「親族間売買で住宅ローンを組むにはどの銀行がいいの」
「親族間売買だと住宅ローンが組みにくい理由は」
とお悩みではないでしょうか。
- 結論、親族間売買でも住宅ローンを組むことは可能ですが、一般的な住宅ローンよりも審査が厳格で、取り扱う金融機関も限定されています。
この記事では親族間売買で住宅ローンが組める銀行や金融機関、ローンが組みにくい理由と対処法を解説します。
この記事を読むことで、親族間売買で住宅ローンを組む際の注意点が理解でき、あなたの状況に合った金融機関を選べるようになるので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 住宅ローンの「親族間売買」とは?
- 親族間売買の住宅ローンが組める銀行・金融機関一覧
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- フラット35
- セゾンファンデックス
- 親族間売買の住宅ローンで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
- 親族間売買の組める金融機関の選び方
- 親族間売買の住宅ローンが組めない場合の対処法
- 贈与・相続制度を活用する
- ローンの名目を変える
- 契約形態を工夫する
- 親族間売買の住宅ローンのメリット・デメリット
- 親族間売買で住宅ローンを利用するときの注意点
- 「みなし贈与税」の発生リスクを徹底的に回避する
- 住宅ローン控除が利用できない
- 譲渡所得の特別控除が適用されない
- 家族全体で税金負担を含めた資金計画を共有する
- 自己資金をできるだけ準備する
- 【まとめ】親族間売買の住宅ローンを検討する際は無料FP相談を活用しよう
住宅ローンの「親族間売買」とは?
住宅ローンの「親族間売買」とは、親子や兄弟姉妹などの親族間で不動産を売買する際に住宅ローンを利用することを指します。
一般的な第三者間の不動産取引と異なり、親族間売買では「みなし贈与」のリスクや価格設定の適正性などが問題となるため、金融機関の審査は厳格になります。
例えば、親が所有する実家を子どもが購入する場合や、兄弟間で相続した不動産を売買する場合などが該当します。
親族間売買では、売買価格が適正でない場合、税務署から贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります。
そのため、不動産鑑定士による適正価格の算定や、税理士との事前相談が重要になります。
親族間売買の住宅ローンが組める銀行・金融機関一覧

親族間売買の住宅ローンが組める主な銀行・金融機関は以下のとおりです。
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| 銀行名 | 特徴 | 審査基準 |
|---|---|---|
| みずほ銀行 | 大手ならではの安心感 | 売買価格の妥当性を重視 |
| 三井住友銀行 | リレーローンの取り扱いあり | 個別審査・媒介契約必須 |
| フラット35 | 公的ローンで固定金利 | 実勢価格での売買が条件 |
| セゾンファンデックス | 不動産担保ローンに強み | 柔軟な審査姿勢 |
親族間での不動産売買は、通常の取引と比べて住宅ローン審査が厳格になる傾向があります。
特に「親子間」の売買となると、融資の対象外とされるケースもあるため、対応可能な銀行は限られています。
ここでは、親子リレーローンや柔軟な審査体制を持つ金融機関を中心に、利用を検討しやすい4社を紹介します。
みずほ銀行
みずほ銀行は大手銀行の中でも親族間売買に比較的柔軟に対応している金融機関です。
対象者は満18歳以上71歳未満で、最終返済時の年齢が満81歳未満の方となっています。
親族間売買の物件も対象ですが、売買価格の妥当性を重視し、第三者評価書などの提出を求められることがあります。
金利タイプは変動金利、全期間固定金利など複数のプランを提供しており、借入期間は最長35年です。
相談方法は店舗での対面相談、オンラインでのAI事前診断、電話相談など多様な方法を提供しています。
三井住友銀行
三井住友銀行では親族間売買でも住宅ローンの申し込みが可能です。
ただし、原則として不動産仲介業者の媒介による売買契約が必要で、事前相談での確認が必須となります。
金利タイプは変動金利型、固定金利特約型、超長期固定金利型など、複数の金利プランを提供しています。
借入期間は最長35年で、親子・夫婦の連帯債務型借入も利用可能ですが、物件を共有し、同居されることが条件となります。
相談方法は店舗での対面相談、電話相談、オンライン相談など、多様な相談方法を提供しています。
フラット35
フラット35は公的ローンであり、親族間売買にも一定の条件下で対応可能です。
対象となる親族間は親子間、直系親族間、兄弟姉妹間の売買で、夫婦間の売買は対象外となります。
売買契約を締結し、所有権移転登記の登記原因が「売買」となることが必要です。
金利タイプは全期間固定金利型で、借入時の金利が返済終了まで変わらないため、将来の金利変動リスクを回避できます。
親族間売買では、売買価格が市場価格と乖離していると「みなし贈与」と見なされる可能性があるため、市場価格の80%以内を目安に価格設定するのがおすすめです。
セゾンファンデックス
セゾンファンデックスは不動産担保ローンに強みを持つ金融機関です。
親子間、兄弟姉妹間、夫婦間などの親族間での不動産売買が対象となります。
申込時の年齢が満20歳以上70歳以下で、完済時の年齢が85歳未満の方が対象です。
融資金額は500万円~5億円、返済期間は5年~30年となっています。
金利タイプは変動金利で、団体信用生命保険なしの場合は3.90%~4.70%、ありの場合は4.40%~5.30%となっています(2024年12月時点)。
親族間売買の住宅ローンで迷ったら無料FP相談を活用しよう!

親族間売買の住宅ローンプラン・資金計画のお悩みがあるなら、無料FP相談の活用がおすすめです。
親族間売買の住宅ローンは、一般的な住宅ローンと比べて心理的ハードルが低くなりがちで、無理な売買価格を設定してしまい、後から返済に苦しむケースが多いです。
自分の家計・ライフプランに合わせた金利タイプや借入期間、返済総額を適切に設定するためにも、親族間だけでなく第三者の視点としてFPのアドバイスを取り入れましょう。
マネーキャリアの無料FP相談窓口なら、住宅ローンの専門家(FP)が、あなたの状況に合わせた適切な住宅ローンプランの選び方や資金計画を無料でサポート可能です。
親族間売買の組める金融機関の選び方
親族間売買で住宅ローンを組める金融機関を選ぶ際は、複数のポイントを総合的に判断する必要があります。
まず重要なのは、その金融機関が親族間売買に対応しているかどうかの確認です。
多くの金融機関では親族間売買を取り扱っていないため、事前の確認が必須となります。
次に、審査基準の厳しさや必要書類、借入可能額の上限などを比較検討することが重要です。
また、金利水準だけでなく、手数料や保証料などの諸費用も含めた総コストで比較することをおすすめします。
親族間売買の住宅ローンが組めない場合の対処法
親族間売買で住宅ローンが組めない場合の主な対処法は以下のとおりです。
- 贈与・相続制度を活用する
- ローンの名目を変える
- 契約形態を工夫する
これらの方法を検討し、自分の状況に最適な解決策を見つけましょう。
贈与・相続制度を活用する
住宅ローンが組めない場合、贈与・相続制度を活用することで資金調達の問題を解決できる場合があります。
例えば、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度を利用すれば、一定額まで贈与税なしで資金を受け取れます。
また、相続時精算課税制度を併用することで、さらに大きな金額の移転も可能になります。
ただし、これらの制度には適用要件があるため、税理士などの専門家に相談して適切な手続きを行うことが重要です。
ローンの名目を変える
親族間売買として住宅ローンが組めない場合、ローンの名目を変えることで解決できる可能性があります。例えば、リフォームローンや多目的ローンとして申し込むことで、審査が通りやすくなる場合があります。
ただし、この方法では金利が住宅ローンより高くなることが多く、借入可能額も制限される場合があります。
また、住宅ローン控除などの税制優遇措置を受けられない可能性もあるため、総合的なコストを比較検討することが必要です。
さらに、ローンの使途と実際の用途が異なる場合は、契約違反となるリスクもあるため、金融機関との事前相談が重要です。
契約形態を工夫する
契約形態を工夫することで、親族間売買の住宅ローンが組みやすくなる場合があります。
例えば、売買契約ではなく「使用貸借契約」や「賃貸借契約」として契約し、将来的に所有権移転を行う方法があります。
また、第三者を介在させることで、直接的な親族間売買を避ける方法も考えられます。
さらに、共有持分として購入し、段階的に持分を増やしていく方法なども有効です。
ただし、これらの方法は税務上の取り扱いが複雑になる場合があるため、税理士や司法書士などの専門家と連携して進めることが重要です。
親族間売買の住宅ローンのメリット・デメリット
親族間売買の住宅ローンには、一般的な住宅購入とは異なるメリット・デメリットがあります。
メリットとしては、市場価格より安く購入できる可能性や、売買条件の柔軟な設定などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、住宅ローン控除の適用制限や「みなし贈与」のリスク、金融機関の選択肢の少なさなどがあります。
また、親族間での金銭的な取引は、将来的な家族関係に影響を与える可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
これらのメリット・デメリットを十分に理解した上で、親族間売買を進めるかどうかを判断することが重要です。
親族間売買で住宅ローンを利用するときの注意点

ここからは、親族間売買で住宅ローンを利用するときの注意点について5点まとめてご紹介します。
事前に注意点について把握しておくことで、後で失敗することや想定外の問題が発生することを防げます。
- 「みなし贈与税」の発生リスクを徹底的に回避する
- 住宅ローン控除が利用できない
- 譲渡所得の特別控除が適用されない
- 家族全体で税金負担を含めた資金計画を共有する
- 自己資金をできるだけ準備する
これらの注意点をしっかりと確認し、適切な対策を講じることが重要です。
「みなし贈与税」の発生リスクを徹底的に回避する
親族間売買で住宅ローンを利用する場合、もっとも注意したいのが「みなし贈与」と判断されるリスクです。
例えば、相場より極端に安い価格での取引や、不自然な資金の流れがあると、贈与とみなされ課税対象になることがあります。
対策としては、不動産会社による適正価格の査定書を準備し、売買契約書を正式に交わし、売買代金の振込記録を通帳などに残すことです。
税務署や金融機関に疑われない、客観的な証拠を整えておくことが大切です。
売買価格は第三者の査定をもとに決め、契約書は正式なものを作成し、代金の支払いは現金手渡しではなく、銀行振込で証拠をしっかり残すのが鉄則です。
住宅ローン控除が利用できない
親族間売買では、住宅ローンを組めても「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」が適用されないケースがあります。
国税庁の定めにより、直系血族や生計を一にする親族などから住宅を取得した場合、控除の対象外となるためです。
控除を受けるためには、売主が親族でないことや、生計が別であるなどの条件を満たす必要があります。
節税目的で購入を検討している場合は、事前にしっかり制度の内容を確認しましょう。
親や祖父母などの直系血族との売買では、たとえ正式な住宅ローンを組んでいても、控除の対象外になるケースがほとんどです。
譲渡所得の特別控除が適用されない
通常、マイホームを売却した際に得た譲渡益には「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用されますが、親族間売買ではこの制度が使えないことがあります。
国税庁の規定により、売却相手が配偶者や直系血族などの親族である場合、特別控除の適用対象外とされているためです。
親子間や兄弟間で不動産を売買する際には、控除が受けられないことを前提に資金計画を立てる必要があります。
家族全体で税金負担を含めた資金計画を共有する
親族間売買では、買主だけでなく売主にも税金が発生する可能性があります。
譲渡所得税や登録免許税、不動産取得税、印紙税、贈与税など、取引内容によってさまざまな税が関係してきます。
| 税金の種類 | 負担者 | 内容・注意点 |
|---|---|---|
| 譲渡所得税 | 売主 | 売却益が出た場合に課税。 親族間では特別控除が適用されないケースあり |
| 贈与税 | 買主 | 相場より極端に安い売買などは 「みなし贈与」とされるリスクあり |
| 登録免許税 | 買主 | 所有権移転登記に必要。 売買契約書の内容や登記原因によって税率が異なる |
| 不動産取得税 | 買主 | 不動産を取得した際に発生。 特例措置を受けられるかどうか事前に確認が必要 |
| 印紙税 | 売主・買主 | 売買契約書に貼付。 契約金額に応じた印紙を用意する必要がある |
家族全体で税負担を事前に把握し、資金計画を共有しておくことが重要です。
知らずに進めると、後から多額の税金が発生するケースもあるため、売買の段階で「誰が、どの税を、いつ払うのか」を明確にしておくことが重要です。
自己資金をできるだけ準備する
親族間売買での住宅ローンは、通常の不動産取引に比べて審査が厳格になる傾向があります。
売買の実態が不明瞭と見なされやすいため、借入希望額の全額をローンに頼ると、金融機関の不信感を招きかねません。
そこで、できるだけ自己資金を多めに用意しておくことが重要です。
さらに、安定した収入や勤務先、勤続年数など、いわゆる「借主の属性」も審査の重要なポイントです。
信用力を高め、審査通過の可能性を上げるための準備が欠かせません。
【まとめ】親族間売買の住宅ローンを検討する際は無料FP相談を活用しよう
親族間売買の住宅ローンが組める銀行のご紹介とローンが組みにくいと言われる理由と対処法について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
親族間売買で住宅ローンを利用するには、通常の取引と異なる注意点が多くあります。税務署から「贈与」と疑われないための対策や、住宅ローン控除や特別控除が適用されない可能性、物件の評価額、資金計画の共有など、検討すべき要素は多岐にわたります。
さらに、親族間売買では親族間での取引だからと価格設定を甘く見積もりがちなため、しっかりと準備が必要です。
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