
・2000万円の住宅ローンを20年間で返済すると毎月の支払いはどうなる?
・20年で返済するときのメリット・デメリットは?
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
<結論>
2000万円の住宅ローンを20年で返済すると、金利タイプにもよりますが毎月の返済額は9万5000円~10万円ほどです。
20年で返済するメリットには、利息を大幅に減らせることや、住宅ローン控除を最大限に活用できること、老後までに完済している安心感が挙げられます。
一方、20年で返済する際の注意点として、返済比率を適正範囲内に収めることや、諸費用も含めて資金計画を立てること、変動金利のリスクについて理解することなどがあるでしょう。
この記事では、2000万円を20年で返済するシミュレーションを金利タイプ別に行うほか、借入期間20年のメリットと注意点を解説します。ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 住宅ローン2000万円を20年で返済する場合の月々返済額は?
- 変動金利で借りた場合
- 10年固定金利で借りた場合
- 全期間固定金利で借りた場合
- 無料FP相談を活用して、プロと一緒に無理のない返済計画を立てよう
- 住宅ローン2000万円・20年返済のメリット
- 35年返済よりも利息を大幅に減らせる
- 老後までに完済できる安心感がある
- 住宅ローン控除を最大限活用できる
- 住宅ローン2000万円・20年返済の注意点
- 返済比率は手取り年収の20〜25%以内を目安にする
- 諸費用や手数料も含めた資金計画を立てる
- 変動金利の金利上昇リスクを理解する
- 【まとめ】住宅ローン2000万円・20年返済で迷ったらFPに相談しよう
住宅ローン2000万円を20年で返済する場合の月々返済額は?
2000万円の住宅ローンを20年で返済する場合、毎月の返済額はいくらになるでしょうか。
ここでは、金利タイプ別にシミュレーションを行い、毎月返済額と総返済額を比較します。変動金利はシミュレーション通りにはいかない場合もありますが、ローンを検討する際の参考にしてみてください。
変動金利で借りた場合
金利 | 毎月返済額 | |
---|---|---|
1~5年目 | 0.9% | 9万1000円 |
6~10年目 | 1.4% | 9万5500円 |
11~20年目 | 2.0% | 9万7300円 |
総返済額 | - | 2281万円 |
10年固定金利で借りた場合
10年固定金利で2000万円を借り入れた場合、毎月の返済額はいくらになるでしょうか。
10年固定金利とは、最初の10年目までは低い金利で借り入れでき、11年目以降に金利が上昇するタイプの住宅ローンです。
表では、当初の金利は1.95%、11年目以降に3.18%となる想定でシミュレーションを行いました。
先ほどと同じく借入金額2000万円、頭金なし、ボーナス払いなし、元利均等返済の条件を使用しています。
金利 | 毎月返済額 | |
---|---|---|
1~10年目 | 1.95% | 10万700円 |
11~20年目 | 3.18% | 10万6900円 |
総支払額 | - | 2490万円 |
このシミュレーションでは、利息が高い分毎月の支払額は10万円を超え、利息の支払いが490万円ほどになりました。
全期間固定金利で借りた場合
全期間固定金利で2000万円を借り入れた場合、毎月の返済額はどうなるでしょうか。
表では、全期間1.48%で借り入れ、元利均等返済、頭金なし、ボーナス払いなしの条件でシミュレーションしました。
金利 | 毎月返済額 | |
---|---|---|
1~20年目 | 1.48% | 9万6000円 |
総返済額 | - | 2312万円 |
毎月返済額は10万円を下回り、利息の支払いは300万円を少し超える結果となりました。
固定金利の場合、毎月の返済額が変わらず、元金の減り方も想定通りとなるため、資金計画が立てやすいのが大きなメリットです。
無料FP相談を活用して、プロと一緒に無理のない返済計画を立てよう

- 返済期間20年は短すぎる?
- どの金利タイプが一番お得?
- 返済中の家計が心配

住宅ローン2000万円・20年返済のメリット
次の3つのポイントを解説します。
- 35年返済よりも利息を大幅に減らせる
- 老後までに完済できる安心感がある
- 住宅ローン控除を最大限活用できる
35年返済よりも利息を大幅に減らせる
大きなメリットとして、利息の支払いを大幅に減らせることが挙げられます。
一例として、返済期間20年と返済期間35年の場合の毎月返済額と総返済額を比較してみました。
表では、固定金利1.5%、元利均等返済、頭金なし、ボーナス払いなしの場合でシミュレーションしています。
返済期間 | 20年 | 35年 |
---|---|---|
毎月返済額 | 9万6500円 | 6万1200円 |
年間返済額 | 115万円 | 73万円 |
総返済額 | 2316万円 | 2572万円 |
シミュレーション結果から、20年で返済する場合には利息の支払いが300万円ほどなのに対し、35年の返済期間では利息が600万円近くなっており、総支払額に大きな差が出ることがわかりました。
老後までに完済できる安心感がある
借入期間が短いことで、リタイアするまでに完済できる安心感があるのがメリットです。
現在40歳の人では、返済期間20年なら60歳までに完済できますが、返済期間35年の場合には完済時は75歳になっています。
老後資金の準備を考えると、返済期間が短いほうが資金計画が立てやすく、教育費とのバランスも考慮しやすいと言えるでしょう。
住宅ローン控除を最大限活用できる
住宅ローン控除を受けられるのは10年または13年で、省エネ住宅などの基準に適合しているかどうかで期間と適用限度額が決まります。
住宅ローンの控除額は、次の式で決まります。
年末の借入額(または限度額)×0.7%
返済期間を短く設定することで、住宅ローン控除を最大限活用できるでしょう。
住宅ローン2000万円・20年返済の注意点
返済期間が短いと毎月の返済負担が大きくなる傾向にあるため、次のポイントを押さえておきましょう。
- 返済比率は手取り年収の20〜25%以内を目安にする
- 諸費用や手数料も含めた資金計画を立てる
- 変動金利の金利上昇リスクを理解する
返済比率は手取り年収の20〜25%以内を目安にする
返済比率が適正範囲内に収まるように注意しましょう。
返済比率とは、手取り収入に対する返済額の割合のことで、無理なく返済するには20~25%に収めることが大切です。
表では、年収別の返済比率を20年で返済する場合と35年で返済する場合とで比較してみました。
借入金額2000万円、固定金利1.5%、頭金なし、ボーナス払いなしの条件を使用しています。
年収(手取り) | 返済期間20年 | 返済期間35年 |
---|---|---|
400万円(320万円) | 36% | 22% |
500万円(400万円) | 28% | 18% |
600万円(480万円) | 24% | 15% |
700万円(560万円) | 20% | 13% |
返済期間が35年あれば、年収400万円以上で返済比率が適正範囲内に収まっています。
ただし、返済期間を20年とすると、年収600万円以上が無理なく返済できる基準となるでしょう。
諸費用や手数料も含めた資金計画を立てる
住宅取得には、住宅ローン返済以外にも手数料や諸費用がかかります。
中古物件では諸費用の合計は物件購入額の6~10%、新築物件では3~7%が相場とされています。
2000万円の物件では、諸費用は中古では120~200万円程度、新築では60~140万円程度かかると予想して、資金計画に含めておきましょう。
諸費用の内訳として、次のようなものがあります。
- ローン手数料:借入金額の2.2%(44万円)
- ローン保証料:一括または金利上乗せ、数十万円
- 印紙税:2万円
- 火災保険・地震保険料:15~40万円
- 団体生命保険料:10~12万円程度
- 登記費用:土地・建物の価格による、数十万円
変動金利の金利上昇リスクを理解する
現在は低金利が続いているため、変動金利は金利が低く魅力的に思えます。
ただし、記事前半でシミュレーションした通り、市場金利が上昇した場合は毎月の返済額が増えるリスクがあります。
変動金利には5年に一度金利を見直す5年ルールや、前の期間の返済額の125%までしか返済額が上昇しない125%ルールがあります。ルールが適用されている期間にも実際の金利は上昇しているため、元金の返済は遅れていくことに注意してください。
変動金利を選ぶ際には、金利上昇を予想して複数のパターンで総支払額のシミュレーションを行ったり、金利上昇に備えて貯蓄をしておいたりすることが重要です。
【まとめ】住宅ローン2000万円・20年返済で迷ったらFPに相談しよう

この記事では、2000万円の住宅ローンを20年で返済する際の金利別シミュレーションを行い、35年間で返済する場合との比較も見てきました。
20年で返済すると利息の支払いが少なくなり、老後資金などほかの資金準備の見通しが立ちやすくなるのがメリットです。ただし、返済比率を適正範囲内に収めることや、諸費用・手数料も含めた資金計画を立てることが重要でした。
住宅ローンの返済プランや金利タイプについて不安な点は、マネーキャリアのFPに相談しましょう。詳細なシミュレーションが可能で、ローン返済以外の資金計画についても明確になるのが嬉しいポイントです。
