
・変動金利はリスクが高いからやめたほうがいい?
・変動金利のリスクに備えてできることは?
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
<結論>
変動金利には金利上昇によるリスクがつきもので、利息分の支払いが増えて総返済額が大きくなったり、将来の資金計画が立てにくくなったりします。
対策として、金利上昇に備えた余剰資金の準備や、金利ミックス型と呼ばれる住宅ローンの検討などがおすすめです。
この記事では変動金利のリスクとその対策について詳しく解説するとともに、変動金利はやめた方がいい人の特徴を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 変動金利はやめたほうがいい?知っておきたいリスクを解説
- 金利上昇により将来の返済額が増えるリスクがある
- 金利が上がると利息の支払いが増えて元金が減りにくくなる
- 総返済額が予測できないため資金計画を立てづらい
- 変動金利か固定金利かで迷ったら無料FP相談を活用しよう!
- 変動金利はやめたほうがいい人の特徴
- 収入や家計に余裕がない人
- 金利上昇の不安に耐えられない人
- 将来のマネープランを正確に立てたい人
- あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な返済プランを見つけよう
- 変動金利のリスク対策としてできること
- 金利上昇時の返済額を様々なパターンでシミュレーションする
- 金利上昇に備えた余剰資金・貯蓄の確保
- 計画的な繰り上げ返済をする
- 金利ミックス型(ハイブリッド型)の住宅ローンも比較検討する
- 【まとめ】変動金利は仕組みやリスクを正しく把握して検討しよう
変動金利はやめたほうがいい?知っておきたいリスクを解説
変動金利を選択した際のリスクについて次の3つのポイントを解説します。
- 金利上昇により将来の返済額が増えるリスクがある
- 金利が上がると利息の支払いが増えて元金が減りにくくなる
- 総返済額が予測できないため資金計画を立てづらい
金利上昇により将来の返済額が増えるリスクがある
まず、金利上昇により将来の返済額が増える可能性があります。
返済期間が30年を超える場合など長期にわたるならそれだけ利息分の返済負担が大きくなるリスクがあるでしょう。
ただし、実際には5年ルールと125%ルールという極端な支払額の上昇を抑えるルールがあるため、月々の支払額が際限なく上がっていくことはありません。5年ルールと125%ルールについて詳しくは次の見出しで解説します。
金利が上がると利息の支払いが増えて元金が減りにくくなる
元利均等返済(毎月の支払額を一定にする返済方法)を選んだ場合、金利が急激に上がった際に支払額の急激な上昇を防ぐ5年ルールと125%ルールが適用されます。
5年ルールと125%ルールは、一時的に支払い負担を軽減しますが、総支払額を減らすものではありません。
表では、5年ルールと125%ルールについて簡単にまとめました。
元利均等返済の場合 | 5年ルール | 125%ルール |
---|---|---|
概要 | 5年ごとに金利が見直される | 金利が上昇しても支払金額は 前回の125%までしか増えない |
金利が上がった場合 | 元金が減らない 未払い利息が出る場合がある | 元金が減らない 未払い利息が出る場合がある |
金利が急激に上昇して利息分が大きくなったとき、支払額を利息分が上回る場合があります。
支払額を上回る利息を未払い利息と呼び、次に金利が下がったときに未払い分を支払うことになります。ただし、金利が上昇し続けると支払うべき利息が溜まっていくことになります。
では、月に10万円の返済をしている場合、金利が上がると何が起きるでしょうか。
10万円のうち1万円が利息、9万円が元金返済だった内訳が、金利上昇により2万円が利息、8万円が元金返済に変わるため、元金返済が進まなくなってしまいます。
金利上昇が続いても、5年に一度の見直しの際に125%ルールが適用されて支払額の上昇は12万5000円までに抑えられます。
総返済額が予測できないため資金計画を立てづらい
金利変動の影響を受けるため、数年後、10年後、20年後の月々の返済額がいくらになっているか、総支払額がいくらになるかは誰にも予測ができません。
支払額の予想ができないことから、長期的な家計の支出が不確実になり、将来のライフイベントに向けた資金計画を立てにくいことがデメリットになります。
変動金利か固定金利かで迷ったら無料FP相談を活用しよう!

ここまでで変動金利を選ぶことで生じるリスクを解説しました。
変動金利は金利が低く魅力的に思えますが、金利が上昇することで利息分の支払いが増え、資金計画が明確にならないのが大きなデメリットです。
自分には変動金利と固定金利のどちらが合っているのか迷ったらFP相談の活用がおすすめです。

変動金利はやめたほうがいい人の特徴
- 収入や家計に余裕がない人
- 金利上昇の不安に耐えられない人
- 将来のマネープランを正確に立てたい人
収入や家計に余裕がない人
ローン契約前の時点で家計に余裕がなく、余剰資金もない場合には金利上昇リスクへの備えができません。
変動金利は、ある程度収入や家計、貯蓄にゆとりがある人に向いています。
金利上昇の不安に耐えられない人
繰り返しになりますが、変動金利には金利上昇のリスクがつきものです。
リスクを許容できない人には変動金利はおすすめできません。
将来のマネープランを正確に立てたい人
不確実な部分がある変動金利では、将来のマネープランを立てても正確なデータにはならないでしょう。
子どもの進学や自分の老後資金など、将来予定している大きなライフイベントに向けて住宅ローンの返済額を含めた収支計画を立てたい人には変動金利は向いていません。
あなたにぴったりの方法は?FPと一緒に最適な返済プランを見つけよう
ここまでで、変動金利には金利上昇のリスクがつきものであること、変動金利に向いているのはリスクに対応できる余力のある人であることをお伝えしました。
自分と家族に最適な住宅ローンの組み方や返済計画について、迷ったらFPから客観的な意見を聞くのはいかがでしょうか。

変動金利のリスク対策としてできること
次の4つの方法について解説します。
- 金利上昇時の返済額を様々なパターンでシミュレーションする
- 金利上昇に備えた余剰資金・貯蓄の確保
- 計画的な繰り上げ返済をする
- 金利ミックス型(ハイブリッド型)の住宅ローンも比較検討する
金利上昇時の返済額を様々なパターンでシミュレーションする
金利上昇時のシミュレーションを行いましょう。
「もし金利が〇%上昇したら、月々の返済額と利息分の割合はどうなるか」など、複数のパターンで試算しておき、無理なく支払えるかどうか考えます。
金利上昇に備えた余剰資金・貯蓄の確保
金利上昇のシミュレーションに基づいて、リスクに備えた余剰資金・貯蓄を準備しておきましょう。
目標金額を決め、計画的に準備していくのがおすすめです。
計画的な繰り上げ返済をする
資金に余裕ができたら、計画的な繰り上げ返済を行います。
金利が低いうちに繰り上げ返済しておくことで、元金を減らし、利息の総支払額を小さくするためです。
金利ミックス型(ハイブリッド型)の住宅ローンも比較検討する
金利ミックス型(ハイブリッド型)住宅ローンとは、1つのローンのうち一部を固定金利、一部を変動金利で返済する住宅ローンのことです。
例えば、借入金額3000万円の場合、半分の1500万円は固定金利、残りの半分は変動金利で返済することで、金利上昇のリスクを半分に抑えられるというメリットがあります。
一方、金利が下がった場合には恩恵も半分になるのがデメリットです。
金融機関にもよりますが、固定金利と変動金利の割合や金利固定期間は自由に選べることが多く、繰り上げ返済する際もどちらの金利から返済したいかが選べます。
金利ミックス型の住宅ローンを提供している金融機関の一部を紹介します。
- イオン銀行
- SBI新生銀行
- 三井住友銀行
- auじぶん銀行
- りそな銀行
【まとめ】変動金利は仕組みやリスクを正しく把握して検討しよう

