

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 40歳で7000万円の住宅ローンは組める?
- 必要な世帯年収の目安は800万円〜1,000万円以上
- 頭金の有無による月々返済額の推移をシミュレーション
- 無料FP相談を活用して、プロと一緒に無理のない返済計画を立てよう
- 【実際どうだった?】40歳で7000万円の住宅ローンを契約した人の体験談
- 住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください
- 頭金はいくら用意しましたか?
- ローンの組み方を教えてください
- 実際に返済を始めてみて、予想と違ったことや大変だったことがあれば教えてください
- 40歳・住宅ローン7000万円の月々の返済額をシミュレーション
- 借入期間35年の場合
- 借入期間30年の場合
- 借入期間25年の場合
- 40歳で7000万円の住宅ローンを組む際の注意点
- 完済時年齢と定年後の返済リスクを考慮する
- ペアローンや連帯債務は片方の収入減リスクも考慮する
- ボーナス払いや退職金払いに頼りすぎない
- 【まとめ】40歳・住宅ローン7000万円の資金計画はFPに相談しよう
40歳で7000万円の住宅ローンは組める?
40歳で7,000万円の住宅ローンは、条件次第では組めます。ただし収入は1,000万円以上が理想です。
金利を低めに計算しても返済額は、1カ月約20万円になります。長期間毎月20万円の支払いを継続するためには、慎重な計画が必要です。
収入が高くても支出も多く、返済に苦労する人は多いです。毎月の家計簿をもとに、20年30年払い続けていけるかを冷静に見極めましょう。
必要な世帯年収の目安は800万円〜1,000万円以上
金利を1%と仮定し7,000万円を35年ローンで組むと、月額の返済額は197,599円、年間支払額は2,371,188円になります※。
年収による返済負担率の目安は表のとおりです。
年収 | 800万円 | 900万円 | 1,000万円 | 1,200万円 |
---|---|---|---|---|
手取り収入 (年収の8割として計算) | 640万円 | 720万円 | 800万円 | 960万円 |
返済負担率 | 29% | 26% | 23% | 19% |
手取りでの返済負担率 | 37% | 32% | 29% | 24% |
審査が通る年収の目安は800万円以上、無理なく返済できる理想的な年収は1,000万円以上です。
返済負担率の審査基準は金融機関ごとに違います。審査が通っても返済負担率の35%のギリギリの収入では、支払いが苦しくなるケースが多いでしょう。
返済負担率は20%~25%が理想(年収での目安)です。金融機関の審査は年収での審査ですが、実際は手取り収入から返していくことになります。手取りは年収の8割程度になるので、手取りで返済できるかを考えた方がより現実的です。
頭金の有無による月々返済額の推移をシミュレーション
以下の条件の元、頭金の有無による返済額の違いをシミュレーションしました。
- 35年返済
- ボーナス、繰上げ払いなし
- 元利均等返済
- 諸費用は割愛
項目 | 頭金なし | 頭金1割 | 頭金2割 | 頭金3割 |
---|---|---|---|---|
借入金額 | 7,000万円 | 6,300万円 | 5,600万円 | 4,900万円 |
金利 | 2.0% | 1.89% | 1.89% | 1.89% |
毎月返済額 | 231,883円 | 205,156円 | 182,361円 | 159,566円 |
年間返済額 | 2,782,596円 | 2,461,872円 | 2,188,332円 | 1,914,792円 |
総返済額 | 97,390,860円 | 86,165,520円 | 76,591,620円 | 67,017,720円 |
※参照:金利情報|フラット35
フラット35は頭金を入れるか、入れないかで金利が違います。頭金を入れると、借入額も減り金利も低くなるので利息負担が減らせます。
借入条件は金融機関ごとに違いがあるので、頭金の有無で金利にどのくらい違いがあるかは確認しましょう。
住宅ローンは、金融機関が提示する借入可能額の上限まで借りる必要はありません。できれば自己資金を多くし、借入金を減らした方が最小限の利息で済みます。
住宅ローンは他のローンより金利が安いとはいえ、金額が大きいので完済までには1,000万円以上の金利負担が予想されます。利息負担は少なければ少ないほど、家計が楽になります。
無料FP相談を活用して、プロと一緒に無理のない返済計画を立てよう

住宅ローンは長期で支払うことが前提です。返済中にはさまざまなライフイベントが予想されます。子供がいれば教育費が必要になり、老後資金の事も考えなければなりません。
住宅の重要性を感じて家を購入しても、お金がかかるのは住宅だけではありません。毎月の生活費に加え、家のメンテナンスや給湯器などの設備にも定期的な支出が予想されます。不測の事態に備えた貯蓄も確保しなければなりません。
審査が通りローンを支払い始めても、完済までに多くの事が予想されます。余裕のあるプランを心がけましょう。

【実際どうだった?】40歳で7000万円の住宅ローンを契約した人の体験談
35歳~45歳で約7,000万円の住宅ローンを組んだ人を対象にアンケートを取りました。
住宅ローンを検討している人は、参考にしてみてください。
※2025年09月01日~2025年09月04日時点での当編集部独自調査による
※審査や借入額は個人によって異なるためご了承ください
住宅ローンの借入額と返済期間を教えてください

約7,000万円の住宅ローンを組んだ人が対象でしたが、7,500万円~7,999万円との回答が最多で55%でした。次いで7,000万円~7,499万円が40%、7,000万円に近い6,000万円台が5%でした。
7,000万円台でも8,000万円に近い金額で組んでいる人も多いことがうかがえます。

最も多かったのは「30年」と回答した人で全体の36.8%を占めました。次いで「35年」が31.6%と続き、30年か35年を選ぶ人が全体の約7割に達しています。
一方で、「40年以上」という超長期でローンを組んでいる人も21.1%存在しており、老後まで返済が続くケースも少なくありません。逆に「25年以下」と比較的短い期間で返済している人は10.5%にとどまり、少数派となっています。
頭金はいくら用意しましたか?
頭金に関しては、1,000万円未満が最多で35%でした。次いで1,000万円~1,999万円が30%、3,000万円以上が20%、2,000万円~2,999万円は15%という結果となりました。
高額なローンを組んでいても頭金を多く用意している人は、半数程度であることがうかがえます。
ローンの組み方を教えてください

実際に返済を始めてみて、予想と違ったことや大変だったことがあれば教えてください
住宅ローンの返済が始まって、しばらくしてから後悔することもあり、7,000万円のマイホームを手に入れるためには代償も大きくなります。
「予想と違ったこと」「大変だったこと」を実際に返済をしている経験者の声を聞き、参考にしましょう。

30代男性
ボーナス払いをなくすればよかった

30代男性
家の維持費が予想以上にかかった
固定資産税や火災保険料など毎年かかる諸経費が負担になっている。住宅ローンの負担も大きいが、維持費も予想以上にかかることが後でわかった。住宅が古くなると、屋根や外壁の補修にどれだけかかるかが不安。家の維持費の情報を集めるべきだった。

30代男性
頭金をもっといれておけばよかった
収入に対する返済額の負担が多く、支払いが大変。毎月の返済額が多くプレッシャーを感じる。頭金をもう少し入れて、借入金額を減らすべきだった。審査が通っても、ずっと支払い続けられるかは別な問題。返済計画が間違っていたかもしれない。

30代男性
変動金利の上昇が常に不安
固定金利より低かったため変動金利を選びましたが、このまま低金利が続くとは思えません。40年の長期返済にしていることもあり、将来的に金利が上昇するのではないかと不安を感じています。実際に金利が上がり始めたとき、どのタイミングでどう対応すべきなのか判断できないのが悩みです。

40代男性
子供の教育費と重なり負担が大きい
住宅ローンを借りる前に、教育費も含めたプランを計画すればよかった。一時的ではあるが同時期に支出が重なるのは大変。子供が生まれた直後から住宅資金とは別に、教育費は地道に準備をしておけばよかった。収入は簡単には増やせないし、節約するしかありません。
40歳・住宅ローン7000万円の月々の返済額をシミュレーション
40歳で住宅ローンを組む場合、定年後の返済はリスクがあるため、一般的に定年を迎える65歳までに完済することが一つの目標とされています。
ここでは、7,000万円の住宅ローンを35年、30年、25年で支払う場合のシミュレーションを紹介します。
支払いの前提は次のとおりです。
- 金利は固定で1.8%
- 頭金なし
- ボーナス、繰り上げ返済なし
- 元利均等返済
借入期間35年の場合
借入金額 | 7,000万円 |
---|---|
借入期間 | 35年 |
毎月返済額 | 224,763円 |
年間返済額 | 2,697,156円 |
総返済額 | 94,400,460円 |
35年払いでローンを組むと、毎月約22万円の支払いが必要です。繰り上げ返済をしない場合は、70代以降も支払いが続きます。
35年ローンの場合、60代以降に収入が減ると返済が難しくなるため、何らかの対策を講じる必要があります。たとえば、最初から頭金を入れて返済期間を短くしたり、繰り上げ返済を活用して早めに完済を目指したりする方法です。
こうした工夫を取り入れることで、老後の負担を軽減できるでしょう。
借入期間30年の場合
借入金額 | 7,000万円 |
---|---|
借入期間 | 30年 |
毎月返済額 | 251,788円 |
年間返済額 | 3,021,456円 |
総返済額 | 90,643,680円 |
毎月の返済額が約25万円で30年間続くとなると、退職金だけでは完済が難しいケースもあります。その場合は70歳まで働き続ける必要が出てくるかもしれません。
今後の収入見通しに加え、年金額や貯蓄なども含めて総合的に判断し、無理のない返済計画を立てることが大切です。
借入期間25年の場合
借入金額 | 7,000万円 |
---|---|
借入期間 | 25年 |
毎月返済額 | 289,929円 |
年間返済額 | 3,479,148円 |
総返済額 | 86,978,700円 |
65歳まで働き続けられれば、定年までには支払いが終わることになります。毎月の返済額が大きいので、可能であれば頭金を少しでも入れて返済額を下げることも検討しましょう。
将来収入が下がる可能性は予測できても、実際どのくらい下がるかの予想は難しいものです。会社によっては55歳を過ぎると役職定年になり、収入が下がるケースもあります。60歳定年制で60歳以降は再雇用扱いにしている会社も多いです。
40歳で7000万円の住宅ローンを組む際の注意点

40歳で7,000万円の住宅ローンを組む時の注意点を3つ紹介します。
- 完済時年齢と定年後の返済リスクを考慮する
- ペアローンや連帯債務は片方の収入減リスクも考慮する
- ボーナス払いや退職金払いに頼りすぎない
注意点を押さえ、リスク対策を考えておきましょう。
完済時年齢と定年後の返済リスクを考慮する
40歳で35年ローンを組むと完済は75歳です。その間に繰り上げ返済をし、できるだけ早く完済するのが理想です。しかし理想どおりにいくとは限らず、75歳まで続く可能性があります。
定年退職後に再就職をしても、65歳までの収入を得ることは難しいかもしれません。また健康状態が悪くなり、フルタイムの勤務が困難になる可能性もあるため、ローンが残ると、年金収入だけでは返済が厳しくなります。
定年後に再度ライフプランを確認し、完済が難しい場合は、売却も視野に入れた方がよいでしょう。
ペアローンや連帯債務は片方の収入減リスクも考慮する
ペアローンや連帯債務を利用するときは、収入減のリスクを考えましょう。
7,000万円の住宅ローンを組む場合、単独の返済が難しくペアローンや夫婦で連帯債務にするケースも多いです。
ペアローンや連帯債務は、借入可能額が増える反面リスクも伴います。どちらかが病気や転職、親の介護のため収入減になる可能性もあります。単独ローンとペアローンのメリット、デメリットをあらかじめ理解しておきましょう。
ボーナス払いや退職金払いに頼りすぎない
住宅ローンの返済計画を立てる際には、ボーナス払いや退職金払いに過度に依存しないことが大切です。
職場によっては年収に占めるボーナスの割合が高いケースもありますが、ボーナスは業績次第で減額または支給されない可能性があります。
また、給与体系が見直されることで年収そのものが下がることもあり、退職金の制度についても廃止や縮小が行われることがあるのです。そのため、「ボーナスありき」「退職金ありき」での返済計画は、将来的にリスクを抱えることにつながりかねません。
【まとめ】40歳・住宅ローン7000万円の資金計画はFPに相談しよう

<住宅ローンの資金計画はFPとともに>
住宅購入は一生で一番高額な買い物の一つです。住むところが確保できれば、一生安心感も高まるでしょう。しかし身の丈に合わない買い物をしてしまうと、お金の苦労が一生つきまといます。
家計管理の習慣はすぐに変えられるものではありません。40代にまで堅実な家計を作り、無理ない計画を立てれば、住宅ローンを完済できる確率は高いでしょう。

ボーナス払いの負担が大きく、月払いだけで支払える額にすればよかった。ボーナスを原資に繰り上げ返済をしようと思っていたが、ボーナス払いを支払うだけで精いっぱい。もう少し物件の金額や借入額を少なくすればよかったと後悔している。