

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 30歳で3500万円の住宅ローンは組める?
- 必要な世帯年収の目安は600万円〜700万円以上
- 頭金なしの場合、月々の返済額はいくら?
- 無料FP相談を活用して、プロと一緒に無理のない返済計画を立てよう
- 【実際どうだった?】30歳で3500万円の住宅ローンを契約した人の体験談
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- 頭金はいくら用意しましたか?
- ローンの組み方を教えてください
- 実際に返済を始めてみて、予想と違ったことや大変だったことがあれば教えてください
- 30歳・住宅ローン3500万円の月々の返済額をシミュレーション
- 借入期間35年の場合
- 借入期間30年の場合
- 借入期間25年の場合
- 30歳で3500万円の住宅ローンを組む際の注意点
- 「借りられる額」ではなく「返せる額」を基準にする
- 住宅の維持費がいくらかかるかシミュレーションしておく
- 団信の保障内容をしっかり確認する
- 【まとめ】30歳・住宅ローン3500万円で迷ったらFPに相談しよう
30歳で3500万円の住宅ローンは組める?
30歳は住宅ローンを組むうえで有利な年齢であり、返済期間を35年に設定できるため、3,500万円の借入も可能です。
多くの金融機関では完済時年齢の上限を80歳未満としており、30歳から35年ローンを組めば定年の65歳前後で完済できます。ただし、審査では収入や勤続年数、他の借入状況なども厳しく確認されるため、安定した収入が必要です。収入が不足すれば、希望額を借りられないこともあり得ます。
特に、年収に対する年間返済額の割合が基準を満たさなければ審査を通過できません。
必要な世帯年収の目安は600万円〜700万円以上
審査で重視される返済負担率は、一般的に年収400万円以上で35%以下が基準です。年収400万円未満では基準が30%以下となるため、同じ借入額でもより高い年収が求められます。3,500万円を金利1〜2%・返済期間35年で借りる場合、年間返済額は約130〜140万円となります。
単純計算では、年収約400万円でも35%以内に収まりますが、他の借入や金利上昇リスクを考慮すると余裕はありません。
一般的に住宅ローンの借入可能額は年収の5〜6倍が目安であり、年収600万円なら約3,000〜3,600万円の借入が適正範囲です。
実際には返済負担率25%以内に抑えることが理想で、この基準で試算すると必要年収は約600万円となります。
頭金なしの場合、月々の返済額はいくら?
頭金なしの場合、月々の返済額は以下のとおりです。フラット35を利用し、借入期間35年・元利均等・ボーナス返済なしの条件で、頭金の有無による返済額を試算しました。
金利は2025年8月時点の水準を参考に、頭金なしは年1.98%、頭金あり(融資率90%以下)は年1.87%で計算しています。
項目 | 頭金なし | 頭金1割 | 頭金2割 |
---|---|---|---|
物件価格 | 3,500万円 | 3,500万円 | 3,500万円 |
頭金 | 0円 | 350万円 | 700万円 |
借入額 (物件価格-頭金) | 3,500万円 | 3,150万円 | 2,800万円 |
金利(年) | 1.98% | 1.87% | 1.87% |
毎月返済額 | 約115,000円 | 約104,000円 | 約92,000円 |
年間返済額 | 約138万円 | 約125万円 | 約110万円 |
総返済額 | 約4,854万円 | 約4,370万円 | 約3,883万円 |
※参照:金利情報|フラット35
この試算から、頭金を多く入れるほど毎月の返済額や総返済額が大幅に減少することが分かります。
無料FP相談を活用して、プロと一緒に無理のない返済計画を立てよう

住宅ローンは長期にわたる大きな負担となるため、無理のない返済計画が重要です。無料のFP相談を利用すれば、専門家の視点から家計に合った返済プランを共に作成できます。FPは収支状況や将来のライフプランを踏まえ、毎月の返済額や返済期間の設定など、現実的な計画を提案します。
たとえば、現在の家計で返済が無理なく可能か、適したローン商品は何かといった疑問も相談を通して明確になるのです。
FPはこうした長期的視点でのアドバイスも行い、安心して返済を続けられる環境を整えるサポートをします。
早めの相談は不安解消や計画の見直し、借り換えなどの適切な対策につながり、将来の返済負担軽減に大きく貢献します。

【実際どうだった?】30歳で3500万円の住宅ローンを契約した人の体験談
ここでは、30歳で3,500万円の住宅ローンを契約した人にアンケートを実施しました。実際の声を参考に、住宅ローンについて知識を深めましょう。
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- 頭金はいくら用意しましたか?
- ローンの組み方を教えてください
- 実際に返済を始めてみて、予想と違ったことや大変だったことがあれば教えてください
住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
借入額で多かったのは3,000万〜3,499万円で、次いで3,501万〜3,999万円が続き、4,000万円超の高額借入も一定数存在します。
同じ「3,500万円前後」でも実際の借入額には幅があり、物件価格や頭金、ライフプランによって選択が異なります。住宅ローンを検討する人は、自分がどの層に近いかを意識し、シミュレーションで返済可能額を把握することが重要です。

アンケートでは、多くの人が20年未満の短期返済を選び、長期ローン利用者は少数でした。
金利負担を抑える目的で短期を選ぶ傾向が強いですが、毎月の返済額は高くなるため、安定収入や頭金の多さが条件となります。短期間は総支払額を減らせますが、家計圧迫のリスクもあるため、自身の年収・支出・ライフプランを踏まえたシミュレーションが不可欠です。
教育費や老後資金との両立を考え、返済期間を延ばして月負担を軽くする選択肢も有効です。他人の事例ではなく、自分に適した返済期間を見極めるようにしましょう。
頭金はいくら用意しましたか?

頭金額について多かったのは〜99万円の少額頭金で、次いで100〜299万円が多い結果となりました。
一方、300万円以上や1,000万円以上の高額頭金を準備した層も一定数おり、頭金額には大きな幅があることがわかります。
頭金は多く入れるほど借入額と利息負担を減らせますが、手元資金が減り引っ越し費用や教育資金に影響する可能性もあるのです。逆に少額なら現金を温存できますが、総返済額は増加します。
どちらが適切かは一概に言えず、ライフプランや収入見通し、貯蓄状況を踏まえたシミュレーションが不可欠です。返済額試算やシミュレーション結果を活用し、無理のない頭金設定を行いましょう。
ローンの組み方を教えてください

ローンの組み方で多かった回答は単独ローンで、次いでペアローン、少数派として連帯債務やフラット35が見られました。同じ年齢・借入規模でも、収入や働き方、ライフプランによって選択は大きく異なります。
単独ローンは手続きが簡単で返済責任が明確ですが、借入額は世帯収入に対し制限されやすい点があります。ペアローンや連帯債務は収入合算で借入額を増やせますが、契約や返済責任が分かれる、連帯責任が生じるなどの注意点があるのです。
実際に返済を始めてみて、予想と違ったことや大変だったことがあれば教えてください
住宅ローンは契約時に計画を立てても、返済を始めると予想外の負担を感じることがあります。金利や返済額はシミュレーション可能ですが、生活環境の変化や収入の増減、突発的な支出までは正確に予測できません。
教育費や車の買い替え、修繕費などが重なることもあり、精神的な負担も無視できません。ローンを抱えるプレッシャーや毎月の支払いへのストレスを感じる人もいます。
ここでは、30歳で3,500万円前後の住宅ローンを契約し返済を始めた人のリアルな声を紹介します。体験談を通して、自分のライフプランに沿った現実的な返済計画を考えるきっかけにしてください。

30代女性
想定外の教育費が家計を圧迫

30代男性
固定資産税と修繕費の負担が重い
月々の返済額だけを基準に計画を立てたため、固定資産税や火災保険、外壁修繕の積立などの維持費を軽視していました。

30代女性
ボーナス返済のリスクを痛感
ボーナス返済を組み込んだプランで契約しましたが、会社の業績悪化でボーナスが減額され、返済計画が大きく狂いました。

30代男性
金利上昇で支払い額が増加
変動金利で契約し、当初は低金利で安心していましたが、金利が上昇し始めてから毎月の返済額が上がり、家計への負担が増えました。

30代女性
事前にFPに相談すべきだった
契約前に専門家の意見を聞かず、自分たちだけで返済計画を立てました。しかし実際に返済を始めると、生活費や教育費のバランスが崩れ、貯蓄も減少していきました。
今回の口コミでは、返済開始後に教育費や維持費、金利上昇、ボーナス減額など想定外の要因が家計に影響した事例が多く見られました。
自己判断で計画を立て、生活費や貯蓄とのバランスを崩したケースもあり、住宅ローンが長期契約で経済状況やライフイベントに左右されやすいことがわかります。
これを防ぐには、契約前にFPなどの専門家へ相談し、複数シナリオを踏まえた資金計画を立てることが重要です。
30歳・住宅ローン3500万円の月々の返済額をシミュレーション
一般的に住宅ローンは、定年の65歳までに完済することが理想です。30歳で借り入れる場合、返済期間を35年に設定すれば完済時年齢は65歳前後となります。
ここでは、借入額3,500万円・金利1.8%・頭金なし・ボーナス返済なし・繰上げ返済なし・元利均等返済の条件で、返済期間ごとの毎月返済額を試算しました。
以下の3つのケースで、月々の返済額と総返済額を比較します。
- 借入期間35年の場合
- 借入期間30年の場合
- 借入期間25年の場合
借入期間35年の場合
借入期間35年の場合 | |
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借入金額 | 3,500万円 |
借入期間 | 35年 |
毎月返済額 | 112,381円 |
年間返済額 | 1,348,572円 |
総返済額 | 47,200,020円 |
毎月の返済額は約11.2万円で、年収600万円の場合の返済負担率は約22.6%に収まります。無理のない返済計画の目安とされる25%以内の水準であり、共働きなどで世帯収入に余裕があれば現実的な金額といえるでしょう。
一方、年収500万円程度では返済負担率が約27%となり、負担はやや重くなります。その場合は支出の見直しや配偶者の収入合算などにより、返済計画を無理のない範囲に調整することが望まれます。
30歳で借入を開始すれば完済時年齢は65歳となり、定年前の完済が可能です。35年ローンのメリットは、毎月の負担が小さく教育費や急な出費にも対応しやすい点です。
ただし、返済期間が長いため支払利息は大きくなり、総返済額は借入額の約1.3倍(約4,720万円)に達します。このうち利息は約1,220万円を占めます。
借入期間30年の場合
以下は、借入期間30年を前提としたシミュレーション結果です。
借入期間30年の場合 | |
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借入金額 | 3,500万円 |
借入期間 | 30年 |
毎月返済額 | 125,894円 |
年間返済額 | 1,510,728円 |
総返済額 | 45,321,840円 |
毎月の返済額は約12.6万円、年間では約151万円となります。年収600万円の場合、返済負担率は約25%で、一般的に無理のない目安とされる上限ギリギリの水準です。
年収700万円であれば約21.6%、500万円では約30%となり、収入によっては負担が重く感じられる可能性があります。実際には、3,500万円のローンを組むには少なくとも年収600万円、もしくは700万円以上が理想的です。
30年返済は35年返済より期間が5年短いため、利息負担を大幅に軽減できます。総返済額は約4,532万円で、35年プラン(約4,720万円)より約188万円少なく、借入額に対する利息総額も約1,032万円となり、35年返済時(約1,220万円)より負担が減ります。
借入期間25年の場合
借入期間25年の場合 | |
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借入金額 | 3,500万円 |
借入期間 | 25年 |
毎月返済額 | 144,964円 |
年間返済額 | 1,739,568円 |
総返済額 | 43,489,200円 |
毎月の返済額は約14.5万円、年間では約174万円に達します。年収600万円の場合、返済負担率は約29%と、推奨される25%を大きく上回ります。年収700万円では約24.9%でかろうじて適正範囲内、800万円で約21.7%となり、ようやく余裕が生まれる水準です。
返済期間を25年に短縮すれば、利息総額を大幅に削減できます。総返済額は約4,349万円となり、35年返済(約4,720万円)より約371万円少なく抑えられます。借入額に対する利息は約849万円(総支払額の約24%)で、35年返済時より負担が大きく軽減されるのです。
30歳で借り始めれば完済時年齢は55歳前後となり、定年前に大きな余裕を持って住宅ローンを終えられる点も大きなメリットです。
30歳で3500万円の住宅ローンを組む際の注意点

30歳で住宅ローン3,500万円を組む場合、長期にわたって無理なく返済を続けるためには注意が必要です。30代は結婚や子育て、転職などライフイベントによる収支の変動が多い世代でもあります。
住宅ローンは長期の借入であるため、無理のない返済計画を立てることが重要です。借入可能額ギリギリまで借りるのではなく、ライフプランを見据えて慎重に計画を立てましょう。
さらに、金利変動や予期せぬ収入減にも対応できるよう、余裕を持った返済計画を心がける必要があります。具体的には、以下のポイントに注意してください。
- 「借りられる額」ではなく「返せる額」を基準にする
- 住宅の維持費がいくらかかるかシミュレーションしておく
- 団信の保障内容をしっかり確認する
「借りられる額」ではなく「返せる額」を基準にする
住宅ローンの借入可能額は年収などから算出されますが、それが返済可能額と一致するとは限りません。金融機関の提示する「借りられる額」ではなく、自分たちが無理なく「返せる額」を基準にすることが重要です。
一般的に、住宅ローンの理想的な返済額は手取り収入の20〜25%程度に抑えるのが理想です。金融機関の審査では額面収入を基準に返済負担率30%超でも借入可能とされる場合がありますが、その水準まで借りてしまうと生活費や貯蓄にしわ寄せが生じ、家計への負担が大きくなります。
月々の返済額はボーナスに依存せず、毎月の手取り収入から安定的に捻出できる範囲に抑えることが大切です。収入のうち住宅ローンに充てる割合を決める際は、家計全体の支出を踏まえ、慎重に判断しましょう。
住宅の維持費がいくらかかるかシミュレーションしておく
マイホームを購入すると、住宅ローン以外にも毎年発生する税金や保険料、メンテナンス費用などのランニングコストがかかります。
戸建て住宅の場合、年間の維持費は約40万円になるケースもあり、これらを考慮せずに住宅ローンを組むと、想定外の出費に悩まされる恐れがあります。
そのため、購入前に維持費の概算をシミュレーションしておくことが重要です。以下は、価格3,500万円の新築戸建てを例にした年間維持費の目安です。
費目 | 年間費用(目安) |
---|---|
固定資産税 | 約10万円 |
都市計画税 | 約3万円 |
火災保険料(地震保険含む) | 約3万円 |
修繕費(将来の備えとして積立) | 約20万円 |
上記はあくまで概算の一例であり、地域や建物仕様、加入する保険の内容によって変動します。購入計画時には、自身の条件に合わせて詳細に試算しておくことが大切です。
団信の保障内容をしっかり確認する
住宅ローンを借りる際は、万が一に備えて団信への加入が求められるのが一般的です。
すでに民間の生命保険で十分な死亡保障に加入している場合は、疾病保障特約を付けずに保険料負担を抑える選択も可能です。持病などの理由で通常の団信に加入できない場合は、引受条件を緩和した「ワイド団信」を利用できる金融機関もあります。
ワイド団信は健康上の理由で加入を断られた人向けの制度で、金利は上乗せされますが、持病や既往症があっても加入できる可能性があります。
【まとめ】30歳・住宅ローン3500万円で迷ったらFPに相談しよう

30歳で3,500万円の住宅ローンを組む場合は、返済負担を抑えつつ将来の支出も見据えた計画が必要です。返済額は手取り収入の20〜25%以内を目安に「借りられる額」ではなく「返せる額」を基準に判断しましょう。
住宅購入後の維持費や保険の保障内容も含め、ライフプランに沿った資金シミュレーションを行うことが重要です。
迷ったときは専門FPへの相談がおすすめです。マネーキャリアなら、住宅ローンを含むお金の悩みを何度でも無料で相談できます。累計相談件数10万件以上、担当FPの経歴や口コミも事前に確認できるので安心です。
スマホから最短30秒で予約でき、オンライン完結で全国対応しているので、ぜひこの機会に活用してください。

返済開始から2年ほど経った頃、子どもの習い事や塾代が想定以上にかかり、毎月の家計に余裕がなくなりました。