

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
リバースモーゲージの取扱銀行はどこがいい?おすすめ5選を紹介
リバースモーゲージを選ぶ際は、銀行ごとに対象年齢などの条件が異なるため、比較検討が必要です。
以下に、代表的な5行の主な特徴をまとめました。
項目 | 東京スター銀行 | 楽天銀行 | 三井住友銀行 | りそな銀行 | イオン銀行 |
---|---|---|---|---|---|
対象年齢 | Aタイプの場合 55歳~84歳 (配偶者50歳~) | 50歳以上 | 50歳以上 (夫婦とも) | 50歳以上 | 60歳~79歳 (夫婦とも) |
資金使途 | 原則自由 (事業資金除く) | 原則自由 (事業資金除く) | 原則自由 (事業資金除く) | 住居関連の資金 | 住宅関連資金に限定 |
融資限度額 | 300万円〜1億円 | 100万円〜1億円 | 収入状況によって変動 | 100万円〜1億円 | 200万円〜所定の金額 |
金利タイプ | 変動 | 変動 | 変動 | 変動 | 変動 |
対象物件 | 戸建・マンション | 戸建・マンション | 戸建・マンション | 戸建・マンション | 戸建・マンション |
対象地域 | 首都圏・関西圏など主要都市 | 全国(一部地域除く) | 特定地域のみ | 営業地域内 | 全国 |
相談 申し込み方法 | 店頭 | インターネット | 店頭 | 店頭 | インターネット・電話 |
※参照:50歳からの 住宅ローン 『借り換え新時代』|三井住友銀行
※参照:リバースモーゲージローン「あんしん革命」不動産購入プラン|りそな銀行
※参照:イオン銀行 リ・バース 60(住宅融資保険付)|イオン銀行
東京スター銀行や楽天銀行は、資金使途の自由度が高く幅広いニーズに対応できます。一方、イオン銀行は住宅関連資金に限定されている点が特徴です。
地域や資金用途によって適した銀行は異なるため、まずは表で条件を整理し、自分の目的に近い商品を選ぶことが大切です。
東京スター銀行
東京スター銀行が提供するリバースモーゲージ「充実人生」は、自宅を担保にしながら持ち家に住み続け、老後資金を確保できる高齢者向けローンです。資金使途が幅広く、生活費や医療費など多様な目的に利用できる点が特徴です。
主な特徴は、以下の3点です。
- 資金使途は原則自由(事業目的、投資目的は除く)で、生活費や住宅ローン返済など幅広く対応可能
- 毎月の支払いは利息のみで、元本は契約終了時まで据え置かれる
- 一戸建てに加えてマンションも担保対象として利用できる
返済方式は、毎月利息のみを支払い、元本は契約者が亡くなった際に一括返済する「相続時一括返済」などが採用されています。
契約終了後は担保不動産を売却し、その代金で元本を清算します。仮に売却額で不足が生じても家族に請求されないノンリコース型です。
さらに、配偶者が所定の条件を満たせば契約を引き継いで継続利用でき、その際には必要な手続きと費用が求められます。
楽天銀行
楽天銀行の「楽天銀行リバースモーゲージ」は、自宅を担保にしながら住み続け、資金を借り入れできるシニア向けローンです。
主な特徴は、以下のとおりです。
- 資金用途は原則自由
- 毎月の返済は利息のみで、元本は契約終了時まで据え置かれる
- 対象エリアは全国
三井住友銀行
三井住友銀行のリバースモーゲージは、自宅を担保にそのまま住み続けながら資金を借り入れできる商品で、資金使途が原則自由とされており幅広い目的に利用できます。
設定した融資極度額の範囲内で繰り返し借入が可能で、一戸建てだけでなくマンションも担保対象に含まれます。
主な特徴は、以下のとおりです。
- リフォーム費用や医療費、生活費など幅広い資金用途に利用可能
- 必要なときに借入でき、毎月の返済は利息のみで元金は契約終了時に一括返済
- 戸建住宅だけでなくマンションも担保対象
りそな銀行
りそな銀行のリバースモーゲージローン「あんしん革命」は、申込対象が満50歳以上と比較的早い年齢から利用できる点が特徴です※1。
主な特徴は、以下のとおりです。
- 「不動産購入プラン」と「ライフイベントプラン」の2種類
- 極度額の範囲内で必要なときに繰り返し借入が可能
- りそな銀行の営業エリア内にある物件で利用可能
イオン銀行
イオン銀行のリバースモーゲージ「リ・バース60」は、契約者および配偶者が満60歳以上80歳未満で利用できる商品です※。
団体信用生命保険への加入が不要で、健康状態にかかわらず申し込み可能なため、年金収入のみの方でも利用しやすい点が特徴です。
主な内容は、以下のとおりです。
- 申込時年齢は60歳以上。団信加入や健康告知は不要
- 自宅の建築・購入、リフォーム資金、住宅ローン借換資金などに限定
- 借入金は契約時に一括で受け取り、借入期間中は利息のみを毎月支払う
あなたにあった銀行は?無料FP相談で最適な方法を見つけよう

住宅ローンは人生で大きな借入であり、その選択は家計に長く影響を及ぼします。マイホーム購入にあたり、どの銀行で住宅ローンを組むかは多くの人にとって悩ましい問題です。金利タイプや返済条件は銀行ごとに異なり、仕組みも複雑なため、自分に最適なローンを見極めるのは容易ではありません。
住宅ローンでの失敗を防ぐには、専門家であるFPに相談し、客観的な意見を得ることが有効です。
無料FP相談を活用すれば、複雑な仕組みを分かりやすく説明してもらえます。さらに、自分のライフプランに合った銀行や返済方法を中立的な立場から提案してもらえるため、安心して最適な選択ができます。

リバースモーゲージの取扱銀行を比較するポイント
リバースモーゲージは、利用できる地域や対象物件の種類、担保評価の見直し頻度、金利タイプや返済方法などは銀行ごとに異なります。こうした違いは、借入可能額や将来の返済計画に直結します。
特に注目すべき比較ポイントは、以下のとおりです。
- 利用できる地域・対象物件の条件
- 担保評価の見直し頻度
- 金利タイプと返済方法
利用できる地域・対象物件の条件
多くの金融機関では、担保とする自宅の所在地を主要都市に限定しています。地方銀行や信用金庫では、各行の営業エリア内にある物件のみを対象とするケースが多く、対象地域外に住んでいる場合は利用できる金融機関が限られる点に注意が必要です。
担保物件の条件については、一般的に自己名義の一戸建てで一定以上の評価額を持つ住宅が中心です。マンションも対象とする金融機関は増えていますが、評価額や立地などの条件が戸建より厳しめになりやすい点には注意しましょう。借地権付き住宅も担保価値が低いため、対象外とされるケースが多いです。

担保評価の見直し頻度
多くの金融機関では、契約後も定期的に担保不動産の評価額を見直します。評価額が下落した場合は、融資限度額も引き下げられます。契約当初に枠いっぱいまで借入していた場合には、新しい限度額を超過した部分について一部返済を求められる可能性があるのです。
不動産価値の下落によって契約途中で返済義務が発生するリスクがあるため、リバースモーゲージを利用する際には価格変動への備えが必要です。 ただし、担保評価の見直し頻度や取り扱いは金融機関によって異なります。
金利タイプと返済方法
リバースモーゲージの金利タイプは、ほとんどが変動金利型で設定されています。
金利は情勢に応じて定期的に見直され、近年は低水準で推移しています。しかし、将来的に上昇すれば毎月の利息支払額も増加し、返済負担が大きくなる可能性があるのです。
そのため、契約期間が長期に及ぶ場合は金利変動リスクを十分に考慮し、余裕を持った資金計画が欠かせません。
多くの場合「毎月は利息のみを支払い、元金は契約終了時に一括返済する方式」が採用されています。
契約者が生存中に支払うのは利息のみであり、借入元本は相続人が自己資金で返済するか、担保不動産を売却してその代金を充当する形が一般的です。
金融機関によっては、契約者存命中の返済を不要とする商品もあります。その場合は毎月の負担はなくなりますが、利息が元本に組み込まれて残高が増加し続ける点には注意が必要です。
契約終了時には借入元本と未払利息をまとめて返済するため、将来的な清算方法を事前に確認しておくことが重要です。
リバースモーゲージを利用する際の注意点
リバースモーゲージは、近年取り扱う金融機関が増え注目されていますが、利用には条件やリスクが伴います。
毎月の返済は利息のみと負担が軽い反面、仕組みを十分理解せず契約すると思わぬ不利益を被るおそれがあります。自宅を手放さずに生活費や介護費用などを捻出できる点は魅力ですが、死後に自宅を売却して一括返済する必要があるため、家族への影響を考慮しましょう。
以下の点に注意し、事前に十分確認しておくことが重要です。
- 諸費用を含めたトータルコストを把握しておく
- 資金の使い道に制限があるか確認しておく
- 家族全員と話し合って同意を得ておく
諸費用を含めたトータルコストを把握しておく
多くの金融機関では融資実行時に事務手数料や保証料が発生し、合計で数十万円に達するケースもあります。
東京スター銀行では、契約時に事務取扱手数料165,000円(初回)が必要です※1。さらに、融資額に応じた抵当権設定の登録免許税、司法書士報酬、印紙税、振込手数料などの実費も必要です。
楽天銀行のリバースモーゲージでは、契約時に最低約165,000円から極度額の1.65%の事務手数料に加え、不動産調査料がかかり、別途登記費用や印紙税も発生します※2。
このように、契約直後にまとまった初期費用が差し引かれるため、事前に資金計画へ織り込むことが大切です。
資金の使い道に制限があるか確認しておく
リバースモーゲージは、商品によって借入金の使い道に制限が設けられている場合があります。実際にどのような違いがあるのか、2つの金融機関を例に解説します。
- 住宅金融支援機構の「リ・バース60」のように住宅ローン型の商品では、資金使途が住宅の購入やリフォーム、既存ローンの借換えなど住まい関連に限定され、生活費や娯楽には使えません。
- 東京スター銀行の「充実人生」では、本人や配偶者の生活にかかる費用であれば医療費・介護費・旅行などにも利用でき、細かな制限が設けられていません。ただし、資金使途が自由なタイプであっても、事業用や投機的な用途は原則禁止です。
家族全員と話し合って同意を得ておく
リバースモーゲージを利用する前には、配偶者や子どもを含む家族全員と十分に話し合い、同意を得ることが不可欠です。
配偶者がいる場合は、夫婦で事前に理解を共有しておきましょう。多くの金融機関では配偶者を連帯保証人とすることを契約条件としており、保証人でない配偶者は契約者の死亡後、自宅に住み続けられないケースがあります。
こうした事態を防ぐためにも、夫婦双方が納得したうえで契約を結ぶことが大切です。また、子どもなど相続人となる家族とも事前に相談しておく必要があります。
特に子どもが同居している場合、親の死亡後に住居を失うリスクがあるため、契約前にしっかり説明し同意を得ておくとよいでしょう。
【まとめ】リバースモーゲージの銀行はどこがいいか迷ったら、FPに相談しよう

リバースモーゲージは、自宅に住み続けながら老後資金を確保できる制度です。しかし、金利上昇リスクや不動産価値の下落、資金用途の制限、家族の同意など注意点も多くあります。
金融機関ごとに条件やサービス内容が異なるため、自分に合った銀行を選ぶのは簡単ではありません。リスクや制度の複雑さを考えると、契約前に専門家の意見を取り入れることが重要です。
その際におすすめなのが「マネーキャリア」です。複数の銀行商品を比較し、自分に合ったリバースモーゲージを提案してもらえるほか、相続や老後の資金計画についても幅広くアドバイスを受けられます。
迷ったらまず無料相談を活用し、不安のない老後設計を始めましょう。

日本の住宅市場において戸建住宅は建物価値が経年で下がり、土地の価値が重視されます。
しかし、マンションは一住戸あたりの土地持分が小さいため、担保価値が限定的になるという事情があるのです。