▼この記事を読んで欲しい人
- iDeCoの詳しい始め方が知りたい人
- iDeCoの運用や給付のやり方が知りたい人
- iDeCoを利用する際の注意点が知りたい人
▼この記事を読んでわかること
- iDeCoの始め方のステップ
- iDeCo利用における区分による加入条件と掛金の上限額について
- iDeCoを利用する際のポイントとその注意点
保険に関する悩みならまずはマネーキャリアの無料相談を気軽に利用してみてください!
内容をまとめると
- iDeCoの加入資格は国民年金の加入区分「第1被保険者・第2被保険者・第3被保険者」で決まる
- iDeCoの加入資格の区分に基づいて掛金上限額が決まる
- iDeCoの運用商品は「元本確保商品」と「投資信託」がある
- 今の時代年収資産運用や積み立てをしていないと将来お金に困ることになる
- 資産運用や積み立てに関する相談はお金のプロであるFPに相談すべき
- FP相談で迷ったらマネーキャリアがおすすめ
iDeCoを始めようと考えている方には「始め方がわからない、やり方がよくわかってない」と思っている方がいると思います。そこで今回はiDeCoの始め方から運用・給付のやり方まで詳しく解説します。ステップ別に解説しているのでこの記事を参考に始めてみるといいでしょう
監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。
>> 谷川 昌平の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- iDeCoの始め方から運用や受給のやり方まで徹底解説
- iDeCoの始め方ステップ①iDeCoの加入資格を確認しよう
- 加入資格条件を加入区分に分けて紹介
- 会社員がiDeCoに加入できる条件を詳しく解説
- iDeCoの始め方ステップ②掛金を決めよう
- iDeCoの掛金を決めるにあたって掛金の上限を確認
- 会社員のiDeCo掛金の上限額を詳しく解説
- iDeCoの始め方ステップ③資産運用の基礎を知ろう
- iDeCoの始め方ステップ④運用商品を選ぼう
- 運用商品の仕組みと特徴
- iDeCo運用商品①元本確保商品
- iDeCo運用商品②投資信託
- iDeCoの始め方ステップ⑤金融機関を選ぼう【3つのポイント解説】
- ①その金融機関に魅力的な商品があるか
- ②サービスは充実しているか
- ③手数料はどれくらいかかるか
- iDeCoに加入するために用意するものをご紹介
- ①iDeCoの申し込み書類
- ②事業所主証明書
- ③本人確認書類の写し
- ④基礎年金番号のわかるもの
- ⑤掛金の引き落としの際に使う口座番号
- ⑥銀行届提出印
- iDeCoの加入手続きから運用開始までの期間は?
- iDeCoの加入手続きから運用開始までには1〜2ヶ月かかる
- Web申し込みなら簡単にできる【ステップをご紹介】
- iDeCoの給付(受け取り方)について解説
- 会社が行うiDeCoの手続きを詳しく解説
- ①事業主の証明書発行
- ②現況届の提出
- ③各種変更の手続き
- ④年末調整
- 会社員がiDeCoに加入するメリットを解説
- 所得控除が受けられる
- 運用益が非課税になる
- 転職先にiDeCoの資産を持ち込むことが可能
- 会社員がiDeCoに加入するデメリット
- 運用次第では元本割れするリスクがある
- 原則として60歳まで引き出すことができない
- 手数料がかかる
- 不安があればマネーキャリア でプロの方に無料相談しよう
- まとめ:iDeCoの始め方から運用や受給のやり方まで
iDeCoの始め方から運用や受給のやり方まで徹底解説
こんにちは、マネーキャリア編集部です。
先日、iDeCoの加入を検討されている方からこんな相談がありました。
ご自分が現在の仕事を引退後、豊かなセカンドライフを望む方々は多いことでしょう。その際に頼りとなる資金確保手段としてiDeCoがあげられます。
しかし、iDeCoには加入資格があり、運用前に進めるべき手続きがあります。iDeCoの仕組みを良く把握した上で、利用するか否かを判断したいものです。
今回はiDeCoの加入方法や運用、必要な書類等について解説していきたいと思います。iDeCoに必要な手続きのことで、悩んでいる方のお手伝いとなれれば幸いです。
iDeCoの始め方ステップ①iDeCoの加入資格を確認しよう
正式名称は「個人型確定拠出年金」です。iDeCoは運用方法を選び、毎月掛金を拠出し運用していく私的年金です。
iDeCoの始め方に厳格な加入条件はありませんが、ご自分の職業によってはやや手続きに手間取るケースも想定されます。
こちらでは
- iDeCoの加入区分
- 会社員がiDeCoに加入するには
以上を解説します。
加入資格条件を加入区分に分けて紹介
まず、ご自分の加入資格条件をチェックするのがiDeCoの始め方です。とはいえ、iDeCoは原則誰でも加入できる私的年金制度です。
加入資格条件は次のように区分されます。
- 第1号被保険者:自営業者
- 第2号被保険者:会社員・公務員等
- 第3号被保険者:専業主婦・専業主夫
会社員がiDeCoに加入できる条件を詳しく解説
iDeCoでは会社員の場合、4種類に細分化されています。いずれも年齢が20歳~60歳未満であることは共通の条件です。
会社員は次の4つに分けられます。
- 企業型DC無し+他の企業年金等がない
- 企業型DC無し+他の企業年金等がある(確定給付企業年金・厚生年金基金)
- 企業型DC有り+他の企業年金等がない
- 企業型DC有り+他の企業年金等がある(確定給付企業年金・厚生年金基金)
iDeCoの始め方ステップ②掛金を決めよう
原則どなたでも加入できるiDeCoですが、ご自分がどんな職業かで掛金の上限は違ってきます。職業問わず一律に同額の上限と言うわけではありません。
特に、会社員の場合は4種類に細分化されており、ケースにより上限額へ差が出てきます。
こちらでは
- 掛金の上限について
- 会社員の掛金上限額
iDeCoの掛金を決めるにあたって掛金の上限を確認
iDeCoの拠出限度額は、職業によって次の通りとなります。
- 自営業者→月額6.8万円(年額81.6万円)
- 会社員・公務員等→月額1.2万円(年額14.4万円)~月額2.3万円(年額27.6万円)
- 専業主婦・専業主夫→月額2.3万円(年額27.6万円)
会社員のiDeCo掛金の上限額を詳しく解説
会社員の拠出限度額は次の通りです。
- 企業型DC無し+他の企業年金等ない→月額2.3万円
- 企業型DC無し+他の企業年金等があり→月額1.2万円
- 企業型DC有り+他の企業年金等がない→月額2万円
- 企業型DC有り+他の企業年金等がある→月額1.2万円
iDeCoの始め方ステップ③資産運用の基礎を知ろう
iDeCoは基本的に60歳から運用したお金が受け取れる有期年金です。長期的な視点に立ち資産運用を行っていきます。また、運用のための商品も1種類ではありません。
iDeCoの基本的な内容は次の通りです。
- 加入年齢:20歳~60歳未満
- 運用商品:投資信託・定期預金・保険
- 運用期間:基本的に10年以上
- 考えられるリスク:金利リスク、為替リスク、信用リスク、価格変動リスク、インフレリスク等
- 運用のコツ:長期運用・分散投資
加入前にiDeCoの強みだけでは無く、運用の際のリスクに関しても良く把握する必要があります。「とてもこのようなリスクがあっては、安心して運用できない。」と感じたら、加入を見送ることも選択肢の一つです。
iDeCoの始め方ステップ④運用商品を選ぼう
iDeCoの運用商品は複数存在します。組み合わせによってはハイリスク・ハイリターンの運用、リスクを可能な限り避けることができる運用と、ご自分のニーズに合わせて運用商品を選ぶことができます。
こちらでは
- 運用商品
- 元本確保ができる商品
- 投資信託に関する商品
運用商品の仕組みと特徴
iDeCoの運用商品は大きく分けて次の2つに分類されます。
- 元本確保商品:元本が確保されている運用商品で、定期預金や保険が該当。
- 投資信託:運用成績で利益に大きな変動が出る運用商品、株式・債券が該当。
- 運用商品の種類
- 運用商品の特徴
- 期待できるリターン
- 想定されるリスク
- 運用商品の価格に影響を与える要因等
iDeCo運用商品①元本確保商品
元本が確保されている運用商品で、定期預金や保険が該当します。原則として運用成績の良し・悪しに影響されず、拠出した分のお金は戻って来る仕組みです。
リスクは皆無に等しく、大きな損失を出すことはまずありません。ただし、所定の利息が上乗せされて運用していくものの、大きな運用成果は得られない点に注意が必要です。
元本確保商品だけで運用する場合、長期運用した割にリターンがほとんど大きくならないことは把握しておきましょう。
iDeCo運用商品②投資信託
投資信託は数多くの投資家から集めたお金を一つの大きな資金として、運用の専門家が株式・債券等に投資・運用する商品です。
運用成績によっては大きな成果が得られる一方、運用がうまくいかないと損失の出る場合もあります。主な種類として、国内債券型・外国債券型・国内株式型・外国株式型に分類されます。
こちらの種類にも違いがあり、国内債券・外国債券はリスクの低い方ですが、リターンも少なめです。一方、国内株式・外国株式はリスクが高く、それに比例してリターンも大きいです。
そのため、iDeCoを扱う多くの金融機関では、複数の種類を組み合わせた「バランス型」の運用が推奨されています。
iDeCoの始め方ステップ⑤金融機関を選ぼう【3つのポイント解説】
iDeCoの始め方として、iDeCoの申し込める金融機関を選ぶ必要があります。金融機関を選ぶ場合「日ごろから利用している銀行が扱っているので、こちらで申し込む。」という決め方も間違いではありません。
しかし、iDeCoを扱う金融機関毎に扱う商品、サービス内容、手数料等は異なります。ご自分に有利な金融機関を選ぶのは良い選択方法です。
こちらでは
- 金融機関の魅力的な商品で選ぶ
- サービスで選ぶ
- 手数料で選ぶ
①その金融機関に魅力的な商品があるか
iDeCoを扱う金融機関ごとに揃えている運用商品は異なります。運用商品の内容は良くチェックするべきです。
例えば、ご自分が投資の初心者で損失を可能な限り避けたいなら、どんな国内債券・外国債券を提供しているのか確認したり、元本確保商品もチェックしたりして、それらを多様に選べる金融機関へ申し込みましょう。
一方、ある程度のリスクを払っても大きなリターンに期待したい場合は、国内株式・外国株式に関する金融商品が充実した金融機関を選びます。
②サービスは充実しているか
iDeCoの始め方としては、申込む金融機関のサービスがご自分に合っているのか、よく検討することも大切です。
iDeCoの運用方法をわかりやすく解説してくれるホームページなのか、緊急に問い合わせたい場合にコールセンターはいつでも対応しているのか、報告書等が充実しているのかも選ぶポイントです。
このような運用時に役立つサービスを、わかりやすく明記しているかどうかも比較検討します。
③手数料はどれくらいかかるか
iDeCoの始め方で気になるところは、開設した口座で毎月かかる管理手数料等です。概ね171円~600円程度とかなり差があります。
一概に「管理手数料が安い=優良金融機関」というわけではないものの、運用の負担を可能な限り減らしたいなら、かかる手数料もよく確認して金融機関を選ぶべきです。
ただし、サービス内容が充実している分、手数料を高く設定しているケースもあり、どちらを重視するかはご自分次第です。
iDeCoに加入するために用意するものをご紹介
運用商品・金融機関を決めたらなら、iDeCoの始め方の手順としていよいよ加入申込を行う段階となります。申込には様々な書類等が必要となります。
こちらでは
- 申込書類
- 事業主の証明書
- 本人確認書類
- 基礎年金番号に関する書類
- 預金通帳
- 印鑑
①iDeCoの申し込み書類
iDeCoの申し込みはwebで申込む場合、申込書類を取り寄せて提出する場合とがあります。web申込の場合は希望の金融機関のホームページから入力します。
また、書類に記入して提出する場合も、書面は金融機関のホームページからダウンロードできることもあります。申込書類は、各金融機関独自の書類が用意されています。
申込書類で提出するなら、コールセンターへ問い合わせるか、実際に金融機関を訪問し窓口で受け取っても構いません。
②事業所主証明書
こちらの書類も金融機関で取得しますが、ご自分の他に勤め先の担当者から記入してもらいます。会社員・公務員の方々以外は不要です。
勤務先のiDeCo担当者へ提出し、速やかに記入してもらいましょう。この証明書の添付がないと会社員・公務員の方々は加入できません。
担当者の手続きの遅れで加入できなかった期間が発生すれば、その分加入者の不利益になってしまいます。
③本人確認書類の写し
運転免許証、パスポート、健康保険証、住民票等いずれかの写しが必要です。有効期限の切れた本人確認書類では、提出のやり直しを要求される場合があります。
また、web申込の場合はご自分の顔写真等をアップロードする必要があります。スマートフォンから書類がアップロードできる等、便利な方法で手続きが進められる金融機関も多いです。
④基礎年金番号のわかるもの
ご自分の年金手帳または基礎年金番号通知書等の書類を用意します。これらの書類が手もとに無い場合でも次のような方法で確認できます。
- ねんきんネット(登録している場合)
- 国民年金保険料納付書
- 国民年金保険料領収書 等
⑤掛金の引き落としの際に使う口座番号
掛金は国民年金のようにご自分で納付するわけでなく、毎月設定した金額が引き落とされます。iDeCoの口座の番号を、通帳やキャッシュカードで確認しましょう。
なお、一度引き落とす掛金額や口座を定めても、ご自分の事情の変化に応じてそれぞれ変更が可能です。この場合は変更届出書へ変更したい内容を記入し提出することになります。
⑥銀行届提出印
申込書類で提出する場合は押印が必要です。iDeCoの口座の銀行届出印を用意します。別の印鑑を使用すると、銀行届出印で押印するよう要請される場合もあります。
なお、web申込みで手続きをする場合、押印はしなくても良い金融機関があります。その場合、銀行届出印を準備する必要はありません。
iDeCoの加入手続きから運用開始までの期間は?
iDeCoの始め方は加入手続き完了後すぐに運用可能、というわけにいきません。申込後に審査が必要となります。書類を揃えるのは手間と言えますが、申込書や提出書類の不備がないか等の確認作業にやや時間もかかります。
こちらでは
- 運用開始時期
- Webの申し込み手順
以上を解説します。
iDeCoの加入手続きから運用開始までには1〜2ヶ月かかる
必要な書類が全て揃ったら、申し込みたい金融機関へ提出します。その後、その書類をもとに国民年金基金連合会で加入資格の審査が行われます。
審査の結果、問題がなければ国民年金基金連合会から
- 個人型年金加入確認通知書
- 個人型年金規約
- 加入者・運用指図者の手引き
といった通知書類が自宅へ郵送されます。
この通知書類の到着でiDeCoの管理口座が開設されます。申込~口座開設・運用まで約1~2ヶ月かかります。なお、不備の訂正等が必要な場合、その分開始時期が遅れてしまいます。
Web申し込みなら簡単にできる【ステップをご紹介】
web申し込みならば面倒な書類への記入も無く、スムーズに手続きが進むことでしょう。
概ね次のような流れで手続きを行います。
- webでエントリー(氏名・メールアドレス・生年月日等を入力)
- 登録完了メールが届く
- 加入申込手続き開始
- 加入希望者の情報入力
- 引き落とし口座の入力
- 本人確認書類の添付(書類データのアップロード)
- iDeCo運用商品の選択
- 全ての入力完了後、申込受付のメールが届く
iDeCoの給付(受け取り方)について解説
60歳以降に有期年金(分割)として受け取る方法、一括でもらう方法が選べます。一時金・年金の併用受取も可能です。どのような受け取り方なら都合が良いか、よく検討しておきましょう。
その他、ご自分が60歳以前に高度障害状態となった場合はその時点で受け取れます。また、60歳以前にご自分が死亡してしまった場合は、遺族がお金を受け取ることもできます。
なお、ご自分が50歳以上でiDeCoに加入し、通算加入者等期間が10年未満だと受取年齢は繰り下がります。
通算加入者等期間 | 受取開始年齢 |
---|---|
10年~ | 60歳~70歳の間 |
8年~10年未満 | 61歳~70歳の間 |
6年~8年未満 | 62歳~70歳の間 |
4年~6年未満 | 63歳~70歳の間 |
2年~4年未満 | 64歳~70歳の間 |
1ヶ月~2年未満 | 65歳~70歳の間 |
なるべく50歳前に余裕を持って、コツコツ掛金を拠出し運用していった方が、基本的に60歳から運用したお金を受け取れて安心です。
会社が行うiDeCoの手続きを詳しく解説
自営業の方々・専業主婦(主夫)の方々は不要ですが、会社員や公務員等の方々は勤務先の協力も得て、iDeCoの手続きを進める必要が出てきます。
こちらでは
- 証明書発行
- 現況届
- 変更の手続き
- 年末調整について
①事業主の証明書発行
会社員等の方々は、事業所から事業主証明書を発行してもらいます。第2号被保険者なら、必ず提出しなければいけない書類です。忘れずにiDeCoの担当者へ手渡しましょう。
なお、加入希望者が記入する欄は2ヶ所程度です。残りは担当者が書き込んでいきます。特に会社の担当者の正確な記入が求められる書類と言えます。
会社の担当者は、記入後に事業主控えを必ず切り取って手元へ保管し、それ以外は加入希望者へ手渡すことになります。
②現況届の提出
現況届は会社員等として個人型年金へ加入できる資格、その限度額に変動がなかったかどうか、年1回届け出ることが法令上定められている書類です。こちらも事業主側(担当者)に証明をしてもらいます。
この書類では、加入者である従業員の在籍確認・確定給付企業年金の資格の有無、会社の企業型年金の実施状況等を証明します。
なお、記録関連運営管理機関から事業主へ郵送され、事業主側(担当者)は証明事項に記入して返送します。届出期日までに提出しなければ、加入者の掛金が引き落とせなくなることもあります。
③各種変更の手続き
こちらも事業主側が手続きします。次のような変更のある場合は手続きが必要です。
(1)事業主の変更
- 事業所名・所在地等
- 金融機関
- 納付方法
- 登録事業所廃止
- 企業年金制度
- iDeCoに加入者を採用
- 加入者退職
- 加入者の掛金額
- 事業主払込を選択中の加入者掛金が納付できない
④年末調整
掛金の納付方法として「事業主払込」または「個人払込」を選択しているはずです。もし個人払込を選択しているなら「小規模企業共済等掛金払込証明書」に基づき年末調整を行います。
国民年金基金連合会から加入者へこの証明書が送付されます(10月前後)。加入者は証明書を事業主へ提出します。
一方、事業主払込なら掛金は給与から天引きされます。この場合の年末調整では、源泉徴収ですでに天引きされた掛金額を確認、必要があれば行います。
会社員がiDeCoに加入するメリットを解説
会社員の場合、自営業の方々のように多額の掛金は拠出できませんし、手続きの制約も多いです。しかし、iDeCoには無視できないメリットがあります。
こちらでは
- 所得控除
- 運用益も非課税
- 転職先でもiDeCoを継続できる
所得控除が受けられる
iDeCoは掛金全額が所得控除とされます。会社員であるなら給与所得から差し引かれます。その分、所得税・住民税が軽減されます。
ご自分の掛金が毎月1万円なら年間12万円、所得税・住民税の税率がそれぞれ10%なら、1年間で24,000円の税金が軽減されます。
この所得控除を受ける方法は前述した事業主払込の場合、基本的に加入者は何もしなくて構いません。一方、個人払込ならば年末調整にて所得控除の申告手続きします。
運用益が非課税になる
投資信託を運用すると通常なら、運用益に対し15.315%の所得税・復興特別所得税、5%の地方税が課税されます。
iDeCoの場合は運用益に課税されません。iDeCoなら受取開始年齢が原則60歳以降なので、老後資金形成を目的に長期運用されます。
課税されないまま運用益を再投資できるので、その分、他の金融商品よりも多くの資産を増やすことが期待できます。
転職先にiDeCoの資産を持ち込むことが可能
iDeCoの資産を持ち運びが可能です。どういう意味かと言えば、現在の勤務先でiDeCoに加入後、転職時もiDeCoの資産が消滅するわけではありません。退職するまで、同じ会社でiDeCoを運用する必要は無いのです。
企業型DCの導入企業で、企業型DCへ移換はもちろん、iDeCoに加入しても良いならその継続もできます。
転職先で企業型DC未導入ならiDeCo継続ができます。iDeCoの運用で転職に支障が出るわけではありません。転職も自由に可能です。ご安心ください。
会社員がiDeCoに加入するデメリット
会社員がiDeCoに加入する場合は、やはり事前に把握しておくべきリスクが存在します。このリスクは自営業者・専業主婦(主夫)でも同様です。
こちらでは
- 元本割れするリスク
- 60歳まで引き出し困難
- 手数料について
運用次第では元本割れするリスクがある
元本確保型で運用するならまず損失は考えられません。しかし、株式や債券等の投信信託で運用する場合は、運用成績が悪いと最悪元本割れを起こす事態も考えられます。
元本割れになれば掛金として拠出した満額は返ってきません。ハイリターンを目指すのは加入者本人次第ではあるものの、老後の資金確保を目的として運用する以上は、なるべくリスクを下げる工夫も行いましょう。
原則として60歳まで引き出すことができない
先ほども述べたように、原則として運用したお金は60歳以降でなければ、受け取ることができません。
しかし、運用期間中でも加入者が60歳前に高度障害状態または死亡した場合は、運用したお金が受け取れます。
また、一定の条件(例:国民年金の保険料免除者になった、障害給付金の受給者ではない等)にすべて当てはまれば中途脱退でき、「脱退一時金」の受取も可能です。
詳しくはiDeCo公式サイト「脱退一時金」をご覧ください。
手数料がかかる
iDeCoでは手数料もかかり、国民年金基金連合会は初回手数料2,829円、毎月の加入者手数料105円を支払い、掛金を加入者に還付する必要がある場合、1,048円の還付手数料が発生します。
その他、各金融機関の手数料も考慮に入れなければいけません。それぞれ手数料が異なるのでよく確認してみましょう。
金融機関の毎月の手数料は概ね200円台~500円台です。ただし、手数料が高い分、サービスが充実しているところもあります。
不安があればマネーキャリア でプロの方に無料相談しよう
そんなときは、金融商品の相談ができる「マネーキャリア」を利用してみましょう。iDeCoや保険の相談が無料で受けられます。
何より、マネーキャリアでは金融商品・運用・税金の専門家である「ファイナンシャルプランナー」にアドバイスを受けられます。そのため、iDeCoの不明点・疑問点が遠慮なく質問できます。
まとめ:iDeCoの始め方から運用や受給のやり方まで
この記事ではiDeCoの始め方や手順、iDeCoのメリット・デメリットについて解説してきました。
iDeCoは老後の資金確保のための頼もしい私的年金ですが、加入前に十分把握しておかなければいけない点は多いです。
老後の資金運用の際にトラブルが起きては大変です。強みだけに注目せず、想定されるリスクも踏まえて、加入するか否かを判断してみましょう。
この記事では次の内容を紹介しました。
- iDeCoの始め方はまずご自分の職業を確認すること
- 職業によって掛金拠出限度額は異なる
- 会社員・公務員等は提出書類も追加され、掛金拠出限度額も低く設定されている
- 会社員・公務員等は事業主の証明が必須