
・ローンを組まないで家を買うと損になるって本当?
・ローンを組む場合と組まない場合ではどれくらい金額の差が出る?
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
<結論>
ローンを組まないで家を買うと、利息や手数料を支払う必要がないのがメリットです。デメリットとしては、住宅ローン控除や団信の適用を受けられないことが挙げられます。
ローンを組まずに家を買うのに向いているのは、自己資金に余裕があり、返済負担を抱えたくない人です。
この記事では、ローンを組まないで家を買うときに支払う必要がない手数料などについて詳しく解説するほか、ローンを組まないデメリットを紹介しています。
ローンを組まないで家を買うのに向いている人の特徴もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- ローンを組まないで家を買うメリット
- 金利を支払わなくてもよい
- 諸費用を抑えられる
- 返済の負担がない
- ローンを組まないで家を買うデメリット
- 手元資金が減る
- 住宅ローン控除を受けられない
- 団信の保障を受けられない
- ローンを組まないで家を買うのが不安な人はFPに相談してみよう
- 【どっちが得?】現金一括とローンの「お金」を比較
- 住宅ローンと一括を比較
- 住宅ローンで購入する場合のポイント
- 一括で購入する場合のポイント
- ローンを組まないで家を買うのに向いている人は?
- 自己資金に余裕がある人
- ローンの返済負担を抱えたくない人
- ローリスクの資産形成を好む人
- ローンを組まないで家を買う人の資金計画をマネーキャリアのFPがアドバイス!
- 【まとめ】ローンを組まないで家を買うならメリットとデメリットを理解しよう
ローンを組まないで家を買うメリット
- 金利を支払わなくてもよい
- 諸費用を抑えられる
- 返済の負担がない
金利を支払わなくてもよい
ローンを組まないで家を買うと、住宅ローンを返済する際の金利を支払う必要がないのが大きなメリットです。
借入額や返済期間にもよりますが、利息分の支払いは総額で数百万円に及ぶことも多く、負担は重いといえるでしょう。
諸費用を抑えられる
住宅ローンの契約をしないで家を買うと、抵当権設定費用や契約手数料、ローン保証料など、住宅ローン特有の費用を支払わなくても済みます。
住宅購入の手続き自体もシンプルになるでしょう。住宅ローンは手続きが煩雑なため、現金一括での購入なら時間的なコスト削減にもつながります。
返済の負担がない
当然のことですが、ローンを組まずに家を買うことで毎月数万円の返済負担がなくなり、住居費にかかる精神的負担の軽減になります。
ローンの返済期間が長くなればなるほど、ケガや病気、家族の介護などで働けなくなるリスクにさらされる期間も長くなります。
長期的に見ても、一括で家を購入しておくことで安心感も買えることになるでしょう。
ローンを組まないで家を買うデメリット
次の3つのデメリットについて解説します。
- 手元資金が減る
- 住宅ローン控除を受けられない
- 団信の保障を受けられない
手元資金が減る
最初のデメリットは、住宅を一括で購入することで何千万円もの手元資金が減ることです。残った手元資金で生活できるのか、生活防衛費は確保できるのか、といった点を考慮する必要があります。
また、住宅ローンは他のローンと比べて金利が低いため、借入金利を超える利率で運用ができるなら、手元資金を資産運用に回すほうが効率的に資産を増やせる可能性もあります。
住宅ローン控除を受けられない
住宅ローン控除を活用すると年間で最大31.5万円の所得税控除を受けられますが、ローンを組まないで家を買うと控除は受けられません。
住宅ローン控除を受ける条件には次のようなものがあります。
- 住宅ローン返済期間は10年以上
- 控除を受ける人が年末までに居住している
- 床面積は50㎡以上
- 控除を受ける人の合計所得は2000万円以下
団信の保障を受けられない
団信とは、団体信用生命保険の略で、住宅ローン契約者が亡くなったり高度機能障害になったりした場合に、住宅ローンの残債を保険金で支払う仕組みです。
住宅ローンの契約には必ず団信に加入するため、万が一の事態への備えができますが、ローンを組まないで家を買うと団信の保証は受けられません。
ローンを組まないで家を買うのが不安な人はFPに相談してみよう

ローンを組まないで家を買うと、利息分や手数料を支払わなくてもいいというメリットがあり、魅力を感じるかもしれません。
大きな買い物に不安を感じたらFPへの相談で最適な方法を探せます。一括で住宅を購入するか、住宅ローンを組むか、という2つの選択肢だけではなく、ライフプランに合わせた柔軟な住宅購入の方法を提案してもらえるでしょう。

【どっちが得?】現金一括とローンの「お金」を比較
住宅ローンと一括を比較
表では、現金一括で住宅を購入する場合と、住宅ローンを組む場合で比較しています。
ここでは、借入額3000万円、固定金利1.94%、返済期間35年、元利均等返済の場合で試算しました。
現金一括 | 住宅ローン | |
---|---|---|
利息負担 | 0円 | 約1100万円 |
仲介手数料 | 約105万円 | 約105万円 |
登記費用 | 約70万円 | 約70万円 |
抵当権設定費用 | 0円 | 3万円~ |
ローン事務手数料 | 0円 | 3万~5万円 ※定額型の場合 |
ローン保証料 | 0円 | 約60万円 |
住宅ローン控除 | 0円 | 毎年最大31.5万円 ※最大13年 |
この表からわかる通り、住宅ローンの契約には利息やローン手数料、ローン保証料といった支払いが必要です。一方、最大で400万円ほどの住宅ローン控除が受けられます。
住宅ローンで購入する場合のポイント
住宅ローンを組む場合には、不動産の取得にかかる費用に加えて、ローンに関係する手数料が必要です。
住宅購入に必要な費用には次のようなものが含まれます。
- 仲介手数料:100~150万円
- 登記費用:約70万円
住宅ローン特有の費用には次のようなものがあります。
- 抵当権設定費用:3万円~
- ローン事務手数料:定額型は3~10万円、そうでない場合は借入金額の2.2%のことも
- ローン保証料:借入金額の2%ほど
- 利息負担
利息分の支払い負担が特に大きく、借入額や返済期間にもよりますが総額で数百万円から一千万円以上になることが予想されます。
現在は低金利が続いているため、変動金利であれば利息負担は軽くなりますが、返済中に金利が上がるリスクも抱えることになるでしょう。
一括で購入する場合のポイント
ローンを組まずに一括で物件を購入する場合に必要なのは、不動産取得の際にかかる手数料や税金のみで、ローン関係の費用は必要ありません。
ただし、住宅ローン控除の恩恵は受けられません。物件の種類や借り入れ金額にもよりますが、最大で400万円ほどの所得税控除が受けられるため、節税効果が高くなる人はローンの諸費用と比較しながらローン契約を検討してみてください。
ローンを組まないで家を買うのに向いている人は?
- 自己資金に余裕がある人
- ローンの返済負担を抱えたくない人
- ローリスクの資産形成を好む人
自己資金に余裕がある人
まずは、住宅を購入できるほどの自己資金があることが前提となります。
そのうえで、住宅購入後の生活費や、病気やケガなどで働けないときの生活防衛費を確保できているのであれば、ローンを組まないで物件を購入できるでしょう。
ローンの返済負担を抱えたくない人
自己資金が十分にあることに加えて、ローンの返済負担を抱えたくないと考えている人もローンを組まずに家を買うのに向いています。
数十年間にわたるローン返済の途中にはさまざまなライフイベントが待っているため、毎月数万円から数十万円に及ぶ返済には心理的負担を感じるでしょう。
利息分の支払いや、住宅ローンに関連した諸費用などの負担を軽くしたいなら一括での購入を検討してみてください。
ローリスクの資産形成を好む人
住宅ローンを組むという選択肢は、手元資金を残して運用に回したい人に合っています。
一方で、ローリスクの資産形成を好む人にはローンを組まずに一括で住宅購入が合っているといえるでしょう。
ローリスクの資産形成の例として、定期預金があります。定期預金では住宅ローンの金利を上回るほどの利回りになることは難しく、安全性が高い方法で資産形成したい人は、一括での物件購入を検討してみるのがおすすめです。
ローンを組まないで家を買う人の資金計画をマネーキャリアのFPがアドバイス!

住宅ローンを組まずに家を買うと、利息やローンに関連した手数料を支払う必要がなく、メリットは大きいですが、一方でデメリットもありました。
次のような悩みをお持ちではないでしょうか。
- 今の貯蓄額で住宅の一括購入は妥当?
- 住宅ローン控除を使わない損失はどれくらい?
- 万が一の事態への備えは十分にできている?
こうした悩みはFP相談でプロの意見を聞くことで解決できます。
【まとめ】ローンを組まないで家を買うならメリットとデメリットを理解しよう
この記事でお伝えした通り、住宅ローンを組ますに家を買うには、総支払額が少ないといったメリットと、住宅ローン控除が受けられないといったデメリットを理解したうえで、自分に合った方法かどうかを慎重に判断することが大切でした。
住宅ローンを組む場合や、組まずに一括購入する場合、住宅ローン控除を受けながら繰り上げ返済をする場合など、さまざまなケースを考えてシミュレーションするのがおすすめです。
マネーキャリアでの相談では、住宅購入の方法について選択肢が広がるほか、詳細なシミュレーションが可能で、希望の物件購入への近道が見つかるでしょう。
