「ライフイベント表はどうやって作るの?」このような悩みを持っている方は多いでしょう。そこで本記事では、ライフイベント表の作成方法、キャッシュフロー表の作成方法、ライフイベントにかかる資金、ライフイベント表の作成はFPに任せるべき理由をまとめました。
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
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この記事の目次
- ライフイベント表の作成方法とは?
- ライフイベント表の作成方法を4ステップで解説
- ①ライフプラン実現のための必要資金を把握する
- ②ファイナンシャルゴールを決める
- ③ライフイベント表を作る
- ④ライフイベント表をこまめに見直し改善する
- キャッシュフロー表の作成方法を解説!
- キャッシュフロー表とは
- キャッシュフロー表の作成が重要な理由
- キャッシュフロー表を作成する際のポイント
- キャッシュフロー表の作成手順を解説
- キャッシュフローを改善する方法
- おまけ:個人のバランスシートを作成するのも良い
- ライフイベントにかかる主な費用を解説!
- ①結婚資金【約542万円】
- ②出産資金【約8.6万円】
- ③教育資金【約1,414.万円から2,872万円】
- ④住宅資金【約3,319万円から4,249万円】
- ⑤老後資金【約1,680万円】
- ⑥お墓・葬儀費用【約482万円】
- ⑦その他のライフイベントにかかる費用
- ライフイベント表・キャッシュフロー表の例を紹介!【エクセルで作れる】
- ライフイベント表の例
- キャッシュフロー表の例
- ライフイベント表の作成ならFPに相談したほうがいい理由
- 補足:ライフプランのシミュレーションはサイトでもできる
- ライフプランのシミュレーション結果が悪かった時の対処法
- まとめ:ライフプラン表の作成はFPに任せるのがベスト
ライフイベント表の作成方法とは?
こんにちは!マネーキャリア編集部です。
先日、このような相談をいただきました。
確かに、将来どのくらいの出費があって、いくら貯金を貯めればいいのか、計画を立てないと不安に感じてしまいますよね。
このようなお悩みをお持ちの方は、ライフイベント表を作成してみましょう。
ライフイベント表を作成することで、自分の将来について見直しができる上に、どのくらいの出費が発生するのかの目安がわかります。
今回の記事では、ライフイベント表の作成方法についてわかりやすく解説していきます。
ライフイベント表の作成方法を4ステップで解説
そもそもライフイベント表とは、自分や家族の人生における大きな出来事(イベント)やイベントにかかる収支についてまとめた表のことをいいます。
例えば、予想されるライフイベントには次のものが挙げられます。
- 就職
- 結婚
- 子供の出産
- 住宅の購入
- 子供の入学
- 車の買い替え
- ライフプラン実現のための必要資金を把握する
- ファイナンシャルゴールを決める
- ライフイベント表を作成する
- ライフイベント表をこまめに見直し改善する
①ライフプラン実現のための必要資金を把握する
ライフプランを実現させるためには、お金が必要になります。
まずは、実現させたいライフイベントについて、どのくらい資金が必要なのか把握しましょう。
例えば、結婚というライフイベントでも、人によってかかるお金は様々です。結婚式の有無や規模によって100万円程度で済む人もいれば500万円以上かかる人もいます。
上記のように、将来起こり得るライフイベントについて、いくら資金が必要なのかについて精査してみることが重要です。
②ファイナンシャルゴールを決める
ライフイベント表を作成する前に、自分自身のファイナンシャルゴールを決めることが重要です。
そもそもファイナンシャルゴールとは「ライフイベントの経済的な目標」のことをいいます。
ライフイベントに合わせて、目標となる貯金額などを決めていきます。例えば、ファイナンシャルゴールの設定例は次の通りです。
- 30歳までに結婚したい→それまでに結婚資金として200万円を貯金する必要がある
- 35歳までにマイホームが欲しい→住宅購入までに頭金として400万円を貯金する必要がある
- 7年後に車を買い替えたい→7年間で200万円を貯金する必要がある
- 毎年家族で旅行に行きたい→旅行資金として毎年20万円貯金する必要がある
- why→なぜそのライフイベントを実現させたいのか?
- who→ライフイベントの主体者は誰か?
- when→ライフイベントをいつまでに実現させたいのか
- where→どこでライフイベントを実現するのか?
- what→具体的に何をしたいのか?
- how/how much→時間やお金がどのくらい必要なのか?
③ライフイベント表を作る
おおよその必要資金やファイナンシャルゴールを決めたら、ライフイベント表の作成に移ります。
ライフイベント表は、次のような手順で作成します。
- 元号や西暦などの「年」の記入欄を作り、時期をわかりやすくしておく
- 家族の記入欄を作り、家族構成について記入する
- 「年」に合わせて、それぞれの家族の年齢を記入する
- 「年」に合わせて、具体的なライフイベントを記入する
- ライフイベントに必要な金額を記入する
④ライフイベント表をこまめに見直し改善する
ライフイベント表では、遠い将来のイベントまで予測して記入しますが、実際にはライフイベント表の通りにすすまないことがほとんどです。
例えば、子供の生まれる時期が1年遅れてしまうことで、子供にかかるライフイベントは1年後ろ倒しの状態になります。
ライフイベントがずれるとわかった段階で適宜見直しをかけることが重要です。
また、ライフイベント表には予想されるライフイベントに合わせて必要な金額を記載しますが、途中で金額が確定したり、出費が大きいものについては金額を見直す必要も出てくるでしょう。
ライフイベント表はこまめに見直し、改善してより良い資金計画を作る必要があります。
キャッシュフロー表の作成方法を解説!
ライフプランニングの方法としては、ライフイベント表だけでなく、キャッシュフロー表という表を作成することも重要です。
ここからは、キャッシュフロー表の作成方法について詳しく解説していきます。
キャッシュフロー表とは
そもそもキャッシュフロー表とは、将来の収支をまとめた表のことをいいます。
ライフイベント表の中では、将来起こり得るライフイベントと、必要な金額を記入していましたが、自分の貯金額や実際の収支については記入していませんでした。
しかし、ライフイベント表を作成するだけでは、貯金の計画などを立てることができず、途中でお金が足りなくなる可能性もあります。
したがって、キャッシュフロー表を作り、資金計画を立てておく必要があります。
キャッシュフロー表の作成が重要な理由
ライフイベント表があれば、将来必要な金額がわかるためキャッシュフロー表まで作る必要はないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、キャッシュフロー表の作成は非常に重要です。その理由としては、次のものが挙げられます。
- 貯金の計画を立てやすい
- 年金支給額の減額・介護保険料の上昇などの予想外の出来事に対応できる
- キャッシュフロー表を作成することで、ライフイベント表の見直しができる
キャッシュフロー表を作成する際のポイント
キャッシュフロー表を作成する際には次の2点がポイントになります。
- 収入は可処分所得を記入する
- 変動率で設定する
キャッシュフロー表の作成手順を解説
キャッシュフロー表を作る場合には、次の手順で行います。
- 収入欄を作成する
サラリーマン→可処分所得の記入
自営業→事業収入のうち、生活費や貯金に回せる金額を記入する - 支出欄を作成する
項目は決まってはいないが、生活費(食費・光熱費)、住宅費、教育費、保険料を記入する。
旅行や車の買い替えなどはその他支出にまとめて記入しても良い - 年ごとに収入と支出の合計金額をまとめる
- 収入の合計から支出の合計を引き、収支を計算する
- 貯金額の欄に計算した収支を加える
キャッシュフローを改善する方法
キャッシュフロー表を作成すると、年間収支がマイナスになってしまったり、一時的に貯金額が不足してしまう可能性も出てくるでしょう。
出来上がったキャッシュフロー表については、見直しをして、改善できる項目がないか確認してみましょう。
キャッシュフロー表を改善させるためには、次のようなものが考えられます。
- 収入が増える見込みがないか見直す
- 支出金額を減らせないか見直す
- ライフイベントの時期を遅らせることができないか考える
- ライフイベントに必要な金額を見直す
- ライフイベントを取りやめる
おまけ:個人のバランスシートを作成するのも良い
キャッシュフロー表だけでなく、個人のバランスシートを作成すると、ライフプランの形成に役立ちます。
個人のバランスシートの例は次のようになります。
資産 | 負債 |
---|---|
貯金:300万円 | 住宅ローン:2,000万円 |
住宅:3,000万円 | マイカーローン:100万円 |
車:200万円 | カードローン:100万円 |
合計:2,200万円 | |
純資産 | |
資産-負債=1,300万円 | |
資産合計:3,500万円 | 負債・純資産合計:3,500万円 |
左側の資産合計と、右側の負債・純資産合計の金額が必ず一致しますので注意が必要です。
また、株式などの価格が変動する有価証券の場合には時価で記入し、生命保険などの保険金の場合には解約返戻金などの受け取ることのできる金額を記入します。
ライフイベントにかかる主な費用を解説!
ライフイベント表やキャッシュフロー表を作成する際に重要なポイントが将来起こるイベントに対していくら費用がかかるのかという点です。
実際、結婚や出産にかかる費用やマイホームの購入資金がどのくらいかかるのかについて知らないという方も多いと思います。
ここからは、ライフイベントにかかる主な費用についての相場について解説していきます。
①結婚資金【約542万円】
結婚にかかる資金の相場は約542万円となっています。
結婚資金といっても、結納や婚約費用・結婚式の費用・新婚旅行や夫婦の同居までの生活準備資金などを含みます。
また、結婚の場合には、夫婦の財産が共同になるため、お互いの貯金や収入から出す場合もあり、実際の負担額は上記よりも少ない場合がほとんどです。
さらに、親からの援助などもある場合には、実際の負担額が少ない可能性も考えられます。
②出産資金【約8.6万円】
出産資金は約8.6万円ですが、実際には入院費用・出産費用合わせて約50万円かかります。
しかし、出産育児一時金補助が42万円支給されるため、実質的な負担額は8万円程度となります。
また、出産資金については、他の費用と異なり変動しにくい部分であるため、1人産むごとに8.6万円が必要になると考えてよいでしょう。
③教育資金【約1,414.万円から2,872万円】
ライフイベントの中でも必要資金にバラつきがあるのが教育資金で約1,414万円から2,872万円程度の資金が必要です。
教育費用については、子供の神学の状況によって大きく変わります。例えば、私立の学校は公立の学校に比べて学費が高いですし、学部や学ぶものによって授業料は異なります。
そのため、幼稚園から大学まで私立で、かつ文系よりも学費が高い理系の場合には約2,872万円程度かかります。
しかし、医学部や薬学部などの場合には、さらに学費がかかるため、子供の進学状況によってはキャッシュフロー表を見直す必要がある項目です。
④住宅資金【約3,319万円から4,249万円】
住宅資金ですが、購入する物件によって必要資金が大きく異なります。
一般的に戸建ての購入の場合の相場は約3,319万円、マンションの購入の場合には約4,249万円となっています。
住宅資金については、家族構成や住む場所によっても左右される部分が大きいです。住宅を購入せず、賃貸で過ごす場合もあるため、人によって必要金額が大きく異なります。
⑤老後資金【約1,680万円】
老後資金は約1,680万円ですが、次のような内訳となっています。
- 60~69歳の夫婦2人の毎月の支出:27.7万円
- 夫婦二人の年金収入:22.1万円
- 差額の5.6万円×60~85歳までの25年間=1,680万円
⑥お墓・葬儀費用【約482万円】
お墓・葬儀費用は約482万円ですが、次のような内訳となっています。
- お墓の費用:286万円
- 葬儀費用:196万円
⑦その他のライフイベントにかかる費用
その他にかかる費用については、医療費、車の費用、介護費用、リフォーム費用、旅行費などがあります。
上記の費用については個人差が大きい部分のため、個別に試算してみる必要があります。
また、自分の収入やキャッシュフロー表での収支状況を確認しながら調整してみる必要があるでしょう。
ライフイベント表・キャッシュフロー表の例を紹介!【エクセルで作れる】
ここからは、ライフイベント表やキャッシュフロー表の実際の記入例を簡単に紹介していきます。
ライフイベント表やキャッシュフロー表については、エクセルなどを利用して簡単に作ることができますのでぜひ実践してみましょう。
ライフイベント表の例
今回は、夫32歳、妻30歳、長男5歳として、ライフイベント表を作成してみました。
年 | 夫 | 妻 | 長男 | イベント |
---|---|---|---|---|
2021年 | 32歳 | 30歳 | 5歳 | マイホーム購入:頭金400万円 |
2022年 | 33歳 | 31歳 | 6歳 | 小学校入学(私立):300万円 |
2023年 | 34歳 | 32歳 | 7歳 | 海外旅行:100万円 |
2024年 | 35歳 | 33歳 | 8歳 | 車購入:200万円 |
キャッシュフロー表の例
キャッシュフロー表では、ライフイベント表の支出をもとに収支を入力します。
西暦 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|
収入 | 700万円 | 720万円 |
生活費 | 230万円 | 260万円 |
教育費 | 50万円 | 300万円 |
住宅費 | 400万円 | 100万円 |
その他 | 20万円 | 30万円 |
支出合計 | 700万円 | 690万円 |
収支 | 0万円 | 30万円 |
貯蓄残高 | 500万円 | 530万円 |
上記以外にも支出項目が様々あるため、自分のライフプランに合わせて柔軟に変更するとよいでしょう。
ライフイベント表の作成ならFPに相談したほうがいい理由
ここまでライフイベント表の作成方法や、ライフイベントにかかる平均費用について解説してきました。
とはいえ、
このように感じた方は多いでしょう。
その心配は正しく、筆者もアプリではなく、お金のプロであるFPに相談するべきだと考えています。
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補足:ライフプランのシミュレーションはサイトでもできる
ライフプランニングでは、様々な計画を立てる必要がありますが、自分ではどのように計算したら良いかわからないという人も多いと思います。
ライフプランについてはサイトを利用してシミュレーションすることが可能です。
ライフプランのシミュレーション結果が悪かった時の対処法
ライフプランのシミュレーションをしてみた場合には、収支がマイナスになってしまう可能性も十分考えられます。
もし、シミュレーション結果が悪い場合には、次のように対処してみましょう。
- ライフイベントを見直す
イベントをやめるか、金額を下げるか検討する - 資金を積み立てて準備する
不足分を計算し、毎月積み立てて準備する - 生活費を見直す
無駄な生活費を削るなど - 収入を上げる
妻がパートで働く、夫が転職するなど
まとめ:ライフプラン表の作成はFPに任せるのがベスト
- ライフイベント表とは、自分の将来のイベントや出費についてまとめた表のこと
- ライフイベント表とキャッシュフロー表を作成することで、将来の資金計画を立てることができる
- 将来のイベントを予測し、そのイベントにどのくらいのお金が必要か考えることが重要
- ライフイベント表はエクセルで簡単に作成することもできるが、シミュレーションを出せるサイトもある
- FPにライフプラン表の作成を相談することで、アドバイスを受けられる