場から丁寧にサポートしてくれます。
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