

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
住宅ローン3000万円・30年返済の月々返済額をシミュレーション
3000万円の住宅ローンを30年で返済する場合、毎月の返済額はいくらになるでしょうか。
ここでは、金利タイプ別にシミュレーションを行い、毎月返済額や総返済額を比較します。特に変動金利はシミュレーション通りの結果にはならない可能性もありますが、ローン契約の参考にしてみてください。
変動金利で借りた場合
変動金利を選んで3000万円の住宅ローンを契約し、30年で返済するシミュレーションを行ってみましょう。
表では、当初の金利を0.9%とし、30年の間に3回ほど金利上昇すると予想しました。
そのほかの条件として、元利均等返済、頭金なし、ボーナス払いなしとしています。
金利 | 毎月返済額 | |
---|---|---|
1~5年目 | 0.9% | 9万5000円 |
6~15年目 | 1.4% | 10万2000円 |
16~25年目 | 2.0% | 10万6000円 |
26~30年目 | 2.5% | 10万8000円 |
総返済額 | - | 3717万円 |
金利が上昇するごとに毎月返済額は数千円ずつ増加していますが、金利2.5%の期間も10万円台を保っています。また、総返済額から、利息分の支払いは700万円以上に上るとわかりました。
初期金利の0.9%を維持したまま返済を続けた場合、総返済額は3424万円となるため、金利上昇により利息の支払い額は300万円ほど増えることになります。
10年固定金利で借りた場合
10年固定金利を選んだ場合、毎月の返済額はいくらになるでしょうか。
10年固定金利とは、最初の10年間は比較的低い金利で借り入れでき、11年目以降は金利が上がるタイプの住宅ローンです。
表では、当初の金利は1.95%、11年目以降に3.18%となる想定でシミュレーションを行いました。
先ほどと同じく借入金額3000万円、頭金なし、ボーナス払いなし、元利均等返済の条件を使用しています。
金利 | 毎月返済額 | |
---|---|---|
1~10年目 | 1.95% | 11万円 |
11~30年目 | 3.18% | 12万3000円 |
総返済額 | - | 4280万円 |
10年固定金利のシミュレーションでは、金利が高い分毎月の返済額は11年目以降に12万円を超え、利息の支払い額は1200万円以上となります。
全期間固定金利で借りた場合
全期間固定金利で3000万円のローンを組んだ場合、毎月の返済額はいくらになるでしょうか。
表では、全期間金利2.6%で借り入れ、頭金なし、ボーナス払いなし、元利均等返済の条件でシミュレーションを行いました。
金利 | 毎月返済額 | |
---|---|---|
1~30年目 | 2.6% | 12万円 |
総返済額 | - | 4324万円 |
毎月返済額は12万円ほど、利息分の返済額は1300万円以上に上ることがわかりました。
固定金利を選ぶと、毎月の返済額が30年間変わらず、元金が減るスピードも想定通りとなるため、資金計画が立てやすいのが大きなメリットです。
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頭金なし・頭金ありの場合で月々返済額をシミュレーション
3000万円の住宅ローンで頭金なしと頭金ありの場合では月々の返済額にはどれくらいの差が出るでしょうか。
表では、住宅価格は3000万円、固定金利1.5%で借り入れし、30年で返済する場合、頭金ありとなしで返済額をシミュレーションしました。
このほかの条件として、ボーナス払いなし、元利均等返済としています。
頭金なし | 頭金1割 (300万円) | 頭金2割 (600万円) | 頭金3割 (900万円) | |
---|---|---|---|---|
毎月返済額 | 10万4000円 | 9万3000円 | 8万3000円 | 7万2000円 |
総支払額 | 3727万円 | 3655万円 | 3581万円 | 3509万円 |
利息軽減額 | - | 72万円 | 146万円 | 218万円 |
頭金2割の場合では頭金なしの場合と比べて総支払額が146万円も減るシミュレーション結果となりました。
繰り上げ返済した場合の効果をシミュレーション
繰り上げ返済を使うと、総返済額はどれくらい減るでしょうか。
先ほどと同じく住宅価格3000万円、固定金利1.5%で借り入れし、30年で返済するケースで、借り入れ5年後に100万円の繰り上げ返済をする場合と、10年後に100万円繰り上げ返済する場合とで返済額を比較してみました。
その他の条件として、頭金なし、ボーナス払いなし、元利均等返済としています。
繰り上げ返済なし | 5年後に繰り上げ返済 100万円 | 10年後に繰り上げ返済 100万円 | |
---|---|---|---|
毎月返済額 | 10万4000円 | 10万4000円 | 10万4000円 |
短縮効果 | - | 1年1ヶ月 | 1年0か月 |
総返済額 | 3727万円 | 3683万円 | 3593万円 |
利息軽減額 | - | 44万円 | 34万円 |
5年後に繰上げ返済した場合、繰り上げ返済なしの場合と比べて総支払額が44万円も減る結果となりました。
また、5年後と10年後を比較すると、同じ100万円の繰り上げ返済でも利息軽減額に10万円の差が出ることから、早いタイミングで繰り上げ返済するほうが効果的といえます。
住宅ローン3000万円・30年返済で後悔しないためのポイント
- 返済比率は手取り年収の20〜25%以内を目安にする
- 諸費用や団信の内容を含めて複数の金融機関を比較する
- 繰上げ返済の計画を立てておく
返済比率は手取り年収の20〜25%以内を目安にする
3000万円ローンで後悔しないために、返済比率を適正範囲内に収めるようにしてください。
返済比率とは手取り収入に対するローン返済額の割合のことで、理想の返済比率は20~25%以内とされています。
表では、3000万円ローンを20年で返済する際の年収別の返済比率をまとめました。
固定金利1.5%、頭金なし、ボーナス払いなし、元利均等返済の条件を使用しています。
年収(手取り) | 毎月返済額 | 返済比率 |
---|---|---|
400万円(320万円) | 10万4000円 | 38% |
500万円(400万円) | 10万4000円 | 31% |
600万円(480万円) | 10万4000円 | 25% |
700万円(560万円) | 10万4000円 | 22% |
表のシミュレーションから、3000万円ローンを無理なく返済できる理想の年収は600万円以上とわかりました。
諸費用や団信の内容を含めて複数の金融機関を比較する
金融機関を選ぶ際には、金利の低さを最も重視するかもしれません。
ただし、金利が低くても契約の際の諸費用が高額だったり、団信でカバーされる範囲が狭かったりする可能性もあります。
諸費用の内訳や、団信に自分と家族に必要な保障内容が含まれているかどうかも含めて金融機関を比較検討してみてください。
繰上げ返済の計画を立てておく
繰り上げ返済とは、あらかじめ決められた返済額よりも多く返済することで、最終的な利息の支払いを減らす効果があります。
繰り上げ返済には2つの種類があり、1つは期間短縮型、もう1つは返済額軽減型です。
期間短縮型は繰り上げ返済額分だけ返済期間を短縮でき、返済額減額型は残りの期間の返済額を減らせる方法です。2つを比較すると、期間短縮型の方が利息の支払いを減らす効果が大きく、おすすめの方法といえるでしょう。
【まとめ】住宅ローン3000万円・30年返済で迷ったらFPに相談しよう

この記事では、3000万円の住宅ローンを30年で返済する場合の返済額のシミュレーションを行い、頭金を入れたり繰り上げ返済をしたりするケースについても考えました。
3000万円のローンで後悔しないために、借りられる額ではなく無理なく返済できる額を基準に借り入れをし、予期しない出来事があったときのための緊急予備資金も確保しておきましょう。
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