

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 世帯年収850万円共働きは4500万円が住宅ローンの目安!
- 4500万円の根拠は?
- ライフプランにより適切な額は異なる
- わが家に最適な借入額は?年収850万円共働きに最適な住宅ローンをFPが提案
- 【みんなはどうしてる?】世帯年収850万円の共働きにアンケート
- 住宅ローンの借入額はいくらですか?
- 借入額は家計に合っていましたか?
- なぜそう思いますか?
- 住宅ローンを組む前にやってよかったことは?
- 【いくらが最適?】世帯年収850万円共働き世帯の住宅ローンシミュレーション
- 借入額4500万円の場合
- 借入額5000万円の場合
- 生涯年収から考えることも大切
- 世帯年収850万円の共働きが住宅ローンを組むときの注意点3選
- 生活レベルに見合った借入額を決める
- 住宅ローンの組み方は慎重に選ぶ
- ライフプランに合わせた返済計画を立てる
- 住宅ローンを組む前にマネーキャリアのFPに無料相談してみよう
- 【まとめ】世帯年収850万円の家計に合った住宅ローンを
世帯年収850万円共働きは4500万円が住宅ローンの目安!
4500万円の根拠は?
住宅ローンでお金を借りるときに無理なく返せる範囲の借入額は、一般的に年収の5~6倍までと言われています。年収が850万円であれば、目安となる借入額は以下の範囲です。
- 年収の5倍:4,250万円
- 年収の6倍:5,100万円
そのため、4,250万円〜5,100万円が目安のラインと言えるでしょう。ただし、借りすぎると毎月返すお金が増えて返済の負担も増えるので、約4500万円までが安全圏と言えます。
ライフプランにより適切な額は異なる
わが家に最適な借入額は?年収850万円共働きに最適な住宅ローンをFPが提案

住宅ローンの借入額は、多くても年収の6倍程度が目安とされています。しかし、数字だけを基準に借入額を決めてしまうのは危険です。たとえ年収850万円で手取りにゆとりがあっても「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返済できて安心か」を基準に考えることが重要です。
マイホーム購入を検討している方の多くは、現在は賃貸物件に住み、家賃やそのほかの生活費を支払っているでしょう。そうした日常の支出と照らし合わせながら、家計に無理のない範囲で借入額を設定することが、長期的に見て安心につながります。

【みんなはどうしてる?】世帯年収850万円の共働きにアンケート
ここでは、世帯年収850万円の共働き世帯にアンケートを取りました。
同じ年収帯の人がどれくらいの住宅ローンを組んでいるのか気になるところでしょう。そのため、ご自身の状況に当てはめながら、アンケート結果をみてください。
住宅ローンの借入額はいくらですか?

借入額は家計に合っていましたか?
なぜそう思いますか?
上記のアンケート結果で「いいえ」と答えた人に「なぜそう思いますか?」と追加で調査しました。
調査結果を下記で口コミ形式で3つ紹介します。

30代女性
子どもの成長とともに家計の負担が増加

40代男性
金利上昇が家計に大きな影響を与えた
住宅ローンを契約したときは低金利が続いていたため安心していましたが、予想以上に金利が上昇したことで毎月の返済額が増えてしまいました。ローンを組む際、もう少し慎重に返済額を設定しておけばよかったと後悔しています。将来の金利変動も考慮して借入額を決める重要性を痛感しました。

40代女性
想定外の出費が家計を圧迫
住宅ローンを組んだ当時は問題ありませんでしたが、物価の高騰や子どもの授業料・クラブ活動費用が予想以上にかかり、家計が圧迫されるようになりました。生活にかかる費用が増えたことで、余裕を持った返済計画の大切さを実感しています。今後住宅ローンを検討する方は慎重にシミュレーションすることをおすすめします。
住宅ローンを組む前にやってよかったことは?
アンケートの際に「住宅ローンを組む前にやってよかったことは?」についても調査しました。
調査結果をもとに、下記で口コミとして紹介します。

30代女性
返済シミュレーションで安心感を得られた
住宅ローンを組む前に、複数の返済シミュレーションを行いました。月々の返済額やボーナス返済の有無、繰上返済のタイミングなど、さまざまなパターンでシミュレーションすることで、家計への影響を具体的にイメージできました。実際の生活に合わせたシミュレーションは、無理のない返済計画を立てるうえで大いに役立ったと感じています。

40代男性
毎月の返済額は慎重に決めるべき
住宅ローンを契約した当時は低金利が続いていたため安心していましたが、予想以上に金利が上昇し、返済額が増えました。今思えば、毎月の返済額をもう少し抑えてローンを組めば良かったと後悔しました。その後、住宅ローンの見直しを専門家と行い、夫婦で納得のいくローンに借り換えました。今は満足できています。

40代女性
FP相談と夫婦での話し合いが重要
住宅ローンを検討する際、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談し、家計全体の見直しや将来の資金計画についてアドバイスを受けました。また、今後の働き方や家計の分担について夫婦で話し合う機会を持てたことは良かったです。事前に専門家と相談し、家族で意識を共有すると、安心して住宅ローンを組むことができました。
【いくらが最適?】世帯年収850万円共働き世帯の住宅ローンシミュレーション
世帯年収が850万円の共働きの家庭だと、いくらの住宅ローンが最適なのでしょうか?ここからは、借入額が4,500万円・5,000万円と2つのケースでシミュレーションしてみます。
ローンの条件は以下のとおりです。
- 借入期間 :35年
- 金利:1.94%
- 金利タイプ:固定金利
- 返済方式:元利金等返済
- ボーナス併用:なし
このような条件で、いくらの返済額や返済総額になるのか見ていきましょう。
借入額4500万円の場合
住宅ローンの借入額が4500万円の場合、毎月の返済額と返済総額は以下のとおりです。
- 月々の返済額:約14万7000円
- 返済総額:約6,200万円
年収850万円に対する返済比率は約20%となり、20~25%が無理なく返済できる割合と言われています。このため、月々の返済額は収入に対して適切であり、毎月の生活にも余裕を持たせることができます。
また、返済額が比較的少ないため、将来的に収入が減少しても、生活費とのバランスを保ちながら返済を続けやすい状況です。万が一、急な支出があっても無理なく対応できる範囲と言えるでしょう。
借入額5000万円の場合
住宅ローンの借入額が5000万円の場合、毎月の返済額と返済総額は以下のとおりです。
- 月々の返済額:約16万4000円
- 返済総額:約6892万円
返済比率は約23%となり、一般的には25%までの範囲であれば返済に無理がないと言われています。この割合はやや高めですが、まだ支払いに支障をきたすことは少ないと言えます。
しかし、5,000万円の借入額では、月々の返済額が16万円ほどになり、4,500万円の場合と比べて月々2万円程度の返済額が増加します。この差額が家計に圧力をかける可能性があるため、支出の管理が重要です。返済比率が23%とやや高めであるため、家計の余裕を確保するために、無理なく返済できる範囲であるかを再確認しておきましょう。
出費が増加すると返済が困難になるリスクも考慮し、将来を見据えた返済計画を立てることが大切です。
生涯年収から考えることも大切
手取りや年収だけでなく、生涯年収を考慮して、どれだけのローンが適切かを考えましょう。
得られた収入は、ローンの返済にだけ使うわけではありません。生活費や教育費、家賃など、他にも多くの支出があります。また、老後資金の確保も重要な要素です。
そのため、まず自分の年収をもとに生涯年収を割り出し、生活にかかる教育費や家賃などの支出を予測した上で、ローン額を決めると良いでしょう。支出の予測を立てることで、長期的な負担を減らし、安定した返済計画が立てられます。
世帯年収850万円の共働きが住宅ローンを組むときの注意点3選

住宅ローンは、返済できないとなれば借金が残るので、利用するときにはよく考えないといけません。世帯年収850万円の共働きの家庭が住宅ローンを組むときには、以下の注意点を考慮しておきましょう。
- 生活レベルに見合った借入額を決め
- 住宅ローンの組み方は慎重に選ぶ
- ライフプランに合わせた返済計画を立てる
それぞれに注意点ついて、詳しく説明していきます。
生活レベルに見合った借入額を決める
住宅ローンを組むときは、自分たちの生活レベルに見合った借入額を設定することが重要です。身の丈に合わない金額を借りてしまうと、返済の負担が重くなり、やがて返済が困難になるリスクがあります。
例えば、夫婦の手取り月収が52万円で、住宅ローンの返済が15万円だとすると、残りは37万円です。この37万円で、食費・雑費・教育費・娯楽費など、これまでの生活費をまかなえるかを確認しましょう。
生活費の内訳を見直し、無理なく今の暮らしを維持できるかどうかを基準に、借入額を判断することが大切です。
住宅ローンの組み方は慎重に選ぶ
世帯で住宅ローンを組むとなれば、ペアローンか収入合算でのローンとなるでしょう。ひとりでローンを組むよりも、借りられる金額は多くなりますが、その反面リスクもあります。
夫婦2人の収入で返済していくことを前提としているので、夫または妻のどちらかの収入が途絶えれば、返済できなくなる可能性が高いです。夫婦どちらかが働けなくなる可能性が出てこないかも考えて、ローンの組み方を決めていきましょう。
ライフプランに合わせた返済計画を立てる
住宅ローンを組むときには、ライフプランに合わせて現実的な返済計画を立てることが大切です。共働き世帯であれば、将来的に子どもが生まれて教育費がかかることや、自分たちの老後資金を準備する必要も出てきます。
また、住宅を購入すれば修繕費も発生します。たとえば屋根や外壁の塗装、壁紙や床の張り替えなど、定期的なメンテナンスが必要です。
このように、ローンの返済以外にも長期的に必要となる支出が多くあります。将来のライフイベントや家の維持費も見据えたうえで、無理のない住宅ローンを検討しましょう。
住宅ローンを組む前にマネーキャリアのFPに無料相談してみよう

住宅は人生で最も高額な買い物の一つです。数千万円の住宅ローンを組んで購入したあとに、「やっぱりやめたい」と思っても、簡単に解約したり手放したりすることはできません。そのため、ローンは慎重に組む必要があります。
たとえば、世帯年収が850万円の場合、毎月の手取り額はどのくらいで、生活にどれほどの支出があるのかを把握することが大切です。家計簿をつけていれば、具体的な出費額が分かりやすく、余裕資金の見積もりも正確になります。
そのうえで、残る余裕資金をもとに、無理のない住宅ローン返済額を設定していきましょう。

【まとめ】世帯年収850万円の家計に合った住宅ローンを
世帯年収が850万円あるからといって、「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返せるか」を基準に住宅ローンの金額を考えることが大切です。
共働きで収入があるから大丈夫、という安易な考えで高額なローンを組んでしまうと、将来、教育費や修繕費などで家計が圧迫され、返済が困難になるリスクがあります。
そんなときこそ、マネーキャリアのFPに相談するのがおすすめです。マネーキャリアでは、世帯年収や生活費、教育費などをもとに、無理のない返済額を具体的にシミュレーションし、あなたに合った住宅ローンの借入額を提案してくれます。
「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら返していけるか」。その判断を、お金のプロと一緒に見極めていきましょう。

住宅ローンを組んだ当初は問題なく返済できていましたが、子どもが成長するにつれて教育費や生活費が増え、家計に余裕がなくなってきました。予想していた以上に出費がかさみ、返済負担の重さを実感する場面が増えたため、もう少し余裕を持った借入額にしておけば良かったと感じています。